概要

この概要では、複合イベント処理 (CEP とも呼ばれます) について簡単に 説明し、Active Correlation Technology と複合イベント処理における その役割について概説します。

今日のビジネス環境

今日、商業組織および政府組織は、 コンピューター・ネットワーク、とりわけインターネットを介した 電子情報処理に依存しています。これらの組織は、グリッド・コンピューティングなどの 付加的なテクノロジーを使用して、主幹業務アプリケーションを世界中のいたるところで 休むことなく稼働させています。ビジネス・プロセス、アクティビティー、およびインフラストラクチャー、 さらにその結果として我々のグローバル社会全体が、組織の情報技術 (IT) 層に 依存しています。

組織は、そのビジネスにおいて 何が起こっているかを常に把握している必要があります。例えば、主幹業務アプリケーションが 使用可能であり、正しく機能しているかどうか、そしてビジネス・プロセス、アクティビティー、 またはインフラストラクチャーにおける潜在的な危機を検出および回避する方法を把握している必要があります。 危機が発生した場合は、その問題自体に加え、その修正方法、およびその原因を 即時に理解する必要があります。

ビジネス・プロセス、アクティビティー、および インフラストラクチャーに関連するほとんどのイベントの重要性は、 情報量があまりに膨大であり、それが個別の関連性のない部分に分かれて存在しており、 要約も非常に難しいため、認識または理解されることがありません。しかし、イベントは、 その関係が容易に理解できるように集約され、相関されれば、 豊富な情報を生み出す可能性があります。

複合イベント処理の 目的は、イベントに関するよりよい情報をリアルタイムで入手することです。

複合イベント処理

イベントは、発生した 事柄についての単なる通知です。

複合 イベント処理は、イベント・ドリブン・システムにおける低レベル・イベントの 分析、相関、および要約から高レベル・イベントを導出することです。 これらの高レベル・イベント (複合イベントと呼びます) は、ユーザーに対して、理解しやすい 用語でビジネス機会や問題について通知したり、自動化処理をトリガーしたりするのに 適しています。これにより、組織は潜在的な機会または問題について早期に警告を受け、 またビジネス・プロセス、アクティビティー、あるいはインフラストラクチャーの 状況の変化の根本原因をよりよく理解できるようになるため、 より効率的に活動することができます。

イベント相関は、 イベント・ストリームにおけるパターンをリアルタイムで定義および検出し、 関連するイベントに応答してアクションをインプリメントするプロセスです。検出された症状に基づいて問題を識別するために使用されます。イベントは、原因、時間、 メンバーシップ、またはこれらの組み合わせによって相関させることができます。イベント相関は、 複合イベント処理に不可欠な部分です。

Active Correlation Technology

Active Correlation Technology は、 ルールを使用して、イベント・ストリームにおけるパターンをリアルタイムで検出します。この テクノロジーは、多くの場合応答アクションは、単一の低レベル・イベントによって トリガーされるべきではなく、異なる時間に異なるコンテキストで発生している イベントの複合的な構成によってトリガーされるべきであるという理解に 基づいています。Active Correlation Technology は、イベント間の関係を 利用して、ビジネス機会や問題の認識を可能にします。 例えば、イベントの相関を通してリアルタイムで得たビジネス認識に 基づいて、組織は以下のようなアクションを実行することが できます。
  • 休日特別セール期間中に、一部またはすべてのカスタマーに対して配送料の割引サービスを提供する。
  • 次の 30 日間について、運送会社、注文金額、および注文量に 基づいて配送コストを計算する。
  • 2005 年 7 月 1 日から 2005 年 12 月 31 日までの期間中に 500 ドルを超える商品を購入したカスタマーに、25 ドル分の商品券を送付する。
  • 36 時間以内に完了しない注文処理があった場合に、管理者に 通知する。
  • 30 秒間以内に同じコンピューターに対する 4 回を超えるログイン試行が検出された場合に、 管理者に通知する。

Active Correlation Technology は、以下の基本項目で 構成されています。

Active Correlation Technology ルール言語 (Active Correlation Technology rule language)
イベントを相関させるルールを記述するための XML ベースの言語。これらのルールは、作成後、Active Correlation Technology ランタイム環境にデプロイできます。
Active Correlation Technology エンジン (Active Correlation Technology engine)
Active Correlation Technology コンパイラーの出力に従ってイベントを処理する Active Correlation Technology コンポーネント。
Active Correlation Technology ルール・ビルダー (Active Correlation Technology rule builder)
Active Correlation Technology ルール言語で相関ルールを記述するための GUI。

Active Correlation Technology ランタイム環境は、 Active Correlation Technology エンジンが組み込まれるアプリケーションです。