ESQL ROW データ・タイプ

ROW データ・タイプはツリー構造を保持します。データベースの行は特定のタイプのツリー構造ですが、ROW データ・タイプはデータベース行からのデータを保持するように制限されてはいません。

データベースでは、行はスカラー値の固定された順序セットになります。
注: スカラー は、単一のエンティティー値またはストリングです。
データベース表は、行の非順序セットなので、スカラー値の 2 次元の「配列」になり、一方の次元は固定され、他方の次元は可変です。ESQL では、行は名前付きの値の開放型の順序セットになり、個々の値はスカラーまたは別の行になります。つまり、行は開放型のツリー構造になり、次元や規則性に関する制限はありません。次の図をご覧ください。
Root
  Row
    PartNumber  = 1
    Description = 'Chocolate bar'
    Price       = 0.30
  Row
    PartNumber  = 2
    Description = 'Biscuit'
    Price       = 0.35
  Row
    PartNumber  = 3
    Description = 'Fruit'
    Price       = 0.42

この例では、Rootには 3 つのエレメントがあり、名前はすべて "Row" です。個々のエレメントにも 3 つのエレメントがあり、それらのエレメントの名前と値は違います。この図は、ESQL 行データ・タイプのインスタンス (つまりツリー構造) を示すと同時に、データベース表の内容も示しています。

ROW と LIST

ROW データ・タイプは通常のデータ・タイプです。DECLARE ステートメントを使用して、INTEGER 変数や CHARACTER 変数を作成するのと同じ方法で ROW 変数を作成できます。さらに一般的な ROW データ・タイプの概念もあります。上記の例では、Root は ROW 変数のルート・エレメントです。個々の "Row" エレメントは、ROW 変数のルート・エレメントではありませんが、副構造のルート・エレメントです。多数の ESQL 操作 (特に SELECT 関数) はこの ROW の一般概念を使用して行われ、ツリー全体でもツリーの一部でも同様の操作が行われます。

LIST データ・タイプの一般概念もあります。エレメント "Row" の集合はリストと見なされます。一部の ESQL 操作 (特に SELECT) は、このリストの一般概念を使用して行われます。

自動的に宣言され、ブローカーの構造に接続されて使用できるようになる ROW 変数の例としては、InputRootOutputRoot (以後同様) があります。

関連概念
メッセージ・フローの概要
ESQL データ・タイプ
メッセージ・マッピングの概要
関連タスク
メッセージ・フローの作成
ESQL の開発
関連資料
組み込みノード
DECLARE ステートメント
特記事項 | 商標 | ダウンロード | ライブラリー | サポート | フィードバック
Copyright IBM Corporation 1999, 2006 最終更新: 08/21/2006
ak17815_