IBM Rational Insight Data Warehouse

IBM® Rational® Insight Data Warehouse (RIDW) は、 さまざまな業務システムからのデータを分析用レポート作成が容易な形式で保管するだけでなく、 クエリーの最適化、多次元分析、および履歴のトレンド分析に必要なエンジンを提供するコンポーネントです。

RIDW モデル

RIDW には以下の 3 つの物理領域があり、 それらすべてが 1 つのデータベース内に定義され、存在します。

  • 構成領域
  • 業務データ・ストア
  • データマート

構成領域: この領域は、CONFIG スキーマによって物理モデル内で 特定されます。この領域はウェアハウス構成情報の保管と保守を行い、 抽出、変換、およびロード (ETL) のアクティビティーの監査と追跡のための 参照ポイントとして機能します。

業務データ・ストア: この領域は、RIODS スキーマによって物理モデル内で 特定されます。この領域は、さまざまな業務ソースからのデータが統合される 場所です。この領域にデータが到着して保管されるプロセスの ことを ETL プロセスと呼びます。この領域にあるデータ は、特定の品質レベルを満たすように、操作およびクレンジングされます。この領域の 目的は、分析で必要とされる関連情報を保守することです。業務ソースの コピーにすることが目的ではありません。この領域は、 リレーショナル・モデルとして実装されます。

データマート: この領域は、RIDW スキーマによって物理モデル内で 特定されます。この領域に保管されるデータは、業務データ・ストアから 派生します。この領域は、スター・スキーマ形式で配置されたファクト表および次元表からなり ます (ファクト表は次元表に囲まれます)。ファクト表は、 2 つのタイプの列 (尺度と次元) を持つ表です。尺度列は、 集約 (例えば、合計やカウント) を表します。次元列は、尺度を記述する次元表をポイントする 外部キーです。

利点

RIDW モデルの利点は以下のとおりです。
  • クエリーの最適化: 業務システムとクエリーの最適化を切り離すことで、分析およびレポート作成のためのクエリーのパフォーマンスが向上します。 データ・ソースに関係なくすべてのデータに共通のデータ・モデルを適用することで、複数データ・ソースのデータのレポート作成が容易になります。 RIDW がインプリメントするスター・スキーマ形式は、レポート作成や分析を大幅に単純化します。
  • クロス・プロダクトのレポート作成: Rational Insight は、 さまざまな開発ドメイン領域からデータを抽出し、意味のある関連付けを行って RIDW に入れます。これにより、クロス・プロダクトの相関度を示すレポート作成が可能になります。
  • 履歴のトレンド: 業務データ・ソースは、データの最近のスナップショットしか保持しない場合が多くあります。 RDW は、履歴データを保管するので、トレンド・レポートなどの意思決定支援システム (DSS) アプリケーションが促進されます。
  • 情報の集約: 情報の集約は、戦略的な計画策定およびレポート作成に 有用です。例えば、 変更のインプリメントに必要なコストや、業務プロセス改善の取り組みによる効果、 Rational Team Concert™ と Rational ClearCase® などの本質的に異なる成果物の間での追跡可能性を把握するのに役立ちます。

RIDW は、オープンなスキーマを持っています。任意のビジネス・インテリジェンス・ツールは ビジネス・レポートを生成するために RIDW にアクセスできます。また、それらのビジネス・ツールは、ツールをホストするレポート・サーバーが REST アーキテクチャーをサポートしている場合は、Rational Insight Data Service を使用することも できます。


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