ハイ・アベイラビリティー・ドメインのマイグレーションの計画

このトピックでは、ハイ・アベイラビリティー・ドメインをマイグレーションするための一般的な考慮事項について説明します。 ハイ・アベイラビリティー とは、システムが常時 (またはほとんどの時間) 稼働しなければならないという要件です。 ハイ・アベイラビリティー環境を提供することには、一部のブローカーをバックアップ用に使用できるように複数のブローカーを持つことが含まれます。 実動ドメイン全体は、問題が生じた場合にバックアップ・システムに切り替えることができるよう、重複させることができます。

ハイ・アベイラビリティー環境でのマイグレーションは問題となります。これは、以前のバージョンの製品を停止してから、WebSphere Message Broker バージョン 6.0 をインストールして開始するまでのぜい弱期間があるためです。 解決方法は、以前のバージョンの製品が並行して実行している間に WebSphere Message Broker バージョン 6.0 をインストールして構成してから、WebSphere Message Broker バージョン 6.0 の使用に切り替えることです。以前のバージョンの製品を実行している同じコンピューター、または異なるセットのコンピューターのいずれかに WebSphere Message Broker バージョン 6.0 をインストールできます。

このトピックの以下のセクションでは、ハイ・アベイラビリティー・ドメインをマイグレーションする方法に関する一般的フレームワークが提供されます。 ユーザー特有の事情に適するように、これらの指示を調整しなければならない場合があります。 マイグレーションの詳細な指示については、製品固有のマイグレーションのトピックを参照してください。

ハイ・アベイラビリティー・ドメインのマイグレーションの準備

ハイ・アベイラビリティーのマイグレーションを実行するには、ご使用の環境が正常に構成されている必要があります。 以下のタスクを完了します (実働ドメインおよびテスト・ドメインは複数のドメインのマイグレーションの計画で説明されています)。
  1. マイグレーションする実動ドメインがハイ・アベイラビリティー用に構成されていることを確認してください。 ブローカー 1 のマイグレーション中にブローカー 2 および 3 が互いにバックアップ・サポートを提供できるように、実行中のアプリケーションをサポートするブローカーが少なくとも 3 つなければなりません。 これは常にハイ・アベイラビリティー・ドメイン用の標準セットアップであり、マイグレーションに特有のものではありません。
  2. テスト・ドメインが実動ドメインと等しくなるようにしてください。 これはつまり、テスト・ドメインのマイグレーション時に問題を識別して、実働ドメインのマイグレーション前にそれらを解決できるということです。

テスト・ドメインのマイグレーション

テスト・ドメインをマイグレーションするには、以下のタスクを完了します。マイグレーションの詳細な指示については、製品固有のマイグレーションのトピックを参照してください。

  1. 以前のバージョンの製品からリソースをバックアップします。
  2. WebSphere Message Broker バージョン 6.0 をインストールし、実働ドメインをミラーリングするのに必要な数のコンピューター上に構成マネージャーおよびブローカーを作成します。
  3. メッセージ・フローおよびメッセージ・セットの開発において、特定の機能領域を各開発者が担当するということはよくあります。 機能領域ごとに WebSphere Message Broker バージョン 6.0 へのリソースのマイグレーションをテストします。
    1. Message Brokers Toolkit およびその領域を担当する開発者によって使用されるリソースをマイグレーションすることによって、1 つの機能領域をバージョン 6.0 に移動します。
    2. 必要に応じて、マイグレーションされたリソースをデプロイしてその結果をチェックすることによって、それらのリソースが動作するかどうかテストします。 問題があれば、すべて解決してください。
    3. 残りの機能領域についてステップ a と b を繰り返します。

