IMSInteractionSpec プロパティー

J2C Java Bean の Java メソッドを定義する場合、Java メソッドで実行される IMS™ との対話を記述するプロパティーの値を指定する必要があります。これらは、IMSInteractionSpec の入力プロパティーの値です。以下のリストでは、アプリケーション・コンポーネントで設定されていないものも含め、 IMSInteractionSpec のすべての出力プロパティーと入力プロパティーについて説明しています。

asyncOutputAvailable
出力専用プロパティーです。Java™ アプリケーションは、 専用永続的ソケットまたは共用可能な永続的ソケットでのコミット・モード 0 対話から戻ったときにこれを使用して、関連する clientID の出力がキューに入れられているかどうかを 判別することができます。 clientID は IMSConnectionSpec のプロパティーです。ユーザー指定の値にすることも、IMS Connector for Java が生成した値にすることもできます。 asyncOutputAvailable の値は、キューにメッセージがある場合は true になります。アプリケーション・コンポーネントは、入力には asyncOutputAvailable プロパティーを設定しません。: Java アプリケーションで このプロパティーを使用している場合は、これを IMSInteractionSpec の 出力プロパティーとして公開する必要があります。
convEnded
出力専用プロパティーです。Java アプリケーションは、 このプロパティーを使用して、会話が終了した (true) かどうかを 判別することができます。アプリケーション・コンポーネントは、入力には convEnded プロパティーを設定しません。注: Java アプリケーションで このプロパティーを使用している場合は、これを IMSInteractionSpec の 出力プロパティーとして公開する必要があります。
commitMode
IMS トランザクションで実行されるコミット・モード処理のタイプを示すために、IMS リソース・アダプターが使用します。詳しくは、『コミット・モードの処理の概要』を参照してください。 commitMode プロパティーは、interactionVerb が SYNC_SEND_RECEIVE に 設定されている場合、0 または 1 に設定できます。 interactionVerb が SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT、SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_NOWAIT、SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_WAIT、 または SYNC_SEND に設定されている場合、IMS Connector for Java は commitMode 0 を使用します。interactionVerb が SYNC_END_CONVERSATION に 設定されている場合は、commitMode 1 が必要です。 commitMode が 0 で、対話に専用の永続ソケットが使用されている場合は、IMSConnectionSpec の clientID プロパティーを対話に提供する必要があります。 commitMode が 0 で、対話に共用可能な永続ソケットが使用されている場 合は、clientID を指定してはなりません。共用可能な永続ソケットでの対話に commitMode 0 または 1 が指定されている場合は、トランザクションからの 出力メッセージをパージまたは転送することはできません。出力メッセージは、interactionVerb が SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT、SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_NOWAIT、または SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_WAIT に設定された同一アプリケーション内の後続の対話を使用してリカバリー可能です。commitMode 0 対話に専用永続的ソケットを使用する場合は、トランザクションからの出力メッセージをパージまたは転送することはできませんが、interactionVerb が SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT、SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_NOWAIT、 または SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_WAIT に設定された後続の対話を使用してリカバリー可能です。
socketTimeout
IMS Connector for Java が IMS Connect からの応答を待つ、 最長時間です。この時間が経過すると、ソケットが切断され、クライアント・アプリケーションに例外が戻されます。 socketTimeout 値はミリ秒単位で表示されます。ソケット・タイムアウトを使用する場合、ゼロより大きい値を指定する必要があります。ある対話に関してソケット・タイムアウトが指定されていない場合、またはソケット・タイムアウト値が 0 ミリ秒に設定されている場合には、 ソケット・タイムアウトは発生しません (つまり、無限に待機するようになります)。 詳しくは、『ソケット・タイムアウト』 および『ソケット・タイムアウト値の設定』を参照してください。
executionTimeout
IMS Connect が IMS に メッセージを送信し、応答を受信するために許されている最大時間です。 executionTimeout 値はミリ秒で表され、-1 または 1 ~ 3,600,000 の範囲内 (両端を含む) の 10 進数の整数である必要があります。すなわち、executionTimeout 値は、ゼロよりも大きく、かつ 1 時間以下である必要があります。このプロパティーに -1 が設定されている場合は、対話は時間制限なしで実行されます。詳しくは、「実行タイムアウト」、「実行タイムアウト値の設定」、および「有効な実行タイムアウト値」を参照してください。
imsRequestType
IMS 要求のタイプを示し、IMS リソース・アダプターが 要求からの出力を取り扱う方法を決定します。整数値は、以下のとおりです。
IMSInteractionSpecProperties の名前付き定数 説明
1 IMS_REQUEST_TYPE_IMS_TRANSACTION この要求は IMS トランザクションです。 IMS が 戻す標準のトランザクション出力は、アプリケーションの出力メッセージにデータを 取り込むために使用されます。 IMS が「DFS」メッセージを 戻すと、IMS リソース・アダプターが IMSDFSMessageException をスローします。

