統計アドバイザーでは、統計情報の収集または修復に使用できる RUNSTATS コマンドを推奨しています。収集された統計情報は、オプティマイザーが効率のいいアクセス・パス
を選択するために役立つことがあります。
ただし、推奨される統計情報を収集した後でも、オプティマイザーが同じアクセス・パス
を選択することはあります。
このタスクについて
多くの場合、統計は古かったり、相互に矛盾していたりすることがあります。表や索引の統計が収集されていない場合もあります。列グループの統計の収集はコストが高くなることがあります。統計アドバイザーは、どの統計が必要であるかを判断できるため、ユーザーは必要のない統計を収集することで時間やリソースを無駄にせずに済みます。
手順
統計の収集に関する推奨情報を取得し、それに基づいて対応するには、以下の手順を実行します。
- チューニングする SQL ステートメントをキャプチャーします。単一照会チューニング用の SQL ステートメントをキャプチャーできる場所を参照してください。
- キャプチャーされたステートメントのいずれかを選択して、「アドバイザーおよびツールの呼び出し」ボタンをクリックします。
「呼び出し」セクションに、「単一照会アドバイザーおよび分析ツールの実行」ページが開きます。
- SQL ステートメントが参照する未修飾オブジェクトに使用するスキーマを設定したり、(DB2 for z/OS でステートメントを実行するときに) SQL ID を変更したりする必要がある場合、このページの SQL ステートメントの上部の「スキーマ」フィールドおよび「SQLID」フィールドで、これらの値を指定します。スキーマおよび SQL ID のグローバル・デフォルトの設定については、未修飾オブジェクト、SQL ID、またはその両方に使用するためのスキーマの設定を参照してください。
- オプション: 統計アドバイザー用のオプションの値を変更します。 「呼び出し」セクションの左側にある「アドバイザー・オプションの設定」をクリックします。次に、「統計アドバイザー」 タブをクリックして、変更できるオプションを表示します。完了した後、「呼び出し」セクションの左側で「アドバイザーおよび分析ツールの実行」をクリックして、「単一照会アドバイザーおよび分析ツールの実行」ページに戻ります。
- 実行する項目の選択」ボタンをクリックします。
- 「アクティビティーの選択 (Select Activities)」ウィンドウで、「統計」チェック・ボックスを選択します。次に、「OK」をクリックします。 統計アドバイザーの実行後に、「確認」セクションの「アドバイザーの推奨情報の確認」ページが開きます。「要約」セクションに、統計を修正するための推奨情報があるかどうかが表示されます。
- 高
- このタイプの推奨情報は、重要な統計が欠落しているか古いこと、あるいは統計間に矛盾があることを示しています。
- 保守 (Maintenance)
- このタイプの推奨情報は優先順位が低く、カタログ統計が完全で正確であることを示しています。推奨情報では、保守サイクルに定期的に組み込み、関連統計の正常性を保守するための RUNSTATS ジョブが提示されます。
- 「単一照会アドバイザーの推奨情報の確認」ページで、「サマリー」表の「統計」行をダブルクリックします。
- DB2 for z/OS® の場合のみ: 推奨された RUNSTATS コマンドの「修復」バージョンを実行するか、「完全」バージョンを実行するかを選択します。
- 「修復」バージョン
- このバージョンの RUNSTATS コマンドは、統計アドバイザーが検出した問題を修復します。時間と CPU リソースを節約するには、このバージョンを実行します。
- 「完全」バージョン
- このバージョンの RUNSTATS コマンドは、SQL ステートメントに関連するオブジェクトのフルセットの統計を収集します。フルセットを収集するプロセスで、コマンドは統計アドバイザーが検出したすべての問題を修復します。
- 「統計アドバイザー・レポート」セクションで、参照された表に関する統計の結果を確認します。 レポートには 2 種類のバージョンがあり、ツールバーの左端のアイコンをクリックして選択できます。
- サマリー・レポート
- 「サマリー・レポート」アイコン (RUNSTATS コマンドの上部のツールバーの最初のアイコン) をクリックすると、統計アドバイザーが検出した問題と、RUNSTATS コマンドが修正する問題のみが表示されます。
- 詳細レポート
- 「詳細レポート」アイコン (RUNSTATS コマンドの上部のツールバーの 2 番目のアイコン) をクリックすると、SQL ステートメントが参照するオブジェクトに関するすべての統計のレポートが表示されます。レポートには、問題のある統計が問題のない統計と一緒に表示されます。
