連携ポートレットの開発

連携ポートレット という用語は、情報を共用することによって相互作用するページ上のポートレットの機能を指します。 ポータル・ページ上の 1 つ以上の連携ポートレットは、 ソース・ポートレットのアクションまたはイベントによって起動されたソース・ポートレットからの変更に、 自動的に対応することができます。 イベントのターゲットであるポートレットは、 ユーザーがページ上の他のポートレットを繰り返し変更したり操作しなくて済むように対応できます。 これにより、ページ上のポートレット間の振る舞いを調整された一貫性のあるものにし、 ユーザーの操作全般を改善することができます。

連携ポートレットは、WebSphere® Portal プロパティー・ブローカーを使用して互いの情報を宣言、公開、 および共用するためのモデルに加入します。 ポートレットは、プロバイダーまたは受信側として共用できる型付きデータ項目、 つまりプロパティー を公開することによって、ブローカーに加入します。

連携ポートレットは、ソース・ポートレット、ターゲット・ポートレット、またはその両方であることがあります。

ユーザーは、ソース・ポートレット上のアイコンから Click-to-Action イベントを起動します。 連携ポートレットはさまざまな方法で実装できますが、Click-to-Action は、Rational® Developer ツール・インターフェースによってサポートされる固有の手法であることに注意してください。 このアイコンは、アクションのターゲットのリストを含むポップアップ・メニューを表示します。 ユーザーが特定のターゲットを選択すると、 プロパティーのブローカーは、対応するポートレット・アクションのフォームでターゲットにデータを配信します。

Click-to-Action 配信方法を使用すると、 ユーザーは、単にクリックするだけでソース・ポートレットから 1 つ以上のターゲット・ポートレットにデータを転送でき、 ターゲットはアクションに対応し、結果と共に新規ビューが表示されます。 ユーザーは、一致する入力プロパティーに関連したアクションが宣言されているページ上のすべてのポートレットに、 プロパティーをブロードキャストすることもできます。

Click-to-Action のサポート

Click-to-Action サポートは、IBM® ポートレット API を使用する、 基本、Faces、および Struts ポートレットで利用できます。

表 1. ポートレットのタイプ別の Click-to-Action タグ・サポート
ポートレットのタイプ WebSphere Portal 5.0.2.x および 5.1
JSR 168 API IBM ポートレット API
基本ポートレット なし
注: 汎用 WebSpherePortal 連携ポートレット機能がサポートされます。 しかし、Rational ポートレット・ツールの Click-to-Action 機能は利用できません。
あり
Faces ポートレット あり
Struts ポートレット あり

Click-to-Action ポートレットは、 <hx:pagerDelux> タグまたは <hx:pagerWeb> タグと共に<c2a:encodeProperty> タグを含む Faces JSP ページに含まれている場合、WebSphere Portal または WebSphere Portal テスト環境のページャー機能を処理しません。 Faces JSP ページで Click-to-Action およびデータ・テーブルのページャー機能を一緒に使用するには、 <hx:pagerDelux> タグまたは <hx:pagerWeb> タグではなく、 <hx:pagerSimple> タグまたは <hx:pagerGoto> タグを使用してください。

連携ポートレット・アイコン

表 2. 「プロジェクト・エクスプローラー」ビュー、「パレット」ビュー、 および Page Designer の連携ポートレット・アイコン
アイコン 説明 表示される場所
「Click-to-Action ソース・ポートレット」アイコン 連携ソース・ポートレット 「プロジェクト・エクスプローラー」ビューおよびポートレット・デプロイメント記述子エディター
「Click-to-Action ターゲット・ポートレット」アイコン 連携ターゲット・ポートレット 「プロジェクト・エクスプローラー」ビューおよびポートレット・デプロイメント記述子エディター
「Click-to-Action ソースおよびターゲット・ポートレット」アイコン 連携ソースおよびターゲット・ポートレット 「プロジェクト・エクスプローラー」ビューおよびポートレット・デプロイメント記述子エディター
「Click-to-Action 出力プロパティー (encodeProperty)」アイコン Click-to-Action 出力プロパティー (encodeProperty) Page Designer および「パレット」ビューの JSP ページ
「Click-to-Action 出力プロパティー (encodeProperties)」アイコン Click-to-Action 出力プロパティー (encodeProperties) Page Designer および「パレット」ビューの JSP ページ

JSR 168 連携ポートレット

Click-to-Action 動作は、JSR 168 ポートレット API に対して使用可能ではありませんが、 JSR 168 ポートレット・プロジェクトは、ワイヤーを使用して WebSphere Portal テスト環境で連携動作を実行し、 表示することができます。 この機能を使用可能にするには、次の構成手順を実行します。

  1. ポートレットのテスト用のローカル・サーバーの構成 の説明にしたがって、 WebSphere Portal テスト環境サーバーを作成する。
  2. 「サーバー」ビューで WebSphere Portal テスト環境をダブルクリックして、サーバー構成ファイルを開く。
  3. サーバー・エディターで「ポータル」タブを選択する。
  4. 「Portal の管理とカスタマイズ用に基本ポートレットを使用可能にする」チェック・ボックスを選択する。
  5. サーバー構成ファイルを保管する。
  6. プロジェクトを選択して右クリックし、「実行」 > 「サーバーで実行」を選択する。
  7. 「ページの編集」をクリックする。
  8. 「ワイヤー」を選択し、最大 5 つのワイヤーを追加する。連携動作用のワイヤーの使用について詳しくは、WebSphere Portal 製品資料を参照してください。 「完了」をクリックします。
  9. 表示モードに戻ります。 サンプル・ポートレットの連携が使用可能になります。 ただし、WebSphere Portal v5.1 テスト環境を再始動する場合、連携を使用可能にするには、ワイヤーを再度追加する必要があります。
関連タスク
既存のポートレットを連携可能にする
連携ソースの使用可能化
連携ターゲットの使用可能化
Click-to-Action encodeProperty の挿入
Click-to-Action encodeProperties の挿入
Click-to-Action encodeProperty の編集
Click-to-Action encodeProperties の編集

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