imsRequestType のこの値は、WebSphere® Studio MFS サポートを使用しないで作成されるアプリケーションに使用されます。

2 IMS_REQUEST_TYPE_IMS_COMMAND この要求は IMS コマンドです。 IMS が戻す コマンド出力 (「DFS」メッセージを含みます) は、アプリケーションの 出力メッセージにデータを取り込むために使用されます。 IMSDFSMessageException はスローされません。

imsRequestType のこの値は、IMS コマンドを出すアプリケーションに 使用されます。

3 IMS_REQUEST_TYPE_MFS_TRANSACTION imsRequestType のこの値は、WebSphere Studio MFS サポートを使用して作成されるアプリケーションのために予約されています。

IMS が戻すトランザクションの標準出力および「DFS」メッセージは、アプリケーションの出力メッセージにデータを取り込むために使用されます。 IMSDFSMessageException はスローされません。

interactionVerb
Java アプリケーションと IMS の間で行われる対話のモードです。現在 IMS リソース・アダプターがサポートしている値は、以下のとおりです。
IMSInteractionSpecProperties の名前付き定数 説明
0 SYNC_SEND IMS リソース・アダプターは、IMS Connect から IMS に クライアント要求を送信しますが、IMS からの応答は予期しません。 SYNC_SEND 対話では、クライアントは、IMS から応答を同期的に受信する必要はありません。 SYNC_SEND は、共用可能な永続的ソケット接続と専用永続的ソケット接続の両方で サポートされており、commitMode 0 対話でのみ使用可能です。 interactionVerb を SYNC_SEND に設定すると、実行タイムアウト値とソケット・ タイムアウト値は無視されます。注: imsRequest タイプ 2 を SYNC_SEND とともに使用することはできません。例外が生成されます。
1 SYNC_SEND_RECEIVE IMS 対話を実行することにより、IMS への 要求の送信と応答の受信が同期的に行われます。一般的な SYNC_SEND_RECEIVE 対話では、入力レコード (IMS トランザクションの 入力メッセージ) が IMS に送られ、IMS が 出力レコード (IMS トランザクションの出力メッセージ) を戻す、という非会話型 IMS トランザクションが実行されます。 SYNC_SEND_RECEIVE 対話は、会話型 IMS トランザクションの 反復にも使用されます。会話型トランザクションは commitMode 1 を必要とします。非会話型 トランザクションは、commitMode 1 を使用して実行することも、commitMode 0 を 使用して実行することもできます。専用永続的ソケットで commitMode 0 を 使用する場合は、IMSConnectionSpec の clientID プロパティーに値を指定する 必要があります。共用可能永続ソケットで commitMode 0 を使用する場合は、IMSConnectionSpec の clientID プロパティー の値を指定してはなりません
3 SYNC_END_CONVERSATION interactionVerb に SYNC_END_CONVERSATION を指定してアプリケーションが 対話を実行する場合は、IMS リソース・アダプターはメッセージを送って、IMS 会話型 トランザクションを強制的に終了させます。

SYNC_END_CONVERSATION では、commitMode 1 が必要です。clientID を 使用することはできません。

4 SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT interactionVerb SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT は、共用可能な永続的ソケット接続と専用永続的ソケット接続の両方で有効です。SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT は、 配信されなかった非同期出力を検索するために使用されます。専用永続的ソケットで SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT を使用する場合は、IMSConnectionSpec の clientID プロパティーに値を指定する必要があります。

このタイプの対話では、Java クライアントは、単一のメッセージのみを受信できます。要求が出されたときに clientID の IMS OTMA 非同期キューにメッセージがない場合は、 メッセージを検索する試みはこれ以上行われません。戻される メッセージはなく、SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT 対話の executionTimeout プロパティーで指定された時間が経過するとタイムアウトになります。

5 SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_NOWAIT interactionVerb SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_NOWAIT は、 共用可能な永続的ソケット接続と専用永続的ソケット接続の両方で有効です。これは、非同期出力を検索するために使用されます。

このタイプの対話では、Java クライアントは、単一のメッセージのみを受信できます。要求が出されたときに clientID の IMS OTMA 非同期キューにメッセージがない場合は、 メッセージを検索する試みはこれ以上行われません。戻される メッセージはなく、SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINLE_NOWAIT 対話の executionTimeout プロパティーで指定された時間が経過するとタイムアウトになります。

: interactionVerbs SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT および SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_NOWAIT は同じ機能を実行します。しかし、IMS リソース・アダプター 9.1.0.1.1 または 9.1.0.2 を使用する Rational Application Developer 6.0.0.2 では、SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_NOWAIT を 使用することをお勧めします。

6 SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_WAIT interactionVerb SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_WAIT は、 非同期出力を検索するために使用されます。これは、共用可能な永続的ソケット接続と専用永続的ソケット接続の両方で 有効です。

このタイプの対話では、Java クライアントは、単一のメッセージのみを受信できます。要求が出されたときに clientID の IMS OTMA 非同期キューにメッセージが ない場合は、IMS Connect は、OTMA がメッセージを戻すのを待ちます。 IMS Connect は、SYNC_RECEIVE_ASYNCOUTPUT_SINGLE_WAIT 対話の executionTimeout プロパティーで指定された期間待ってから、例外を戻します。

