InfoSphere® Data Architect は、データ・モデラーがデータ・モデルを設計し、関連付けし、標準化するために役立ちます。
データ・モデルの設計に関する主要な機能
InfoSphere Data Architect は、いくつかのデータ・サーバーのタイプについてデータ・モデリングをサポートしています。
次に挙げる基本的なデータ・モデリング作業を実行できます。
- 論理および物理データ・モデリング
- 組織でデータをどのように収集するか、データ・オブジェクトを相互にどのように関連付けるかを記述する論理データ・モデルを作成します。
その後、新しい物理データ・モデルに変換するか、既存のソースからリバース・エンジニアリングを行います。
物理データ・モデルは、データをどのように格納するかをモデル化するために使用します。
また、InfoSphere Data Architect は、論理データ・モデルと物理データ・モデルの両方について、次のようなディメンション・モデリングもサポートしています。
- マルチディメンション・データをモデル化するために、ディメンション・モデルを作成できます。
ディメンション・モデリングでは、ファクト、ディメンション、階層、およびアウトリガーがサポートされます。
- 「データ・プロジェクト・エクスプローラー」で、ディメンション・オブジェクトを容易に識別できます。
例えば、「データ・プロジェクト・エクスプローラー」では、ファクト表 SLS_SALES_FACT は、ディメンション・データ・モデルの SLS_SALES_FACT [FACT] として表示されます。
- 論理または物理データ・モデルのディメンション表記を有効にした後、モデル内のファクトとディメンションをディスカバーし、ディメンション・データ・モデルを作成します。
- データ・モデルの変換
- 2 つのデータ・モデル・タイプの間で変換を実行できます。
- 論理データ・モデルを、新規または既存の物理データ・モデルに変換します。
- データ・モデルを次に挙げる別のモデル・タイプに変換します: UML、Cubing Services または Cognos®、論理ディメンション、物理ディメンション、および XML スキーマ。
- 新しいデータ・モデルの作成またはソースからリバース・エンジニアリング
- 新しい物理データ・モデルを最初から作成するか、既存のデータ・ソースから物理データ・モデルを生成します。
物理データ・モデルは、データ・オブジェクトとそれらの間の関係の物理的な構造を設計したり、その構造に基づいてビルドしたりするために使用します。
また、既存の IBM® Industry Model から Netezza ベースの物理データ・モデルにリバース・エンジニアリングを行うこともできます。
- データ・モデルのインポートとエクスポート
- サポートされているツールからモデルをインポートしたり、サポートされているツールにモデルをエクスポートしたりできます。
- データ・モデルの視覚化
- 論理データ・モデル、物理データ・モデル、およびディメンション・データ・モデルのダイアグラムを作成します。ダイアグラムは、自分自身や他のユーザーがデータ・オブジェクトについて理解し、オブジェクトがどのように関連し合っているかを把握するために役立ちます。
- ターゲット・データベースへの変更のデプロイ
- 物理データ・モデルと、物理データ・モデルに対する更新をデータ・サーバーにデプロイするための DDL を生成した後、その DDL を実行します。
ユーザー、データ・モデラー、アプリケーション開発者、およびその他のビジネス・プロセス所有者は、データ・サーバー上にあるこの新しいオブジェクトや変更されたオブジェクトを操作できます。
- 変更の比較と同期化
- データ・モデルまたはデータ・オブジェクトを、別のデータ・モデルまたはデータ・オブジェクトと比較します。
データ・モデルまたはデータ・オブジェクトを、元のソース・データ・モデルまたはオブジェクトと比較します。
データ・ソースを相互に比較します。
相違点を容易に識別してマージできます。
データ資産に関連する主要な機能
InfoSphere Data Architect を使用すると、次のようなデータ統合作業を実行できます。
- データベース間の関係 (ソース・スキーマとターゲットスキーマ、または関連表) をディスカバーする
- InfoSphere Data Architect に付属のエンタープライズ・メタデータ・ツールを使用すると、さまざまなデータ・ソース間の関係を検索およびマップし、そのような関係を表すスクリプトを作成し、フェデレーテッドまたは非フェデレーテッド、ローカル、リモートのサーバーにスクリプトをデプロイすることができます。
- データ・モデル間の関係をマップする
- InfoSphere Data Architect が提供するマッピング・エディターを使用すると、1 つ以上のデータ・ソースのエレメントと、データ設計プロジェクト内の 1 つのターゲットとの関係を視覚的に定義できます。
データ・ソースには、プロジェクト内の任意の物理データ・モデルまたは論理データ・モデルを指定できます。
ターゲットには、物理データ・モデル、論理データ・モデル、または XML スキーマ (XSD ファイル) を指定できます。
- 複数のデータ・オブジェクトにまたがる統合されたビューを提供する式をビルドする
- 関数、結合条件、フィルター条件、ソート条件などの基準を定義して、それらをマッピング・モデルに追加できます。
その後、デプロイするスクリプト内でその式を使用することができます。
- マッピング・モデルからスクリプトを生成してソースとターゲットを統合する
