WebSphere Product Center で内部または外部の宛先用にカタログをカスタマイズして作成することができます。カタログは、顧客、パートナー、および印刷したカタログ、または会社の Web サイトに自動的に発行できます。以下のセクションでは、任意の宛先に商品情報を配布または発行するためのメソッドについて説明されています。
- エクスポートの概説
- エクスポートのためのカタログの準備
- エクスポートの作成
- エクスポートの実行
- エクスポートの管理
エクスポートは、(内部または外部の) 顧客に商品情報を配布または発行するために作成されます。 WebSphere Product Center の柔軟なアーキテクチャーを使用すると、データの単一リポジトリーを使用して、複数のカタログのある複数のマーケットプレイスに、ビジネスを広げられます。
WebSphere Product Center のエクスポート・コンソールを使用して、以下のタスクを実行します。
- 任意の形式によるカタログのエクスポート
- 差異の発行
- コンテンツのサブセットの発行
- 宛先指定データと標準情報のマージ
エクスポート・コンソールの列
タイプ
シンジケートのタイプを示すアイコン。『エクスポート・コンソールのアイコン』セクションを参照してください
名前
エクスポート・ジョブの名前
カタログ・アイテム
シンジケートされるカタログおよびアイテムのグループの名前
バージョン
シンジケートされるカタログのバージョン
マッピング
カタログ仕様と宛先仕様間のマッピング特性の表示 / 編集
宛先仕様
宛先仕様の名前
ファイル・タイプ
使用するカタログ・エクスポート・スクリプトとパラメーター値セットの名前
階層
使用する階層の名前。クリックして、表示または編集します。
ジョブ情報
シンジケート・ジョブの詳細情報。ジョブの実行時、状況、警告、および生成ファイルのリストを表示します。
承認
シンジケートの前に承認が必要な場合、この列に受諾または拒否の状況が表示されます
アラート
シンジケートにアラートが構成された場合、この列に表示されます
宛先
シンジケートの宛先モード
以下のセクションでは、カタログをエクスポート用にセットアップする前に必要なアイテムについて取り上げます。幾つかのアイテムはエクスポートのセットアップのウィザードで実行可能ですが、セットアップ・プロセスを簡単にするには事前にこうしたアイテムを準備しておくのが有益です。
宛先仕様
WebSphere Product Center でエクスポート・ジョブを作成するときは、宛先ファイルの正確な要件を定義するために宛先仕様が必要です。ファイル仕様や基本仕様と同様、宛先仕様の各ノードに属性を定義できます。データ・エクスポートの際、宛先仕様は事前定義された要件に準拠したファイルを生成します。
アイテム選択
データ・モデル・マネージャーのエクスポート・コンポーネントを使用すると、カタログからアイテムのグループの基本選択を、指定された宛先に送ることができます。 基本選択には、カタログ、カタログ・バージョン、およびエクスポートで使用する階層が含まれます。
カタログから宛先へのマップ
カタログからの宛先仕様へのマップは、カタログ内のフィールドを経路指定する方法を WebSphere Product Center に指示するという点で、インポートで使用するファイルからカタログへのマップと似ています。カタログ内のフィールドは、宛先ファイルのフィールドにマップされます。 シンジケートが正常に行われるためには、このマッピングが必要です。
階層
『インポート』の章で説明されていたように、WebSphere Product Center では、階層はカタログとは別に保管されます。これにより、ユーザーは選択した階層を使用して、カタログを表示したり、エクスポートしたりできます。
宛先モード
カタログをエクスポートすると、承認または検査 (あるいはその両方) の目的で複数の宛先に送ることができます。ユーザーは、シンジケートの配布コンポーネントを使用して、カタログの送信先の宛先を選択できます。カタログは、E メール (E メールの本体) または FTP の形式で送信できます。
