第 15 章 属性コレクション

属性コレクションのインプリメンテーションにより、データ・モデル管理の効率、パフォーマンスが向上し、これは大量の属性 (500 以上) を処理する際に非常にはっきり表れます。 属性コレクションは、多くの属性のセットの管理を単純化するために導入されました。属性グループ全体を処理する代わりに、機能的な属性のサブセットで作業することが可能になりました。

属性のサブセットを使用して、ビュー、タブ、ワークフロー、継承ルール、特権などを作成することができます。サブセットの関連付けは、個々の属性を関連付けるより効率的です。

属性コレクションを使用すると、データがより効果的また組織的な方法でモデル化されます。アイテムごとに数多くの属性を管理するのではなく、属性をサブセットで管理することによって、さらに管理しやすいデータセットが作成されます。

属性コレクションは、アイテム・カテゴリーを取り出して保管する際のパフォーマンスを改善するために設計されました。この場合、ビューのために選択された属性だけがリトリーブされて、保管されます。取り出しと保管をビュー内の属性のみに制限すると、無効なアイテムが保管されて問題が生じることがあります。このためにコア属性が導入されました。

2 種類のコア属性があります。

レコードを取り出して保管する際は、デフォルト・コア属性、ユーザー定義コア属性、および単一編集ビューと複数編集ビューに含まれている属性のスーパーセットの属性が組み込まれることになります。

デフォルト・コア属性は、すべてのオブジェクトでリトリーブおよび保管される、システム定義の属性です。これには、キー・ルールに違反するアイテムがデータベースに保管されないようにする上で必要な属性だけが含まれています。すなわち、以下の属性です。

他の属性の必要性についてシステムが判断することはできません。場合によっては、すべてのアイテムで妥当性検査エラーが出るために、コア属性に含めるべきものもあります。この理由で、ユーザー定義コア属性を、コア属性のセット全体に追加できるようになっています。これらの属性は属性コレクションに組み込まれます。それぞれのカタログおよびカテゴリー・ツリーで、属性コレクションをユーザー定義コア属性として関連付けることができます。

ユーザー定義コア属性: すべてのオブジェクトに関し、ある属性をリトリーブおよび保管する際、必要となる属性です。 これらのコア属性はコンテナーごとに定義されます。これには、アイテムまたはカテゴリーを保管するたびに検証または計算する必要のある属性を含めることができます。コンテナーごとに 1 セットのユーザー定義コア属性が関連付けられます。ユーザー定義コア属性コレクションを作成する際には、2 次仕様にある、あらゆる必須属性を含めてください。

: 最良のパフォーマンスを得るには、ユーザー定義コア属性を最小限にとどめるようお勧めします。したがって、不必要な属性があればそれらをすべて除去してください。

属性コレクションとは何か?

属性コレクションは、関連付けられる属性のグループ、または指定されたコンテキストで同じように動作する属性のグループです。

たとえば、フィーチャーに応じて属性セットを持つ電子製品カタログに、属性のサブセットを作成できます。このセクションでは、複数のフィーチャー・タイプ (テクニカル、マーケティングなど) を持つことが可能です。ですから、属性サブセットは、「テクニカル」属性および「マーケティング」属性に作成できます。

属性コレクションを定義する際、定義に 2 つのタイプを使用できます。

属性コレクションを定義する際に、属性が継承されないことがわかっていれば、タイプ「一般」を選択し、そうでない場合には「継承」を選択します。

: タイプ「継承」については、セクション「継承ルールの属性コレクション (Attribute Collections for Inheritance Rules)」を参照してください。

属性グループ、仕様および副仕様の違いとは何か?

副仕様

基本 / 2 次仕様

属性コレクション

副仕様は、データ・モデルにおいて異なるレベルで編集できる属性のコレクションです。副仕様は、継承を目的として使用されます。

基本仕様および 2 次仕様は、完全なアイテムまたは部分アイテム、あるいはカテゴリー・テンプレートです。これらの仕様はそれに属するオブジェクトを定義します。これらの仕様は、副仕様属性や個別の属性から構成することができます。

注: 階層仕様およびカタログ仕様として以前に知られていたものは基本仕様に置き換えられました。

属性コレクションは、すべてのコンテキストで同じように動作する仕様および属性のグループです。

どこで属性コレクションを使用するか?

属性が属性コレクションに関連付けられると、属性コレクションを使用するときにはいつでもその属性が使用可能になります。属性コレクションを使用して以下のものを定義します。

いつ属性コレクションが作成されるか?

属性コレクションは、関連付けられる属性のグループ、または指定されたコンテキストで同じように動作する属性のグループと定義されます。特に、新規属性コレクションは、以下の目的で同じ特性を共有する属性をグループ化するために作成されます。

属性ピッカーとは何か?

