データ・ソースからデータを抽出するためには、データの構造を理解し、その構造を IBM® Cognos® Data Manager に複製する ETL (抽出、変換、およびロード) カタログを作成し、さらに、そのデータをデータマートあるいは IBM Cognos Framework Manager で必要とされるスター・スキーマあるいはメタデータ・フォーマットに変換するために必要なプロセスをセットアップする必要があります。
このプロセスを簡単に行えるように、IBM Rational® Insight には、データ・サービスからデータを抽出し、そのデータを IBM Rational Insight Data Warehouse の業務データ・ストアにロードし、規格に準拠したデータマートをビルドするためのサンプル・カタログがあります。
このセクションでは、サンプル・カタログの概要を示します。
IBM Cognos Data Manager カタログは、外部ソースからの情報の抽出、変換、およびロードの方法を記述する中央リポジトリーです。
大まかに言って、Data Manager カタログには以下が記述されます。
- 外部データの正規化と関係スキーマへのマッピング。
- 業務データ・ストアのデータの変換、および、データマートのファクト表と次元表へのマッピングと挿入。
- ビルドの順序を編成するために必要なジョブ・ストリーム。
- ターゲット・データマートまたはウェアハウスを記述するメタデータ。
- 共通の再利用可能コンポーネント (次元、接続、およびユーザー定義機能)。
以下の製品からのデータの抽出、変換、およびロードを容易にする
Rational Insight のサンプル・カタログ。
- IBM Rational ClearQuest®
- IBM Rational ClearCase®
- IBM Rational RequisitePro®
- IBM Rational Quality
Manager
- IBM Rational Team Concert™
- IBM Rational Test
Manager
- Microsoft® Project
このサンプル・カタログには、事前定義されたジョブ・ストリームとビルドが含まれます。そのジョブ・ストリームとビルドにより、上記のソースから抽出したデータが対応表にマップされ、その表がファクトおよび次元に変換されます。
各サンプル・カタログには、事前定義されたライブラリー、ビルド、およびメタデータが含まれています。
例
要件管理データを抽出するために RequisitePro と共に使用される ETL ビルドの例を考えます。
ビルドにより、次のようにソースからデータがロードされます。
- すべてのタイプの要件を、業務データ・ストアの REQUIREMENT 表に
- 要件タイプ情報を REQUIREMENT_CLASSIFICATION 表に
- 要件改訂データを REQUIREMENT_REVISION_HISTORY 表に
- 要件の親子関係を REQUIREMENT_REQUIREMENT_LOOKUP 表に
- 要件の追跡可能性データを REQUIREMENT_HIERARCHY 表に
- プロジェクト・データを PROJECT 表に
- ユーザー・データを RESOURCE に
IBM Rational RequisitePro のサンプル ETL モデルにも、ジョブを事前定義カテゴリーに編成する ETL ジョブ・ストリームが含まれています。
ジョブ・ストリームは、それぞれの外部データ・ソース用に定義されています。
各ジョブ・ストリームは、他のジョブ・ストリームと関係なくスケジュールすることができます。
OOTBE2E ジョブは、全体フローを定義する最上位のジョブです。
これは、外部のさまざまな業務データ・ソースから対応する表にデータをロードするジョブを実行し、その後、データウェアハウス内にデータマートをビルドするジョブを実行します。
Build_Star ジョブが、データマートにデータを追加します。
これは以下を実行します。
- Dimensions ジョブを開始して、次元表にデータを追加します。
- Facts を開始して、ファクト表にデータを追加します。
- HistoricalLookups を開始して、履歴ルックアップ表にデータを追加します。
これらのビルドおよびジョブ・ストリームは、ユーザー固有のビジネス状態やこれらの製品の実装環境に応じてカスタマイズできます。