わずかな差異を除いて同一である複数のデータ・セットが必要な場合に、パラメーターを使用することができます。 複数データ・セットの作成を避けるには、 差異を表すパラメーターを使用する単一データ・セットを作成し、パラメーターを変更された値に設定することができます。
例えば、 A という名前のパッケージのすべてのクラスを取得する 1 つのデータ・セット、および B という名前のパッケージのすべてのクラスを取得するもう 1 つのデータ・セットを扱うのではなく、$name という名前のパッケージのすべてのクラスを取得する 1 つのデータ・セットを作成することができます。 次に、$name を A と B に設定することができます。 このようにして、データ・セットをより簡潔で、またより再使用しやすいものにします。
パラメーターの使用およびパラメーターへの値の設定について詳しくは、 『BIRT へのフィールド・ガイド』を参照してください。
EMF および UML モデルのレポートを設計する場合、パラメーターを使用して、データ・セットのオブジェクトを結合することができます。 オブジェクト間の関係により、鍵を使用してオブジェクトを結合することができます。鍵を使用することができない場合には、パラメーターを定義して、オブジェクトを結合できます。しかし、鍵を使用できる場合に、パラメーターを使用することもできます。
パラメーターを使用せずに結合できるオブジェクト
以下の場合、オブジェクトを結合するために、パラメーターを作成する必要はありません。
結合時にパラメーターを必要とするオブジェクト
この場合、EMF および UML データ・セットは、1 より大きい多重度を持つ列をサポートしないため、パラメーターが必要です。このことは、関係の終端を表すデータ・セットの列を使用して、多重度 * を持つナビゲート可能な他の終端を表すことができないということを意味します。 これらのタイプの関係は、EMF および UML モデルで非常に一般的です。
オブジェクト結合のヒント
データ・セットのパラメーターを使用して、 モデルのあらゆるタイプの関係によって関連付けられた 2 つのオブジェクトを結合することができます。パラメーターを使用して、オブジェクトを結合するには、関係のナビゲート可能な終端を表すデータ・セットを定義し、そのデータ・セット用に関係の他の終端でオブジェクトを表すパラメーターを定義します。次に、行マッピング照会で、コンテキストとしてこのパラメーターを使用し、そのパラメーターから、データ・セットの行を表すオブジェクトにナビゲートします。
例えば、クラス Y を表すデータ・セットで、クラス X のオブジェクトを表すパラメーター $X を定義してから、XPath 式 $X\y として行マッピング照会を指定できます。 このようにして、データ・セットは、特定の方法でタイプ X のコンテキスト・オブジェクトに関連付けられたタイプ Y のオブジェクトを表します。
データ・セット・パラメーター は、Business Intelligence Reporting Tools (BIRT) がサポートするいずれかのスカラー型で入力されます。例えば、ストリング・パラメーター $name を定義し、次の 行マッピング XPath 式を書き込むことができます: Class->ownedAttribute[@name=$name]
オブジェクト・パラメーター は、オブジェクトを解決するために使用できるスカラー ID によって表すことができます。EMF および UML モデルでは、オブジェクトの固有の ID は、ストリングとしてエンコードされた URI です。 このため、URI パラメーターのタイプとして string を選択し、ランタイムに、それらのパラメーターをオブジェクト URI 列に設定します。
データ・セットの作成時のパラメーターの定義について詳しくは、『EMF データ・セットの作成』および『UML データ・セットの作成』のトピックを参照してください。
パラメーターを定義すると、ドル記号 ($) が先頭についた内部名を使用して、行マッピングおよび列マッピング照会の両方で、パラメーターを参照できます。 「データ・バインディング」ページでデータ・セット・パラメーターに値を設定する場合は、パラメーターの表示名を使用します。