WebSphere Business Monitor でのタイム・スタンプの表現方法

WebSphere® Business Monitor は、その Data Services コンポーネントで複数のデータベースを使用しているため、タイム・スタンプがデータベースの複製中にこれらのデータベース間でシステムによりどのように変換されているかを理解することが重要です。

WebSphere Business Monitor のトポロジーで使用可能な構成は多数あります。 タイム・スタンプで希望する結果を得るために、これらのトポロジーをセットアップする方法を理解する必要があります。関連するサーバーは、ランタイム・データベースを含んでいるサーバー、ヒストリー・データベースを含んでいるサーバー、および WebSphere Portal がインストールされているサーバー (DB2® Alphablox のロケーション) です。 結果をすべてグリニッジ標準時 (GMT) で報告する場合は、ランタイム・データベース、ヒストリー・データベース、および WebSphere Portal の各マシンは、すべてシステム・クロックが GMT に設定されている必要があります。その結果、すべてのタイム・スタンプおよびディメンション・レポートは GMT で処理されます。

すべての時間を東部標準時 (EST) で報告する場合は、すべてのサーバーが EST に設定される必要があります。各クライアントを異なる時間帯にする場合、すべてのサーバーを GMT に設定することが推奨されます。WebSphere Portal を使用したクライアント設定が GMT でない場合、タイム・スタンプを使用するレポート (これらは WebSphere Portal の設定に関連する)、およびディメンション分析を使用するレポートの間に矛盾が生じます。これらは GMT に基づいています。 以下に技術的な詳細を示します。

状態データベースのタイム・スタンプ列は、Java™の long 型で保管されます (GMT に基づいた、直列化された Java タイム・スタンプ)。これらのタイム・スタンプが 3 つのデータベースを移動していくと、状態データベースとランタイム・データベース間の ETL 手順中に、それらは Java の long 型から実際の DB2 タイム・スタンプに変換されます。この変更は、long 型をタイム・スタンプに変換し、そのタイム・スタンプ型を DB2 に戻す Java ベースの UDF を使用して行われます。この時点で、ランタイム・データベースがホストされているサーバーのクロック設定に基づいて、タイム・スタンプが変換されます。このシステム・クロックが GMT に設定されている場合は、これらのタイム・スタンプは GMT に変換されます。それ以外の場合は、それらはシステム・クロックの時間帯オフセットと夏時間調整オフセットに基づいて変換されます。それらは、GMT ではなくその時間帯に相対的に、DB2 に保管されます。DB2 は、時間帯オフセットを取得してタイム・スタンプに適用するための特殊レジスターを提供します。

ヒストリー・データベースに移動されるタイム・スタンプは変換されないため、ヒストリー・データベースはランタイム・システムと同一の時間帯でタイム・スタンプを保管します。これは、ランタイム・データベース・サーバーとヒストリー・データベース・サーバーが同一の時間帯設定を使用しなければならないことを意味します。ETL において、これらのタイム・スタンプは DIM_TIME 表と比較されます。DIM_TIME 表は単独では時間帯を持ちませんが、データベース・サーバーとともに使用することで、そのサーバーの時間帯設定を使用します。したがって、DIM_TIME 表へのすべてのマッピングでは、検索されている DIM_TIME およびタイム・スタンプが、ヒストリー・データベース・サーバーの時間帯 (GMT でない場合がある) に相対的であると想定されます。

また、WebSphere Portal をホストしているサーバーも、ランタイム・データベース・サーバーおよびヒストリー・データベース・サーバーと同一の時間帯である必要があります。現在は、ダッシュボードが (時間ディメンションを使用せずに) 直接タイム・スタンプ列をクエリーすると、現行のアーキテクチャーは、ランタイム・データベースとヒストリー・データベースの時間帯がダッシュボード・サーバーのものと同一であると想定します。タイム・スタンプは Java のタイム・スタンプに変換して戻され、WebSphere Portal はデータベース・サーバーのタイム・スタンプがそれ自体と同一の時間帯を使用すると想定し、これらの設定に基づいてタイム・スタンプを GMT に変換して戻します。クライアント・マシンの時間帯設定が異なっている可能性があります。WebSphere Portal がタイム・スタンプを正しく GMT に変換すれば、問題は発生しません。WebSphere Portal、ランタイム・サーバー、およびヒストリー・サーバーが同一の時間帯設定を持つ場合のみ、正しく変換されます。

最後の項目は、WebSphere Business Monitor の時間ディメンションの設計によるため、あまり簡単ではありません。ETL フェーズにおいて、ディメンション分析用の時間ディメンションへのいくつかのリンクがあります。分析をしている個々のユーザーは、クライアントの時間帯設定には関係なく、これらのレポートがランタイム・データベース・サーバーとヒストリー・データベース・サーバー (GMT からこれらのサーバーの現地時間への変換が行われる) の時間帯に基づいていることを認識する必要があります。時間ディメンションの細分性は 1 日ですが、時間帯の相違により特定のレコードが発生した日付を変更する可能性があります。


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