CREATE FUNCTION ステートメントは、呼び出し可能な関数またはプロシージャーを定義します。
CREATE FUNCTION および CREATE PROCEDURE ステートメントは、呼び出し可能な関数またはプロシージャー (ルーチンともいう) を定義します。
以前のバージョンのこの製品では、CREATE FUNCTION と CREATE PROCEDURE の使用法と機能は互いに異なっていました。その後の機能拡張により、 前述の注 1 および 3 にリストされている差異が生じました。
ルーチンは、個別に複数回実行できる再使用可能なコード・ブロックを作成するのに便利です。 一連の ESQL ステートメント、Java™ メソッド、またはデータベース・ストアード・プロシージャーとしてルーチンをインプリメントできます。 このような柔軟性があるので、構文図の文節の中には、ルーチンのタイプによっては適用されない (または許可されない) ものがあります。
個々のルーチンには名前があり、この名前はそのルーチンが属するスキーマ内で固有でなければなりません。したがって、ルーチン名は多重定義できません。ルーチン名が多重定義であることをブローカーが検出すると、例外が生じます。
RoutineName 文節を使用してルーチンの名前を指定し、ParameterList 文節を使用してルーチンのパラメーターを指定してください。 LANGUAGE 文節で ESQL を指定している場合、単一の ESQL ステートメントを使用してルーチンをインプリメントします。 このステートメントは複合ステートメント (BEGIN ... END) の場合に最も便利です。なぜなら、後で必要な数だけ ESQL ステートメントを組み込んで、その機能を実現できるからです。
ルーチンに ESQL 本体を提供する代わりに、ESQL 以外の LANGUAGE 文節を指定することもできます。この場合、ルーチンの実際の本体がブローカーの外部のどの場所にあっても、EXTERNAL NAME 文節を使用してその本体に対する参照を提供できます。EXTERNAL NAME 文節の使用法について詳しくは、ストアード・プロシージャーの呼び出し、および Java ルーチンの呼び出しを参照してください。
LANGUAGE タイプのルーチンに IN、OUT、および INOUT パラメーターを指定できます。呼び出し元がルーチンに複数の値を渡したり、複数の更新された値を戻して受け取ったりできます。戻されるこれらのパラメーターは、ルーチンに関する定義済みの RETURNS 文節に付加されます。RETURNS 文節は、ルーチンが呼び出し元に戻す値を定義します。
さまざまな言語でインプリメントされるルーチンには、データ・タイプを渡したり戻したりする上での独自の制約事項があり、これらの制限についてはこのセクションで後述されています。 戻り値のデータ・タイプは、ルーチンから戻されるように定義された値のデータ・タイプと一致していなければなりません。 また、ルーチンが戻り値を持つように定義されている場合は、ルーチンの呼び出し元はその値を無視できません。詳細については、CALL ステートメントを参照してください。
言語またはルーチン・タイプの場合、ルーチンを起動する方式は、ルーチンを宣言する方法と一致していなければなりません。ルーチンに RETURNS 文節がある場合は、FUNCTION 起動構文か、INTO 文節を指定した CALL ステートメントを使用してください。逆に、ルーチンに RETURNS 文節がない場合は、INTO 文節を指定せずに CALL ステートメントを使用しなければなりません。
ルーチンのタイプが FUNCTION の場合、方向標識 (IN、OUT、INOUT) はパラメーターごとにオプションです。しかし、文書化の目的上、タイプにかかわらず新しいルーチンすべてに方向標識を指定することは適切なプログラミング手法です。
CONSTANT と宣言される ESQL 変数 (または CONSTANT と宣言される変数の参照) は、方向として OUT または INOUT を持つことはできません。
ESQL ルーチンは ESQL で書かれていて、LANGUAGE 文節として ESQL があります。ESQL ルーチンの本体は、通常は BEGIN … END 形式の複合ステートメントで、ルーチンに渡されるパラメーターの処理用のステートメントが複数含まれています。
CREATE PROCEDURE swapParms ( IN parm1 CHARACTER, OUT parm2 CHARACTER, INOUT parm3 CHARACTER ) BEGIN SET parm2 = parm3; SET parm3 = parm1; END;
この例のプロシージャーでは、ESQL ルーチンの再帰的使用が示されています。この例は、ツリーを解析し、指定された開始点とそれより下のすべての場所を訪問し、それが見つけたものを報告します。
SET OutputRoot.MQMD = InputRoot.MQMD; DECLARE answer CHARACTER; SET answer = ''; CALL navigate(InputRoot.XMLNS, answer); SET OutputRoot.XMLNS.Data.FieldNames = answer; CREATE PROCEDURE navigate (IN root REFERENCE, INOUT answer CHARACTER) BEGIN SET answer = answer || 'Reached Field... Type:' || CAST(FIELDTYPE(root) AS CHAR)|| ': Name:' || FIELDNAME(root) || ': Value :' || root || ': '; DECLARE cursor REFERENCE TO root; MOVE cursor FIRSTCHILD; IF LASTMOVE(cursor) THEN SET answer = answer || 'Field has children... drilling down '; ELSE SET answer = answer || 'Listing siblings... '; END IF; WHILE LASTMOVE(cursor) DO CALL navigate(cursor, answer); MOVE cursor NEXTSIBLING; END WHILE; SET answer = answer || 'Finished siblings... Popping up '; END;
