データベース管理の概要

管理エクスプローラーに表示されるインスタンスおよびデータベース、および「オブジェクト・リスト」に表示されるデータベース、表スペース、表、および索引について、データベース管理コマンドを実行することができます。

データベース管理者は、DB2® インスタンス、データベース、およびデータベース・オブジェクト (表スペース、表、およびビューなど) の保守や管理を担当することがあります。 例えば、バックアップおよびリカバリーのストラテジーによっては、データベースのバックアップを定期的に取らなければならない場合があります。 あるいは、レコードがデータ・ページに分散するにつれて表および索引のサイズが増え、時間とともに表のデータがフラグメント化した可能性もあります。 それで、無駄なスペースを再利用してデータ・アクセスを向上するために、表と索引を再編成する必要があります。

データベース・システムの管理と保守で、次のデータベース管理コマンドの実行が必要になる場合があります。
管理エクスプローラーで、以下のタイプの管理タスクを実行することができます。
管理エクスプローラーでオブジェクト・タイプ・フォルダー (フラット・フォルダー) をクリックして「オブジェクト・リスト」内のデータベース・オブジェクトを表示すると、以下のタイプの管理タスクを行うことができます。 「オブジェクト・リスト」でデータベースを管理することもできます。

サポートされているデータベース管理タスクの詳細については、下の表を参照してください。

管理エクスプローラーまたは「オブジェクト・リスト」でオブジェクトを右クリックすると、オブジェクトに関して使用可能なデータベース管理コマンドのリストがコンテキスト・メニューに表示されます。 そのオブジェクトのデータベース管理コマンドを選択すると、データベース管理タスク・アシストが表示されます。 タスク・アシストは、データベース管理コマンドのオプションの設定、自動生成されるコマンドのプレビュー、およびオブジェクトのコマンドの実行プロセスをガイドします。

以下の表は、タスク・アシストでサポートされるデータベース管理コマンドをオブジェクトごとに示しています。 現在、サポートは DB2 for Linux, UNIX, and Windows 上のデータベースのコマンドについてのみ有効です。
表 1. DB2 for Linux, UNIX, and Windows データベース管理コマンドに関するタスク・アシスト・サポート
オブジェクト アクション データベース管理コマンド 説明
インスタンス 構成 UPDATE DATABASE MANAGER CONFIGURATION データベース・マネージャー構成ファイルの個々の項目を変更します。
静止 QUIESCE 指定されたインスタンスをすべてのユーザーについて強制的にオフにし、そのインスタンスを静止モードにします。
開始 db2start DB2 インスタンスを開始します。
停止 db2stop DB2 インスタンスを停止します。
静止解除 UNQUIESCE 保守またはその他の理由で静止されていたインスタンスへのユーザー・アクセスを復元します。
データベース バックアップ BACKUP DATABASE データベースまたは表スペースのバックアップ・コピーを作成します。
構成 UPDATE DATABASE CONFIGURATION 特定のデータベース構成ファイルの個々の項目を変更します。
自動メンテナンスの構成 UPDATE DATABASE CONFIGURATION 実行できる各種自動メンテナンス・アクティビティーを使用可能または使用不可にし、メンテナンス・インターバルおよびアクティビティーを実行できるウィンドウを定義します。 メンテナンスが必要と DB2 で判断された場合に限り、メンテナンス・ウィンドウでメンテナンス・アクティビティーを実行できます。
データベース・ロギングの構成 UPDATE CONFIGURATION LOGGING 使用するロギングのタイプ、ログ・ファイルのサイズ、ログ・ファイルの保存先の場所など、データベースのデータ・ロギング・オプションを変更します。
作成 CREATE DATABASE 自動ストレージまたは手動ストレージを使用してデータベースを作成します。
ドロップ DROP DATABASE データベースの内容およびデータベースに関するすべてのログ・ファイルを削除し、データベースをアンカタログして、データベース・サブディレクトリーを削除します。
HADR セットアップ Various データベースの高可用性災害時回復 (HADR) 機能を設定します。 HADR 機能により、データベースへの変更をスタンバイ・データベースに複製できます。 スタンバイ・データベースは、1 次システムで障害が発生した場合にテークオーバーします。
HADR 管理 START HADR、STOP HADR、TAKEOVER HADR 1 次データベースまたはスタンバイ・データベースで HADR 操作を開始および停止します。 1 次システムで障害が発生したときに、スタンバイ・データベースが新しい 1 次データベースとしてテークオーバーするよう指示することもできます。
アプリケーションのリストまたは強制 FORCE APPLICATIONS サーバーで保守を行うために、システムのローカルまたはリモートのユーザーまたはアプリケーションを強制的にオフにします。
ストレージの管理 ALTER DATABASE ADD STORAGE 自動ストレージ表スペースに使用するストレージ・ロケーションのコレクションに、1 つ以上の新しいストレージ・ロケーションを追加することを指定します。
静止 QUIESCE 指定されたデータベースのすべてのユーザーを強制的にオフにし、データベースを静止モードにします。
リカバリー RECOVER DATABASE データベースを復元し、特定の時点またはログの最後にロールフォワードします。
再始動 RESTART DATABASE 異常終了し、不整合状態のままとなっているデータベースを再始動します。
復元 RESTORE DATABASE データベースが損傷または破損したときに、DB2 バックアップ・ユーティリティーを使用してそのデータベースをバックアップしていた場合、それを使って再作成します。
ロールフォワード ROLLFORWARD DATABASE データベース・ログ・ファイルに記録されたトランザクションを適用することによってデータベースをリカバリーします。
開始 ACTIVATE DATABASE 指定されたデータベースを活動化し、必要なデータベース・サービスをすべて開始して、アプリケーションがそのデータベースに接続して使用できるようにします。
停止 DEACTIVATE DATABASE 指定したデータベースを非活動化します。
ロールフォワード・リカバリーの完了 ROLLFORWARD DATABASE (COMPLETE オプションを指定) データベースがアーカイブおよび復元されたが、ログがロールフォワードされていない場合、そのログをロールフォワードします。 ログは、特定の時点またはログの最後にロールフォワードすることができます。
静止解除 UNQUIESCE 保守またはその他の理由で静止されていたデータベースへのユーザー・アクセスを復元します。
表スペース バックアップ BACKUP 表スペースのバックアップ・コピーを作成します。
復元 RESTORE 表スペースが損傷または破損したときに、DB2 バックアップ・ユーティリティーを使用してその表スペースをバックアップしていた場合、それを使って再作成します。タスク・アシストは、複数の表スペースの復元をサポートしません。
ロールフォワード ROLLFORWARD DATABASE ログ・ファイルに記録されたトランザクションを適用することによって表スペースをリカバリーします。
ロールフォワード・リカバリーの完了 ROLLFORWARD DATABASE (COMPLETE オプションを指定) 表スペースがアーカイブおよび復元されたが、ログがロールフォワードされていない場合、そのログをロールフォワードします。 ログは、特定の時点またはログの最後にロールフォワードすることができます。
表のエクスポート EXPORT 表のデータをいくつかの外部ファイル・フォーマットのいずれかにエクスポートします。
高性能アンロード DB2 HPU unload DB2 高性能アンロード・コマンドを使用して、DB2 表からデータをアンロードするか、ソース表からターゲット表にデータをコピーします (データを保存する一時ファイルを使用して行います)。

