ビルトイン・プロパティー

管理コンソールは、サーバーからビルトイン・プロパティーを収集してから、それらの値をサーバー・マニフェストに割り当てます。

ビルトイン・プロパティー

ビルトイン・プロパティーは、ビルド・システム内にある、以下のような異なる複数のデータ・オブジェクトによって使用されます。
  • セレクターは、ビルトイン・プロパティーをセレクター変数として使用して、 サーバーとこれらのプロパティーの特定の値を突き合わせることができます。
  • コレクターは、ビルトイン・プロパティーを使用して、サーバーからデータを収集します。
  • マニフェストは、ビルトイン・プロパティーの値が収集された場合に、その値を保管します。
ビルトイン・プロパティーは自動的には追加されません。ビルトイン・プロパティーをマニフェストに表示するには、プロパティー用のコレクターにビルトイン・プロパティーを追加する必要があります。この表では、ビルトイン・プロパティーをリストし、説明します。
注: プロパティーの可用性は、プラットフォームによって異なります。
表 1. コレクターおよびマニフェストのビルトイン・プロパティー
プロパティー 説明
CPU_ARCH アーキテクチャー名の戻り値は label で、 以下に示すようになります。
  • HP-PA: HP Precision Architecture
  • IA-64: Intel Itanium
  • MVS: IBM S/390
  • PPC: PowerPC
  • PPC-64: PowerPC 64
  • SPARC: Sun SPARC
  • X86: Intel、AMD、Cyrix などで使用される x86 対応アーキテクチャー
CPU_LOAD (Windows のみ) CPU 負荷または CPU 使用量は容量のパーセンテージ (0 から 100 まで) として表されます。
CPU_LOAD1 直前の 1 分間に実行されていたか、実行を待機していたプロセスの平均数 (ロード平均) が、戻り値によって報告されます。

CPU_LOAD1 は CPU アクティビティーの尺度です。活動停止中のコンピューターのロード数は 0 です。CPU を使用しているか、CPU の使用を待機している各プロセスにより、ロード数が 1 ずつ加算されます。

注: Windows では、すべてのプロセスは、アクティブであるかどうかにかかわらず、ロード数を追加します。 また、この情報は、bfdispatch プロセスによって収集され、共用メモリー・セグメントを使用して エージェントに公開されます。エージェントに接続するために使用されるユーザー資格情報に 特権がない場合、これらの統計は使用できません。
CPU_LOAD5 直前の 5 分間に実行を待機していたプロセスの平均数 (ロード平均) が、戻り値によって報告されます。

CPU_LOAD5 は CPU アクティビティーの尺度です。活動停止中のコンピューターのロード数は 0 です。CPU を使用しているか、CPU の使用を待機している各プロセスにより、ロード数が 1 ずつ加算されます。

注: Windows では、すべてのプロセスは、アクティブであるかどうかにかかわらず、ロード数を追加します。 また、この情報は、bfdispatch プロセスによって収集され、共用メモリー・セグメントを使用して エージェントに公開されます。エージェントに接続するために使用されるユーザー資格情報に 特権がない場合、これらの統計は使用できません。
CPU_LOAD15 直前の 15 分間に実行を待機していたプロセスの平均数 (ロード平均)。

CPU_LOAD15 は CPU アクティビティーの測定です。活動停止中のコンピューターのロード数は 0 です。CPU を使用しているか、CPU の使用を待機している各プロセスにより、ロード数が 1 ずつ加算されます。

注: Windows では、すべてのプロセスは、アクティブであるかどうかにかかわらず、ロード数を追加します。 また、この情報は、bfdispatch プロセスによって収集され、共用メモリー・セグメントを使用して エージェントに公開されます。エージェントに接続するために使用されるユーザー資格情報に 特権がない場合、これらの統計は使用できません。
CPU_MHZ このプロパティーにより、プロセッサー速度がメガヘルツで報告されます。このプロパティーを正しく入力するには、 以下の一定の条件が必要です。
  • Linux の場合: 周波数のスケーリングが使用可能である必要があります。
  • Windows の場合: ~MHz レジストリー項目が存在し、入力されている必要があります。
  • x86 および x86-64 プロセッサーの場合: インライン・アセンブリーが機能している必要があります。
CPU_MANUFACTURER このプロパティーにより、プロセッサー製造メーカーの企業名が戻されます。情報を直接入手できない場合、 これらの名前はアーキテクチャーを基に想定されます。十分なプロセッサー情報が入手できなければ、 値は戻されません。サポートしている値は、以下のとおりです。
  • AMD: x86 および AMD64 プロセッサーの場合
  • Cyrix: x86 互換プロセッサーの場合
  • DEC: Alpha および VAX の場合
  • HP: Hewlett-Packard Precision Architecture
  • IBM: IBM S/390 および PowerPC G5
  • Intel: Intel x86 (Intel64 を含む)、IA-64 Itanium
  • Motorola: PowerPC G4
  • NexGen: x86 互換プロセッサー
  • National: National Semiconductor x86 互換プロセッサー
  • Rise: Rise x86 互換プロセッサー
  • Sis: Sis x86 互換プロセッサー
  • Sun: Sun Microsystems SPARC
  • TransMeta: TransMeta x86 互換プロセッサー
  • UMC: UMC x86 互換プロセッサー
  • VIA: VIA Technologies x86 互換プロセッサー
CPU_MODEL このプロパティーにより、製造メーカー固有の CPU 型式番号が戻されます。報告される値は、以下のとおりです。
  • x86 アーキテクチャー
    • 386
    • 486
    • 586
    • 686
    • X86_64
  • PowerPC アーキテクチャー
    • 6xx
    • POWER
    • RS64
    • G3
    • G4
    • G5
    • Cell
CPU_SERIAL このプロパティーにより、CPU またはコンピューターのシリアル番号が戻されます。現在、この機能は以下のアーキテクチャーに制限されています。
  • x86: Intel または Transmeta シリアル番号のみ。注: ほとんどの x86 プロセッサーは、 シリアル番号を報告しません。このような場合に戻される値はありません。
  • MacOS/X: 割り当て済みのシリアル番号は、入出力レジストリーから取得されます。 このプロパティーを報告するには、CoreFoundation フレームワークと IOKit フレームワークが入手可能でなければなりません。
DISK_FREE

