主に商品情報を保管して管理するため、WebSphere Product Center にマスター・カタログが作成されます。以下のセクションでは、種々のソースからデータを収集し、編成済みのカタログ構造にその情報をアセンブルするステップについて説明します。
- インポート・コンソールの概説
- データ・ソースの取得
- インポート・フィードの作成に必要なアイテムの定義
- インポート・フィードのセットアップ
- 着信ファイルの WebSphere Product Center へのロード
インポートとは、データを外部ソースから WebSphere Product Center に入力するフィードのことです。 最初にインポートを手動で構成したら、後はスケジュールに従って、あるいはオンデマンドで実行できます。 WebSphere Product Center では、複数のソースから複数のデータ・タイプ (アイテム、バイナリー・ファイル、カテゴリー・ツリー、カテゴリー化マッピングなど) をインポートして複数の目的 (更新、置換、削除) を達成することが可能です。
インポート・コンソールは、多様なデータのソースからカタログを作成するためのツールです。インポート・コンソールは、すべてのデータを WebSphere Product Center にインポートするための交換台の役割を果たします。インポート・コンソールから、WebSphere Product Center にフィードするデータを表示、変更、作成できます。
インポートするには、WebSphere Product Center への多くのデータおよびファイルのフィードを定義して実行する必要があります。インポート・コンソールには、作成されたフィードのリストが提示されます。
インポート・コンソールにアクセスするには、メニュー・パス「コラボレーション・マネージャー」>「インポート」>「インポート・コンソール」を使用します。
図 7.1 - インポート・コンソール
コンソール・ビューのカスタマイズ
このコンソールをカスタマイズして、列をソートしたり非表示にしたりできます。ユーザー・プロファイルに設定が保管されます。カタログ・コンソールのビューをカスタマイズするには、以下のようにします。
1. カタログ・コンソールの右上隅で、構成ボタン
をクリックします。ポップアップ・ウィンドウに構成テーブルが表示されます。
2. 列をソートするには、「ソート列」で選択を行います。1 つだけ選択できます。
3. フィールドを非表示にするには、「非表示列 (Hide column)」で選択を行います。複数を選択できます。
4. 「その他のオプション」テーブルで、昇順または降順に表示するためのソート順序を設定し、1 ページに表示する行数を設定します。
5. 「保管」をクリックして、カスタマイズした設定を保管します。カタログ・コンソールに、新しくカスタマイズした設定が表示されます。
インポートのリストのソート
- 「インポート・コンソール」のインポートは、インポートの「タイプ」または「名前」別にソートできます。 ソートするには、「名前」列または「タイプ」列の見出しの名前をクリックします。
コンソールの列
以下の表では、「インポート・コンソール」のそれぞれの列をリストしています。
タイプ
インポートのタイプを示すアイコン。インポート・タイプのリストについては、前のセクションの「インポート・コンソールのアイコン」を参照してください
名前
インポートの名前
検索されたファイル
WebSphere Product Center の文書ストアで検索されたソース・ファイルのドロップダウン選択
検索
WebSphere Product Center へのデータ・ソースの手動によるロードを実行します
ロード
特定のカタログへのデータ・ソースのアップロード
セマンティクス
インポート・タイプが更新、置換、削除の場合に示されます
ソース
使用されるソール・ファイルの名前
ファイル仕様/インポート・スクリプト
使用されるファイル仕様またはインポート・スクリプトの名前
マップ
アイコンをクリックして、カタログ・マッピングに使用するファイルを表示または編集します
カタログ/カテゴリー・ツリー
インポートに使用するカタログとカタログ・ツリー
ACG
インポートに使用する ACG
「インポート・コンソール」にインポートを作成する前に、インポート準備のために実行する必要のあるいくつかのステップがあります。 このセクションでは、インポートの作成およびスケジュールを行う前の以下のインポート準備タスクを説明します。
- データ・ソースの取得
- データの使用可能化
- データ・ファイルの確認
- インポートのセットアップに必要なオブジェクトの作成
データを WebSphere Product Center にインポートする前に、アクセス可能なディレクトリーまたは FTP サイトにソース・ファイルがなければなりません。最も正確な商品情報がデータ・ファイルにあり、以下のデータ・ソースにいずれかの形式が WebSphere Product Center へのインポートに使用可能であることを確かめてください。
- 文字区切り
- タブ区切り
- コンマ区切り値 (CSV)
- 固定幅
- XML
注: 次のステップに進む前に、ソース・ファイルが上述のリストで言及されているいずれかの形式であることが必要です。