    機能領域を 1 つずつマイグレーションするということは、既存の開発が以前のバージョンの製品で継続可能であることを意味します。

    ユーザー定義の拡張機能およびマッピング・ファイルを除き、リソースをバージョン 6.0 にマイグレーションするためのタスクを実行する必要はありません。 ただし、バージョン 6.0 Message Brokers Toolkit でリソースの使用を開始した後、バージョン 5.0 またはバージョン 5.1 Message Brokers Toolkit で同じリソースを再使用することについては制約があります。 詳しくは、以前のバージョンの Message Brokers Toolkit でのマイグレーション済みリソースの使用の条件を参照してください。

  4. 以前のバージョンの製品のブローカーをバージョン 6.0 構成マネージャーと関連付けます。 以下のステップを実行します。
    1. 以前のバージョンの製品の 1 つのブローカーをバージョン 6.0 構成マネージャーと関連付けます。
    2. このブローカーが担当するマイグレーション済みのリソースをデプロイすることによって、そのリソースが今もなお必要な動作をするかどうかテストし、問題があればすべて解決します。
    3. 以前のバージョンの製品の残りのブローカーについてステップ a と b を繰り返します。

    一度に 1 つのブローカーを移動するということは、各ステージで加えられるのは小さな変更のみであることを意味します。 問題が発生しても、まだマイグレーションされていない他のブローカーが、マイグレーションの問題が解決される間に要求を処理できます。 必要に応じて、ブローカーを元の構成マネージャーに戻すことができます。

  5. ブローカーを以前のバージョンの製品から WebSphere Message Broker バージョン 6.0 へマイグレーションします。以下のステップを実行します。
    1. 1 つのブローカーを以前のバージョンの製品から WebSphere Message Broker バージョン 6.0 へマイグレーションします。
    2. このブローカーが担当するマイグレーション済みのリソースをデプロイすることによって、そのリソースが今もなお必要な動作をするかどうかテストし、問題があればすべて解決します。
    3. 以前のバージョンの製品の残りのブローカーについてステップ a と b を繰り返します。

実動ドメインのマイグレーション

実動ドメインをマイグレーションするには、以下のタスクを完了します。マイグレーションの詳細な指示については、製品固有のマイグレーションのトピックを参照してください。
  1. 以前のバージョンの製品からリソースをバックアップします。
  2. バージョン 6.0 Message Brokers Toolkit を使用して管理システムを構成します。これによって、バージョン 6.0 の新規コンポーネントを管理することができます。
  3. リソースのマイグレーションのテスト時に識別された問題を考慮に入れて、ご使用のリソースをマイグレーションします。
  4. バージョン 6.0 構成マネージャーを作成し、Message Brokers Toolkit をこの構成マネージャーに接続します。
  5. 以前のバージョンの製品のブローカーをバージョン 6.0 構成マネージャーと関連付けます。 以下のステップを実行します。
    1. 以前のバージョンの製品のブローカーをバージョン 6.0 構成マネージャーと関連付けます。
    2. このブローカーが担当するマイグレーション済みのリソースをデプロイすることによって、そのリソースが今もなお必要な動作をするかどうかテストし、問題があればすべて解決します。
    3. 以前のバージョンの製品の残りのブローカーについてステップ a と b を繰り返します。

    一度に 1 つのブローカーを移動するということは、各ステージで加えられるのは小さな変更のみであることを意味します。 問題が発生した場合でも、マイグレーションの問題を解決する間、まだマイグレーションされていない他のブローカーは要求を処理できます。 必要に応じて、ブローカーを元の構成マネージャーに戻すことができます。

  6. ブローカーを以前のバージョンの製品から WebSphere Message Broker バージョン 6.0 へマイグレーションします。以下のステップを実行します。
    1. ブローカーを以前のバージョンの製品から WebSphere Message Broker バージョン 6.0 へマイグレーションします。
    2. このブローカーが担当するマイグレーション済みのリソースをデプロイすることによって、そのリソースが今もなお必要な動作をするかどうかテストし、問題があればすべて解決します。
    3. 以前のバージョンの製品の残りのブローカーについてステップ a と b を繰り返します。
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