UNIX および Linux の場合、サーバー・パスによって指定された、ファイル・システムのフリー・スペースの量 (MB 単位) が、このプロパティーによって戻されます。

Windows の場合、サーバー・パスによって指定された、ドライブ上のフリー・ディスク・スペース (MB) です。

例えば、4 GB のフリー・スペースを持つディスクは、 4096 MB と報告されます。

DISK_TOTAL このプロパティーにより、使用可能な空きディスク・スペースの合計が戻されます。この値はエージェントの基本パス用に報告されます。このパスには、残りのディスクまたは区画よりもサイズの小さいスペースが別個に割り振られている場合があります。ディスク・スペース管理は、 オペレーティング・システムごとに大きく異なります。
MEM_LOAD (UNIX/Linux のみ) UNIX および Linux の場合、現在使用中の RAM またはシステム・メモリーの量は、実メモリー合計のパーセンテージ (0 から 100 まで) として表されます。
MEM_FREE このプロパティーにより、RAM またはシステム・メモリーの量 (MB 単位) が戻されます。例えば、2 GB の空き RAM は、2048 MB として報告されます。
MEM_PAGESIZE このプロパティーにより、RAM またはシステム・メモリーのページ・サイズ (MB 単位) が戻されます。この数字は、ホスト・システムの標準のページ・サイズを表します。例えば、4 KB のページ・サイズを持つホスト・システムは、4096 MB として報告されます。
MEM_TOTAL このプロパティーにより、RAM またはシステム・メモリーの合計 (MB 単位) が戻されます。

例えば、2 GB の RAM を持つコンピューターは、2048 MB として報告されます。

NET_FQDN このプロパティーにより、エージェントを実行しているコンピューターの完全修飾ドメイン名 (FQDN) が戻されます。 FQDN は、エージェントが通信に使用しているアドレスを基にして報告されます。 戻されるアドレスは、実際に使用されているアドレスに応じて、IPv4 または IPv6 に基づいたものになります。NET_IPV、NET_IPV4、および NET_IPV6 も参照してください。
NET_HWADDR このプロパティーにより、NET_IFACE で報告されたインターフェースのハードウェア・アドレスが戻されます。
NET_IFACE このプロパティーにより、エージェントが通信に使用するインターフェースの名前が戻されます。
  • Windows では、報告される名前は、ipconfig コマンドによって戻される名前です。 例えば、Intel(R) PRO/100 VE Network Connection - Packet Scheduler Miniport です。
  • 他のオペレーティング・システムでは、報告される名前は、ifconfig によって戻される名前です。 例えば、en0 または eth0 または OSA1 です。
NET_IPV このプロパティーにより、エージェントとの通信に使用される IP 接続のタイプ (IPv4 の場合は 4、IPv6 の場合は 6) が戻されます。
NET_IPV4 このプロパティーにより、エージェントが通信に使用する IPv4 アドレスが戻されます。 IPv6 を介した接続で、エージェントが同じインターフェースで IPv4 アドレスを識別できる場合は、 そのアドレスが報告されます。
NET_IPV6 このプロパティーにより、エージェントが通信に使用する IPv6 アドレスが戻されます。
NET_SPEED (Windows のみ) このプロパティーにより、インターフェースの速度 (Mb/秒単位) が戻されます。例えば、ギガビット・イーサネットでは 1000 です。
NUM_CPU このプロパティーにより、コンピューター上の CPU の数が戻されます。
OS_HOSTID このプロパティーにより、gethostid() システム呼び出しの結果が戻されます。 通常、この結果は、システム管理者が /etc/hostid を有益な値に設定していない限り、参考になりません。
OS_SYSNAME このプロパティーにより、サーバーのオペレーティング・システムの名前が戻されます。例えば、 Microsoft Windows XP、AIX、Macintosh OS などです。
OS_RELEASE このプロパティーにより、サーバーのオペレーティング・システムのリリース・レベルが戻されます。

例えば、サーバーのオペレーティング・システムが Microsoft XP バージョン 5.1.2600 の場合、この戻り値は 5 です。

OS_VERSION このプロパティーにより、サーバーのオペレーティング・システムのバージョンが戻されます。

例えば、サーバーのオペレーティング・システムが Microsoft XP バージョン 5.1.2600 の場合、この戻り値は 1 です。

WIN_SERVICEPACK (Windows のみ) このプロパティーにより、サーバーにインストールされている Windows Service Pack のバージョン番号が戻されます。例えば、Service Pack 2 の場合、この値は 2 です。

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