ソース・データ・ファイルが WebSphere Product Center へのアクセスに使用できることを確認します。ファイルを FTP を介してアップロードする場合、FTP サイトへの適切な許可が適用されていることを確かめてください。必要であれば、ふさわしいチーム・メンバーに連絡してください。
ソース・データ・ファイルを分析し、ファイル構造、フィールド、および関連する属性を書き留めます。この情報は、次のステップでファイル仕様を作成する際に必要です。
インポートをセットアップする前に、作成しておかなければならないオブジェクトがいくつかあります。 これらのオブジェクトの多くはインポートのセットアップの際に作成できますが、事前にこうしたタスクを完了させる方が簡単です。 以下は、インポートのセットアップに最低限必要なオブジェクトです。
ファイル仕様 ファイル仕様は、インポートを構成するために必要です。ファイル仕様の作成については、『データ・モデル・マネージャー』セクションを参照してください。 基本仕様 基本仕様は、WebSphere Product Center カタログ構造の形式を構成するのに必要です。これには階層の仕様が含まれる場合があります。 基本仕様の作成に関しては、『データ・モデル・マネージャー』セクションを参照してください。 仕様マッピング データを正しいカタログに適切に経路指定するには、ファイル仕様をふさわしいカタログ/階層にマップする必要があります。 仕様のマッピングについては、『データ・モデル・マネージャー』セクションを参照してください。 基本仕様を使用するカタログの作成 ファイル、カタログ、およびその他の関連オブジェクトを作成してマップしたなら、次のステップはカタログの作成です。 カタログの作成について詳しくは、『プロダクト・マネージャー』を参照してください。
『インポート準備』セクションで説明されていたように、インポート用のアイテムをセットアップしたなら、外部ファイル情報を WebSphere Product Center カタログに取り込む方法を定義します。 インポート・フィードの定義は、新規インポートの作成によって行われます。
図 7.2 - 「新規インポート」ウィザード
新規インポートの作成
メニュー・パス「コラボレーション・マネージャー」>「インポート」>「新規インポート」を使用するか、または「インポート・コンソール」で「新規」をクリックします。 「新規インポート」ウィザードが表示されます。 「インポートの作成 (Create Import)」ウィザードの各ステップを実行してインポートを作成します。
1. インポート名
インポートの名前を入力し、「次へ」ボタンをクリックします。
インポート名は、他の名前と区別できなければなりません。重複は許可されません。選択するフィード名は、意味のあるものにしてください。
たとえば、「メインフレームからのアイテム属性」または「カタログ X のイメージ」などできます。
2. アクセス制御グループの選択
「アクセス制御グループの選択 (Select Access Control Group)」ドロップダウン・メニューから、アクセス制御グループを選択します。アクセス制御グループが存在しない場合、「新規」ボタンをクリックして作成します。
3. データ・インポート・タイプの選択
ドロップダウン・メニューからデータ・インポート・タイプを選択して、「選択」ボタンをクリックします。以下の値が選択できます。
バイナリーのフィード カタログ内の各アイテムのバイナリー・ファイルのフィード (たとえば、イメージ、doc、PDF)。 階層のフィード 階層のフィードには、簡単にブラウズできるよう、カタログ内のすべてのアイテムを編成するために設計された階層が含まれています。 アイテムのフィード アイテムのフィードには、商品カタログにある各カタログ・アイテムについて説明する重要な記述情報が含まれています。 アイテムからカテゴリーへのマップのフィード アイテムからカテゴリーへのマップのフィードは、カタログ内に既に存在するアイテムを、着信データの一部としてアップロードされる階層にマップします。 このフィードは、新規アイテムおよび適切なカテゴリー化情報を含むファイルを、新規カタログに直接アップロードするのにも使用できます。 階層は、新規カテゴリーが追加されるたびに更新されます。 4. データ・インポート・セマンティクスの選択
インポート・フィード・セマンティックを選択して、「選択」ボタンをクリックします。
インポート・フィード・セマンティクスは、宛先カタログに既にあるアイテムに着信ファイルが影響を及ぼす方法を指定します。
更新 カタログにあるアイテムを着信ファイルで指定されたアイテムで更新し、既に着信ファイルにのみ存在するカタログにアイテムを追加します。 置換 現行カタログのコンテンツを、着信ファイルのコンテンツで置換します。 削除 着信ファイルで指定されたアイテムをカタログから削除します。 5. データ・ソースの選択
データ・ソース名を選択して、「選択」ボタンをクリックします。データ・ソースは、WebSphere Product Center にインポートされるデータ・ソースを定義します。
このステップでユーザーは新規データ・ソースを変更または作成できます。 新規データ・ソースを作成するには、「新規」をクリックします。 データ・ソースを編集するには、「編集」ボタンをクリックします。
