シーケンス図には、オブジェクト間で受け渡されるメッセージのシーケンスが表示されます。 また、シーケンス図には、各オブジェクト間の制御構造も表示されます。 例えば、銀行のシナリオにおけるシーケンス図でのライフラインは、顧客、銀行の窓口係、銀行の管理者を表します。 顧客、窓口係、および管理者間のコミュニケーションは、それらの間で受け渡されるメッセージで表されます。 シーケンス図には、オブジェクト、およびそのオブジェクト間のメッセージが表示されます。
以下の表に示されるように、開発過程のさまざまな段階でシーケンス図を使用することにより、システム内の各オブジェクト間の相互作用を記述できます。
フェーズ | 説明 |
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分析 | 分析フェーズでは、シーケンス図を使用してクラス・インスタンスの相互作用を表すことにより、ユースケースを実現できます。 分析フェーズにおいてシーケンス図は、システムが必要とするクラス、およびクラス・オブジェクトが相互作用で実行する内容の識別に役立ちます。 |
設計 | シーケンス図を詳細化することにより、システムがどのように相互作用を実行するか示すことができます。 設計フェーズでは、シーケンス図により、システムがどのように相互作用の実行を処理するかが説明されます。 |
構築 | システム体系の構築時には、シーケンス図を使用して、システムが使用するデザイン・パターンおよびメカニズムの振る舞いを表すことができます。 |
以下の図に示されるように、シーケンス図を作成する場合、「プロジェクト・エクスプローラー」ビューにはコラボレーションおよび相互作用が表示され、ダイアグラム・エディターには相互作用フレームが表示されます。
相互作用フレームでは、相互作用に参加するインスタンスを任意の順序で左から右へ配置し、その参加者間のメッセージを連続する順序で上部から下部へ配置します。 実行指定がライフライン上に表示され、 制御のフローの開始と終了が示されます。
UML 2.0 より前は、シーケンス図は独立型のダイアグラムでした。 ダイアグラムの一部、またはダイアグラム全体を再利用する場合には、コメントを使用する必要がありました。 UML 2.0 以降では、相互作用使用を使用し、既存の相互作用内から別の相互作用を参照できるようになりました。 相互作用使用をクリックすることにより、参照される相互作用およびそのシーケンス図を開くことができます。
以下のトピックでは、シーケンス図の要素について説明しています。