カスタム・ワイヤー形式メッセージ・セットのプロパティー

下記の表では、メッセージ・セット用に設定できるプロパティーが定義されています。 一部のメッセージ・セット・プロパティー (アスタリスク (*) でマークされたもの) は、処理されているメッセージが、WebSphere MQ をトランスポート・プロトコルとして使用していない 場合にだけ関係があります。 トランスポート・プロトコルが WebSphere MQ である場合、値はメッセージ・ヘッダー (例えば MQMD) から派生し、メッセージ・セット・プロパティーは設定されていても無視されます。

ブール値のバイナリー表記

プロパティー タイプ 意味
ブールの True 値 STRING 8 桁までの 16 進数字を入力します。この数値に先行する 16 進数標識 (0x) は含めないでください。 各数字は 1/2 バイトです。 最大長は 4 バイトです。 偶数個の数字 (整数バイト) を入力する必要があります。 この値は、「ブール False 値」と異なっている必要がありますが、長さは同じでなければなりません。 デフォルト値は 00000001 です。
ブールの False 値 STRING 8 桁までの 16 進数字を入力します。この数値に先行する 16 進数標識 (0x) は含めないでください。 各数字は 1/2 バイトです。 最大長は 4 バイトです。 偶数個の数字 (整数バイト) を入力する必要があります。 この値は、「ブール True 値」と異なっている必要がありますが、長さは同じでなければなりません。 デフォルト値は 00000000 です。
ブールのヌル値 STRING 8 桁までの 16 進数字を入力します。この数値に先行する 16 進数標識 (0x) は含めないでください。 各数字は 1/2 バイトです。 最大長は 4 バイトです。 偶数個の数字 (整数バイト) を入力する必要があります。 この値は、「ブール True 値」または「ブール False 値」のいずれかと同じにすることも異なるようにすることもできます。 デフォルト値は 00000000 です。

出力の設定

これらの設定は、メッセージが逐次化される場合に使用されます。

プロパティー タイプ 意味
バイト位置合わせパッド ストリング xsd:element カスタム・ワイヤー形式プロパティーの「バイト 位置合わせ」「先行スキップ・カウント」、および「後続 スキップ・カウント」は、メッセージが逐次化されるときにバイトをビット・ストリーム内で スキップさせ、このプロパティーはスキップされる桁に使用される文字を指定します。この文字は、以下のいずれかの方法によって指定できます。
  • ドロップダウン・リストから SPACE、NUL、または 0 (デフォルト) を選択します。
  • 引用符で囲われた英数字、たとえば "c" または 'c' (c は任意の英数字) を入力します。
  • 10 進文字コードを、YY (YY は 10 進値) の形式で入力します。
  • 16 進文字コードを、0xYY (YY は 16 進値) の形式で入力します。
  • ユニコード値を U+xxxx (xxxx は 16 進数の形式で指定されたユニコード値) の形式で入力します。
欠落エレメントのポリシー 列挙タイプ このプロパティーの設定は、メッセージが逐次化される時に、 フィールドがメッセージ・ツリーから欠落している場合にブローカーによって行われるアクションを制御します。
  • 「デフォルト値」 (デフォルト) を使用する。エレメントの「デフォルト 値」が存在する場合はそれを出力し、存在しない場合は例外をスローします。
  • 「ヌル値」を使用する。エレメントの「ヌル可能」プロパティーにチェックが付けられて いて、そのエレメントに「ヌルのエンコード値」が指定されている場合は、 「ヌルのエンコード方式」プロパティーで定義されている規則に従って、 ヌルのエンコード値」を出力します。それ以外の場合は、例外をスローします。

10 進値のバイナリー表記

プロパティー タイプ 意味
パック 10 進数の正のコード 列挙タイプ ドロップダウン・リストからパック 10 進数で使用される正の符号を選択します。 デフォルトは C です。 これは、0x0C が正の符号として使用され、通常の値であることを示しています。 F を選択することもできます。これは、0x0F が正の符号として使用されます。 一部のシステムではこの設定が必要です。

DateTime の設定

プロパティー タイプ 意味
論理タイプからデフォルトの日時形式を導出します。 ボタン このオプションは、エレメントまたは属性の論理タイプによってデフォルトの日時形式が決定されるようにする場合に選択します。 デフォルトは、以下のとおりです。
dateTime
yyyy-MM-dd'T'HH:mm:ssZZZ
date
yyyy-MM-dd
time
HH:mm:ssZZZ
gYear
yyyy
gYearMonth
yyyy-MM
gMonth
--MM--
gMonthDay
--MM-dd
gDay
---dd