- マッピング・モデルからスクリプトを生成して、それをデプロイできます。
そのスクリプトを使用すると、マッピング・モデル準拠のソースからマッピング・モデル準拠のターゲットにデータを変換し、フィルター操作することができます。
- フェデレーテッド・データベースに対して定義されたリモート・ソースにアクセスする
- フェデレーテッド・データベースに対して定義されたリモート・データ・ソースにアクセスできます。
InfoSphere Data Architect は、WebSphere Information Integrator フェデレーテッド・データベースへの接続と、フェデレーテッド・データベースに対して定義されたリモート・データ・ソースへのアクセスをサポートしています。
InfoSphere Data Architect は、次に挙げるデータ・ソースへの JDBC アクセスをサポートしています。
- DB2® ファミリー
- Informix®
- Microsoft SQL Server
- Oracle
- Sybase
- Teradata
さらに、InfoSphere Data Architect は、Excel や WebSphere II Classic Event Publisher などの ODBC データ・ソースもサポートしています (ODBC 接続を使用)。
- オブジェクト間のピア関係の表示
- InfoSphere Data Architect の「トポロジー」ビューは、企業内のオブジェクトのピア関係を示す読み取り専用のグラフィカル・ビューを表示します。
このビューは、データベース、スキーマ、および表の間のピア関係を表示します。
例えば、InfoSphere Information Server フェデレーテッド・サーバーやその接続先のフェデレーテッド・データベースにあるすべてのオブジェクトを表示できます。
「トポロジー」ビューの内容を印刷して、この情報をチームの他のメンバーと共有できます。
データ資産の標準化に関する主要な機能
InfoSphere Data Architect のデータ標準化機能を使用すると、データの品質を改善し、理解しやすくできます。
これらの機能が特に重要になるのは、複数のチーム・メンバーのいる大規模な組織の場合です。
InfoSphere Data Architect は、チームが組織の標準を順守するために役立つ 3 つの主要な機能を備えています。
- ドメイン・モデリング
- ドメイン・モデルは、ドメイン・データ・タイプ・オブジェクトのグループで構成されます。
ドメイン・オブジェクトは、制約を追加することによって制限できる抽象データ・タイプを表します。
ドメイン・データ・タイプは基本データ・タイプに基づきます。
例えば、ドメイン・データ・タイプの定義は、社会保障番号、性別、身長、または既婚/独身などの一般的に使用される定義に合わせて行えます。
InfoSphere Data Architect を使用してドメイン・モデルやアトミック・ドメインを作成した後、論理データ・モデルまたは物理データ・モデルを操作しているチーム・メンバーの間でこれらのモデルを共有できます。
InfoSphere Data Architect は、ドメイン・モデルの作成と管理に役立つツールを提供しています。
ドメイン・モデルは、ウィザードを使用して既存のテンプレートから、または最初から作成できます。
- 用語集モデルと命名モデル
- 命名標準が強制された場合は、データ・オブジェクトの名前を指定するときに、用語集に定義された用語を使用する必要があり、用語の順序も標準に準拠する必要があります。
InfoSphere Data Architect では、用語集やデータ・オブジェクト命名標準を定義するために役立つツールが提供されるため、定義した命名標準に準拠するデータ・オブジェクト名を容易に作成できます。
また、用語集モデルを使用して既存のデータ・オブジェクト (モデル内またはデータベース上にあるもの) が命名標準に適合しているかどうかを検証することもできます。
用語集モデルは以下のような使い方ができます。
- データ・モデルの分析中に、モデルが命名標準に従っているかどうかを判別する。
- 「プロパティー」ビューでデータ・モデル・オブジェクトを変更しているとき、オブジェクト名を指定する際にコンテンツ・アシスタンスを提供する。
- 論理データ・モデルから物理データ・モデルへの変換中に、物理データ・オブジェクトの命名方法を決定する。
- 物理データ・モデルから論理データ・モデルへの変換中に、物理データ・オブジェクトに基づいてビジネス用語を決定する。
- マッピング・モデルの作成中にディスカバー関数がソース要素とターゲット要素を関係付ける処理をさらに容易にする。
InfoSphere Data Architect を使用して用語集モデルを生成した後、論理データ・モデルまたは物理データ・モデルを操作しているチーム・メンバーの間でこれらのモデルを共有できます。
- データ・モデル分析
- データ・モデルの作成中は、任意のタイミングでモデルを分析し、定義済みの制約に準拠しているかどうかを検証できます。
また、既存のデータベースを分析することもできます。
データ・モデルを分析する前に、データ・モデル分析の設定を指定できます。
その後、ウィザードを使用して追加のモデル分析設定を指定して、分析を実行できます。
結果は「問題」ビューに表示され、このビューから、準拠していないとしてリストに載せられたオブジェクトにナビゲートできます。
データ・プロジェクトに格納されているモデルを分析することも、「データ・ソース・エクスプローラー」に表示されているデータベースを分析することもできます。