目的

このツール メンターでは、Rational ClearCase 統一変更管理 (UCM) を使用して構成管理環境を設定する方法を説明します。

以下に、このツール・メンターに関連する追加情報へのリンクを示します。


概要

次のダイアグラムは、UCM プロジェクトの管理ワークフローを示したものです。このツール メンターではグレーの部分について説明します。

UCM ワークフロー・ダイアグラム

このツール メンターは、Windows が稼動している環境で使用できます。  また、すべての ClearCase で利用可能な機能を説明します。

用語

RUP と ClearCase で使用する用語には若干の違いがあります。以下に示すツール固有の用語の定義を参照すると、違いが明確になります。 

  • アクティビティ : ClearCase UCM アクティビティは RUP 作業指示書と密接にマッピングします。RUP の作業の概念と混同しないようにしてください。 
  • 構成管理 : ClearCase では、構成管理はバージョン管理とビルド管理の意味で使用されます。RUP の構成管理 (以下 CM) には IEEE と ISO の定義が使用され、変更管理も CM の一部です。  
  • 構成と変更管理 : ClearCase と Rational ClearQuest のいずれも構成と変更管理といい、RUP の構成管理の定義と似ています。 RUP はこれらの用語を同じ意味で使用します。
  • プロジェクト : ClearCase のプロジェクトは RUP のプロジェクト リポジトリにマッピングします。

ツール 手順

UCM プロジェクトを設定する手順は次のとおりです。

  1. プロジェクト情報を格納するリポジトリを作成する
  2. 開発者が作業するファイルのセットを含むコンポーネントを作成する
  3. 開発者が作業を開始するファイルのバージョンを識別するベースラインを作成する
  4. UCM プロジェクトを作成する
     

1. プロジェクト情報を格納するリポジトリを作成する ページの先頭へ

ClearCase プロジェクトにはプロジェクト VOB (PVOB) が必要です。これは、UCM オブジェクトと関連情報の格納に使用します。

  1. VOB 作成ウィザードを開始するには、Windows のタスクバーで [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントします。次に、[Rational Software]、[Rational ClearCase]、[管理] の順にポイントし、[VOB の作成] をクリックします。
  2. 最初の画面で、[この VOB は UCM コンポーネントを含む] チェックボックスがオンになっていることを確認します。  
  3. [ヘルプ] を選択します。このヘルプを参照してウィザードを完了します。   

詳しくは、ClearCase オンライン ヘルプの「VOB 作成ウィザード」を参照してください。   

2. 開発者が作業するファイルのセットを含むコンポーネントを作成する ページの先頭へ

コンポーネントは、関連するディレクトリーとファイルのエレメントのセットを UCM プロジェクトでグループ化するために使用されます。 通常、コンポーネントを構成するエレメントの開発、統合、およびリリースをまとめて行います。 プロジェクトには少なくとも 1 つのコンポーネントが必要です。複数のコンポーネントを含めることもできます。 プロジェクト間でコンポーネントを共有することもできます。

コンポーネントは VOB 作成ウィザードで作成できます。

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントします。次に、[Rational Software]、[Rational ClearCase]、[管理] の順にポイントし、[VOB の作成] をクリックします。
  2. ウィザードの最初の手順で、[UCM プロジェクト VOB として作成] チェックボックスをオンにします。これにより、新規 VOB を UCM プロジェクトのコンポーネントとして使用できます。  

また、既存の VOB をコンポーネントに変換して VOB に格納されている既存のデータを UCM プロジェクトに移行することもできます。

  1. ClearCase プロジェクト エクスプローラに移動します。Windows のタスクバーで [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントします。次に、[Rational Software]、[Rational ClearCase] の順にポイントし、[プロジェクト エクスプローラ] をクリックします。
  2. PVOB のルート フォルダを選択します。 
  3. [ツール] >メニューの [VOB のインポート] をクリックします。[VOB のインポート] ダイアログ ボックスが表示されます。[使用可能な VOB] リストで、コンポーネントにする VOB を選択します。  
  4. VOB を [インポートする VOB] リストに移動するには、[追加] をクリックします。   
  5. 移動が完了したら [インポート] をクリックします。