新規データ・ソースの作成のステップには、データ・ソースの名前の指定とデータ・ソース・タイプの選択も含まれます。 データ・ソース名は、可能な限り記述的であるべきです。 データ・ソース・タイプには以下のオプションがあります。
- WebSphere Product Center は FTP を介して検索します
- 文書ストアから (FTP を含む)
- Web ブラウザーを介したアップロード
6. 文字セットの選択
次のステップでは、「文字セットを選択してください」ドロップダウン・メニューから、着信ファイルのエンコードを選択します。 着信ファイルで使用されている文字セットと一致するものを選択します。 着信ファイルに、アルファベット 26 文字と 10 個の数字以外の文字が含まれる場合に、特にこれが重要になります。システム・デフォルトは、「Cp1252: Windows Latin-1」です。
注: 適切な文字セットを選択しないと、インポート中に問題が生じる場合があります。
7. ファイル仕様の選択
ファイル仕様は、着信ファイルの属性と形式を定義します。 ドロップダウン・メニューから既存のファイル仕様を選択するか、「新規」をクリックして新規ファイル仕様を作成します。
8. カタログの選択
カタログは、データが WebSphere Product Center にインポートされる場所を定義します。 既存のカタログを選択するか、または「新規」をクリックして新規カタログを作成します。
9. ファイルからカタログへのマッピング
既存のマッピングを選択するか、または「新規」をクリックして新規マッピングを作成します。 新規マッピングを作成するには (または既存のマッピングを変更するには)、ドロップダウン選択フィールドを使用して、ファイル仕様 (左列) の各フィールドがカタログ (右列) のフィールドと一致するようにしてください。 高度な操作 (フィールドの連結、ストリング処理など) を行う場合は、「式エディター」ボタンをクリックします。
10. カタログ・インポート・スクリプトの選択
単純なカタログ・インポート・スクリプトは常にデフォルトで生成されます。 デフォルトで生成されるスクリプトを選択するか、または「新規」をクリックして新規インポート・スクリプトを作成します。
11. 承認権限の選択
インポート・フィードの作成の最終ステップは、承認権限を選択することです。このオプションのステップを使用すると、インポート・ジョブを生成する前にそれを検討して、承認する責任をゆだねるユーザーを選択できます。フィードが開始されたときに通知されるユーザーを選択します。
12. インポート・コンソールに戻る
この時点で、インポート・フィードが構成されました。最後のステップは、インポート・ジョブを実行して、WebSphere Product Center で管理できるカタログを取り込むことです。
インポートを定義した後、インポートを手動でスケジュールするかまたはオンデマンドで実行されるように設定できます。 インポートを実行する前にまず外部データ・ソース・ファイルを入手する必要があります。
文書ストアへのファイルのロード
インポート・コンソールでは、各インポート・フィード用の「移動」ボタンが 2 つあります。1 つは「検索」列内に、もう 1 つは「ロード」列にあります。
外部着信ファイルを検索するには、適切なインポート・フィードの「検索」列の「移動」ボタンをクリックします。検索された列には、「フィード用のファイルがありません。(No files for feed.)」と表示されます。ファイルがフェッチされると、ファイルの選択がドロップダウン・メニューに表示されます。
ファイルがフェッチされると、文書ストアに置かれます。文書ストアは、WebSphere Product Center に出入りするすべてのファイルとデータに対するリポジトリーです。これによって、実際に WebSphere Product Center にアップロードされる前にすべてのファイルをプレビューする機会が提供されます。
インポートの開始
インポート・コンソールの 2 つの「移動」ボタンの 2 番目のボタンは、フェッチされたファイルを指定されたカタログに文書ストアからアップロードします。「ロード」列から、「移動」ボタンをクリックします。
通知のためにアラートを構成できます。E メール、またはロードが完了したホーム・ページのアラート・モジュールが使用できます。承認権限が割り当てられている場合、ユーザーのホーム・ページ・アラート・モジュール・インターフェースを介して、フィードを承認または拒否できます。 商品情報は、プロダクト・マネージャー・モジュールを使用して管理できます。
インポートの変更
インポートを変更するには、古いインポートを削除して新規インポートを作成するのが最善です。なぜなら、新規ファイル仕様を選択することはできないなどの理由が挙げられます。別のファイル仕様を使用するには、新規インポートを作成して、適切なファイル仕様を選択します。
インポートの削除
各フィードの最初の列にある削除ボタンをクリックすると、フィードを削除できます。
注: フィードの削除は、元に戻せません。 インポート・フィードの削除を確認するダイアログ・ボックスが表示されます。
