rafmake ユーティリティーのリファレンス

Build Catalyst のインターフェースは、rafmake という名前の make ユーティリティーです。 このインターフェースには、その動作を制御する各種のオプションがあります。

このコマンドの構文は、下の表に示すように、オペレーティング・システムごとに異なります。

表 1. オペレーティング・システム別のオプション
オペレーティング・システム オプション
Linux および Solaris (ターゲットのビルド) rafmake [ -f makefile ] ... [ -ukinservwdpqUN ] [ -J num ] [ -B bldhost-file ] [ -c compat-mode ] [ -C change-directory ] [ -A BOS-file ] ... [ macro=value ... ] [ target-name ... ]
Windows (ターゲットのビルド) rafmake [ -f makefile ] ... [ -ukinservwdpqUN ] [ -J num ] [ -c compat-mode ] [ -C change-directory ] [ -A BOS-file ] ... [ macro=value ... ] [ target-name ... ]
すべて (rafmake ユーティリティーのバージョン情報の表示) rafmake { -ver/sion | -VerAll }

オプションの説明

rafmake コマンドは、GNU バージョン 3.80 の make コマンドが持つ共通オプションの大部分をサポートしています。 また、rafmake コマンドには追加オプションが用意されています。

ヒント: 引数を持たないオプションは、例えば -rNi のように結合することができます。
表 2. オプションの説明
オプション 説明
-f makefile 入力ファイルとして Make ファイルを使用します。 このオプションを省略した場合、rafmake コマンドは、現行作業ディレクトリーで makefile および Makefile という名前の入力ファイルを (この順番で) 検索します。 -f makefile 引数のペアは複数指定できます。 複数の入力ファイルは事実上連結されます。
-u (Unconditional (無条件)) 指定されたすべてのターゲット、およびその依存関係を、それらが再ビルドを必要とするかどうかに関係なく再ビルドします。 (-U も参照してください。)
-k 障害が発生した場合、現在の項目での作業は中止しますが、その項目に依存しない他のターゲットでは作業を続行します。
-i コマンドが返すエラー・コードを無視します。
-n (No-execute (実行なし)) 再ビルドが必要なターゲットの Make ファイルにあるコマンド行を (アットマーク (@) で始まる行を含めて) リストしますが、実行はしません。 例外として、ストリング $(MAKE) を含むコマンドは常に実行されます。
-s (Silent (サイレント)) コマンド行を実行する前にそれらの行をリストしません。
-e 環境変数により、makefile ファイル内のマクロの代入がオーバーライドされます。 (ただし、環境変数は、コマンド行またはビルド・オプション指定にある macro=value の代入によりオーバーライドされます。)
-r (No rules (規則なし)) buildcatalyst-home-dir/etc/builtin.mk ファイル (Linux および Solaris) または buildcatalyst-home-dir¥etc¥builtin.mk ファイル (Windows) 内の組み込み規則を使用しません。 -c オプションとともに使用した場合、-r オプションは、プラットフォーム固有のスタートアップ・ファイルの読み取りも無効にします。 詳しくは、-c オプションを参照してください。
-v (Verbose (詳細)) デフォルトの出力モードよりもわずかに詳細です。
-w (Working directory (作業ディレクトリー)) Make ファイルの実行前と実行後の両方に、作業ディレクトリーを含むメッセージを表示します。
-d (Debug (デバッグ)) 非常に詳細です。ビルド時に rafmake コマンドが読み取る環境変数のリストが含まれています。 このオプションは、Make ファイルをデバッグする場合にのみ使用してください。
-p (Print (表示)) ターゲット固有のマクロ定義および暗黙的な規則を含む、すべてのターゲット記述およびすべてのマクロ定義をリストします。 どれも実行はしません。
-q

(Query (照会)) Make ファイルのターゲットを評価しますが、ビルド・スクリプトは実行しません。 rafmake コマンドは、以下のいずれかの応答を返します。

  • 0 ターゲットが最新の場合
  • 1 再ビルドが必要なターゲットがある場合
-U ゴール・ターゲットのみを無条件にビルドします。 サブターゲットはビルドしません。 コマンド行でどのターゲットも指定しなかった場合は、デフォルト・ターゲットがゴールです。 (-u オプションは、ゴール・ターゲットとビルド依存関係の両方を無条件にビルドします。)
-N 1 つ以上のビルド・オプション指定 (BOS) ファイルを読み取るデフォルト・プロシージャーを無効にします。
-J num 並列ビルド機能を有効にします。 並行ターゲット再ビルドの最大数は、整数 num に設定されます。 num=0 の場合、並列ビルドは無効になります。 (これは -J オプションを指定しないことと同じです。) あるいは、num に RAFMAKE_CONC 環境変数の値を指定することもできます。
-B bldhost-file 並列ビルドのビルド・ホスト・ファイルとして bldhost-file ファイルを使用します。 -B オプションを指定しなかった場合、rafmake コマンドは、ホーム・ディレクトリー内の .bldhost.$RAFMAKE_HOST_TYPE ファイルを使用します。 -B オプションを使用する場合は、同時に -J オプションを使用するか、RAFMAKE_CONC 環境変数を設定する必要があります。
-c compat-mode

(Compatibility (互換性)) rafmake コマンドを互換モードで起動します。

(あるいは、RAFMAKE_COMPAT 環境変数を使用して互換モードを指定することもできます。)

compat-mode 変数は、以下のいずれかの値に設定できます。

gnu

フリー・ソフトウェア財団の Gnu make プログラムをエミュレートします。 組み込みの Make 規則を定義するために、rafmake コマンドは builtin.mk ではなく gnubuiltin.mk を読み取ります。

このモードがデフォルトの互換モードです。

std
IBM Rational® ClearCase® の clearmake コマンド互換モードを有効にして rafmake コマンドを実行します。

Linux システムおよび Solaris システムの場合のみ、compat-mode 変数は以下のいずれかの値も持つことができます。 -c オプションは、Linux および Solaris プラットフォームから独立しています。 しかし、一部のモードではシステム固有のファイルを読み取ろうとするため、それらのファイルが存在しない場合にコマンドが失敗します。

sun
SunOS システムに用意された標準の make(1) コマンドをエミュレートします。
aix
IBM AIX® システムに用意された標準の make(1) コマンドをエミュレートします。
-C dir ディレクトリーを変更します。 ビルドを開始する前に、rafmake コマンドが dir ディレクトリーに変更されます。
-A BOS-file

デフォルトで読み取られる BOS ファイルの直後に読み取られる BOS ファイルを指定します。 複数の BOS ファイルを指定するには、このオプションを複数回使用してください。

このオプションとともに -N を使用した場合、rafmake は、デフォルトの BOS ファイルではなく、指定の BOS ファイルを読み取ります。

あるいは、環境変数 RAFMAKE_OPTS_SPECS の値として、コロンで区切った BOS ファイルのパス名リスト (Linux および Solaris) か、セミコロンで区切った BOS ファイルのパス名リストを指定することもできます。

-ver/sion rafmake コマンドのバージョン情報を表示します。
-VerAll rafmake コマンド、および rafmake コマンドが使用するライブラリー (Linux および Solaris) または DLL (Windows) のバージョン情報を表示します。

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