新規エクスポートを作成する際、「新規エクスポートの作成 (Create New Export)」ウィザードを使用してエクスポートのセットアップの各ステップをウォークスルーできます。 これは、詳細なプロセスを単純化するのに役立ちます。
ウィザードの各ステップでは、以下の機能ボタンを使用できます。
編集
新規作成
選択
![]()
次のステップに続行
エクスポート・コンソールに戻る
エクスポートのセットアップ
メニュー・パス「コラボレーション・マネージャー」>「エクスポート」>「新規エクスポート」を使用するか、または「エクスポート・コンソール」で「新規」ボタンをクリックして、「宛先アップロード」ウィザードを表示します。 ウィザード駆動の GUI の各ステップを完了してください。
1. エクスポート名 - 新規エクスポートの名前を入力して、「次へ」をクリックします。 分かりやすい固有の名前を付けてください。
2. 宛先使用の選択 - この仕様は、最終的にエクスポートされるデータの各フィールドの形式、長さ、および必要性を指示するものです。 必要であれば、ユーザーは該当するボタンをクリックして宛先仕様を作成または編集できます。
3. カタログの選択 - 「カタログの選択 (Select Catalog)」ドロップダウン・フィールドで、以前に作成されたカタログを選択して、エクスポートするカタログを指定します。 通常、エクスポート用に選択されるカタログは、特定の顧客をターゲットとしています。つまり、特定の顧客固有の情報のみが含まれることになります。
この情報には、価格設定、契約発効日、および顧客商品 ID などのデータを含めることができます。カタログから宛先仕様へのマップを使用すると、WebSphere Product Center ではマスター・カタログまたは子カタログのどちらからでもデータをエクスポートできます。
4. バージョンの選択 - 「カタログ・バージョンの選択 (Select the Catalog Version)」では、エクスポートするカタログを選択する機会があるだけでなく、カタログのバージョンを選択することもできます。 WebSphere Product Center は、アップロードおよび変更された各カタログのすべてのバージョンを自動的に保管します。フィードまたはエクスポートが実行されると、カタログの新規バージョンも作成します。この機能を使用すると、特定の顧客に対する送信をサポートしていないカタログにアイテムが追加されたなどの場合に、旧バージョンの同じカタログをエクスポートできます。
- 最新のバージョン - ジョブを実行するたびに、すべての更新を含む最新の商品情報がエクスポートされます。 この選択は「動的」です。
- その他のバージョン - ジョブを実行するたびに、特定の同じカタログ・バージョンがエクスポートされます。 この選択は「静的」です。
5. アイテムのグループの選択 - カタログ全体からアイテムのグループの基本選択を選択して、指定された宛先に送ることができます。 基本選択には、カタログ、カタログ・バージョン、およびシンジケートで使用する階層が含まれます。アイテム選択は、プロダクト・マネージャー・モジュールのアイテム選択コンソールで表示および作成できます。 特定の製品ラインのみをエクスポートするには、選択の例を使用できるかもしれません。
6. 階層の選択 - この機能を使用すると、ユーザーは各アイテムのカテゴリー化を、選択したカタログのいずれかの階層にエクスポートできます。 階層を選択することによりエクスポートされるカテゴリーが判別されますが、カテゴリーが出力ファイルとともに送信されるかどうかは確かではありません。カテゴリーは、このエクスポートのカタログ・エクスポート・スクリプトの一部として組み込まれることが必要です。カタログ・エクスポート・スクリプトでは許可されたユーザーの構成が必要で、カタログ・エクスポート・スクリプトに書き込まれない限り、出力ファイルにカテゴリーは含まれません。
7. シンジケート・タイプの選択 - エクスポート・タイプを選択すると、ユーザーは WebSphere Product Center でカタログ全体をシンジケートするか、カタログを単に更新するかを選択するオプションを持てます。 これによって、カタログ差異のエクスポートが可能になります。
- バージョン内のすべてのアイテム
- 特定の 2 つのバージョン間の内容の差分
- 最後のシンジケート以降の内容の差分
