アクセス Bean は、エンタープライズ Bean の Java™ Bean 表記です。 アクセス Bean は、通常、JavaServer Pages (JSP) ファイル、サーブレット、 あるいは他のエンタープライズ とのインターフェースになるエンタープライズ Bean を使用するクライアント・プログラムで使用されます。アクセス Bean によって、エンタープライズ Bean のライフ・サイクルを管理する複雑な作業が不要になります。つまり、ユーザーは エンタープライズ Bean を Java Bean と同じように簡単にプログラムできることになり、 そのためエンタープライズ Bean クライアント・プログラムが大幅に単純化され、全体の開発時間の削減に役立ちます。
クライアントとエンタープライズ Bean の対話における性能低下の問題を、 アクセス Bean がどのようにして解決するかを理解するには、 クライアント・プログラムがエンタープライズ Bean に通常アクセスする方法を検討してみることが役に立ちます。
エンタープライズ Bean プロキシー・オブジェクトへのクライアント呼び出しは、 それぞれがリモート呼び出しであるため、エンタープライズ Bean に多数の属性があり、 属性の設定または取得のために複数のリモート呼び出しが行われる場合、性能が低下します。 アクセス Bean は、エンティティー・データなどのサーバー・サイド・データを単純にキャッシュするため、 クライアント・サイドでのパフォーマンス上の問題が解決されます。 エンタープライズ Bean の属性のローカル・キャッシュにより、エンタープライズ Bean へのアクセス速度は著しく改善されます。
以下の 4 つの型のアクセス Bean をワークベンチで開発できます。
ワークベンチで開発された Java Bean ラッパーとコピー・ヘルパー・アクセス Bean は、VisualAge® for Java で使用された Java Bean ラッパーとコピー・ヘルパー・アクセス Bean に似ています。 (ただし、ワークベンチでは、VisualAge for Java で使用される rowset アクセス Bean はサポートされないことに注意してください。)
注: データ・アクセス Bean およびコピー・ヘルパー Bean を、 セッション Bean 用に作成することはできません。セッション Bean 用に作成できるのは、Java ラッパー・アクセス Bean のみです。 これは制限事項ではなく、設計上の理由によるものです。アクセス Bean の型はすべてエンティティー Bean を作成できます。
これに比べ、EJB ファクトリーおよびデータ・クラスは、 Application Developer に特有の新しい型のアクセス Bean です。EJB ファクトリーは Java Bean ラッパーに似ており、データ・クラスはコピー・ヘルパーに似ていますので、Java Bean ラッパーやコピー・ヘルパーが提供する機能を置き換えることが可能です。しかし、コピー・ヘルパーと Java Bean ラッパーとの間の関係とは異なり、 データ・クラスは EJB ファクトリーのスーパーセットではありません。
EJB ファクトリーおよびデータ・クラス・アクセス Bean の基礎をなす新しいテクノロジーは、 アクセス Bean の作成または編集のプロセスを単純化します。 「アクセス Bean の作成」ウィザード、 または「アクセス Bean の編集」ウィザードを使用すれば、 簡単にデータ・クラス・アクセス Bean を作成または編集することができます。 VisualAge for Java で作成されたアクセス Bean を使用している既存のアプリケーションがある場合、 これらのウィザードを使用すれば、Java Bean ラッパーのアクセス Bean あるいはコピー・ヘルパー・アクセス Bean を、作成または編集することができます。ただし、新規のアプリケーションを開発する場合には、 新しいテクノロジーを採用しているデータ・クラス・アクセス Bean だけを作成することをお勧めします。EJB ファクトリー は、データ・クラス、Java Bean ラッパー、またはコピー・ヘルパーを作成するかどうかの選択にかかわらず、 「アクセス Bean の作成」ウィザードによって自動的に作成されます。このため、EJB ファクトリーは、「アクセス Bean の作成」ウィザードの選択ページ (作成するアクセス Bean 型を指定するページ) には表示されません。