HTTPRequest ノード

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目的

入力メッセージのすべてまたは一部を Web サービスに送信された要求として使用して、その Web サービスと対話するには、HTTPRequest ノードを使用します。 メッセージをメッセージ・フロー内の後続のノードに伝搬する前に、Web サービス応答の内容を追加した入力メッセージの内容を使用して新規出力メッセージを作成するよう、ノードを構成することもできます。

構成に応じて、このノードは、入力メッセージの特定の内容から HTTP または HTTP over SSL (HTTPS) 要求を構成し、それを Web サービスに送信します。 また、Web サービスから応答を受信し、出力ツリーで組み込むために応答の内容を構文解析します。 構成で必要な場合には、HTTP ヘッダーを生成します。

このノードは、HTTPInput ノードまたは HTTPReply ノードを含まないメッセージ・フローで使用できます。

HTTPRequest ノードは、次のメッセージ・ドメインのメッセージを処理します。

  • MRM
  • XML
  • XMLNS
  • XMLNSC
  • JMSMap
  • JMSStream
  • MIME
  • BLOB
  • IDOC

ワークベンチでは、HTTPRequest ノードは次のアイコンで表されます。

HTTPRequest ノード・アイコン

メッセージ・フロー内でのこのノードの使用

HTTPRequest ノードは、HTTP 要求を送信する必要のあるどのメッセージ・フローにおいても使用できます。 この最も一般的な例は、Web サービスを起動するメッセージ・フローです。Web サービス・アプリケーションについて詳しくは、Web サービス・アプリケーションを参照してください。

エラーの処理

このノードは TCP/IP を使用して外部サービスと直接対話するので、次のタイプのエラーが発生する可能性があります。

  1. TCP/IP によって生成されるエラー。例えば、「ホストへの経路がない」または「接続が拒否される」です。

    ノードがこれらのエラーを検出する場合、例外が生成され、受信したエラー情報が例外リストに取り込まれ、入力メッセージは未変更のまま、failure ターミナルにルーティングされます。

  2. Web サーバーから戻されるエラー。これらは 100 から 299 の範囲を除く HTTP 状況コードです。 ノードは、これらのエラーを検出すると、要求ノードの「エラー」タブで指定されたプロパティーに従い、応答をノードの error ターミナルにルーティングします。

    ノードは応答がどのような形式になるかを判別できないため、応答は BLOB として出力されます。 転送を処理するようにこのノードを構成していない場合、転送状況コード (3xx) 付きのメッセージも同様に処理されます。

HTTP 応答コード

HTTPRequest ノードは、100 番台の状況コードを続きの応答として扱い、現在の応答を破棄して、Web サーバーからの別の応答を待機します。

200 番台の状況コードは成功として扱われ、応答はノードの out ターミナルにルーティングされます。この場合、生成される出力メッセージの形式は、ノード上の各種のタブの設定に従います。

300 番台の状況コードは転送用です。 「転送を使用」プロパティーを選択した場合、ノードは要求を、受け取った応答で新規の指定先に再送信することはありません。 「続けて転送」プロパティーを選択していない場合、コードは、エラー処理に関する前述のセクションの説明のとおりに扱われます。

400 番台および 500 番台の状況コードはエラーであり、エラー処理に関する前述のセクションの説明のとおりに扱われます。

ヘッダーの操作

入力メッセージを Web サービス応答で置換」プロパティー、または「入力をエラーで置換」プロパティーを選択した場合、 入力メッセージ用のヘッダー、つまり HTTPRequest ノードの IN ターミナルにメッセージが着信するときにメッセージに属するヘッダーは、HTTPRequest ノードから発信されるメッセージを伝搬しません。 ただし、メッセージ・ツリー内の位置を指定するプロパティーのいずれかが指定されている場合、入力メッセージのヘッダーは伝搬されます。

リモート Web サービスによって戻されるヘッダーを含む HTTPResponse ヘッダーは、プロパティーの後に、ノードから伝搬されるメッセージ内の最初のヘッダーです。これは、選択されているオプションに関係なく当てはまります。 したがって、HTTPRequest ノードからの応答を MQ キューに入れたい場合、MQMD が (プロパティーの後の) 最初のヘッダーになるようにヘッダーを操作する必要があります。