ClearCase プロジェクト管理ガイド』の"コンポーネントの作成"を参照してください。

3. 開発者が作業を開始するファイルのバージョンを識別するベースラインを作成する ページの先頭へ

ベースラインはコンポーネントの各エレメントのバージョンの 1 つを識別します。また、ベースラインは作業を開始するための安定したソース構成です。ベースラインは、UCM モデルで必要なものであり、コンポーネントのファイルやディレクトリにアクセスする場合に使用します。

ClearCase コンポーネントを最初から作成する場合は、初期ベースラインを使用します。

ベース ClearCase VOB をコンポーネントに変換する場合は、既存のラベル付きバージョンからベースラインを作成できます。最新の安定バージョンがラベル付きかどうかを確認してください。ラベル付きでない場合、ラベル タイプを作成しプロジェクトに含める予定のバージョンに適用する必要があります。

詳しくは、ClearCase オンライン ヘルプの「ラベル適用ウィザードの使用法」を参照してください。

ラベル タイプで識別するバージョンのセットからベースラインを作成する手順は次のとおりです。

  1. ClearCase プロジェクト エクスプローラで、PVOB のルート フォルダを選択します。[ツール] > メニューの [ラベルのインポート] をクリックします。ラベルのインポート ウィザードが表示されます。
  2. [使用可能なコンポーネント:] リストで、ベースラインを作成するラベルを持つコンポーネントを選択します。
  • コンポーネントを [選択されたコンポーネント] リストに移動するには、[追加] をクリックします。
  • 次へ」をクリックして先へ進みます。 
  1. ラベルのインポート・ウィザードの手順 2 では、インポートするラベル・タイプを選択します。 そのラベル・タイプで識別するバージョンを作成するベースラインの名前を入力します。 ベースラインのプロモーション・レベルを選択します。 [完了] をクリックします。

この手順により、プロジェクトの基本ベースラインの 1 つが作成され、開発者が作業を開始するファイルのバージョンが識別できます。

ClearCase オンライン ヘルプの「ベースラインについて」を参照してください。

4. UCM プロジェクトの作成 ページの先頭へ

使用するプロジェクト VOB とコンポーネントを作成すると、UCM プロジェクトが作成できます。UCM プロジェクトを作成するには、プロジェクトに名前を付け、プロジェクトのコンポーネントとベースラインを指定する必要があります。ClearCase には 新規プロジェクトの作成ウィザードがあり、手順に従ってプロジェクトを作成できます。

  1. ClearCase プロジェクト エクスプローラで、PVOB のルート フォルダを選択します。コンテキスト メニューで [新規プロジェクトの作成] をクリックし、ウィザードを起動します。
  2. ウィザードの手順に従って進みます。各手順のヘルプは、画面の [ヘルプ] をクリックすると表示されます。
  3. ウィザードの手順 3 の [このプロジェクトで使用するコンポーネント ベースラインを追加する] で、前の手順 3 で作成したベースラインを指定します。
  4. ウィザードの次の 2 つの手順では、プロジェクトの詳細な構成情報を指定するように求められます。指定内容は、開発ポリシーや、プロジェクトを Rational の変更依頼データベースで作業できるようにするかなどです。構成をカスタマイズして、プロジェクト固有の目的に合わせることもできます。利用可能なすべてのオプションについて詳しくは、オンライン ヘルプを参照してください。

この手順の概要については、ClearCase オンライン ヘルプで次のトピックを参照してください。

  • プロジェクトを作成するためのワークフロー 
  • [プロジェクトに追加] ウィザード


Rational Unified Process   2003.06.15