- 「矛盾の詳細」セクションを調べて、アドバイザーが統計内で検出した矛盾を調べます。
- 以下のいずれかのオプションを選択します。
注: RUNSTATS コマンドを実行するためのオプションを選択する前に、ユーザーがデータ・サーバーに対する適切な権限および特権を持っていることを確認してください。
- 実行
- リストされた RUNSTATS コマンドのすべてを実行します。
- 実行して推奨 RUNSTATS コマンドの履歴に保存
- リストされた RUNSTATS コマンドのすべてを実行し、今後の参照のために保存します。
- 実行して統計プロファイルに保存
- リストされた RUNSTATS コマンドのすべてを実行します。
各コマンドは、特定の統計プロファイルを生成し、システム・カタログ表に保管します。
- DB2 for z/OS の場合: データベース・サーバーからの RUNSTATS コマンドの取得
- 以前の推奨情報を推奨 RUNSTATS コマンドの履歴に保存することを選択した場合、SQL ステートメントが参照するオブジェクトに関して、以前に統計アドバイザーが推奨した RUNSTATS コマンドを表示します。
- DB2 for Linux, UNIX, and Windows の場合: 統計プロファイルの取得
- 現在の表の統計プロファイルに保管されている RUNSTATS コマンドを取得します。これらのコマンドは、現行の推奨コマンドの右側に表示されます。
- DB2 for z/OS の場合: 推奨される RUNSTATS コマンドの履歴に保存
- リストされた RUNSTATS コマンドをデータベースに保存します。同じ SQL ステートメントを再チューニングする場合、または同じオブジェクトを参照する別のステートメントをチューニングする場合、統計アドバイザーが以前に推奨した RUNSTATS コマンドを表示できます。その後、現在の推奨情報と以前の推奨情報を比較することができます。
- DB2 for Linux, UNIX, and Windows の場合: 統計プロファイルに保存
- すべてのリストされた RUNSTATS コマンドの設定を、コマンドの適用対象の表の統計プロファイルに保存します。
- DB2 10 for z/OS の場合のみ: 参照表の RUNSTATS プロファイルを作成します。
- 選択された RUNSTATS コマンド内のオプションを、対応する表の RUNSTATS プロファイルとして保存します。
RUNSTATS プロファイルは、特定の表に適用される、RUNSTATS ユーティリティーの一連のオプションを保存したものです。DB2 では、オートノミック統計保守に RUNSTATS プロファイルを使用します。また、RUNSTATS プロファイルを使用すると、事前定義されたオプションのセットを使用して RUNSTATS ユーティリティーをすぐに呼び出すこともできます。
- DB2 10 for z/OS の場合のみ: 参照表の RUNSTATS プロファイルを更新します。
- 選択された RUNSTATS コマンド内のオプションを使用して、参照表の現行の RUNSTATS プロファイルを更新します。RUNSTATS プロファイルは、特定の表に適用される、RUNSTATS ユーティリティーの一連のオプションを保存したものです。DB2 では、オートノミック統計保守に RUNSTATS プロファイルを使用します。また、RUNSTATS プロファイルを使用すると、事前定義されたオプションのセットを使用して RUNSTATS ユーティリティーをすぐに呼び出すこともできます。
次のタスク
他のアドバイザーに移動する前に、統計アドバイザーを再実行し、優先順位の高い推奨情報がすべて解決されるまで、推奨統計を収集する必要があります。他の単一照会アドバイザーは、推奨情報を作成する際、統計が正確であることを前提としています。新規アクセス・プラン・グラフを生成し、元のアクセス・プラン・グラフと比較すると、
アクセス・パスが変更されたかどうかを確認できます。
統計アドバイザーを再実行するには、以下の手順に従います。
- 接続されたデータベースまたはサブシステムのシステム・カタログのローカル・キャッシュがリフレッシュされていることを確認します。
- ワークフロー・アシスタントの左側にある「呼び出し」タブをクリックします。
- 「単一照会アドバイザーおよびツールの実行」ページで、「照会の再 EXPLAIN」オプションを選択します。
- 「実行する項目の選択」ボタンをクリックします。
- 「アクティビティーの選択 (Select Activities)」ウィンドウで、「統計」オプションを選択し、「OK」をクリックします。