データ移動サービス

データ移動サービスにより、アプリケーションはソース・データベースからターゲット・データベースにデータを移動できます。ソース・データベースとターゲット・データベースは、同種でも異種でも構いません。 つまり、単一システム上にあっても複数システム間に分散していても 構いません。データの移動のほかに、サービスはデータを変換し、 アプリケーションが 必要とする基本的なデータ・ライフ・サイクル機能を 提供することができます。

データ移動サービスは 5 つの主要コンポーネントでインプリメントされています。
  1. (ソース) Capture コンポーネント
  2. (ターゲット) Apply コンポーネント
  3. ETL (extract、transform、load) コンポーネント
  4. Source Life Cycle コンポーネント
  5. Target Life Cycle コンポーネント
Capture コンポーネントと Apply コンポーネントは連携して、ソース・データベースからターゲット・データベースにデータを移動します。ETL コンポーネントは、ソース・データベースのデータ構造がターゲット・データベースのデータ構造と異なる場合に必要なデータ変換を実行します。以下の図は、 データ移動サービス内のプロセス・フローを説明しています。

データ移動サービスのプロセス・フロー

データ移動サービス・フローは、以下の手順に従います。
  1. ソース・テーブルのデータは、例えばモニター・サーバーによって、保管され、頻繁に更新されます。Capture コンポーネントは、ソース・テーブルに対して実行されたデータの変更を 作業テーブルに記録します。
  2. 事前定義した間隔で、この変更は Apply コンポーネントによって識別され、作業テーブルに記録されます。
  3. 変更が正常に記録された後で、ETL コンポーネントが呼び出されます。
  4. ETL コンポーネントは、Apply 作業テーブルに保管されているデータと事前定義規則を使用して、必要な変換を実行します。正常に変換されたデータはターゲット・テーブルに書き込まれます。不完全、または誤りのあるデータは、後で処理するために別の作業テーブルのセットに保存されます。
  5. ETL の処理が完了すると、Target Life Cycle コンポーネントがアクティブになります。
  6. 時間の経過とともに、Apply 作業テーブルに大量のデータが累積される可能性があります。 これらのテーブルで ETL コンポーネントによって正常に処理されたデータはすべて、Target Life Cycle コンポーネントによって除去されます。
  7. データが正常にターゲット・データベースにコピーされると、そのデータは不要になり、Capture 作業テーブルから除去できます。Capture コンポーネントは、作業テーブルを 定期的に整理し、リソースの不測の事態の発生を低減させます。
  8. Capture 作業テーブルからデータを除去すると、Source Life Cycle コンポーネントの呼び出しをトリガーします。
  9. 正常に処理され、削除する準備ができているとマークされ、ソース・ライフ・サイクル保存ポリシーを通過したデータは、ソース・データベースから除去されます。
次の図のように、Capture コンポーネントおよび Source Life Cycle コンポーネントは、通常はソース・システム上にありますが、Apply コンポーネント、ETL コンポーネント、および Target Life Cycle コンポーネントは、 ターゲット・システム上にあります。

ソース・データベースとターゲット・データベース

データ移動サービス内では、ソース・データベースとターゲット・データベースで使用されているデータ構造に応じて、コンポーネントの複数のインスタンスが使用される場合があります。 コンポーネント・インスタンスの数は、ビジネス指標グループの数、およびビジネス指標モデル内のソース・テーブルとターゲット・テーブルの数に直接関連しています。それぞれのインスタンスは一意的に識別されます。以下の規則が WebSphere® Business Monitor に適用されます。 コンポーネントのインスタンスとは、例えば、実行可能プログラム、データベースのストアード・プロシージャー、またはデータベースのトリガーなどです。
WebSphere Business Monitor では、データ移動サービスの 2 つのインスタンスが使用されています。
状態データベースからランタイム・データベースへのデータ移動サービスは、モニター・サーバーによって状態データベースに保管されたデータを処理し、そのデータをダッシュボードからアクセス可能なランタイム・データベースに移動します。ランタイム・データベースからヒストリー・データベースへの データ移動サービスは、ランタイム・データベースからヒストリー・データベースにデータを移動します。 以下の図は、この移動を説明しています。

データ移動サービス

以下の情報は、これらのサービスのデフォルト構成、構成方法、開始/停止方法、および モニター方法について説明しています。

関連タスク
データ移動サービスのデプロイ
データ移動サービスのオプションの構成
データ移動サービスのセットアップのファイナライズ
開始および停止スクリプトの統合
ランタイム・データベースからヒストリー・データベースへのデータ移動サービスの開始
ランタイム・データベースからヒストリー・データベースへのデータ移動サービスの停止
状態データベースからランタイム・データベースへのデータ移動サービスの開始
状態データベースからランタイム・データベースへのデータ移動サービスの停止

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