入力メッセージを応答と置き換える場合、HTTPRequest ノードの前に入力メッセージの MQMD を Environment ツリーにコピーし、HTTPRequest ノードの後にそれをメッセージ・ツリーにコピーして戻すことができます。 応答の位置を指定する場合、既存の入力メッセージ・ヘッダーを維持するために、MQMD が最初のヘッダーとなるように HTTP 応答ヘッダーを移動または除去する必要があります。

以下は HTTPHeader を除去する ESQL が含まれる例です。
SET OutputRoot = InputRoot;
SET OutputRoot.HTTPResponseHeader = NULL;
以下は HTTPHeader を移動させ、それが提供する情報を保存する ESQL が含まれる例です。
SET OutputRoot = InputRoot;
DECLARE HTTPHeaderRef REFERENCE TO OutputRoot.HTTPResponseHeader;
DETACH HTTPHeaderRef;
ATTACH HTTPHeaderRef TO OutputRoot.MQMD AS NEXTSIBLING;

HTTP GET を使用可能にする

デフォルトでは、HTTPRequest ノードはリモート Web サーバーへの接続時に HTTP POST メソッドを使用します。 代わりに HTTP GET メソッドを使用する要求ノードを使用可能にするには、以下の例に示すとおりに出力ローカル環境ツリー内のフィールドを設定する必要があります。
SET OutputLocalEnvironment.Destination.HTTP.RequestLine.Method = 'GET';

HTTPRequest ノードの構成

HTTPRequest ノードのインスタンスをメッセージ・フローに入れると、HTTPRequest ノードを構成することができます。 エディター・ビューでノードを右クリックし、「プロパティー」をクリックします。 ノードの基本プロパティーが表示されます。

値を入力する必要のある (デフォルト値が定義されていない) すべての必須プロパティーには、プロパティー・ダイアログにアスタリスクが表示されます。

以下のように、HTTPRequest ノードを構成します。

  1. HTTPRequest ノードは、要求の送信先 Web サービスの URL を判別します。 以下の 3 つのオプションの 1 つを設定しなければなりません。 ノードはこれらのオプションを以下の順番で検査します (つまり、常に最初のオプションによって 2 番目のオプションは指定変更され、2 番目のオプションによって 3 番目のオプションは指定変更される)。
    1. 入力メッセージの HTTPRequest ヘッダー内の X-Original-HTTP-URL
    2. 入力メッセージの LocalEnvironment.Destination.HTTP.RequestURL
    3. Web サービス URL」プロパティー

    最初の 2 つのオプションでは、入力メッセージがメッセージ・フローを通過するたびに URL を設定するという、動的方式が可能です。 これらのオプションのどちらかを使用するには、メッセージ・フローの中の HTTPRequest ノードの前に Compute ノードを組み込み、必要な値の作成と初期化を行わなければなりません。

    3 番目のオプションでは、このノードが受信するすべてのメッセージで値が固定します。 このプロパティーは、残りのフィールドが作成されていない場合やヌル値である場合に使用されるデフォルト設定を含むように設定する必要があります。 どちらかのフィールドに値がある場合、このプロパティーの設定は無視されます。 「Web サービス URL」プロパティーには、有効な URL が含まれていなければなりません。そうでない場合、デプロイは失敗します。 X-Original-HTTP-URL または LocalEnvironment.Destination.HTTP.RequestURL に設定した値が有効な URL であることも確認する必要があります。有効でないならば、ノードは例外を生成し、メッセージは failure ターミナルに伝搬されます。

    URL の先頭が http:// の場合、要求ノードは HTTP 要求を、指定の URL にします。 URL の先頭が https:// の場合、要求ノードはノードの「SSL」タブで指定されたパラメーターを使用して、HTTP over SSL (HTTPS) 要求を、指定の URL にします。