J2EE Connection Architecture (JCA) の値 SYNC_RECEIVE (2) は、 現在サポートされていません。

ltermName
IMS アプリケーション・ プログラムの入出力 PCB の LTERM フィールドの値をオーバーライドするために使用される LTERM 名です。 LTERM オーバーライドの使用方法については、「IMS Connect 手引きおよび解説書」(SC88-8911-00) を参照してください。

このプロパティーの値は、クライアント・アプリケーションが LTERM オーバーライド名を提供する場合に設定できます。この名前は、IMS アプリケーション・プログラムの 入出力 PCB に入れられます。IMS アプリケーションは、 このオーバーライド値に基づいて論理決定を行います。

mapName
一般に、mapName フィールドには、Message Format Service (MFS) コントロール・ブロックの名前が含まれています。MFS は、 トランザクションの入力および出力メッセージのオンライン・フォーマットを実行する、IMS のコンポーネントです。 IMS Connect は IMS OTMA を使用して IMS に アクセスするため、MFS オンライン・フォーマットはバイパスされます。ただしその場合でも、Java アプリケーションは、mapName フィールドを使用して、IMS アプリケーション・プログラムに MFS コントロール・ブロックの名前を入力したり、IMS アプリケーション・プログラムが提供する MFS コントロール・ブロックの名前を取り出したりすることができます。

入力の場合は、一般に mapName プロパティーの値は、MFS メッセージ出力記述子、すなわち「MOD」の名前です。MOD の 名前は、入出力 PCB に入れられて IMS アプリケーション・プログラムに提供されます。

出力の場合、mapName プロパティーの値は、MFS メッセージ出力記述子、すなわち「MOD」の名前です。これは、 トランザクション出力メッセージを入出力 PCB に挿入するときに IMS アプリケーション・プログラムが指定した MOD 名です。

: 入力および出力メッセージが WebSphere Studio MFS サポートによって生成されるエンタープライズ・サービスを使用する Java アプリケーションでは、mapName フィールドを使用しないでください。

purgeAsyncOutput
これは入力プロパティーです。このプロパティーは、IMS Connect が 配信されなかった出力をパージするかどうかを決定します。

このプロパティーは、共用可能な永続的ソケット接続上で、 IMS の対話 verb である SYNC_SEND_RECEIVE を使用する対話でのみ有効です。これは、専用永続的ソケット接続で行われる対話では無効です。このプロパティーはコミット・モード 0 の対話に適用されます。コミット・モード 1 の対話には適用されません。 ただし、コミット・モード 1 対話がプログラム間の切り替えを実行する場合、切り替えられたプログラムはコミット・モード 0 を実行するため、結果としてこのプロパティーが適用されます。

purgeAsyncOutput プロパティーが、共用可能な永続的ソケット接続で実行される SYNC_SEND_RECEIVE 対話で指定されていない場合、デフォルトは TRUE です。このプロパティーを TRUE に 設定すると、次の出力メッセージがパージされます。
  • 1 次 IMS アプリケーション・プログラムによって入出力 PCB に挿入された、配信されなかった出力メッセージ。
  • プログラム間の切り替えが起動した 2 次 IMS アプリケーション・プログラムに よって入出力 PCB に挿入された出力メッセージ。
reRoute
これは入力プロパティーです。

プログラム間の切り替えを引き起こす、 コミット・モード 0 またはコミット・モード 1 対話のいずれかを使用して、 共用可能な永続的ソケット接続で行われる SYNC_SEND_RECEIVE 対話でのみ 有効です。この切り替えは、このプロパティーは、別のコミット・モード 0 対話を 起動して、配信不能 2 次出力を生成します。このプロパティーは、 配信されない出力を、reRouteName フィールドで指定された宛先に転送するかどうかを 決定します。reRoute が TRUE の場合は、非同期出力は、生成された clientID の TPIPE にキューイングされません。 その代わり、非同期出力は、reRouteName フィールドで指定された宛先に キューイングされます。reRoute のデフォルト値は FALSE です。

reRoute と purgeAsyncOutput の両方を TRUE に設定すると、例外がスローされます。

reRouteName
このプロパティーは、非同期出力をキューに入れる宛先の名前を指定します。 reRoute が TRUE の場合は、このプロパティーは、指定された宛先を提供します。 reRoute が FALSE の場合は、reRouteName プロパティーは無視されます。
reRoute プロパティーが TRUE に設定され、reRouteName が 指定されていない場合は、reRouteName プロパティーの値は次のようになります。
  1. IMS Connect 構成ファイルで指定された値。
  2. IMS Connect 構成ファイルで値が指定されていない場合は、値「HWS$DEF」が使用されます。
プロパティー reRouteName は、共用可能な永続的ソケット接続での SYNC_SEND_RECEIVE 対話でのみ有効です。これは、専用永続的ソケット接続で行われる対話では無効です。
関連概念
実行タイムアウト
ソケット・タイムアウト
関連タスク
実行タイムアウト値の設定
ソケット・タイムアウト値の設定
関連資料
有効な実行タイムアウト値
接続プロパティー
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