重要用語の理解

ここでは、CrossPlatformSCM パッケージに関連した重要な用語を定義します。 パッケージを使用する前に、これらの用語を理解してください。

構成レコード
CrossPlatformSCM パッケージには、次の 2 つのタイプの構成レコードがあります。
SCLMBuildConfig レコード
SCLMBuildConfig レコードは、状態なしの再使用可能な SCLM 構成レコードであり、ホスト名、プロジェクト、SCLM オブジェクトのビルドの実行とプロモートに必要なビルド オプションとプロモート操作オプションなどの SCLM ホスト システム パラメータを指定します。SCLMBuildConfig レコードは、SCLMBuild レコードと共に使用されます。
注: [構成名] フィールドと [説明] フィールドを除き、このレコードの編集可能フィールドでは、 使用中の文字セットに関わらず ASCII 文字しか使用できません。 この制限は、z/OS® で稼働する SCLM 統合のサーバー コンポーネントの制限によるものです。
CCBuildConfig レコード
CCBuildConfig レコードは、状態なしの、再使用可能な Rational® ClearCase® 構成レコードであり、Rational ClearCase パラメータ (Rational ClearCase 成果物のビルドとプロモートに 必要なビルドとプロモート操作のビューとコマンド、および、ビルドとプロモート操作が成功したかどうかを表すために 指定できる失敗キーワードと成功のキーワード) を指定します。 CCBuildConfig レコードは、CCBuild レコードと共に使用されます。
ビルド レコード
CrossPlatformSCM パッケージには、次の 3 つのタイプのビルド レコードがあります。
CrossPlatformBuild レコード
CrossPlatformBuild レコードは、状態ありの、再使用不可の親レコードであり、その SCLMBuild および CCBuild 子レコードで指定された SCLM プロジェクトと Rational ClearCase ビューにおいて、統合ビルドとプロモート操作を実行します。CrossPlatformBuild レコードには、少なくとも 1 つの SCLMBuild または CCBuild 子レコードが関連付けられている必要がありますが、両方のタイプの複数の子レコードを持つこともできます。
SCLMBuild レコード
SCLMBuild レコードは、状態ありの、再使用不可のレコードで、ホスト上の単一の SCLM プロジェクトのビルドとプロモートに使用します。バッチ モードまたはオンライン モードでの実行用に SCLMBuild レコードを作成できます。SCLMBuild レコードは、SCLMBuildConfig レコードと共に使用されます。
注: [見出し] フィールドと [説明] フィールドを除き、このレコードの編集可能フィールドでは 使用中の文字セットに関わらず ASCII 文字しか使用できません。 この制限は、z/OS で稼働する SCLM 統合のサーバー コンポーネントの制限によるものです。
CCBuild レコード
CCBuild レコードは、状態ありの、再使用不可のレコードで、単一の Rational ClearCase ビューのビルドとプロモートに使用します。CCBuild レコードは、CCBuildConfig レコードと共に使用されます。
ビルド レコードの状態
ビルド レコードは、ビルドとプロモート操作のプロセスの進行に従い、異なる 7 つの状態を移動していきます。次のリストに、CrossPlatformSCM パッケージのビルド レコードが移る状態を示します。状態は上から下への順に移動します。

これらの状態は通常の操作で変更されますが、Rational ClearQuest® 制限付きユーザー グループに属するユーザーは手動で状態を変更できます。この グループについて詳細は、オプション: "制限付き" Rational ClearQuest ユーザー グループの作成 を参照してください。