  2. 要求タイムアウト」値を設定します。 これは、このノードが Web サービスからの応答を待機する時間の長さです。 応答がこの時間内に受信される場合、応答は out ターミナルを経由して残りのメッセージ・フローに伝搬されます。 応答がこの時間内に受信されない場合、入力メッセージは、failure ターミナル (接続されている場合) を経由して伝搬されます。 failure ターミナルが接続されていない場合、応答が時間内に受信されないと、例外が生成されます。
  3. HTTP(S) プロキシーの位置」には、要求の送信先のプロキシー・サーバーの位置を設定します。
  4. HTTP(S) 転送を使用」チェック・ボックスにチェック・マークを付けるか外すかして、HTTP 状況コードが 300 から 399 の Web サービス応答をノードが処理する方法を指定します。
    • チェック・ボックスにチェック・マークを付けると、ノードは応答に指定されている転送に従い、メッセージの内容に組み込まれている新しい URL へ Web サービス要求を再発行します。
    • このチェック・ボックスのチェックを外した場合、ノードは指定されている転送に従いません。 応答メッセージは error ターミナルに伝搬されます。
  5. HTTP バージョン」を選択します。 「HTTP バージョン」プロパティーには、1.0 および 1.1 を指定できます。

    HTTP/1.1 を選択した場合、さらに HTTP/1.1 キープアライブの使用も選択できます。

  6. HTTP over SSL (HTTPS) 要求の使用を計画している場合、「SSL」タブを選択して、https 要求のための値を設定してください。
    • 要求を行うために使用するプロトコルを指定します。 以下のオプションが選択可能です。
      • SSL (デフォルト)。 これはまず SSLv3 プロトコルを使用した接続を試行しますが、ハンドシェークは SSLv2 プロトコルまでのフォールバックが可能であり、その場合には基礎の JSSE プロバイダーによって SSLv2 プロトコルがサポートされます。
      • SSLv3。 これは SSLv3 プロトコルを使用した接続のみを試行します。 SSLv2 へのフォールバックは許可されません。
      • TLS。 これは TLS プロトコルを使用した接続のみを試行します。 SSLv3 または SSLv2 へのフォールバックは許可されません。

        SSL 接続の両端は、使用するプロトコルに関して合意しており、選択するプロトコルはリモート・サーバーが受け入れ可能なものでなければなりません。

    • 許可される SSL 暗号」を指定します。 この設定により、単一の暗号 (SSL_RSA_FIPS_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA など) を指定したり、暗号のリスト (接続ではその 1 つのみが使用される) を指定したりできます。 この暗号のセットには、リモート・サーバーにより受け入れられる 1 つ以上の暗号が含まれていなければなりません。 暗号間の分離文字には、コンマが使用されます。 デフォルト (空ストリング) により、ノードは任意、すべて、または使用可能な暗号を SSL 接続ハンドシェーク時に使用できます。これにより、正常に SSL 接続を作成するための幅広い対応が可能になります。
  7. プロパティー・ダイアログ・ナビゲーターで「拡張」を選択し、Web サービス要求および応答の構造と内容を説明する「拡張」プロパティーの値を設定します。
    1. Web サービスに送信される要求メッセージの内容を指定します。
      • 要求メッセージを入力メッセージ本体全体とする場合には、「入力メッセージ全体を要求として使用」チェック・ボックスを選択したままにします (これはデフォルトの設定です)。

        要求メッセージに入力メッセージのサブセットを含める場合は、このチェック・ボックスのチェックを外して「ツリー内の要求メッセージ位置」プロパティーを完成させます。

      • ツリー内の要求メッセージ位置」に、入力メッセージ・ツリーの内容が要求メッセージにコピーされる開始位置を入力します。このプロパティーは、「入力メッセージ全体を要求として使用」プロパティーをクリアした場合にのみ必要となります。ノードは新規要求メッセージを作成し、入力メッセージの指定した部分をコピーします。(入力メッセージ自体は変更されません。)

