式とビジネス・ルール

使用する側の視点からすると、式とビジネス・ルールによって、データにビジネス・インテリジェンスを追加できます。技術的な視点からすると、静的データ属性を動的な式に置き換えることによって、計算を実行したり、他の形で属性値を操作したりすることができるようになります。

式を入力するときには、1 つの特定エレメント (複数選択の場合は複数の特定エレメント) の属性値として入力することも、新しいエレメントのデフォルトの属性値として入力することもできます。

それぞれの式は、実行前に IBM® Rational® Focal Point™ によって評価され、式の厳密性に関する要件に合致しているかどうかが確認されます。その評価で式が不合格になると、その式の操作はどれも実行されません。ユーザーは、受信するフィードバックに基づいてその式を修正する必要があります。

例えば、3.1415 の代わりに =PI を入力するというのは、単純式です。一方、ビジネス・ルールは、要件の品質を確認したり、完全なワークフローを実装したり、大企業の売上高を集計したりするために使用できる拡張式です。
注: IBM Rational Focal Point でビジネス・ルールを追加して管理するユーザーは、グローバル管理者であるか、「ビジネス・ルール」グローバル権限がある必要があります。

式は、情報を提供するための数値計算式であり、例えば、1 つのモジュールの属性を要約したり、静的な日付フィールドを現在日付に置き換えたりする式などが考えられます。

通常、ビジネス・ルールでは、いくつかのパラメーターを取り込んで、もっと複雑な操作を実行します。簡単な値を返すだけでなく、電子メール通知を送信するなどのアクションを実行するビジネス・ルールも使用できます。

例えば、Total cost 属性で Hardware cost 属性と Software cost 属性の合計を計算する場合は、Total cost 属性フィールドで = Hardware Cost + Software cost という式を使用します。

この場合、Hardware cost 属性と Software cost 属性はソース属性であり、Total cost 属性はターゲット属性です。ターゲット属性は、ソース属性の変更を検出し、その変更に合わせて自身を更新します。ビジネス・ルールでも、同じような構造を使用します。

すべての式とビジネス・ルールは、属性に格納します。ただし、通常の属性とは別の専用の属性にビジネス・ルールを格納する場合もあります。例えば、通知を送信したり、マトリックスに値を埋め込んだりするビジネス・ルールは、専用のビジネス・ルール・コンテナー属性に格納しなければなりません。そのコンテナーは、ビジネス・ルールを入れる単純なテキスト属性です。

重要:
この例では、LinkListAttributeSum ビジネス・ルールによって、リンク属性、リンク・リスト属性、イン・リンク属性のいずれかに含まれているすべてのエレメントの属性の合計を計算します。ターゲット・エレメントには Total resource need という属性 (ターゲット属性) があり、リンク先のソース・エレメントでソース属性が変更されると、そのターゲット属性も更新されます。このビジネス・ルールの格納先は、ターゲット・エレメントの Total resource need 属性です。そのエレメントが表示されると、計算結果 (90) が表示されます。
ターゲット・エレメントとソース・エレメントの例

式によって、イメージ、グラフ、表を表示することもできます。特別な編集モードが用意されている場合もあります (TrafficLight など)。


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