バイナリー・ファイルは、WebSphere Product Center にインポートされる前に圧縮される必要があります。たとえば、イメージのグループをインポートするために、*.zip ファイルがソース・ディレクトリーに作成されます。圧縮ファイルが検索されると、WebSphere Product Center の文書ストアに保管され、文書ストアのディレクトリー /public_html/ctg_files に解凍されます。 バイナリー・ファイルには、jpg、gif、または pdf などのファイルを含めることができます。
図 7. 4 - バイナリーのフィードのアップロード
バイナリー・インポートの作成
以下のステップにより、バイナリー・ファイルのインポート・フィードを作成します。
メニュー・パス「コラボレーション・マネージャー」>「インポート」>「インポート・コンソール」を使用すると、インポート・コンソールが表示されます。 「新規」をクリックして、「新規インポート」ウィザードにアクセスします。 ウィザードの各ステップを完了します。
1. インポート名 - バイナリーのフィードの名前を入力します
2. アクセス制御グループの選択 - フィードに使用するアクセス制御グループを選択します
3. インポート・タイプの選択 - 「バイナリーのフィード」を選択します
4. インポート・セマンティクスの選択 - 「更新」を選択します
5. データ・ソースの選択 - バイナリーのフィード用のデータ・ソースを選択するか、新規データ・ソースを作成します
ZIP アーカイブからのパスの保持 (Y または N) については、
必ず「No」を選択します。すべてのイメージ・ファイルは、文書ストアの「public_html/ctg_files」に保管されます。アーカイブのパスを保持すると、イメージが間違ったディレクトリーに解凍されます。
6. 文書ストア・パスの入力
空白のままにするか、「次へ」をクリックします。文書ストア・パスは想定されるので、パスを入力する必要はありません。アプリケーションがファイルを unzip する際、すべてのイメージは ctg_files ディレクトリーに置かれます。
7. ファイル名とパスに対するアクションの選択
どちらもデフォルトを受け入れない (Accept the default Neither) - このオプションは、ダウンストリーム・システムからのイメージの場合に使用します。 この場合、大文字であっても小文字であっても、イメージ・ファイルは問題ありません。
8. 承認権限の選択 - 必要な場合には、インポートを承認するユーザーを選択します。
これで、インポート・フィードの作成は完了です。次のステップは、圧縮ファイルを WebSphere Product Center にアップロードすることです。
圧縮ファイルのアップロード
バイナリー・インポート・フィードの定義後、圧縮ファイルを WebSphere Product Center で検索することが次のステップです。 このフィードでは、「ファイルの検索 (Retrieve Files)」列に「フィード用のファイルがありません (No files for feed)」と表示されます。
1. インポート・コンソールから、新規作成されたフィードを見付け、「検索」列で「移動」をクリックします。
2. 「ブラウズ」をクリックし、圧縮ファイルを選択してから、「アップロード」をクリックします。ZIP ファイルへのパスが、「ファイル」フィールドに表示されます。
3. インポート・コンソールに戻るか、文書ストアでファイルを表示し、「コラボレーション・マネージャー」メニューから「文書ストア」を選択します。
アップロードされたファイルすべては、組織の「feed_files」ディレクトリーのサブディレクトリーに保管されます。このディレクトリーは、インポート・フィードの名前にちなんで名前が付けられます。
圧縮ファイルが文書ストアにアップロードされると、解凍されます。
バイナリー・ファイルの解凍
1. インポート・コンソールで、「ロード」列の「移動」をクリックします。WebSphere Product Center はイメージを ctg_files ディレクトリーに unzip します。
2. ロードの処理状況を確認するには、「最新の状況を確認」ハイパーリンクをクリックします。
ロードが完了すると、「スケジュール状況情報」に「実行完了」状況が表示されます。文書ストア・ハイパーリンクをクリックして、解凍済みバイナリー・ファイルすべてを表示します。
既存のインポート・テーブルは、外部データ・ソースから WebSphere Product Center にインポートできます。 ルックアップ・テーブルのインポートを作成する方法は、「新規インポート」ウィザードを使って他のインポートを作成する方法と似ています。
ルックアップ・テーブル・インポートの作成
「インポート・コンソール」から「新規」をクリックします。 「新規インポート」ウィザードが表示されます。
1. 固有のフィード名を選択します。
2. 「アクセス制御グループ」を選択します。
3. データ・タイプ「アイテムのフィード」を選択します。
4. 関連するフィード・セマンティクス、データ・ソース、およびファイル仕様を選択します。
5. 「カタログの選択 (Select Catalog)」から、インポートするルックアップ・テーブルを選択します。
6. ルックアップ・テーブル・マッピングのファイルを定義します。
7. インポート・スクリプトを選択します。必要な場合、新規インポート・スクリプトを作成します。
8. 必要な場合、承認権限を選択します。
9. 新規インポート・フィードを保管します。
10. インポートを実行します。