- バージョン内のアイテムのすべてのイメージとバイナリー・ファイル
- 特定の 2 つのバージョン間で更新されたイメージとバイナリー・ファイル
- 最後のシンジケート以降に更新されたイメージとバイナリー・ファイル
「差分」エクスポート・タイプが選択される場合、カタログの 2 番目のバージョンを選択して差分を生成します。 差分タイプには以下が含まれます。
- すべて
- 追加済み
- 削除済み
- 変更済み
- 未変更
8. 宛先マッピングへのカタログの選択 -既存のマッピングを選択するか、または「新規」をクリックして新規マッピングを作成します。 新規マッピングを作成するには (または既存のマッピングを変更するには)、ドロップダウン・フィールドを使用して、カタログ (左列) の各フィールドが宛先仕様 (右列) のフィールドと一致するようにしてください。
9. 文字セットの選択 - 文字セットを選択して、出力ファイルのエンコードを選択します。 出力ファイルに、アルファベット 26 文字と 10 個の数字以外の文字が含まれる場合に、特にこれが重要になります。
デフォルトは「Cp1252:Windows Latin-1」です。
10. 宛先の選択 - 配布は、アプリケーションの内外のユーザーへの通知を許可するために設計されています。 配布は、E メール別名に似ています。WebSphere Product Center にこうした配布リストを作成すると、WebSphere Product Center 外の人々にも届けることが可能になります。必要であれば、新規配布モードを作成します。
11. カタログ・エクスポート・スクリプトの選択 - カタログ・エクスポート・スクリプトはエクスポートの際に使用されます。 これを使用して、データを実際に出力ファイルにエクスポートする前に、カタログに保持されているデータ上で高度なオンザフライ操作を実行することができます。エクスポート時にスクリプト・エンジンを使用してコンテンツに加えられた変更は、カタログに適用されず、1 度だけのコンテンツ変更として単に出力ファイルに適用されます。
インポートと同様に、外部ターゲット・ファイルへのエクスポートは以下の 2 つの形をとることができます。カタログ内のフィールドを外部ターゲット・ファイルに 1 対 1 でマップするか、あるいは、カタログ内のフィールドを外部ターゲット・ファイルにエクスポートする前に変更を加える必要がある、というものです。
すべてのエクスポートで、スクリプトを使用することが必要です。インポートとは対照的に、エクスポートの際のスクリプトの選択は必須ステップとなっています。
12. 承認権限の選択 - エクスポート・ジョブの検討、およびジョブをいつ実行するかに関して、責任を担うユーザーを選択できます。 システム・ユーザーのリストから選択して、「選択」をクリックします。
13. シンジケート・コンソールに戻る
上記のすべてのステップが完了すると、エクスポート・コンソールへのエクスポート・プロファイルの追加を通知するメッセージ・ボックスが表示されます。画面下部の戻り矢印をクリックすると、エクスポート・コンソールに戻ります。これで、エクスポート・ジョブがセットアップされ、生成の準備が整いました。
エクスポート・ジョブの構成後、手動で、またはスケジューラーを使用して自動的に生成できます。 ジョブが承認に依存している場合には、生成前に承認権限がそのジョブを受諾する必要があります。
エクスポートの手動実行
エクスポート・ジョブを手動で実行するには、以下のようにします。
1. メニュー・パス「コラボレーション・マネージャー」>「エクスポート」>「エクスポート・コンソール」を使用すると、すべてのエクスポート・ジョブのリストが表示されます。
2. 実行するエクスポート・ジョブを検索します。左端の列にあるチェック・ボックスをクリックします。
3. 「移動」ボタンをクリックします。 承認権限が設定されている場合、エクスポート・ジョブは開始されますが、許可されるまではファイルは宛先にエクスポートされません。エクスポート・ジョブの状況は、スケジューラーのジョブ・コンソールを介して、データ・モデル・マネージャー・モジュールに表示されます。
エクスポートの進行状況の確認