属性ピッカーは、属性コレクション編集画面の一部分であり、仕様やノードを検索および選択して属性コレクションに追加するのに使用されます。将来のリリースでは、この機能をアプリケーションの他の領域で使用できるようになります。

属性グループをサポートするために GUI にどんな変更が加えられたか?

属性グループをサポートするために GUI にいくつかの変更が加えられましたが、以下のセクションでそれらが識別されます。


属性コレクションのセットアップ/コンソール

属性コレクションは、一般的な WebSphere Product Center コンソール形式で編成されるため、以下の特性が適用されます。

属性コレクション・コンソール

「属性コレクション・コンソール」は、以下のメニュー・バー・オプションを使用してアクセスします。

属性コレクション画面

属性画面は、新規属性コレクションを作成したり、既存の属性コレクションを編集するのに使用されます。画面は、以下の 3 つの部分にセグメント化されます。

属性コレクション情報

属性コレクションへの属性アソシエーション

属性コレクション・アソシエーションの表示

: 生成されたデフォルト・コア・コレクションは、システムによって生成されるため編集することはできません。

属性ピッカー

「属性ピッカー」画面は、4.2 の新機能であり、属性コレクションを定義するのに使用されます。将来のリリースでは、属性を選択するためにアプリケーション全体でこの機能が使用されることになっています。

属性の検索

属性ピッカーにおける検索機能は、属性の長いリスト全体をブラウズする必要を減らすために設計されました。ユーザーが使用できる検索メソッドは幾つかあり、それは属性ピッカーの検索セクションにあります。結果はすべて、画面の下に表示されます。

フィールドで検索

ユーザーは、以下の 2 つのフィールドのいずれかを使用して検索することができます。

  • 仕様名の一部を入力できる「仕様名」フィールド
  • 属性名の一部を入力できる「属性パス」フィールド

 

検索タイプ
  • 仕様および属性 - 仕様および属性の結果が表示される
  • 仕様のみ - 仕様の結果が表示される
仕様タイプで検索

仕様タイプを選択して検索します。

  • ロケールで検索
  • ロケールでの検索を選択します。

 

結果:

結果は、選択したオプションによって、仕様のみ、あるいは仕様と属性が示されます。

ロケール選択リストは、複数のロケールを選択できるこの会社のロケールのリストを提供します。

1 つ以上の属性を選択できるファイル仕様リスト。仕様タイプのリストは、コンテキストに応じてフィルターに掛けられます (例、タイプ「継承」のグループを作成する場合、使用可能な仕様タイプは「副仕様」のみです)。

ロケールを選択し、「仕様のみ (Spec Only)」オプションを選択すると、リストされる仕様は、ノードがローカライズされたかどうかにかかわりなく、そのロケールを仕様に関連付ける仕様になります。

ロケールを選択し、「仕様および属性 (spec and attribute)」オプションを選択すると、リストされる仕様は、そのロケールを仕様に関連付け、選択したロケールのローカライズされたノードが含まれる仕様になります。

リストには、ページあたり 50 から 100 までの結果が表示され、ページ間をナビゲートすることができます。各ページでは、20 から 50 までの属性が表示され、スクロール・バーを使用して残りの属性を表示します。1 つのページから次のページへ移動すると、選択した属性は失われます。リストは、仕様、リーフ・ノード、およびローカライズされたノードのリストを提供します。ローカライズされたノードには、その横に特別な表示がなければなりません。

仕様および属性の選択

検索を仕様および属性に対して実行すると、結果は属性ピッカーの結果セクションに表示されます。結果のリストから選択して「選択済み」をクリックするか、単に「すべて」をクリックして結果の完全なリストを選択します。仕様を右クリックして、ショート・メニューから「仕様を追加 (Add Spec)」を選択することも可能です。

ローカライズされた親ノードを属性コレクションに選択できます。


カタログ・アクセス権およびビューの属性コレクション 

このセクションでは、属性コレクションをカタログ・アクセス権およびビューに関連付ける方法を説明します。

アクセス権のセットアップ

ビューのセットアップ

アクセス権と同様、ビューは、個々の属性ではなく属性コレクションを選択することによって作成されます。以下は、ビューの作成における一般的な特性です。

: タイプ「一般」の属性コレクションのみ選択することができます。

タブ・ビュー

以前は、個々の属性を選択してタブ・ビューを作成する必要がありました。これでは、多くの属性を持つアイテムを処理する際に大きなタスクになる可能性があります。属性コレクションの導入によって、ユーザーは単に属性コレクションのリストから選択して、タブ・ビューを作成します。属性コレクションに加えられた変更はタブ・ビューに反映されます。

: 属性コレクションに変更を加えた場合、タブ・ビューでその変更を有効にするには、ログアウトしてから再度ログインする必要があります。

属性コレクション全体が必要でない場合、必要に応じて、個々の属性を選択することができます。