mqsimigratecomponents コマンド

mqsimigratecomponents コマンドを使用して、以前にインストールされたバージョンの製品から、同じコンピューター上の別のバージョンにコンポーネントをマイグレーションすることにより、ターゲット・バージョンのブローカー・ドメインへの参加の準備を行います。

サポートされるプラットフォーム

  • Windows®.
  • Linux® および UNIX® システム。
  • z/OS®. BIPMGCMP をカスタマイズして実行依頼することにより、このコマンドを実行します。

目的

バージョン 2.1 またはバージョン 5.0 から、WebSphere® Event Broker バージョン 6.0 へ、コンポーネントをマイグレーションします。
  • バージョン 2.1 の製品については、バージョン 2.1 CSD02 (2.1.0.3) が、サポートされている製品の最も古いリリースです。
  • バージョン 5.0 の製品については、バージョン 5.0.0.4 (フィックスパック 4) がサポートされている製品の最も古いリリースです。

さらに、このコマンドを使用して、後続のバージョンから以前のバージョンにコンポーネントを戻すことにより、前方マイグレーションの作用を逆転させることもできます。

このコマンドは、ソース・バージョンであるかターゲット・バージョンであるかにかかわらず、インストールされている製品のいずれか遅いほうのバージョンから実行される必要があります。

このコマンドを成功裏に発行するためには、必要なバージョンで製品がインストール済みであり、必要なコンポーネント・コードがインストールされている必要があります。

マイグレーションを開始する前に、Message Brokers Toolkit または バージョン 2.1 コントロール・センター でアクティブなデバッグ・セッションがあれば停止してください。デバッグ中のメッセージ・フローをマイグレーションすることはできません。

このコマンドに適切なオプションを指定することにより、以下のアクションの 1 つを実行することができます。
  • コンポーネントを、変更を加えずに検査して、コンポーネントが必要なマイグレーションに適合していることを確認する (-c)。
  • コンポーネントを完全にまたは部分的に別のバージョンに移動する (-s および -t)。
  • 失敗したマイグレーション・ステップを元に戻す (-u)。
  • 移動が正常に行われたことを検証する (-v)。
ブローカー・データベースに Sybase を使用するブローカーをマイグレーションするために mqsimigratecomponents コマンドを使用している場合は、以下のアクションを実行することによってデータベースを変更する必要があります。
  1. システム管理者アカウントを使用して ISQL にログオンします。
  2. 以下の一連のコマンドを発行します。
    1> use master
    2> go
    1> sp_dboption "BROKER1","ddl in tran",TRUE
    2> go
    Database option 'ddl in tran' turned ON for database 'BROKER1'.
    Run the CHECKPOINT command in the database that was changed.
    (return status = 0)
    1> use BROKER1
    2> go
    1> checkpoint
    2> go
    ここで、BROKER1 は Sybase ブローカー・データベースの名前です。

構文

パラメーター

-c
(オプション) マイグレーションの前に指定のコンポーネントを検査して、以下の点を確認します。
  • ブローカーの自動検出バージョンが、コマンド行で指定されたバージョンと一致する。
  • バージョン 6.0 から以前のリリースへ マイグレーションしている場合には、64 ビットの実行グループはサポートされません。
  • 前のリリースからコピーされるデータベース表に、間違って索引付けされた行が含まれていない。

実行中のコンポーネントを検査できます。 検査は、パフォーマンスに若干の影響を与えることを別にして、コンポーネントには影響を与えません。 Linux および UNIX システムでは、検査を実行する前に ODBC 構成ファイル (その中にデータ・ソースを定義したファイル。例えば .odbc.ini) をマイグレーションする必要があります。なぜなら、検査コマンドはブローカー・データベースにアクセスできなければならないからです。

検査コマンドは、成功するか失敗するかのどちらかで、マイグレーションが成功するかどうかについてのメッセージを印刷します。しかし、プロセス中に変更は行われません。

-v
(オプション) マイグレーションの後に指定のコンポーネントを検査して、以下の点を確認します。
  • 指定したバージョンについて、正しいデータベース表とキューが存在する。
  • 指定したバージョンについて、レジストリーが正しいフォーマットになっている。
-q
(オプション) 操作時に状況メッセージをわずかしか印刷しません。
-1
(オプション) レジストリーおよびファイル・システムの作業のみ行います。
  • バージョン 6.0 にマイグレーションする場合は、-2 または -3 パラメーターの前に、-1 パラメーターを使用します。
  • 前のバージョンに後方マイグレーションするする場合は、-1 パラメーターの前に -2 または -3 パラメーターを使用します。
-2
(オプション) WebSphere MQ の作業のみ行います。
-3
(オプション) データベースの作業のみ行います。

