DB2 for z/OS® バージョン 9.1 での管理スケジューラーのセットアップ

管理タスク・スケジューラーを使用すると、時間に基づくかイベントに基づくスケジュールに従って管理タスクを実行できます。

始める前に

管理タスク・スケジューラーをセットアップする前に、ジョブ DSNTIJRA およびジョブ DSNTIJIN を実行済みである必要があります。

このタスクについて

制約事項: 変換モードにマイグレーションすると、ジョブ DSNTIJSG を実行するまでは、管理タスク・スケジューラーが使用不可になります。

手順

  1. 管理タスク・スケジューラーをセットアップします。
    1. ジョブ DSNTIJMV の管理タスク・スケジューラー・アドレス・スペース始動プロシージャー (xxxxADMT) をカスタマイズします。 始動プロシージャーの名前は、ADMTPROC サブシステム・パラメーターの値と一致する必要があります。 始動プロシージャーを使用する前に、次のパラメーターの設定を見つけて、確認してください。
      DB2SSID
      この DB2 サブシステムの名前。
      DFLTUID
      管理タスク・スケジューラーがタスクを実行するために使用するデフォルトの ID。 DFLTUID は、このアドレス・スペースを始動するために使用される ID とは異なっていなければなりません。
      TRACE
      管理タスク・スケジューラーのトレースを活動状態にするかどうかを示します。 値には、ON またはデフォルト値の OFF を指定できます。

      3 つのパラメーター DB2SSID、DFLTUID、および TRACE と同じように、ERRFREQ、MAXHIST、MAXTHD、または STOPONDB2STOP など他のパラメーターを始動プロシージャーに指定できます。

      ERRFREQ
      タスク・リストの冗長なアクティブ・コピーの 1 つがアクセス不能であることを示すメッセージ DSNA679I をコンソールに表示する頻度を指定します。 デフォルトでは、例えば、DB2® がオフラインである場合、このメッセージは、1 分おきにコンソールに表示されます。
      MAXHIST
      保管されるタスクあたりの状況エントリーの数を指定します。 このパラメーターは正整数で、デフォルト値は 10 です。 限界に達すると、最も古い状況エントリーは削除されます。
      MAXTHD
      管理タスク・スケジューラーの実行スレッドの最大数を指定します。 デフォルト値は 99 です。
      STOPONDB2STOP
      DB2 が停止した時に管理タスク・スケジューラーも終了することを指定します。

      ADMTDD1 DD ステートメントも見つけて確認してください。 そこに示されている VSAM データ・セットがジョブ DSNTIJIN に定義されている VSAM タスク・リスト・データ・セットと一致する必要があります。

      次の例は、これらのパラメーターを更新する方法を示しています。

      //DSNADMT  PROC LIB='DSN!!0.SDSNLOAD',
      //          DB2SSID=DSN,
      //          DFLTUID=DFLTUID,
      //          TRACE=OFF,
      //          MAXTHD=10 
      //*
      //STARTADM EXEC PGM=DSNADMT0,DYNAMNBR=100,REGION=0K,  
      //          PARM=('DB2SSID=&DB2SSID', 
      //          ' DFLTUID=&DFLTUID',   
      //          ' TRACE=&TRACE'  
      //          ' MAXTHD=&MAXTHD'  
      //          ' ERRFREQ=1440'  
      //          ' STOPONDB2STOP') 
      //STEPLIB  DD DISP=SHR,DSN=&LIB  
      //ADMTDD1  DD DISP=SHR,DSN=DSNC!!0.TASKLIST
    2. 管理タスク・スケジューラー・ルーチンが使用可能に設定されたことを確認します。 これらは、ジョブ DSNTIJSG のステップ DSNTIAS および DSNTIJG で使用可能にされました。
    3. 管理タスク・スケジューラー表スペースのイメージ・コピーを作成するジョブを作成します。 イメージ・コピーを作成するためのスケジュールを設定します。 通常、重要なデータベースは定期的にバックアップする必要があります。 管理タスク・スケジューラーのデータベースも例外ではなく、DB2 カタログおよびディレクトリーと同じ頻度でコピーを作成してください。 次の例で、このデータベース内の表スペースを、99 日間の保存期間で、磁気テープ上のスタック・データ・セットにコピーする方法を示します。
      //*
      //DSNTIC  EXEC PGM=DSNUTILB,PARM='DSN,IMAGCOPY',COND=(4,LT)
      //SYSPRINT DD  SYSOUT=*
      //SYSUDUMP DD  SYSOUT=*
      //DSNTRACE DD  SYSOUT=*
      //SYSLISTD DD  *
        LISTDEF DSNLDEF
                INCLUDE TABLESPACES DATABASE DSNADMDB
      //SYSIN    DD  *
      
        TEMPLATE DSNTPLT
                 DSN(prefix.IMAGCOPY.&DB..;&TS.;)
                 DISP (NEW,KEEP,DELETE)
                 UNIT TAPE
                 STACK YES
                 RETPD 99
             COPY LIST DSNLDEF
                 COPYDDN(DSNTPLT)
      /*
  2. 管理タスク・スケジューラー・ルーチンおよび管理使用可能化ルーチンを使用可能にします。

    管理タスク・スケジューラー・ルーチンは、作業をスケジュールに入れることを可能にする DB2 提供のルーチンです。 管理使用可能化ルーチンは、管理作業を即時に実行できるようにする DB2 提供のルーチンです。

