汎用ログ・アダプターでは、アプリケーション・ログ・ファイルを処理し、 その内容を共通ベース・イベント・フォーマットに変換することができます。 共通ベース・イベントの仕様では、 ロギング、管理、問題判別、およびオートノミック・コンピューティングについての共通のフォーマットが定められています。 共通ベース・イベント・フォーマットは、これらの目的をサポートするツール間での相互通信を実現する一貫性のある形式です。 共通ベース・イベント・オブジェクトを使うことにより、一貫性のある形式で共通の規則に準拠したイベントの開発が可能になり、 その結果、これらの目標をサポートするツールを開発することができます。
共通ベース・イベント・オブジェクトをサポートするログおよびトレース・アナライザーなどのツールを利用するためには、 アプリケーション・ログ・ファイルが共通ベース・イベント・フォーマットに準拠していなければなりません。 この形式に準拠するアプリケーション・ログ・レコードを生成するには、 以下のいずれかを行います。
最初の方法は、アプリケーションを現在開発中でない限り、非現実的です。 この方法では、既存のアプリケーション・ログを共通ベース・イベント・フォーマットに統合する問題は解決されません。
2 番目の方法はより現実的ですが、変換プログラムを作成するという面倒な作業が残ります。 一般に、この場合は、第 3 世代のプログラミング言語でカスタム・コードを作成するか、 Perl などの従来のスクリプト作成ツールで使用できるスクリプトを作成することになります。 変換プログラムを作成したら、それをテストし、 共通ベース・イベント・オブジェクトを使用するツールにその変換ソリューションを統合する必要があります。
汎用ログ・アダプターを使えば、共通ベース・イベント・フォーマットの採用は簡単です。 アダプター構成エディターおよびランタイムは汎用ログ・アダプターに用意されているコンポーネントで、 これらを使って変換プログラムを簡単に作成およびテストすることができます。 エディターでは、共通ベース・イベント属性へのログ・ファイル・コンテンツのマッピングを表すために Java や正規表現を使うスクリプト・フラグメント (Perl など) を使用して変換プログラムを作成することができます。 また、エディターで正規表現スクリプトを作成しながらスクリプト・フラグメントをテストすることもできます。 ランタイムは、ユーザーが作成した規則とログ・ファイルを入力として受け取り、 共通ベース・イベント・オブジェクトを出力として生成します。 汎用ログ・アダプターでは、変換プログラムを、 共通ベース・イベント・レコードの分析に使用する ログおよびトレース・アナライザー・ツールに直接統合することができます。
関連概念
共通ベース・イベント・フォーマットの仕様