次の入力メッセージを与えた場合、
<Person> <Name>John Smith</Name> <Salary period='monthly' taxable='yes'>-1200</Salary> </Person>
プロシージャーは次の出力を生成します。この出力は手操作でフォーマット設定されています。
Reached Field... Type:16777232: Name:XML: Value :: Field has children... drilling down Reached Field... Type:16777216: Name:Person: Value :: Field has children... drilling down Reached Field... Type:16777216: Name:Name: Value :John Smith: Field has children... drilling down Reached Field... Type:33554432: Name:: Value :John Smith: Listing siblings... Finished siblings... Popping up Finished siblings... Popping up Reached Field... Type:16777216: Name:Salary: Value :-1200: Field has children... drilling down Reached Field... Type:50331648: Name:period: Value :monthly: Listing siblings... Finished siblings... Popping up Reached Field... Type:50331648: Name:taxable: Value :yes: Listing siblings... Finished siblings... Popping up Reached Field... Type:33554432: Name:: Value :-1200: Listing siblings... Finished siblings... Popping up Finished siblings... Popping up Finished siblings... Popping up Finished siblings... Popping up
>>--"-- className---.---methodName--"--------------><className はメソッドを含むクラスを識別し、methodName は起動するメソッドを識別します。 クラスがパッケージの一部である場合、クラス ID 部分には、完全なパッケージ接頭部を含める必要があります。例えば、"com.ibm.broker.test.MyClass.myMethod" のようにします。
Java クラスを検出するために、ブローカーは、Java クラスのデプロイで説明されている検索方式を使用します。
public static <return-type> <method-name> (< 0 - N parameters>)
<return-type> は、ESQL から Java データ・タイプへのマッピングの表にある Java IN データ・タイプのリストに含まれるもの (ただし戻り値として許可されていない REFERENCE タイプを除く)、または Java void データ・タイプでなければなりません。また、パラメーター・データ・タイプは、ESQL から Java データ・タイプへのマッピングの表に含まれるものでなければなりません。さらに、Java メソッドのシグニチャーとして exception throws 文節は使用できません。
Java メソッド内で Java ユーザー定義ノード API を使用できますが、Java ルーチンに関する制約事項に文書化された制限を遵守した場合に限られます。Java API の使用の詳細については、Java ユーザー定義ノードのコンパイルを参照してください。
このルーチンには方向の違う 3 つのパラメーターが含まれており、Java 戻りタイプ java.lang.Long にマップする整数を戻します。
CREATE FUNCTION myProc1( IN P1 INTEGER, OUT P2 INTEGER, INOUT P3 INTEGER ) RETURNS INTEGER LANGUAGE JAVA EXTERNAL NAME "com.ibm.broker.test.MyClass.myMethod1";
次の ESQL を使用して、myProc1 を起動できます。
CALL myProc1( intVar1, intVar2, intVar3) INTO intReturnVar3; -- or SET intReturnVar3 = myProc1( intVar1, intVar2, intVar3);
このルーチンには方向の違う 3 つのパラメーターが含まれており、Java 戻りタイプ void があります。
CREATE PROCEDURE myProc2( IN P1 INTEGER, OUT P2 INTEGER, INOUT P3 INTEGER ) LANGUAGE JAVA EXTERNAL NAME "com.ibm.broker.test.MyClass.myMethod2";
次の ESQL を使用して、myProc2 を起動する必要があります。
CALL myProc2(intVar1, intVar2, intVar3);
次の Java クラスでは、前述の Java の例ごとのメソッドが用意されています。
