WebSphere Event Broker の技術的な概要

WebSphere® Event Broker によって、情報をメッセージとしてパッケージし、大規模な従来型システムから、パイプライン上のセンサーなどの無人装置までの、さまざまなビジネス・アプリケーション間でやり取りすることができます。

次の図は、WebSphere Event Broker の 4 つの主なコンポーネント (Message Brokers Toolkit、構成マネージャー、ブローカー、およびユーザー・ネーム・サーバー) と、それらが相互作用する方法を示しています。

メッセージ・ルーティング

メッセージはその内容に基づいて、送信側から受信側にルーティングすることができます。

ユーザーの設計するメッセージ・フローが、メッセージ・ルーティングを制御します。 メッセージ・フローは、着信メッセージに対して実行する操作、およびそれらの実行順序を記述します。

それぞれのメッセージ・フローは、以下のもので構成されます。

IBM® は、組み込みノード、および多数の共通関数のサンプルを提供しています。 追加機能が必要な場合、WebSphere Message Broker ユーザーまたは独立系ソフトウェア・ベンダーおよび他の会社によって作成され提供されている、ユーザー定義ノードをデプロイすることができます。ユーザー定義のノード を参照してください。

メッセージ・フローは、統合開発環境およびブローカー・ドメイン管理コンソールである Message Brokers Toolkit で作成します。

ランタイム環境の作成

メッセージのルーティングやといった作業は、ブローカーで行われます。 ブローカーには、多数の実行グループ (メッセージ・フローが実行されるプロセス) が含まれています。

ブローカーはブローカー・ドメインにグループ化されます。それぞれのドメインは、構成マネージャーによって整合されます。多数のブローカーを単一のドメイン内に存在させることができますが、それぞれは異なるシステム上で稼働させることができます。 複数のブローカーがあると、障害に対する保護を備えるのに役立ち、また 1 つのビジネスにおいて作業をさまざまな部門に分離することができます。

システム管理者は、コマンド行命令によって、構成マネージャー を作成します。構成マネージャーは内部リポジトリーを使用して、そのブローカー・ドメインに関連する情報を保管します。

同様に、システム管理者は 1 つ以上のブローカーを作成し、それぞれを特定の 構成マネージャー にリンクして、その 構成マネージャー によって制御されるドメインの一部にします。 それぞれのブローカーはデータベースを使用して、実行時にメッセージを処理するために必要な情報を保管します。

さらに、構成マネージャー には、ユーザー許可の設定に使用するアクセス制御リスト (ACL) 内のユーザーとグループも表示されます。トピック・ベースのセキュリティー を参照してください。ACL について詳しくは、このトピックで後述されるパブリッシュ/サブスクライブを参照してください。

アプリケーション開発

システム管理者がブローカー・ドメインのコンポーネントを作成して接続した後、アプリケーション開発者は、ワークベンチ を使用して、メッセージ・フローと を作成および変更します。

ワークベンチ内の別のパースペクティブを使用して、メッセージ・フローを作成し、ブローカー・ドメインを管理します。Message Brokers Toolkit を参照してください。

リポジトリーを使用して、アクセス制御およびバージョン管理を行うことができます。リポジトリーはまた、複数の開発者が同じリソースに対して並行して処理を行えるようにもします。開発リポジトリー を参照してください。

アプリケーションとブローカー間の通信に WebSphere MQ を使用することができます。WebSphere MQ Enterprise Transport を参照してください。他にも以下の通信プロトコルを使用することができます。

アプリケーションのランタイム環境へのデプロイ

ワークベンチを使用してメッセージ・フローを作成したなら、実行可能データを 1 つ以上のブローカーにデプロイ (転送) できます。デプロイメントの概要を参照してください。

以下の方法で、データをデプロイすることができます。
  • ワークベンチから実行する
  • シェル・コマンドを使用する
  • 構成マネージャー・プロキシー アプリケーション・プログラミング・インターフェースを使用する

メッセージ・フローをデプロイすると、コンパイルされ、ブローカー・アーカイブ (BAR) ファイルにエンベロープ化され、構成マネージャーに送られます。デプロイメントの概要 を参照してください。BAR ファイルには構成可能なシステム・プロパティーが入っています。 キュー名などのプロパティーは、ソース・ファイルを変更したり、メッセージ・フローを再開発したりしなくても、指定変更することができます。 この構成によって、システム間で定義を容易に移動させることができます。

構成マネージャー はエンベロープを開き、その内容を取り出し、受信した情報のレコードを作成して、その情報を適切なブローカーにルーティングします。(エンベロープは、含まれている情報が取り出されたら、廃棄されます。) それぞれのブローカーは、独自のローカル・データベースにそれを保管します。 このローカル・ストレージは、ブローカーに十分な情報があれば、構成マネージャー に接続していない状態になった場合でも、メッセージの処理を続けられるということを意味しています。

構成マネージャー は、そのドメイン内のワークベンチおよびブローカーとの間のすべてのアクティビティー を調整します。 WebSphere MQ メッセージングが、ワークベンチ構成マネージャー およびブローカー間で使用されます。

パブリッシュ/サブスクライブ

パブリッシュするアプリケーションは、指定されたトピックに関するメッセージを、ブローカーに送信します。トピック を参照してください。ブローカーはパブリッシュされたメッセージを、そのトピックに興味があることを登録したアプリケーションに渡します。 パブリッシャーおよびサブスクライバーは、互いの存在については認識しません。

ブローカーは、パブリッシュ・アプリケーションとサブスクライブ・アプリケーションの間のメッセージの配布を処理します。 アプリケーションは、多数のトピックをパブリッシュまたはサブスクライブすることも、より高度なフィルター機構を適用することもできます。

ブローカー・ドメインにオプションで追加できる ユーザー・ネーム・サーバー は、トピックのパブリッシュまたはサブスクライブの許可を誰に付与するかを制御します。トピック・ベースのセキュリティーは、ワークベンチ からセットアップおよび管理できます。

ユーザー許可は、アクセス制御リストを使用して、個々に、またはグループ・レベルで設定します。トピック・ベースのセキュリティー を参照してください。

詳細情報

WebSphere Message Brokersの概要については、IBM Redbooks® 資料 WebSphere Message Broker Basics を参照してください。

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最終更新 : 2009-02-13 10:22:48

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