        リファレンス内の式を含む、任意の有効な ESQL フィールド・リファレンスを入力することができます。 例えば、以下のように入力します。

        InputRoot.XMLNS.ABC

        「入力メッセージ全体を要求として使用」チェック・ボックスを選択した場合、このプロパティーは無視されます。

      適切なメッセージ・ツリーの内容を構文解析してビット・ストリームを作成するとき、入力メッセージの本体に関連付けられ、「プロパティー」フォルダーに保管されているメッセージ・プロパティー (ドメイン、セット、タイプ、および形式) が使用されます。

    2. メッセージ・フローで次のノードに伝搬される出力メッセージの内容を指定します。
      • Web サービス応答メッセージ全体を出力メッセージとして伝搬したい場合には、「入力メッセージを Web サービス応答と置換」チェック・ボックスを選択したままにします (これはデフォルトの設定です)。

        入力メッセージの内容の一部を使用して、Web サービス応答メッセージを出力メッセージに組み込む場合は、このチェック・ボックスのチェックを外して、「ツリー内の応答メッセージ位置」プロパティーを完成させます。このプロパティーをクリアした場合、ノードは入力メッセージを出力メッセージにコピーし、指定された位置で、Web サービス応答メッセージを出力メッセージに上書きします (入力メッセージ自体は変更されません)。

      • ツリー内の応答メッセージ位置」に、出力メッセージ・ツリー内で Web サービス応答メッセージのビット・ストリームから構文解析されたエレメントが保管される開始位置を入力します。このプロパティーは、「入力メッセージを Web サービス応答と置換」プロパティーをクリアした場合にのみ必要となります。

        リファレンス内の式、および新規フィールド・リファレンス (応答用にメッセージ・ツリー内に新規ノードを作成するため) を含む、任意の有効な ESQL フィールド・リファレンスを入力できます。 例えば、以下のように入力します。

        OutputRoot.XMLNS.ABC.DEF
        または
        Environment.WSReply

        入力メッセージを Web サービス応答と置換」チェック・ボックスを選択した場合、このプロパティーは無視されます。

      応答ビット・ストリームを構文解析してメッセージ・ツリーの内容を作成するとき、ノードの「デフォルト」プロパティー (後述) に指定したメッセージ・プロパティー (ドメイン、セット、タイプ、および形式) が使用されます。

    3. ノードが要求メッセージに対して HTTPRequestHeader を生成するようにする場合は、「デフォルト HTTP ヘッダーの入力からの生成」チェック・ボックスを選択したままにします (これはデフォルトの設定です)。

      ノードが要求メッセージに対して HTTPRequestHeader を生成しないようにする場合は、「デフォルト HTTP ヘッダーの入力からの生成」チェック・ボックスからチェック・マークを外します (デフォルトの設定ではチェック・マークが付けられています)。 要求メッセージに組み込む HTTPRequestHeader の内容を制御するには、入力メッセージに HTTPRequestHeader を追加するための Compute ノードを、メッセージ・フローの中のこの HTTPRequest の前の位置に組み込み、このチェック・ボックスのチェック・マークを外してください。

      • 「デフォルト HTTP ヘッダーの入力からの生成」を選択し、入力メッセージに HTTPRequestHeader を組み込んだ場合、ノードは入力 HTTPRequestHeader から Web サービス・ヘッダーを抽出し、任意の固有 Web サービス・ヘッダーを追加します。 入力メッセージに Host (下記の表を参照してください) がある場合には、HTTPInputHeader に表示されている Host は除きます。(入力メッセージを HTTPInput ノードによる Web サービスから受信した場合、HTTPInputHeader が存在する可能性があります。)

        HTTPRequestHeader または HTTPInputHeader に Web サービス・ヘッダーがない場合には、デフォルト値を使用して、次の表に示されている Web サービス・ヘッダーも追加します。

        ヘッダー デフォルト値
        SOAPAction "" (空ストリング)
        Content-Type text/xml; charset=utf-8
        Host 要求が送信されるホスト名

        HTTPRequestHeader または HTTPInputHeader にオプションのヘッダー Content-Length がない場合、正しい計算値を使用して、このヘッダーも追加します。

