新しいアプリケーションがある場合、または既存のアプリケーションに変更を加えた場合には、データベースの構造に変更を加えることが必要になる場合があります。
データベース管理者は、開発データベース環境で最初に加えた変更をテスト環境にマイグレーションし、最終的に実稼働環境にマイグレーションする作業を、頻繁に実行しなければならない可能性があります。
次の図は、2 つのデータベース環境間で変更をマイグレーションするプロセスを示しています。
図 1. あるデータベース環境から別の環境への変更のマイグレーションのプロセス
この変更マイグレーション作業では、2 つのデータベース環境間の相違点を判別し、異なるオブジェクトのみを変更する必要があります。新しい表を 1 個追加しただけの場合のように、相違点を容易に判別できることもあります。
一方、複数の表に数多くの変更を加えた場合、複数の表を追加したりドロップしたりした場合、基本キーや外部キーを変更した場合など、相違点の判別がもっと複雑な場合もあります。
マイグレーションする構造上の変更のソースは、DDL スクリプト・ファイルまたは物理データ・モデルにすることもできます。これらのソースからの変更をマイグレーションするには、2 つのデータベース環境間で変更をマイグレーションするときと同じ手順および分析が必要です。
変更をデータベースにマイグレーションするときには、変更プランを使用します。データベース・オブジェクトの変更をマイグレーションするには、メインメニューから「
オブジェクトの比較とマイグレーション」ウィザードを開始します。ウィザードにより、以下のステップを順に実行できます。
- マイグレーションするデータベース・オブジェクトの構造上の変更のソースを選択する。
- 比較対象を単純化するために、任意のマスクおよび無視を指定する。
- 構造化比較表を使用して、変更のソースとターゲット・データベースのモデルとの相違点を確認し、ターゲット・データベースに適用する相違点をコピーする。
適用する相違点を選択し、コピーしたら、変更プランを使用して作業できます。変更プラン内の変更を確認し、変更するオブジェクトが他のオブジェクトに影響するかどうかを判別し、変更プランに変更を追加し、変更プラン内の変更をターゲット・データベースに適用します。
変更プランを確認して配置するときは、「
確認して配置 (Review and Deploy)」ダイアログが開き、カスタマイズ可能な生成済みコマンドが表示されます。「
確認して配置 (Review and Deploy)」ダイアログの機能を使用すると、以下の作業を実行できます。
- データを保存し、ドロップおよび再作成する必要のあるオブジェクト用にそのデータを自動的にロードおよび再ロードするかどうかを指定する。
- アンロードされた列から取得したデータを、再ロードする列にマップする方法を変更する。
- 変更プランに組み込む DB2® メンテナンス・コマンドのサブセットを選択する。
- 取り消しコマンドを作成するかどうかを指定する。