複合タイプ内のエレメントまたは属性用のこのプロパティーをオーバーライドすることができます。

デフォルトの日時形式を使用 ボタンおよび日時 このオプションは、論理タイプ dateTime、date、time、gYear、gYearMonth、gMonth、gMonthDay、および gDay のすべてのエレメントまたは属性に固定されたデフォルトの日付形式を指定する場合に選択します。

このプロパティーの初期値は yyyy-MM-dd'T'HH:mm:ssZZZ です。 上書きすることにより、この値を変更することができます。

複合タイプ内のエレメントまたは属性用のこのプロパティーをオーバーライドすることができます。

日時形式の詳細については、DateTime 形式を参照してください。

2 桁の年の世紀の開始 整数 このプロパティーは、2 桁の年の解釈方法を決定します。 現在の年を含む 100 年枠が開始する最初の 2 桁を指定します。 例えば、89 を指定し、現在の年が 2002 の場合、2 桁の日付すべてが 1989 から 2088 の範囲内にあると解釈されます。

初期値は 53 です。上書きすることにより、この値を変更することができます。

年間の最初の週の日数 列挙タイプ 新年の最初の週に含まれる日数を指定します。

通常、一年は週の途中から始まります。 その週の日数がここで指定されている値より小さい場合、その週は前の年の最終週と見なされ、したがって、第 1 週は新年の何日か後に開始します。 大きい場合、これは新年の最初の週と見なされ、したがって、第 1 週は新年の何日か前に開始します。

「ブローカーのロケールを使う」を選択すると、ブローカーが、基礎となっているプラットフォームから情報を入手します。 またはドロップダウン・リストから番号を選択することができます。 初期値は、4 です。

週の最初の曜日 列挙タイプ 各週の最初の曜日を指定します。

「ブローカーのロケールを使う」 を選択すると、ブローカーが、基礎となっているプラットフォームから情報を入手します。 またはドロップダウン・リストから値を選択することができます。 初期値は、「月曜日」です。

厳密な DateTime 検査 チェック・ボックス このオプションは、日時を有効な日時形式に制約する場合に選択します。 これにより、3 月 35 日が 4 月 4日として、また 10:79 が 11:19 として処理されることはなくなります。 「厳密な日時検査」が設定されている場合、誤った日時を受け取るとエラーが発生します。 デフォルトでは日時を制約するようになっています
厳密な dateTime 検査
厳密な日時検査の例を以下に示します。
  • 日時は有効な日時のみに制限されます。 これにより、例えば 3 月 35 日が 4 月 4 日として、また 10:79 が 11:19 として日付処理されることはなくなります。 これらの例のような規定外の日時を受け取ると、エラーが発生します。
  • 数値 dateTime コンポーネントの文字数は、対応するフォーマット・シンボルの範囲内でなければなりません。 必要な最小桁数を指定するには、シンボルを複数繰り返します。許容される最大桁数は、特定のシンボルの上限です。例えば、月の日付の上限は 31 であるため、d の書式制御ストリングでは値 2 または 21 を構文解析できますが、値 32 または 210 は使用できません。 出力時には、指定された長さになるまで数値にゼロが埋め込まれます。年は特別なケースであり、「2 桁の年の世紀の開始」プロパティーのメッセージ・プロパティー・セットを参照してください。 秒の端数の場合、長さは入力上のフォーマット・シンボルの数と暗黙に一致していなければなりません。 出力は指定された長さに丸められます。
  • 空白文字はスキップオーバーされません。入力ストリング内の空白文字は、書式制御ストリング内の空白文字と同じ数、同じ位置で対応していなければなりません。
  • 書式制御ストリング内のすべてのシンボルへの突き合わせが終わった後に、入力ストリング内にまだ解析していないデータがある場合には、エラーが発生します。
寛容な日時検査
寛容な日時検査の例を以下に示します。
  • パーサーは、規定外の日時値を適切な規定内の値に変換します。 例えば、2005-05-32 という日付は 2005-06-01 に変換されます。
  • 日時の出力は、常にシンボル・カウントに従います。 例えば、yyyy-MM-dd (ここで「-」はフィールド分離文字) の書式制御ストリングでは、MM と dd に対して 1 文字以上の文字の解析が可能になります。 これにより、2005-1-123 や 2005-011-12 のような無効な日付を入力することが可能になります。 最初の値 2005-1-123 は、日付 2005-05-03 として出力され、2 番目の値 2005-011-12 は、日付 2005-11-12 として出力されます。
  • タイム・ゾーン・フォーマット・シンボル Z の数は、出力日時フォーマットのみに適用されます。
  • 空白文字はスキップオーバーされます。
タイム・ゾーン 列挙タイプ このプロパティーに設定した値は、「デフォルトの DateTime 形式」プロパティーに指定した値に「タイム・ゾーン」情報が含まれていない場合に使用されます。

