DECLARE ステートメントは変数とそのデータ・タイプ、およびオプションで初期値を定義します。
BEGIN ... END ステートメントの ATOMIC オプションも参照してください。BEGIN ATOMIC の構成は、共用変数に多数の変更を加える必要がある場合や、他のインスタンスがデータの中間状態を参照しないようにすることが重要な場合に便利です。
定数を定義するには、CONSTANT を使用します。定数はスキーマ、モジュール、ルーチン、または複合ステートメント (暗黙および明示の両方) 内で宣言できます。それぞれの場合の動作は次のとおりです。
ルーチン内で宣言された定数または変数は、含まれているモジュールおよびスキーマ内で 宣言されているのと同じ名前のすべてのパラメーター、および同じ名前のすべての定数および変数をオーバーレイします。
ユーザー定義のプロパティー (UDP) を指示するには、EXTERNAL を使用します。UDP とは、メッセージ・フロー・エディターによって設計時に初期値を変更したり、ブローカー・アーカイブ・エディターによってデプロイメント時に初期値をオーバーライドしたりできるユーザー定義の定数のことです (初期値はオプションで DECLARE ステートメントによって設定されます)。ESQL によって値を変更することはできません。
UDP の概要については、ESQL でのユーザー定義プロパティーを参照してください。
DECLARE ステートメントで UDP の初期値を指定すると、この値がデフォルトになります。しかし、メッセージ・フロー・エディターによって設計時に指定された値や、BAR エディターによってデプロイメント時に指定された値は (長さゼロのストリングであっても)、DECLARE ステートメントでコード化された初期値をオーバーライドします。
メッセージ・フロー中のすべての UDP に、DECLARE ステートメントで指定された値か、メッセージ・フロー・エディターまたは BAR エディターによって指定された値がなければなりません。ない場合は、デプロイメント時にエラーが発生します。実行時に、UDP を宣言した後で、後続の ESQL ステートメントによってその値を照会できますが、変更することはできません。
UDP の利点は、デプロイメント時に操作員が値を変更できることです。例えば、UDP を使用して構成データを保持している場合は、デプロイメント時にノード・レベルでコードに変更を加えずに特定のマシン、タスク、または環境用にメッセージ・フローを構成できることになります。
モジュールまたはスキーマの中でのみ、UDP を宣言することができます。
UDP データ・タイプを指定する際には注意してください。CAST が実行されて、要求された DataType にキャストされるからです。
DECLARE mycolour EXTERNAL CHARACTER ‘blue';
DECLARE TODAYSCOLOR EXTERNAL CHARACTER; SET COLOR = TODAYSCOLOR;TODAYSCOLOR は、TYPE が CHARACTER で、VALUE がメッセージ・フロー・エディターによって設定されたユーザー定義プロパティーです。
変数の認識に使用される別名 (別の名前) を定義するには、NAME を使用します。
-- The following statement gives Schema1 an alias of 'Joe'. DECLARE Schema1 NAME 'Joe'; -- The following statement produces a field called 'Joe'. SET OutputRoot.XML.Data.Schema1 = 42; -- The following statement inserts a value into a table called Table1 -- in the schema called 'Joe'. INSERT INTO Database.Schema1.Table1 (Answer) VALUES 42;
DECLARE Schema1 EXTERNAL NAME; CREATE FIRSTCHILD OF OutputRoot.XML.TestCase.Schema1 Domain('XML') NAME 'Node1' VALUE '1'; -- If Schema1 has been given the value 'red', the result would be: <xml version="1.0"?> <TestCase> <red> <Node1>1</Node1> </red>
ネーム・スペースの認識に使用される別名 (別の名前) を定義するには、NAMESPACE を使用します。
次の例は、ネーム・スペース宣言をパス内の SpaceId として、およびネーム・スペース式内の文字定数として使用した場合を例示しています。
DECLARE prefixOne NAMESPACE 'http://www.example.com/PO1'; -- On the right hand side of the assignment a namespace constant -- is being used as such while, on the left hand side, one is -- being used as an ordinary constant (that is, in an expression). SET OutputRoot.XML.{prefixOne}:{'PurchaseOrder'} = InputRoot.XML.prefixOne:PurchaseOrder;
共用変数を定義するには、SHARED を使用します。共用変数は、フロー (スキーマ中で宣言されている場合) またはノード (モジュール中で宣言されている場合) には専用ですが、フローのインスタンス (スレッド) の間では共用されます。 フロー・レベルよりも広い範囲で可視の変数タイプはありません。例えば、実行グループ間で変数を共用することはできません。
共用変数は、メッセージ・フローでメモリー内のキャッシュをインプリメントするために使用できます。メッセージ・フロー応答時間の最適化を参照してください。共用変数の存続時間は長く、フローを通過する複数のメッセージに可視になります。存続期間の長い変数を参照してください。共用変数は、実行グループのプロセスの存続時間、フローまたはノードの存続時間、または変数を宣言するノードの SQL の存続時間 (のうち最も短い時間) の間存在します。 共用変数は、個々のブローカーの始動後に最初のメッセージがフローまたはノードを移動する際に初期化されます。
関数やプロシージャー内には共用変数を定義できません。
ユーザーが、データベースの永続性とトランザクション性の利点を犠牲にしてでもパフォーマンスを向上させようと思っている場合、これらの読み取り書き込み変数は、存続時間が 1 つのメッセージより長く、パフォーマンスがデータベースより高いので、理想的です。
フロー共用変数 (つまり、スキーマ・レベルで定義された変数) を使用する際には、複数のフローが変数を更新する可能性がある場合に注意してください。特に、変数がカウンターとして使用されている場合にこの可能性があります。同様に、ノード共用変数 (つまり、モジュール・レベルで定義された変数) を使用する際には、複数のインスタンスが変数を更新する可能性がある場合に注意してください。
ユーザー・プログラムは、共用行変数を使用すると、入力ノードのメッセージのコピーの読み取り/書き込みを効率よく行えます。この変数は全般的に便利ですが、特に大規模なメッセージを処理する手法を単純化するのに便利です。
サブツリーが 1 つの共用行変数から別の共用行変数に直接コピーできないという制限があります。サブツリーは非共用行変数を使用して間接的に コピーできます。1 つの共用行変数から (FIELDVALUE 関数を使用して) 抽出されたスカラー値は、別の共用行変数にコピーできます。
共用変数の使用例については、共用変数と外部変数の使用法を示した「メッセージ・ルーティング」サンプル・プログラムを参照してください。「メッセージ・ルーティング」サンプルは、Message Brokers Toolkit のサンプル・ギャラリーにあります。