マイグレーション中のブローカーが別のブローカーとデータベース・スキーマを共用している場合、警告メッセージ BIP8678 が発行され、検査は失敗します。この場合、データベース・スキーマを共用するすべてのブローカーを一緒にマイグレーションする必要があります。

  1. データベース・スキーマを共用するすべてのブローカーを停止します。
  2. 最初のブローカーをマイグレーションします。このアクションにより、すべてのブローカーのデータベース表、ファイル・システムおよびレジストリー、そのブローカーの WebSphere MQ 定義がマイグレーションされます。以下に例を示します。
    mqsimigratecomponents FIRSTBROKER -t 6.0.0.1 
  3. ファイル・システムおよびレジストリー、残りの各ブローカーの WebSphere MQ の部分をマイグレーションします (データベースの部分はマイグレーション済み)。 これを行うには、-1 および -2 パラメーターを使用します。以下のように、1 つのステップか 2 つのステップで行います。
    • 1 つのステップの場合:
      mqsimigratecomponents BROKERB -1 -2
    • 2 つのステップの場合:
      mqsimigratecomponents BROKERB -1
      mqsimigratecomponents BROKERB -2
-u
(オプション) 失敗したマイグレーション・ステップを取り消します。また、-1-2-3 のうちの少なくとも 1 つを指定する必要があります。 このオプションを使用するのは、マイグレーションが失敗し、さらに自動回復も失敗した場合に限ります (一例として、分割マイグレーション時の障害)。
-s SourceVersion
(オプション) コンポーネントの前のバージョン。
  • 指定されていない場合、この値は自動的に検出されます。
  • バージョン 6.0 への分割マイグレーションを実行する場合、mqsimigratecomponents コマンドに -1 パラメーターを指定して実行した後は、-s パラメーターが必須です。分割マイグレーションのに示されているとおりです。
  • サポートされている製品のバージョン番号の制約事項については、目的を参照してください。
-t TargetVersion
(オプション) コンポーネントの宛先のバージョン。
  • 指定されていない場合、この値は現行バージョンであることが想定されます。
  • バージョン 6.0 から旧バージョンへの分割マイグレーションを実行する場合、-t パラメーターが必須です。分割マイグレーションのに示されているとおりです。
  • サポートされている製品のバージョン番号の制約事項については、目的を参照してください。
ComponentName
(必須) マイグレーションするコンポーネントの名前。

許可

mqsimigratecomponents コマンドは、レジストリーおよびファイル・システム、WebSphere MQ 定義、およびデータベース定義を更新します。このコマンドを実行するために使用されるユーザー ID に、これらのすべてのステップを実行する権限がない場合は、一度にコマンドの一部だけが実行されます。 異なるユーザーが、自分が権限を持つ部分を実行して、全体的な結果を得ることができます。このアプローチは分割マイグレーションと呼ばれ、-1-2、および -3 のパラメーターを使用して実行されます。

単一ステップ・マイグレーションを実行する場合、ご使用のユーザー ID には以下のことを行う能力が必要です。
  • 製品のレジストリーおよびファイル・システムに書き込む。
  • コンポーネントに関連したデータベースを変更する。
  • キュー定義を変更する。

分割マイグレーションを実行する場合、ご使用のユーザー ID は製品のレジストリーから読み取る能力を常に持っている必要があります。また、各ステップが成功するために特定の許可も持っている必要があります。

  • -1 は、製品のレジストリーおよびファイル・システムに書き込む機能を必要とします。
  • -2 は、キュー定義を変更する機能を必要とします。
  • -3 は、コンポーネントに関連したデータベースを変更する機能を必要とします。

応答

このコマンドは、さまざまな操作の結果に応じて、考えられる大量の応答を生成することがあります。 このコマンドは、メッセージを生成する方法の点で他のコマンドと異なっています。 メッセージは、プログラムの最後にバッチで生成されるというよりも、生成されるにつれて表示されます。 データベース表をマイグレーションする場合、z/OS では分散システムよりも多くの出力が生成されます。 表示されるメッセージの数を減らすには、-q パラメーターを使用します。

