症状データベースは、特定のソフトウェア製品に関する問題の知識ベースとこれらの問題に対するソリューションを示します。症状データベースには、システムで特定の問題が発生した原因についての症状の説明の収集、特定の症状 (問題) の識別に使用される規則の収集、およびその問題を解決するためのソリューションが含まれています。症状データベースはログ分析に特化して使用され、ログ・ファイルを分析してシステムで発生したエラー条件を識別します。次の 2 種類の症状データベースがサポートされています。これらについては、いずれも以下のセクションで説明します。
Symptom V2.0
Symptom V2.0 形式のデータベースは、関連した規則、推奨、およびアクションを持つ症状定義で構成されます。
症状定義 症状定義は、症状の説明、ログ分析時に症状を特定する情報を保持し、また症状の解決のために実行される推奨またはアクションを参照することもできます。症状定義には、ログ分析中に症状を特定するのに使用される関連する規則や規則セットが含まれます。
症状規則 症状規則は、分析エンジンが特定の症状を識別するのに使用する式のことです。 XPath 式に基づいた症状規則へのサポートはデフォルトで提供されていますが、ツールも他の規則タイプに接続する拡張機能を提供しています。
推奨 推奨は、システムで発生した症状からの回復方法に関する情報であり、可読形式で提供されています。
アクション アクションは、症状が識別された際に実行する必要があるコード・シーケンスを示します。
Symptom V0.1
Symptom V0.1 形式のデータベースは、症状、ストリング一致パターン、関連ソリューション、およびディレクティブで構成されます。
症状 症状とは、エラーまたはイベントのメッセージです。それに関連したソリューションが、症状データベース内にある場合があります。
一致するパターン 一致するパターンは、文字列であり、ログ・アナライザーによってログ・エントリーと比較されます。
ソリューション ソリューションとは、エラーまたはイベントの発生理由と、そのリカバリー方法についての情報です。
ディレクティブ ディレクティブは、通常、ソリューションを実装する際に必要な手順です。
症状データベースを使用してログ・レコードを分析し、既知のイベントおよびエラー条件を解釈し、エラーの解決に関する詳細情報を取得します。
症状データベースは外部 XML 症状データベースからインポートしたり、保管したり、XML 形式で外部ファイルにエクスポートすることができます。症状データベースは、ローカル・ホストまたはリモート・ホストのいずれかからインポートすることができます。
ログの分析を行うには、少なくとも 1 つの症状データベースを作成するか、またはインポートし、それが使用可能になっている必要があります (使用中)。データベースは、自由に編集やエクスポートができます。
ご使用のアプリケーションで症状を分析するために症状データベースを作成します。
一部のアプリケーションは、そのアプリケーションを使用するときに発生する共通の症状のために症状データベースを用意しています。これらの症状データベースをインポートして、アプリケーションのログ分析ができるようにします。ログ分析のためには、少なくとも 1 つの症状データベースが存在し、 使用中 でなければなりません。
症状データベース・エディターを使用して、ワークベンチ内で症状データベース・ファイルを編集できます。時間の経過により、症状定義、症状ごとの推奨やアクション、ソリューション、またはディレクティブが発見されたり、変化したりするため、データベースの編集を行います。
症状データベースが使用中 であるのは、ログ・アナライザーが症状データベースを検索してログに症状がないかどうかを調べることができる場合です。
ワークベンチ内で、症状データベースは XMI 形式で存在しています。データベースをエクスポートすると、そのデータベースは XML 形式で保管されます。これにより、症状データベースを IBM WebSphere Application Server またはその他の製品で使用することができます。
関連概念
症状データベース・エディター
ログおよびトレース・アナライザーを使用した分散アプリケーションの問題の判別