エクスポートの実行中に緑色のアニメーション・アイコンをクリックすると、ユーザーはエクスポートの進行状況を確認できます。 エクスポートの進行状況を示す進行状況表示バーが表示されます。 エクスポートを中断するには、エクスポートの左にある赤色のアイコンをクリックします。 確認ダイアログ・ボックスが表示されます。
エクスポートが完了すると、進行状況表示バーが消えます。 エクスポート中に作成されたすべてのファイルのハイパーリンクや、エクスポート中に発生したエラー/警告などの詳細を組み込む要約が提供されます。
出力の表示
エクスポートが生成されると、定義された宛先に送信される前に、文書ストアに保管されます。 望むのであれば、生成ファイルの結果を表示および印刷できます。
エクスポート結果の表示
出力結果を表示するには、以下のようにします。
1. エクスポート・コンソールで、「ジョブ情報」列の状況ボタンをクリックすると、「スケジュール状況情報」テーブルが表示されます。
2. 「戻り値」列のハイパーリンクをクリックすると、「タスク承認情報」インターフェースに生成ファイルのリストが表示されます。各ファイルにはハイパーリンクが貼られ、クリックすると、ファイル詳細が表示された新規ウィンドウがオープンします。
エクスポート・ファイルの確認
標準のエクスポートでは 'catalog.out' という名前のファイルが生成されます。 このファイルを確認し、ローカル・ドライブまたはネットワーク・ドライブに保管できます。
エクスポート・ファイルの確認
- エクスポート・ファイルを確認するには、エクスポートの結果画面から 'catalog.out' ハイパーリンクをクリックします。 ファイルが新規ブラウザー・ウィンドウでオープンします。
出力の承認
承認権限がエクスポート・ジョブに割り当てられている場合、ジョブを実行する前に承認が必要です。承認者の「マイ・タスク・リスト」で「承認」列の「承認保留状態」アイコンをクリックして、「タスク承認情報」インターフェースを表示します。 エクスポート・ジョブを受諾または拒否して、理由を記します。
エクスポート・コンポーネントの表示と変更
エクスポート・コンソール画面で、エクスポート・ジョブのほとんどすべてのコンポーネントを表示または変更 (あるいはその両方) を実行することがユーザーに許可されています。ユーザーは、カタログの送信先の顧客のリスト、カタログからマーケットプレイス仕様へのマッピング、カタログがシンジケート用にスケジュールされた日時を表示できます。カタログ名をクリックすると、エクスポートされているカタログを変更できます。
エクスポート状況
エクスポート・ジョブの状況を表示するには、「ジョブ情報」列のスケジュール・ボタンをクリックして、「スケジュール状況情報」を表示します。次に、「ジョブ情報」列の「詳細の表示」ボタンをクリックします。
カタログでエクスポートを実行すると、以下のジョブの詳細をユーザーは確認できます。
- ジョブ情報
- スケジュール情報
- 実行時間
- ジョブの状況
- 戻り値
エクスポート状況の確認
エクスポート・ジョブのジョブ状況を検討するには、以下のようにします。
- 「エクスポート・コンソール」で、「ジョブ情報」列のスケジュール・ボタンをクリックします。 「スケジュール状況情報」テーブルに、シンジケート・ジョブの詳細情報が表示されます。
エクスポートの削除
エクスポート・ジョブは、必要に応じて作成したり削除したりできます。
エクスポートの削除
エクスポート・ジョブを削除するには、以下のようにします。
1. エクスポート・コンソールで、削除するシンジケート・ジョブを検索します。 左端の列にあるチェック・ボックスをクリックします。
2. 「削除」ボタンをクリックすると、コンソールからエクスポート・ジョブが削除されます。
インポートまたはエクスポートで問題が発生すると、ジョブの要約にエラーか警告へのハイパーリンクが表示されます。
- エラーは、アイテムの正常な処理を妨げる重大な問題です (たとえば、基本キーがない、必須フィールドが存在しないなど)。
- 警告は、アイテムの正常な処理を妨げるほど重大な問題ではありません (たとえば、フィールドが長すぎるなど)。
ジョブが実行を完了せずに、要約ではなくエラーが表示される場合もあります。詳しく分析するために、問題が発生した環境を正確に記録し、エラー・メッセージを書き留めてください。