Submitted
新しく作成されたビルド レコードの状態。
BuildPending
ビルドの開始時にビルド レコードが移動する状態。
BuildFailed
この状態は、Rational ClearCase ビルド レコードと SCLM ビルド レコードとで意味が異なります。
  • CCBuild レコードがこの状態に移動するのは、そのレコードに関連付けられた CCBuildConfig レコードの [ビルド] セクションに指定された失敗キーワードのいずれかが検出された場合、CCBuildConfig レコードに指定された成功キーワードも失敗キーワードも検出されなかった場合、成功キーワードと失敗キーワードの両方が検出された場合、ビルド コマンドが実行できない場合 (例えば、指定されたファイルまたはディレクトリが存在しない場合など) です。
  • SCLMBuild レコードは、ホスト上のオブジェクトのビルドが失敗したときにのみ、この状態に移動します。<rational_root>¥ClearQuest¥cpscm.log でエラー メッセージを調べてください。 SCLM 通信に関する追加情報については、<rational_root>¥ClearQuest¥cpscm_communications.log を参照してください。
  • CrossPlatformBuild レコードは、その CCBuild 子レコードと SCLMBuild 子レコードの少なくとも 1 つがこの状態に移動したときに、この状態に移動します。
BuildCompleted
この状態は、Rational ClearCase ビルド レコードと SCLM ビルド レコードとで意味が異なります。
  • CCBuild レコードがこの状態に移動するのは、そのレコードの CCBuildConfig レコードに指定されたビルド コマンドが、指定された成功キーワードなしで正常に実行した場合か、指定された成功キーワードがビルド出力にあった場合です。指定された成功キーワードなしでビルドが正常終了したことを確認するには、ログ ファイル <rational_root>¥ClearQuest¥cpscm.log をチェックするか、実行されたコマンドに基づいて、ファイルがビルドされたことを検証します。
  • SCLMBuild レコードは、ホスト上のオブジェクトが正常にビルドされたときにのみ、この状態に移動します。
  • CrossPlatformBuild レコードは、その CCBuild 子レコードと SCLMBuild 子レコードがすべてこの状態に移動したときにのみ、この状態に移動します。
PromotePending
プロモート操作の開始時にビルド レコードが移動する状態。
PromoteFailed
この状態は、Rational ClearCase ビルド レコードと SCLM ビルド レコードとで意味が異なります。
  • CCBuild レコードがこの状態に移動するのは、そのレコードに関連付けられた CCBuildConfig レコードの [プロモート] セクションに指定された失敗キーワードのいずれかが検出された場合、CCBuildConfig レコードに指定された成功キーワードも失敗キーワードも検出されなかった場合、成功キーワードと失敗キーワードの両方が検出された場合、プロモート コマンドが実行できない場合 (例えば、指定されたファイルまたはディレクトリが存在しない場合など) です。
  • SCLMBuild レコードは、ホスト上のオブジェクトのプロモートが失敗したときにのみ、この状態に移動します。<rational_root>¥ClearQuest¥cpscm.log でエラー メッセージを調べてください。 SCLM 通信に関する追加情報については、<rational_root>¥ClearQuest¥cpscm_communications.log を参照してください。
  • CrossPlatformBuild 親レコードは、その CCBuild 子レコードと SCLMBuild 子レコードの少なくとも 1 つがこの状態に移動したときに、この状態に移動します。
PromoteCompleted
この状態名は、Rational ClearCase ビルド レコードと SCLM ビルド レコードとで意味が異なります。
  • CCBuild レコードがこの状態に移動するのは、そのレコードの CCBuildConfig レコードに指定されたプロモート コマンドが、指定された成功キーワードなしで正常に実行した場合か、指定された成功キーワードがプロモート出力にあった場合です。指定された成功キーワードなしでプロモートが正常終了したことを確認するには、ログ ファイル <rational_root>¥ClearQuest¥cpscm.log をチェックするか、実行されたコマンドに基づいて、ファイルがプロモートされたことを検証します。
  • SCLMBuild レコードは、ホスト上のオブジェクトが正常にプロモートされたときにのみ、この状態に移動します。
  • CrossPlatformBuild 親レコードは、その CCBuild 子レコードと SCLMBuild 子レコードもすべてこの状態に移動したときにのみ、この状態に移動します。
パッケージ
パッケージという用語は、SCLM 環境と Rational ClearQuest 環境で意味が異なります。
  • SCLM でのパッケージとは、SCLM 制御下の構成とその構築および統合方法を記述する、アーキテクチャ定義のことです。例として、論理、リンク、またはコンパイル単位があります。アーキテクチャ定義は、開発者によって作成、更新され、アプリケーションのアーキテクチャを記述します。
  • Rational ClearQuest でのパッケージとは、レコード タイプとアクションの集合のことであり、それを既存のスキーマに適用して複雑な機能を提供します。適用後は、その新機能は永久にスキーマの一部になります。Rational ClearQuest パッケージを使用して、多くの Rational ClearQuest ユーザーが役立つと判断した機能を追加できます。たとえば、障害が発生した際に電子メール通知を送信する機能や、添付ファイルをレコードに関連付ける機能などです。
プロモート
プロモートという用語は、SCLM 環境と Rational ClearCase 環境で意味が異なります。
  • SCLM でのプロモートとは、正常にビルドされた SCLM パッケージを、プロジェクトのアーキテクチャとプロジェクト定義に従って、1 つのプロジェクト グループから別のプロジェクト データベースへ移動させることです。また、SCLM プロモート操作は、パッケージの範囲内にあるアプリケーションまたはそのコンポーネントの修正されたメンバを、プロジェクト階層の 1 つのレベルから次のレベルへ移動させるプロセスと考えることもできます。グループ階層中で上位にビルドを移動する必要に応じて、同じビルドに対して複数のプロモート操作を実行できます。
    注: CCBuild レコードは、複数のプロモーション レベルをサポートしていません。CCBuild レコードは、最初のプロモート操作に続くプロモート操作を無視します。
  • Rational ClearCase でのプロモートとは、CCBuildConfig レコードの [プロモート コマンド] フィールドに指定された Rational ClearCase コマンドを実行することです。このコマンドは、そのレコードの [ビュー] フィールドに指定された Rational ClearCase ビューで動作します。Rational ClearCase で可能なプロモート操作コマンドの例として、findmergedeliver、カスタマイズされた perl スクリプトがあります。
    注: CCBuild レコードは、複数のプロモーション レベルをサポートしていません。CCBuild レコードは、最初のプロモート操作に続くプロモート操作を無視します。

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