要求とは、「システムが満たすべき条件や機能」と定義できます。

要求には、多数の種類があります。要求を分類する方法の 1 つに FURPS+モデル (参考資料 [GRA92]) と呼ばれる方法があります。この方法では下に示すように、頭字語 FURPS を使って要求の主なカテゴリとそのサブカテゴリを説明しています。

FURPS+ の「+」は、下のような要求を追加できることを意味しています。

([IEEE Std 610.12.1990] も参照してください)

機能要求は、システムが実行できなればならないアクションを規定します。ただし物理的制約は考慮しません。機能要求については、通常ユース ケースユース ケース モデルで最もよく説明されます。さらに機能要求は、システムの入力、出力の振る舞いを規定します。

下に示すような機能上のものではない要求は、機能外要求と呼ぶことがあります。多くの要求は、システムの属性やシステム環境の属性のみを規定したもので、この機能外要求に相当します。これらのうち補足仕様書に規定できないものはユース ケースに盛り込まれます。機能外要求は、以下のような問題に関する要求です。

ソフトウェア要求ユース ケース補足仕様書を完全に定義するために、これらを 1 つにまとめ、特定の「機能」やサブシステムのグループを対象とするソフトウェア要求仕様書 (SRS) を定義することができます。

機能 ページの先頭へ

機能要求には下のようなものが含まれます。

  • 機能群
  • 能力
  • セキュリティ

使いやすさ ページの先頭へ

使いやすさ要求には、下のようなサブカテゴリが含まれます。

  • 人的要因 (概念: ユーザー指向の設計参照)
  • 美しさ
  • ユーザーインターフェイスの一貫性
  • コンテキスト重視のオンライン ヘルプ
  • ウィザードとエージェント
  • ユーザー サポート文書
  • トレーニング教材

信頼性 ページの先頭へ

信頼性要求は、下のようなものと考えることができます。

  • 障害の頻度と深刻度
  • 回復可能性
  • 予測性
  • 正確さ
  • 平均故障間隔 (MTBF)

性能 ページの先頭へ

性能要求は、機能要求に対して条件を課します。例えば、特定のアクションについて、性能要求は以下のような性能パラメータを規定します。

  • 速度
  • 効率
  • 利用可能性
  • 正確さ
  • スループット
  • 応答時間
  • 復旧時間
  • リソースの利用法

サポートのしやすさ ページの先頭へ

サポートのしやすさ要求には下のようなものが含まれます。

  • テスト容易性
  • 拡張性
  • 順応性
  • 保守容易性
  • 互換性
  • 設定可能であること
  • サービス性
  • 導入容易性
  • ローカライズ可能であること (国際化)

設計要求 ページの先頭へ

設計要求は、設計上の制約とも呼ばれ、システム設計を規定したり、制約を設けたりします。

実装要求 ページの先頭へ

実装要求は、システムのコーディングや作成を規定したり、制約を設けたりします。以下に例を示します。

  • 必要な標準
  • 実装言語
  • データベースの整合性維持のためのポリシー
  • リソースの制限
  • 運用環境

インターフェイス要求 ページの先頭へ

インターフェイス要求は以下のようなものを規定します。

  • システムが相互関係を持たなければならない外部の項目
  • 反復などで用いられるフォーマット、タイミングなどの要因への制約

物理要求 ページの先頭へ

物理要求は、以下に示すような、システムが備えるべき物理的特性を規定します。

  • 材質
  • 形状
  • サイズ
  • 重量

この種の要求は、求められる物理的ネットワーク構成など、ハードウェア要求の説明に活用することができます。

詳細情報

このトピックの詳細については、以下を参照してください。



Rational Unified Process   2003.06.15