package com.ibm.broker.test; class MyClass { public static Long myMethod1( Long P1, Long[] P2 Long[] P3) { ... } public static void myMethod2( Long P2, Long[] P2 Long[] P3) { ... } /* When either of these methods is called: P1 may or may not be NULL (depending on the value of intVar1). P2[0] is always NULL (whatever the value of intVar2). P3[0] may or may not be NULL (depending on the value of intVar3). This is the same as with LANGUAGE ESQL routines. When these methods return: intVar1 is unchanged intVar2 may still be NULL or may have been changed intVar3 may contain the same value or may have been changed. This is the same as with LANGUAGE ESQL routines. When myMethod1 returns: intReturnVar3 is either NULL (if the method returns NULL) or it contains the value returned by the method. */ }
ESQL データ・タイプ 1 | Java IN データ・タイプ | Java INOUT および OUT データ・タイプ |
INTEGER、INT | java.lang.Long | java.lang.Long [] |
FLOAT | java.lang.Double | java.lang.Double[] |
DECIMAL | java.math.BigDecimal | java.math.BigDecimal[] |
CHARACTER、CHAR | java.lang.String | java.lang.String[] |
BLOB | byte[] | byte[][] |
BIT | java.util.BitSet | java.util.BitSet[] |
DATE | com.ibm.broker.plugin.MbDate | com.ibm.broker.plugin.MbDate[] |
TIME 2 | com.ibm.broker.plugin.MbTime | com.ibm.broker.plugin.MbTime[] |
GMTTIME 2 | com.ibm.broker.plugin.MbTime | com.ibm.broker.plugin.MbTime[] |
TIMESTAMP 2 | com.ibm.broker.plugin.MbTimestamp | com.ibm.broker.plugin.MbTimestamp[] |
GMTTIMESTAMP 2 | com.ibm.broker.plugin.MbTimestamp | com.ibm.broker.plugin.MbTimestamp[] |
INTERVAL | サポートされていない | サポートされていない |
BOOLEAN | java.lang.Boolean | java.lang.Boolean[] |
REFERENCE (メッセージ・ツリーへの) 3 4 5 6 | com.ibm.broker.plugin.MbElement | com.ibm.broker.plugin.MbElement[] (INOUT についてはサポートするが、OUT についてはサポートしない) |
ROW | サポートされていない | サポートされていない |
LIST | サポートされていない | サポートされていない |
例えば、OutputRoot.XML.Test に対する ESQL 参照が、Java メソッドに INOUT MbElement として渡されたが、呼び出しが戻されるときに別の MbElement が ESQL に戻される場合、その別のエレメントも OutputRoot ツリーのいずれかの場所を指していなければなりません。
スカラー変数への REFERENCE を、Java メソッドの CALL の中で使用できます。ただし、参照先の変数のデータ・タイプが、Java プログラムのシグニチャー内の対応するデータ・タイプと一致している場合に限ります。
メソッド内にスレッドを作成することができます。 ただし、作成したスレッドは Java API を使用してはならず、制御をブローカーに戻す必要があります。
Java API の使用法に適用されるすべての制限は、ESQL から呼び出された Java メソッドにも適用されます。
ブローカーにデプロイするための最も効率的かつ柔軟な方式は、JAR ファイルを BAR ファイルに追加することです。 これは、ワークベンチを使用して、手動または自動で実行できます。
ワークスペース内に開いている、参照される Java プロジェクト内の適切な Java クラスをワークベンチが検出すると、それは自動的に Java クラスを JAR ファイル内にコンパイルして、それを BAR ファイルに追加します。 これは、ユーザー定義ノードのクラス・ロードで説明されている、JAR 内に JavaCompute ノードをデプロイするときに従う手順と同じです。
ワークベンチから JAR ファイルをデプロイするとき、再デプロイされたフローによって、BAR ファイルに含まれる JAR ファイルが再ロードされます。
Java クラスを参照するメッセージ・フローを停止して再始動した場合も、ファイルが再ロードされます。更新対象の JAR ファイルを参照するすべてのフローを、必ず停止および再始動 (または再デプロイ) してください。このアクションにより、一部のフローが古いバージョンの JAR ファイルを使って実行され、他のフローが新しいバージョンを使用するという問題を防ぐことができます。
ワークベンチは JAR ファイルのみをデプロイし、スタンドアロン Java クラス・ファイルはデプロイしません。
このアクションはワークベンチを使用して実行できないため、手動で行う必要があります。
この方法では、メッセージ・フローを再デプロイしたり、メッセージ・フローを停止/再始動しても、参照される Java クラスは再ロードされません。この場合、クラスを再ロードする唯一の方法は、ブローカー自体を停止および再始動することです。
ブローカーが Java クラスを検出できるようにするには、必ず上記のいずれかの場所に格納してください。ブローカーが指定されたクラスを検出できない場合は、例外を生成します。
JAR ファイルをデプロイするときには上記のような複数の選択肢がありますが、ワークベンチを使って BAR ファイルをデプロイすることにより、JAR ファイルを再デプロイするときに最大の柔軟性が得られます。