次の例は、バージョン 2.1 からバージョン 6.0 への BROKER1 のマイグレーションを検査します。

mqsimigratecomponents –c BROKER1
BIP8849I: キュー・マネージャー 'brkqm1' とデータ・ソース 'brkdb1' を持つブローカー 'BROKER1' (バージョン 2.1) がマイグレーション用に指定されました。
BIP8791I: 重複行検査が開始されました。
BIP8794I: テーブル BRMINFO に重複行はありません。
BIP8794I: テーブル BRMRTDDEPINFO に重複行はありません。
BIP8794I: テーブル BROKERRESOURCES に重複行はありません。
BIP8794I: テーブル BRMRTDINFO に重複行はありません。
BIP8794I: テーブル BRMWFDINFO に重複行はありません。
BIP8792I: 重複行検査をパスしました。
BIP8791I: 重複行検査が開始されました。
BIP8800W: No invalid topic syntax was detected in table BSUBSCRIPTIONS.
BIP8800W: No invalid topic syntax was detected in table BPUBLISHERS.
BIP8800W: No invalid topic syntax was detected in table BRETAINEDPUBS.
BIP8797I: Topic syntax check succeded
BIP8680I: 事前マイグレーション検査は正常終了しました。
BIP8071I: コマンドが正常に完了しました

次の例は、Windows でのバージョン 2.1 からバージョン 6.0 への BROKER1 の自動マイグレーションを行います。

mqsimigratecomponents BROKER1
BIP8849I: キュー・マネージャー 'BROKER1' とデータ・ソース 'BROKERDB' を持つブローカー 'BROKER1' (バージョン 2.1) がマイグレーション用に指定されました。
BIP8755I: 値 'QueueManagerName' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'DataSourceName' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'DataSourceUserId' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'DataSourcePassword' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'LilPath' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'ConfigurationTimeout' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'ConfigurationDelayTimeout' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'MigrationNeeded' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'MQTrustedQueueManager' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'UserNameServerQueueManagerName' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'BrokerUUID' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8755I: 値 'AdminAgentPID' が新しいロケーションにコピーされました。
BIP8763I: 値 'QueueManagerName' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'DataSourceName' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'DataSourceUserId' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'DataSourcePassword' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'LilPath' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'ConfigurationTimeout' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'ConfigurationDelayTimeout' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'MigrationNeeded' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'MQTrustedQueueManager' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'UserNameServerQueueManagerName' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'BrokerUUID' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8763I: 値 'AdminAgentPID' が旧ロケーションから削除されました。
BIP8768I: コンポーネント 'BROKER1' のレジストリー・マイグレーションが完了しました。
BIP8654I: ファイル・システム作成物を '' から 'C:¥Documents and Settings¥AllUsers¥Application Data¥IBM¥MQSI' に移動中です。
BIP8670I: データベース・マイグレーションが開始されました。
BIP8663I: 一時新規テーブルを作成中です。
BIP8664I: 既存テーブルから一時新規テーブルにマイグレーション中です。
BIP8665I: 既存のテーブルを除去中です。
BIP8666I: 新規テーブルを作成中です。
BIP8667I: 一時新規テーブルから新規テーブルにすべての行をコピー中です。
BIP8668I: 一時新規テーブルを除去中です。
BIP8669I: データベース・マイグレーションが正常に行われました。
BIP8785I: コンポーネント 'BROKER1' の WebSphere MQ キュー・マイグレーションを開始中です。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.AGGR.REQUEST' が作成されました。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.AGGR.CONTROL' が作成されました。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.AGGR.REPLY' が作成されました。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.AGGR.TIMEOUT' が作成されました。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.AGGR.UNKNOWN' が作成されました。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.TIMEOUT.QUEUE' が作成されました。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.INTERBROKER.MODEL.QUEUE' が作成されました。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.WS.INPUT' が作成されました。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.WS.REPLY' が作成されました。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.WS.ACK' が作成されました。
setmqaut コマンドが正常に完了しました。
BIP8786I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.IPC.QUEUE' が作成されました。
BIP8787I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.ADMIN.QUEUE' がクリアされました。
BIP8787I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.EXECUTIONGROUP.QUEUE' がクリアされました。
BIP8787I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.EXECUTIONGROUP.REPLY' がクリアされました。
BIP8787I: WebSphere MQ キュー 'SYSTEM.BROKER.IPC.QUEUE' がクリアされました。
BIP8789I: コンポーネント 'BROKER1' の WebSphere MQ キュー・マイグレーションが完了しました。
BIP8071I: コマンドが正常に完了しました

以下の例は、バージョン 2.1 から バージョン 6.0 への分割マイグレーションを示しています。

mqsimigratecomponents BROKER -1
mqsimigratecomponents BROKER -s 2.1.0.8 -2
mqsimigratecomponents BROKER -s 2.1.0.8 -3

以下の例は、バージョン 6.0 から バージョン 2.1 への分割マイグレーションを示しています。

mqsimigratecomponents BROKER -t 2.1.0.8 -2
mqsimigratecomponents BROKER -t 2.1.0.8 -3
mqsimigratecomponents BROKER -t 2.1.0.8 -1
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最終更新 : 2009-02-13 10:23:33

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