      • 入力からデフォルト HTTP ヘッダーを生成」を選択し、入力メッセージが HTTPRequestHeader を組み込まない場合、ノードは HTTPInputHeader から Host を除く (入力メッセージに表示されている場合) Web サービス・ヘッダーを抽出します。必要な Web サービス・ヘッダーが HTTPInputHeader にない場合は、デフォルト値を使用してヘッダーを追加します。
      • 入力からデフォルト HTTP ヘッダーを生成」をクリアし、入力メッセージが HTTPRequestHeader を組み込む場合、ノードは入力 HTTPRequestHeader にあるすべての Web サービス・ヘッダーを抽出します。 ノードは、入力メッセージに HTTPInputHeader があるかどうかをチェックせず、必要な Web サービス・ヘッダーが入力 HTTPRequestHeader によって提供されない場合も、これを追加することはありません。
      • 入力からデフォルト HTTP ヘッダーを生成」をクリアし、入力メッセージが HTTPRequestHeader を組み込まない場合、Web サービス・ヘッダーは生成されません。ノードは入力メッセージ内の HTTPInputHeader があるかどうかチェックせず、必要な Web サービス・ヘッダーはどれも追加されません。 要求メッセージは HTTPRequestHeader を使用せずに、Web サービスに伝搬されます。 一般的に、これは、Web サービスがメッセージの内容を処理するよう構成されていない場合に、Web サービスが生成するエラーを引き起こします。
  8. プロパティー・ダイアログ・ナビゲーターで「エラー」を選択し、Web サービスからエラー・メッセージが戻された場合の処理方法を決定するプロパティーに値を設定します。
    • Web サービス・エラー・メッセージ全体を出力メッセージとして伝搬する場合は、「入力をエラーで置換」チェック・ボックスを選択したままにします (これはデフォルトの設定です)。

      入力メッセージの内容の一部を使用して、Web サービス・エラー・メッセージを出力メッセージに組み込む場合は、このチェック・ボックスのチェックを外して、「エラー・メッセージの位置」プロパティーを完成させます。 このプロパティーをクリアした場合、ノードは入力メッセージを出力メッセージにコピーし、指定された位置で、Web サービス・エラー・メッセージを出力メッセージに上書きします (入力メッセージ自体は変更されません)。

    • エラー・メッセージの位置」に、出力メッセージ・ツリー内で Web サービス・エラー・メッセージのビット・ストリームから構文解析されたエレメントが保管される開始位置を入力します。このプロパティーは、「入力をエラーで置換」プロパティーをクリアした場合にのみ必要となります。

      リファレンス内の式、および新規フィールド・リファレンス (応答用にメッセージ・ツリー内に新規ノードを作成するため) を含む、任意の有効な ESQL フィールド・リファレンスを入力できます。 例えば、以下のように入力します。

      OutputRoot.XMLNS.ABC.DEF
      または
      Environment.WSError

      入力をエラーで置換」チェック・ボックスを選択した場合、このプロパティーは無視されます。

  9. プロパティー・ダイアログ・ナビゲーターで「デフォルト」を選択して、Web サービスによって戻される応答メッセージの構文解析方法を決定するのにノードが使用するメッセージ・ドメイン、メッセージ・セット、メッセージ・タイプおよびメッセージ形式を記述するプロパティーの値を設定します。

    Web サービスによってエラー・メッセージが戻される場合、これらのプロパティーの値は無視され、メッセージは BLOB パーサーによって構文解析されます。

    • メッセージ・ドメイン」では、ドロップダウン・リストから使用するパーサーの名前を選択します。以下の名前から選択できます。
      • MRM
      • XML
      • XMLNS
      • XMLNSC
      • JMSMap
      • JMSStream
      • MIME
      • BLOB
      • IDOC
    • MRM または IDOC パーサーを使用する場合は、「メッセージ・セット」のドロップダウン・リストから、適切なメッセージ・セットを選択します。 このリストには、ドメインとして MRM または IDOC を選択する場合に選択可能なメッセージ・セットが取り込まれます。

