このトピックでは、WebSphere® Application Server Network Deployment (ND) の管理サーバー環境における管理クライアントとしてワークベンチを使用する場合にサポートされるタスクおよび制限事項について説明します。
「サーバー」ビューでは、ワークベンチから既存のサーバーへの参照を作成するサーバーの作成 が可能です。
既存サーバーは、アプリケーション・サーバーまたはサーバー・プロファイルのインストールによって既に作成されています。
ワークベンチ内のサーバー・ツールを使用すると、サーバーに対するプロジェクトの追加および除去やサーバーへのアプリケーションの公開などのタスクを実行できます。
ワークベンチ内のサーバー・ツールは、WebSphere Application Server 上でのアプリケーションの編集、コンパイル、およびテストに焦点を当てたツールです。
主にアプリケーションのデバッグおよびテストに使用される WebSphere Application Server は、WebSphere テスト環境と呼ばれます。
WebSphere テスト環境用に作成可能なアプリケーション・サーバー・エントリーには、以下の 2 つのタイプがあります。
- 独立型 (非管理対象)
- 独立型または非管理対象のアプリケーション・サーバーは、そのプロセスの管理用ノード・エージェントが実行されていないサーバーです。
非管理対象のアプリケーション・サーバーの例として、
WebSphere Application Server Base エディション、WebSphere Application Server Express エディション、または WebSphere Application Server Network Deployment 環境の非管理対象サーバーなどがあります。
- フェデレーテッド (管理対象)
- フェデレーテッドまたは管理対象のアプリケーション・サーバーは、WebSphere Application
Server Network Deployment トポロジーのセルに定義され、そのプロセスの管理用ノード・エージェントが実行されているノードです。
ただし、WebSphere テスト環境が独立型を使用するように指定されるか、またはフェデレーテッドを使用するように指定されるかで、サーバー・ツールの動作が異なることに注意する必要があります。
このインフォメーション・センターのトピックでは主に、
WebSphere テスト環境が独立型のサーバーを使用するよう指定された場合のサーバー・ツールの動作について焦点を当てています。
これに対し、以下のリストは、WebSphere テスト環境がフェデレーテッド・サーバーを使用するよう指定された場合のサーバー・ツールの動作について説明したものです。
- 「サーバー」ビューのサーバー・ステータスには、「始動済み」や「停止」など、デプロイメント・マネージャーのステータスが表示されます。
これが、「サーバー」ビューでサーバーを作成するときにデプロイメント・マネージャーのホスト名およびポート番号を指定する必要がある理由です。
- サーバー・ツールから「停止」コマンドを使用すると、フェデレーテッド・サーバーではなく、デプロイメント・マネージャーが停止されます。
- 実際のアプリケーション・サーバーまたはノード・エージェントの「始動済み」や「停止」などのステータスを表示するには、WebSphere Application Server の管理コンソールを使用する必要があります。
- デプロイメント・マネージャーには、開発アプリケーションが既に存在していてはなりません。
したがって、別のフェデレーテッド・ターゲットにマップされていることも不可です。
ワークベンチからフェデレーテッド・サーバーにアプリケーションが公開される場合は、元のアプリケーションからフェデレーテッド・ターゲットへのマッピングが置き換えられます。
- デプロイメント・マネージャーへのアプリケーションのインストールまたは更新は、ターゲット・サーバーまたはクラスターにアプリケーションを転送するセルの操作 (NodeSync) に依存します。
この転送は、定期的に実行される AutoSync 操作、または WebSphere Application Server の管理コンソールでの手動 NodeSync 操作のいずれかによって配布を実行することによって実現されます。
デプロイメント・マネージャーによるノードへの転送と、そのノードによるエンタープライズ・アプリケーション (EAR) への展開には、通常の遅延があります。
- 実行中の管理コンソール・セッションはすべて、管理コンソール・セッションからログオフして再度ログオンしない限り、ワークベンチ内のサーバー・ツールによりアプリケーションがインストールまたはアンインストールされても、そのことを認識しません。
- サーバー・ツールは、フェデレーテッド・サーバーまたはクラスターに対するプロジェクトの追加 (アプリケーションのインストール)、プロジェクトの除去 (アプリケーションのアンインストール)、およびアプリケーションの公開 (アプリケーションの更新) をサポートしています。
ただし、サーバー・ツールは、フェデレーテッド・サーバーまたはクラスターに対する以下のタスクはサポートしていません。
- サーバーで実行
- ユニバーサル・テスト・クライアントの実行の実行
- ホット・メソッド置換
- テーブルおよびデータ・ソースの作成
- サーバーでデバッグ: デバッグ・ツールは統合されていません。
例えば、ブレークポイントの設定、実行の停止、変数のモニターまたは変更などはできません。
サーバー・ツールはデプロイメント・マネージャーと通信し、フェデレーテッド・サーバーまたはクラスターとは通信しないため、
上記のタスクはフェデレーテッド・サーバーではサポートされていません。
要約すると、フェデレーテッド・サーバーまたはクラスターは、ワークベンチで WebSphere テスト環境として定義できますが、
WebSphere テスト環境で独立型サーバーを使用するか、フェデレーテッド・サーバーを使用するよう指定するかでサーバー・ツールの動作が異なることに注意する必要があります。
ヒント: 「サーバー」ビューでフェデレーテッド・サーバーを作成するには、実際のフェデレーテッド・サーバーが既に作成済みであり、それが管理対象セル内で既に実行されている必要があります。
サーバー・ツールでは、この管理対象セル機能を複製しません。
管理対象セルへのサーバーまたはクラスターの追加について詳しくは、
WebSphere Application Server Information Center を参照してください。
ワークベンチで既存のフェデレーテッド・サーバーのエントリーを作成するには、以下のようにします。
- 「サーバー」ビューで、右マウス・ボタンをクリックし、「新規」 > 「サーバー」と選択する。
「新規サーバー」ウィザードが開きます。
- 「サーバーのホスト名」フィールドで、デプロイメント・マネージャーのホスト名を指定する。
「次へ」をクリックする。「WebSphere サーバーの設定」ページが開きます。
- 「RMI」または「SOAP」フィールドで、デプロイメント・マネージャーのポートを指定する。
「サーバー」ビューでは、フェデレーテッド・サーバーの実際のホスト名およびポートでサーバーのエントリーを作成しないでください。
これは、そのサーバー・ポートが、そのサーバーを管理しているノード・エージェントにより使用されているためです。
フェデレーテッド・サーバーは、デプロイメント・マネージャーおよびそのノード・エージェントのプロキシーを使用することによってのみ管理される必要があります。