高性能アンロードをアンロード方式として指定するには、DB2 High Performance Unload for Multiplatforms または DB2 High Performance Unload for Workgroups をインストールする必要があります。 これらの製品は別価格で、別個にインストールされます。

表のインポート IMPORT サポートされるファイル・フォーマットの外部ファイルからのデータを表に挿入します。
表のロード LOAD データを DB2 表にロードします。
表の再編成 REORG TABLE 表を再編成します。
索引の再編成 REORG INDEX 表に対して定義されているすべての索引を再編成します。
保全性の設定 SET INTEGRITY 表を保全性設定保留状態から解放、表を保全性設定保留状態に移行、表をフル・アクセス状態に移行するか、ステージング表のコンテンツを整理します。
パッケージ 再バインド REBIND PACKAGE 元のバインド・ファイルを必要としないパッケージを再作成します。
ヒント: コンテキスト・センシティブ・メニューを使用してデータベースを作成するには、別のデータベースが存在している必要があります。 インスタンスの最初のデータベースを作成するために、管理エクスプローラーの上部のツールバーにある「新規データベース」アイコンを使用できます。
重要: スタンドアロン・バージョンの Data Studio および Optim™ Database Administrator では、メンバーまたはクラスター・キャッシング機能 (CF) の以下の操作を提供して、DB2 pureScale Feature for DB2 Enterprise Server Edition をサポートします。
開始
メンバーまたはクラスター・キャッシング機能 (CF) を開始するには、インスタンス・オブジェクトのコンテキスト・メニューで「開始」を選択します。選択したメンバーまたは CF、すべてのメンバーおよび CF、またはホスト上のインスタンスを開始できます。
停止
現在アクティブなメンバーまたはクラスター・キャッシング機能 (CF) を停止するには、インスタンス・オブジェクトのコンテキスト・メニューで「停止」を選択します。選択したメンバーまたは CF、すべてのメンバーおよび CF、またはホスト上のインスタンスを停止できます。
静止
メンバーを静止するには、インスタンス・オブジェクトのコンテキスト・メニューで「停止」を選択し、オプション「タイムアウトによるメンバーの静止」を選択します。
構成
1 つ以上のメンバーの構成パラメーターを変更するには、インスタンス・オブジェクトのコンテキスト・メニューで「構成」を選択します。

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