    このステップを開始する前に、このステップによって使用可能になる DB2 提供のルーチンをセットアップします。 手順については、「DB2 for z/OS インストール・ガイド」(http://publibfp.dhe.ibm.com/epubs/pdf/c8847922.pdf) のセクション『DB2 提供のルーチンを使用可能にする』を参照してください。

    以下のルーチンは、管理タスク・スケジューラー・ルーチンです。

    • ADMIN_TASK_ADD
    • ADMIN_TASK_CANCEL
    • ADMIN_TASK_LIST
    • ADMIN_TASK_OUTPUT
    • ADMIN_TASK_REMOVE
    • ADMIN_TASK_STATUS
    • ADMIN_TASK_UPDATE

    以下のルーチンは、管理使用可能化ルーチンです。

    • ADMIN_COMMAND_DB2
    • ADMIN_COMMAND_DSN
    • ADMIN_COMMAND_UNIX
    • ADMIN_DS_BROWSE
    • ADMIN_DS_DELETE
    • ADMIN_DS_LIST
    • ADMIN_DS_RENAME
    • ADMIN_DS_SEARCH
    • ADMIN_DS_WRITE
    • ADMIN_INFO_HOST
    • ADMIN_INFO_SMS
    • ADMIN_INFO_SQL
    • ADMIN_INFO_SSID
    • ADMIN_INFO_SYSLOG
    • ADMIN_INFO_SYSPARM
    • ADMIN_JOB_CANCEL
    • ADMIN_JOB_FETCH
    • ADMIN_JOB_QUERY
    • ADMIN_JOB_SUBMIT
    • ADMIN_UTL_SCHEDULE
    • ADMIN_UTL_SORT
    1. インストールまたはマイグレーション時にこれらのプロシージャーを作成しなかった場合は、カスタマイズしたジョブ DSNTIJSG のジョブ・ステップ DSNTIAS、DSNTIAE、および DSNTIJG をカスタマイズして実行し、管理タスク・スケジューラーと管理使用可能化のストアード・プロシージャーの定義、バインド、およびプロシージャーへのアクセス権限付与を行ってください。

      ジョブ・ステップ DSNTIJG は、これらのストアード・プロシージャーおよびそのパッケージに対する EXECUTE 権限を PUBLIC に付与し、関連する結果セット表の ALL 権限を PUBLIC に付与します。 この権限を PUBLIC に付与しないようにするには、特定のユーザーまたはグループのみにこの権限を付与するようジョブを編集してください。

      ヒント: EXECUTE 権限を PUBLIC に付与しないでください。 付与した場合は、DB2 にアクセスできるすべてのユーザーがこれらのストアード・プロシージャーを使用できてしまいます。
      制約事項: このジョブは、必要なすべての特権を有しているユーザーが実行してください。

      これらのストアード・プロシージャーは、WLM 管理ストアード・プロシージャー・ アドレス・スペース内で実行されます。

    2. APF 許可ライブラリー内にロード・モジュールが存在している必要のあるストアード・プロシージャーを実行するための、WLM が確立したアドレス・スペースを開始する JCL を調べて、STEPLIB DD 連結にあるすべてのライブラリーが APF 許可されていることを確認してください。 WLM 環境の名前は、各ストアード・プロシージャー用の CREATE PROCEDURE ステートメントの WLM ENVIRONMENT パラメーター値と同じでなければなりません。
    3. BPX.DAEMON 機能クラスがアクティブであり、BPX.DAEMON.HFSCTL 機能クラスが定義されていない場合は、RACF® プログラム制御に登録される必要のあるストアード・プロシージャーに、以下の操作を実行してください。

      RACF® プログラム制御が必要なストアード・プロシージャーは、以下のとおりです。

      • ADMIN_COMMAND_UNIX
      • ADMIN_JOB_CANCEL
      • ADMIN_JOB_FETCH
      • ADMIN_JOB_QUERY
      • ADMIN_JOB_SUBMIT
      1. ジョブ DSNTIJRA のジョブ・ステップ DSNADER をカスタマイズおよび実行して、これらのストアード・プロシージャーのセキュリティー環境を定義してください。 ジョブ DSNTIJRA を実行する前に、ジョブ・ステップ DSNADER のコメントを外す必要があります。 ジョブ DSNTIJRA に含まれるこれ以外のジョブ・ステップは実行する必要がありません。
      2. これらのストアード・プロシージャー用の以下の要件を満たす WLM 環境があることを確認してください。
        • WLM が確立したストアード・プロシージャー・アドレス・スペースでは、制御されているプログラムのみをロードします。
        • これらのストアード・プロシージャーを実行するための WLM が確立したアドレス・スペースを開始する JCL で、STEPLIB DD 連結にあるすべてのライブラリーが APF 許可されているようにしてください。
        • この環境の名前は、ジョブ DSNTIJSG 内のこれらのストアード・プロシージャー用の CREATE PROCEDURE ステートメントにある WLM ENVIRONMENT パラメーター値と一致する必要があります。
    4. GRANT EXECUTE ステートメントを発行することにより、これらの 1 つ以上のストアード・プロシージャーの使用を適切なユーザーに許可します。
      重要: DSN8EXP および DSNAEXP の実行特権を付与する場合は、DSN8EXP および DSNAEXP がそのシステム上で有効な任意の EXPLAIN 可能 SQL ステートメントに関して EXPLAIN を実行することができ、EXPLAIN 出力により機密情報が公開されてしまう可能性があることを考慮する必要があります。 例えば、DSN8EXP および DSNAEXP を使用するためのアクセス権限を PUBLIC に付与してはなりません。

フィードバック