演習 1.1: Faces Client の理解

Faces コンポーネント は JavaServer Faces テクノロジーに基づいています。JavaServer Faces テクノロジーの主な利点の 1 つは、ユーザー・インターフェースが基礎となるプログラム・ロジックから独立してレンダリングされていることです。 データにダイナミックにアクセスしてブラウザーやハンドヘルド・デバイス上でも等しく適切に実行されるアプリケーションを、ビジュアルに作成することができます。 JavaServer Faces についてさらに学習したい方に

Faces Client コンポーネント は Faces コンポーネントを補足するよう設計されています。特にクライアント・データのブラウザー・サイドの表示に対応するよう作られたものです。 Faces Client コンポーネントを使用すると、ユーザー・インターフェース・コンポーネントをページにドラッグすることによって、ダイナミック Web ページを素早く作成することができます。 ほとんどのデータ主導型 Web ページでは、データは HTML コントロールにマージされます。 ユーザーがページ上に表示されていないデータの表示を要求すると、ブラウザーは要求をサーバーに送信します。 サーバーはそのデータを検索し、HTML にマージし、新規ページをブラウザーに送信します。 それに対し、Faces Client Web ページでは、データはコントロールとは別に保守されます。データは、コントロールをバインドできる形式的なモデルに編成され、各 Web ページの上部に JavaScript オブジェクトとして保管されます。この設計により、同じデータにいくつかのコントロールをバインドすることが可能になっています。 ユーザーはサーバーまで往復することなしに、異なるアカウントなどのこのデータの異なる部分を表示することができます。

Faces Client の利点

Faces Client のいくつかの利点を以下に示します。

Faces Client コンポーネント

Faces Client コンポーネントには、データ・グリッド、ツリー・ビュー、グラフ、Web サービスの 4 つがあります。 Faces Client コンポーネントは JavaScript および HTML を使用して作成され、グラフおよび Web サービス・コンポーネントは Macromedia Flash も使用しています。 これらのコンポーネントは相互作用することができるため、同一ページ上にいくつかのコンポーネントを置いて、コンポーネントが相互作用できるイベントを定義することができます。 たとえば、アカウントのリストをツリーで表示し、そのツリーをデータ・グリッドにリンクさせることができます。 ユーザーがツリー内のアカウントを強調表示すると、データ・グリッドがそのアカウントのトランザクションを表示します。 ユーザーが異なるアカウントを選択すると、データ・グリッドはサーバーへの往復やページの再ロードをせずに、選択されたアカウントのトランザクション・セットを表示することができます。

次の図は、Faces Client コンポーネント・ドロワーを展開したパレット・ビューで、編集する JSP ページに容易にドラッグできるコンポーネントを示しています。


パレット・ビューにおける Face Client ドロワー

次の表は、Faces Client コンポーネント・ドロワーで使用可能なコンポーネントを示したものです。

Faces Client コンポーネント 説明
データ・グリッド リレーショナル・データベースの複数のレコードまたは JavaBean アレイの複数の項目を表示するテーブル。 以下の機能があります。
  • 列ヘッダーをクリックしてデータ・グリッドを列でソートする (昇順または降順)。
  • 例えば、次を表示、前へ、先頭へ、最終ページへ、などのページ制御を挿入する。
  • データ・グリッド全体または特定の列を編集可能にする。
  • テーブルに新しい行の追加または既存の行の削除を行うコントロールを組み込む。
  • データ・グリッドに表示されるデータをフィルタリングする。
グラフ データを棒グラフ、円グラフ、または折れ線グラフで示します。
注: ブラウザーに Macromedia Flash 7 以上がインストールされている必要があります。
ツリー・ビュー 階層データを表示するツリー構造を作成します。
Web サービス ページを更新せずに既存 Web サービスからデータを検索します。
注: ブラウザーに Macromedia Flash 7 以上がインストールされている必要があります。

Faces Client コンポーネントの使用

通常、アプリケーションで Faces Client コンポーネントを使用する前に、しておかなければならないことがいくつかあります。

  1. クライアント・データを作成する。すべての Faces Client コンポーネントにクライアント・データが必要です。 クライアント・データは、次のオブジェクトから作成することができます: JavaBeans、関連レコード・リスト、関連レコード、EGL レコード。 関連レコード・リストと関連レコードは両方とも SDO (Service Data Object) 機構に基づいています。SDO についてさらに学習したい方に クライアント・データを作成するには、まずページ・データ・ビューでデータ・コンポーネントを作成します。 次に、クライアント・データ・ビューで「新規 (New)」>「クライアント・データ (Client Data)」メニューを使用します。 データ・パレットから Faces Client コンポーネントにデータ・コンポーネントをドロップすることはできません。
  2. Web パースペクティブに動的 Web プロジェクトを作成する
  3. Faces JSP ファイルを作成する。 Faces JSP ファイルのモデルとして、必ず「基本 (クライアント・サイド・データ・キャッシュを使用) (Basic with client-side data caching)」を選択してください。

これで、パレット・ビューのドロワーにある Faces Client コンポーネントを処理できるようになりました。 ページにコンポーネントを追加するには、コンポーネントを設計ビューにドラッグしてください。

これで、演習 1.2: サンプル・アプリケーションのウォークスルーを開始する準備ができました。

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