アクターは、システムのユーザーがシステムと対話するときに演じることのできる役割の集合を定義します。アクターのインスタンスを演じるものとしては、個人または外部システムのどちらかが考えられます。 
そのほかの関係:  一部ユース ケース モデル
拡張対象:ソフトウェア要求
役割:  ユース・ケース定義者  
オプション度 / 使用時期:  方向づけフェーズの早期に発見され、ユース ケースに関係づけられる
テンプレートとレポート: 
 
例:   
UML の表現:  アクター
詳細情報:   
成果物を入力とする作業:    成果物を出力とする作業:   

目的 ページの先頭へ

この成果物の使用目的は、以下のように利害関係者ごとに異なります。

  • システム分析者 — システムの境界を定義します。
  • ユーザー インターフェイス設計者 — 人間のアクターの特徴を把握します。
  • ユース ケース作成者 — ユース ケース、およびユース ケースとアクターの相互作用を記述します。
  • オブジェクト分析者 — ユース ケース、およびユース ケースとアクターの相互作用を具体化します。

プロパティ ページの先頭へ

プロパティ名  概要  UML の表現 
Name  アクターの名前  モデル要素の「Name」属性 
Brief Description  アクターの責務の範囲と、アクターにとってのシステムの用途の簡潔な説明  「short text」型のタグ付き値 
Characteristics  人間のアクターに対する定義。アクターの物理的な環境、アクターが表現するユーザーの数、ドメインに関するアクターの知識レベル、アクターのコンピュータ経験レベル、アクターが使用するほかのアプリケーション、性別、年齢、文化的背景などのその他の一般的特徴など。  「formatted text」型のタグ付き値 
Relationships  アクターが参加する、アクターの汎化やコミュニケーション関連などの関係。  集約「owns」を通して、包含する側のパッケージに所有される 
Diagrams  アクターが関係するダイアグラム。アクターとユース ケースのコミュニケーション関連を描いたユース ケース図など。  集約「owns」を通して、包含する側のパッケージに所有される 

タイミング ページの先頭へ

システムが対象範囲のとき、成果物「アクター」は方向づけフェーズの早期に発見され、ユース ケースに関係づけられます。「アクター」の特徴の記述とベースライン作成は、ユーザー インターフェイスのプロトタイプ作成と実装の前に行うのがよい方法です。

責務 ページの先頭へ

ユース・ケース定義者 の役割は、成果物の管理に最終的な責任を持ちます。要求定義者とユーザー インターフェイス設計者のどちらの役割も各アクターについての詳細な情報を更新しますが、個々のアクター が以下のことを確実に行うようにする責任があります。

  • まとまりを持った 1 つの役割を定義し、ほかのアクターから完全に独立した分類になる
  • アクターが参加しているユース ケースとの間に正しいコミュニケーション関連を持つ
  • 正しい汎化関係の一部である
  • ユーザー インターフェイスに関する要求として機能する、必要な特徴をアクターが把握する
  • 成果物を記述しているローカルのユースケース図が読み取りやすく、ほかのプロパティと整合性を保っている

カスタマイズ ページの先頭へ

どのプロパティをどのようにして使用するかを決定します。特に、どの程度詳細なレベルで「Characteristics」プロパティを記述しなければならないかを決定する必要があります。



Rational Unified Process   2003.06.15