      XML、XMLNS、XMLNSC、JMS、MIME、および BLOB パーサーの場合、「メッセージ・セット」はブランクのままにしてください。

    • MRM パーサーを使用する場合は、「メッセージ・タイプ」のドロップダウン・リストから、適切なメッセージ・タイプを選択します。このリストには、選択したメッセージ・セットで定義されたメッセージが取り込まれます。

      XML、XMLNS、XMLNSC、JMS、MIME、IDOC、および BLOB パーサーの場合、「メッセージ・タイプ」はブランクのままにしてください。

    • MRM または IDOC パーサーを使用する場合は、「メッセージ形式」のドロップダウン・リストから、メッセージの形式を選択します。 このリストには、このメッセージ・セット用に定義されたすべての物理形式が含まれます。

      XML、XMLNS、XMLNSC、JMS、MIME、および BLOB パーサーの場合、「メッセージ形式」はブランクのままにしてください。

  10. MRM パーサーの場合、メッセージ・セットから生成されたディクショナリーに対してメッセージ本体の妥当性検査を行いたいのであれば、プロパティー・ダイアログ・ナビゲーターの「妥当性検査」を選択します。 (メッセージがターミナルの failure ノードに伝搬される場合には、妥当性検査は行われません。)

    詳細については、メッセージの妥当性検査およびMRM ドメインのメッセージの妥当性検査プロパティーを参照してください。

  11. プロパティー・ダイアログ・ナビゲーターで「一般メッセージ・オプション」を選択します。 「解析のタイミング」は、デフォルトで、「要求時」に設定されます。 この設定では、部分構文解析によって構文解析されるまで、妥当性検査が遅延します。 設定を「即時」に変更すると、部分構文解析はオーバーライドされて、メッセージ内のすべてのものが構文解析および妥当性検査されます。 ただし、「構成」が「選択」または「メッセージ」に指定された複合タイプで、この時点で解決できないものは除きます。 設定を「完全」に変更すると、部分構文解析はオーバーライドされて、メッセージ内のすべてのものが構文解析および妥当性検査されます。「構成」が「選択」または「メッセージ」に指定された複合タイプで、この時点で解決できないものでは 妥当性検査障害が生じます。
  12. 簡略説明または詳細説明 (あるいはその両方) を入力するには、プロパティー・ダイアログ・ナビゲーターの「説明」を選択します。
  13. 「適用」をクリックすると、プロパティー・ダイアログを閉じずに HTTPRequest ノードが変更されます。 「OK」をクリックすると、変更を適用してプロパティー・ダイアログを閉じます。

    「キャンセル」をクリックすると、ダイアログを閉じてプロパティーに対して行った変更をすべて破棄します。

出力ターミナルを別のノードに接続する

メッセージをさらに処理したり、エラーを処理したり、あるいはメッセージを追加の宛先に送信するために、このノードの out ターミナル、error ターミナル、または failure ターミナルをこのメッセージ・フローの別のノードに接続します。 error ターミナルを接続していない場合、メッセージは廃棄されます。 failure ターミナルに接続していない場合、ブローカーはデフォルトのエラー処理を行います。 これについては、メッセージ・フローのエラー処理で説明します。

ターミナルおよびプロパティー

HTTPRequest ノード・ターミナルについては、次の表に説明されています。

ターミナル 説明
In ノードが処理するメッセージを受け入れる入力ターミナル。
Failure ノード内の処理で障害が検出された場合に、メッセージがルーティングされる出力ターミナル。
Out Web サービス要求が正常終了したことが示され、なおかつこのメッセージ・フロー内でさらに処理が必要な場合にメッセージがルーティングされる出力ターミナル。
Error プロパティー「HTTP 転送を使用」を設定していない場合に、200 から 299 の範囲にない HTTP 状況コード (転送コード (3xx) を含む) を含んだメッセージの送信先となる出力ターミナル。

以下の表でノードのプロパティーを説明します。M の見出しの列は、プロパティーが必須 かどうかを示します (デフォルトが定義されていない場合に値を入力することが必要なら、プロパティー・ダイアログにアスタリスクのマークが付きます)。 C の見出しの列は、プロパティーが構成可能 かどうかを示します (メッセージ・フローを bar ファイルに追加してデプロイするとき、値を変更できます)。