初期値は 「ブローカーのロケールを使う」で、ブローカーが基礎となっている プラットフォームから情報を取得します。

ドロップダウン・ボックスを使用してこの値を変更することができます。

夏時間 チェック・ボックス このオプションは、「タイム・ゾーン」プロパティーの地域で夏時間調整が行われている場合に選択します。夏時間調整時間を順守しない場合には、このオプションを選択しないでください。

例えば、「タイム・ゾーン」である地域が選択された場合で、このオプションが 選択されていない場合には、渡される値は夏時間調整を行わないタイム・ゾーンを表します。

デフォルトでは、夏時間調整時間を採用しません。

出力時に入力 UTC 形式を使用 チェック・ボックス このプロパティーは、日時をストリングとして持つ論理タイプで、かつ I、IU、T、または TU の日時形式を持っているか、または ZZZ か ZZZU を含むかのいずれかである xsd:dateTime または xsd:time のエレメントおよび属性に適用されます。

そうしたエレメントおよび属性では、Z 文字またはタイム・ゾーン +00:00 のいずれかを値で使用することにより、統合世界時 (UTC) を指定できます。 入力時に MRM パーサーは、UTC がどのように指定されたかを記憶します。

このプロパティーにチェック・マークが付いていて、エレメントまたは属性が出力メッセージにコピーされる場合には、UTC 形式が出力メッセージに保存され、「日時形式」プロパティーにより暗黙的に示される形式をオーバーライドします。

このプロパティーにチェック・マークが付いていないか、エレメントまたは属性が入力メッセージからコピーされなかった場合には、出力メッセージの UTC 形式は「日時形式」プロパティーのみにより制御されます。

デフォルトでは、このプロパティーはチェック・マークが付いていません。

WebSphere MQ メッセージの文字および数値のエンコード

以下の設定値は、MQMD を持たないメッセージにのみ使用されます。

プロパティー タイプ 意味
デフォルト CCSID (Default CCSID)* INTEGER デフォルトのコード化文字セット ID の数値を入力します。 デフォルトは 500 です。

入力メッセージが WebSphere MQ メッセージの場合は、キュー・マネージャーに設定された対等の属性が使用され、このプロパティーは無視されます。

バイト順序 (Byte Order)* 列挙タイプ ドロップダウン・リストから「ビッグ・エンディアン」 (デフォルト) または「リトル・エンディアン」の いずれかを選択して、2 進整数として表記されている数値のバイト・オーダーを指定します。

C では、これはデータ型 SHORT または LONG に相当します。 COBOL では、これは PIC 9 COMP、COMP-4、COMP-5、または BINARY データ型に相当します。

ユーザーの選択はメッセージの作成に用いられているエンコード方式と一致していなければなりません。 通常、「ビッグ・エンディアン」UNIX または z/OS 上で作成されたメッセージに 適切なオプションで、「リトル・エンディアン」は Windows に適切なオプションです。

このプロパティーは、メッセージが WebSphere MQ トランスポート・プロトコルをまたがって受信される場合には使用されません。 この場合、プロパティーは、メッセージの MQMD から、またはブローカー・キュー・マネージャーのエンコードから導き出されます。

パック 10 進数バイト順序* 列挙タイプ ドロップダウン・リストから「ビッグ・エンディアン」 (デフォルト) または「リトル・エンディアン」を 選択して、パック 10 進数として表記されている数値のバイト・オーダーを指定します。 COBOL では、これは PIC 9 COMP-3 データ型に相当します。 (C には同等のデータ型はありません。)

ユーザーの選択はメッセージの作成に用いられているエンコード方式と一致していなければなりません。 通常、「ビッグ・エンディアン」UNIX または z/OS 上で作成されたメッセージに 適切なオプションで、「リトル・エンディアン」は Windows NT に適切なオプションです。

浮動形式* 列挙タイプ ドロップダウン・リストから S390 (デフォルト)、 IEEE、または「リバー ス IEEE」のいずれかを選択して、メッセージ内で浮動小数点として表記される数値のバイト・オーダーを指定します。
関連概念
MRM ドメイン内の物理形式
カスタム・ワイヤー形式
カスタム・ワイヤー形式: 論理モデルとの関係
関連タスク
物理プロパティーでの作業
関連資料
メッセージ・モデルの参照情報
メッセージ・セットのプロパティー
XML ワイヤー形式メッセージ・セットのプロパティー
TDS 形式メッセージ・セットのプロパティー
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Copyright IBM Corporation 1999, 2006 最終更新: 08/21/2006
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