HTTPRequest ノードの「基本」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
Web サービス URL はい はい   Web サービスの URL。 次の形式で提供する必要があります。http://<hostname>[:<port>]/[<path>] ここでは、
  • http://<hostname> が指定される必要があります。
  • <port> のデフォルトは 80 です。値を指定する場合、ポート番号の前の : を組み込む必要があります。
  • <path> のデフォルトは / です。値を指定する場合には、パスの前の / を組み込む必要があります。
要求タイムアウト はい いいえ 120 ノードが、Web サービスからの応答を待機する時間 (秒単位)。 有効な範囲は、1 から (231)-1 です。 無期限に待機することを示す値を入力することはできません。
HTTP(S) プロキシーの位置 いいえ はい   要求の送信先のプロキシー・サーバーの位置。 これは、hostname:port という形式でなければなりません。
HTTP(S) 転送を使用 いいえ いいえ 選択されていない HTTP 転送に従うかどうか。 チェック・ボックスを選択すると、転送に従います。 このチェック・ボックスのチェックを外すと、転送は行われません。
HTTP バージョン いいえ はい 1.0 要求に使用する HTTP バージョン。 有効な値は、「1.0」および「1.1」です。
HTTP/1.1 キープアライブを使用可能にする いいえ はい 選択済み (HTTP のバージョンが 1.1 の場合) HTTP/1.1 キープアライブを使用する

HTTPRequest ノードの「SSL」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
プロトコル いいえ はい SSL HTTPS 要求の作成時に使用する SSL プロトコル。
許可される SSL 暗号 いいえ はい   SSL 要求の作成時に使用する、コンマで区切られた暗号のリスト。 空ストリングのデフォルト値は、使用可能なすべての暗号の使用を意味します。

HTTPRequest ノードの「拡張」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
入力メッセージ全体を要求として使用 いいえ いいえ 選択されている 入力メッセージ本体全体を Web サービスに渡すかどうか。 このチェック・ボックスを選択すると、このアクションが実行されます。 このチェック・ボックスのチェックを外す場合は、「ツリー内の要求メッセージ位置」を指定する必要があります。
ツリー内の要求メッセージ位置 はい いいえ InputRoot Web サービスに送信するためにビット・ストリームが作成される開始位置。このプロパティーは ESQL フィールド・レファレンスの形式を取ります。
入力メッセージを Web サービス応答と置換 いいえ いいえ 選択されている Web サービス応答メッセージが、作成された出力メッセージの内容として入力メッセージのコピーと置換されるかどうか。 このチェック・ボックスを選択すると、このアクションが実行されます。 このチェック・ボックスのチェックを外す場合は、「ツリー内の応答メッセージ位置」を指定する必要があります。
ツリー内の応答メッセージ位置 はい いいえ OutputRoot Web サービス応答のビット・ストリームから構文解析されたエレメントが保管される開始位置。このプロパティーは ESQL フィールド・レファレンスの形式を取ります。
入力からデフォルト HTTP ヘッダーを生成 いいえ いいえ 選択されている HTTPRequestHeader が生成されるかどうか。 このチェック・ボックスを選択すると、このアクションが実行されます。 このチェック・ボックスのチェックを外す場合には、有効な HTTPRequestHeader が入力メッセージ内に存在している必要があります。

HTTPRequest ノードの「エラー」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
入力をエラーで置換 いいえ いいえ 選択されている 入力メッセージの内容をエラー・メッセージの内容で置換するかどうか。 このチェック・ボックスを選択すると、このアクションが実行されます。 このチェック・ボックスのチェックを外す場合は、「エラー・メッセージの位置」を指定する必要があります。
エラー・メッセージの位置 はい いいえ OutputRoot Web サービス・エラーのビット・ストリームから構文解析されたエレメントが保管される開始位置。 このプロパティーは ESQL フィールド・レファレンスの形式を取ります。

HTTPRequest ノードの「デフォルト」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
メッセージ・ドメイン いいえ いいえ   Web サービスから受信した応答メッセージの構文解析に使用されるドメイン。
メッセージ・セット いいえ いいえ   応答メッセージが定義されているメッセージ・セットの名前または ID。
メッセージ・タイプ いいえ いいえ   応答メッセージの名前。
メッセージ形式 いいえ いいえ   応答メッセージの物理フォーマットの名前。

HTTPRequest ノードの妥当性検査プロパティーについては、次の表に説明されています。

これらのプロパティーの詳細については、MRM ドメインのメッセージの妥当性検査プロパティーを参照してください。

プロパティー M C デフォルト 説明
妥当性検査 いいえ はい なし 妥当性検査が行われるかどうか。有効な値は、「なし」「内容と値」「内容」、 および「継承」です。
失敗処置 いいえ いいえ 例外 妥当性検査に障害が発生した場合の動作。 「妥当性検査」を「内容」または「内容と値」に設定した場合にのみ、このプロパティーを設定できます。 有効な値は、「ユーザー・トレース」「ローカル・エラー・ログ」「例外」、および「例外リスト」です。
すべての値制約を含める いいえ いいえ 選択されている このプロパティーは編集できません。 チェック・ボックスが選択されていることにより示されるデフォルトのアクションは、基本値制約検査が「内容と値」妥当性検査に含まれるということです。
修正 いいえ いいえ なし このプロパティーは編集できません。

HTTPRequest ノードの汎用メッセージ・オプションのプロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
構文解析のタイミング いいえ いいえ 要求時 このプロパティーは、入力メッセージを構文解析する時を制御します。 有効な値は、「要求時」「即時」、および「完全」です。

このプロパティーの詳細については、要求時の構文解析を参照してください。

MQRFH2C コンパクト・パーサーを MQRFH2 ドメインに使用 いいえ いいえ 選択されていない このプロパティーは、MQRFH2 パーサーの代わりに、MQRFH2C コンパクト・パーサーを MQRFH2 ヘッダーに使用するかどうかを制御します。

HTTPRequest ノードの XMLNSC パーサー・オプションのプロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
XMLNSC コンパクト・パーサーを XMLNS ドメインに使用 いいえ いいえ 選択されていない 変更の始まりこのプロパティーは、XMLNS ドメイン内のメッセージに XMLNSC コンパクト・パーサーを使用するかどうかを制御します。このプロパティーを設定すると、入力 RFH2 ヘッダーまたはデフォルト・プロパティー・ドメインが XMLNS の場合、出力ターミナルに接続されているノードの XMLNSC の下にメッセージ・データが表示されることに注意してください。変更の終わり
混合内容保存モード いいえ いいえ なし このプロパティーは、XMLNSC パーサーが入力メッセージ内に混合テキストを検出したとき、メッセージ・ツリー内にエレメントを作成するかどうかを制御します。 有効な値は、「なし」および「すべて」です。「すべて」を選択すると、混合テキストに対してエレメントが作成されます。 「なし」を選択すると、混合テキストは無視されて、エレメントは作成されません。
コメント保存モード いいえ いいえ なし このプロパティーは、XMLNSC パーサーが入力メッセージ内にコメントを検出したとき、メッセージ・ツリー内にエレメントを作成するかどうかを制御します。 有効な値は、「なし」および「すべて」です。「すべて」を選択すると、コメントに対してエレメントが作成されます。 「なし」を選択すると、コメントは無視されて、エレメントは作成されません。
処理命令保存モード いいえ いいえ なし このプロパティーは、XMLNSC パーサーが入力メッセージ内に処理命令を検出したとき、これらのメッセージ・ツリー内にエレメントを作成するかどうかを制御します。 有効な値は、「なし」および「すべて」です。「すべて」を選択すると、処理命令に対してエレメントが作成されます。 「なし」を選択すると、処理命令は無視されて、エレメントは作成されません。

HTTPRequest ノードの「説明」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
簡略説明 いいえ いいえ   ノードの簡単な説明
詳細説明 いいえ いいえ   メッセージ・フロー内のノードの目的を説明するテキスト
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Copyright IBM Corporation 1999, 2006 最終更新: 08/21/2006
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