同期アルゴリズム

Extension for Terminal-based Applications には、端末の状態を判別するための 3 つの同期アルゴリズムがあります。端末の状態は、表示スペースのロードに依存しています。

端末の状態は、スクリプトの記録時に記録されます。スクリプトを再生する際、Functional Tester は端末が記録時の状態と一致する状態になるまで待機しなければなりません。ホストが入力を受け取る準備が整う前にホストにコマンドが送信されてしまうという事態を回避するには、状態を同じにする必要があります。端末の状態は、オペレーター情報域 (OIA) 状況 (ロックまたはアンロック) によって判別され、OIA 状況は表示スペースのロードに依存しています。表示スペースのロードは瞬間的なプロセスではなく、接続タイプが異なるとロードする表示スペースも異なります。

以下のアルゴリズムによって端末の状態が測定されます。

同期アルゴリズムが使用するデフォルトの待機期間値は、以下のとおりです。

アルゴリズム 同期設定
デフォルト同期および 5250 同期
  • タイムアウト (ミリ秒単位): 1200
  • OIA 状態タイムアウト (ミリ秒単位): 300000
  • ポーリング間隔 (ミリ秒単位): 100
TN3270E 同期 最小待機時間 (ミリ秒単位): 250

「設定」ウィンドウを使用すると、これらの値を変更できます。

デフォルト同期アルゴリズム

デフォルト同期アルゴリズムは、アテンション ID (AID) キーが押されると開始します。アテンション ID (AID) キーは、表示スペースの更新を起動する任意のキーです。端末の初期状態は UNINITIALIZED です。このアルゴリズムは、一定の期間、表示スペースが更新されるのを待機します。 「設定」ウィンドウの「タイムアウト」フィールドで待機時間を変更できます。デフォルトの待機時間は 1200 ミリ秒です。

「タイムアウト」が 1200 ミリ秒に設定され、最後の 600 ミリ秒間に更新が生じると、このアルゴリズムはさらに 600 ミリ秒間、次の更新を待機します。 この追加の待機期間の最後の 300 ミリ秒間にさらに更新が生じると、このアルゴリズムはさらに 600 ミリ秒間、次の更新を待機します。これは、最後の追加の待機期間における後半の期間中に更新を受け取らなくなるまで継続します。

この時点で端末の状態は、OIA 状況に応じて、LOADED (キーボードのロック済み) または READY (キーボードのロック解除済み) のいずれかです。

3270 拡張同期アルゴリズム

端末の初期状態は UNINITIALIZED です。端末の状態は、最小待機時間に初期化されません。「設定」ウィンドウの「最小待機時間」フィールドで待機時間を変更できます。デフォルト値は、250 ミリ秒です。

サーバーは、表示スペースの更新情報が送信されることをアルゴリズムに通知します。この同期アルゴリズムは、「設定」ウィンドウの「最小待機時間」フィールドで指定した期間待機し、次に OIA 状態を照会して READY を報告するかどうかを判別します。この同期アルゴリズムが「設定」ウィンドウの「タイムアウト」フィールドに指定されている期間待機しても OIA 状態が READY にならない場合、このアルゴリズムは状態 LOADED を報告します。その他すべての場合には、状態 UNINITIALIZED を報告します。このアルゴリズムでは、ホスト上に TN3270 サーバーの適切なサービス・レベルがインストールされていることが必要です。

注: Communications Server for z/OS® 1.2 以降では、「コンテンション解消」という新しい機能が導入されています。Communications Server for z/OS の最新のメンテナンス・レベルを持っていない場合、z/OS ホストに接続しようとすると、COMM655 エラーまたは無限ループ状態が生じる場合があります。そのような場合、コンテンション解消を使用しないように接続構成を構成してください。

コンテンション解消設定を変更するには、以下のようにします。Extension for Terminal-based Applications ウィンドウで、「拡張」をクリックして「拡張設定」ウィンドウを開きます。 「オプション拡張設定の構成」リストで negotiateCResolution プロパティーにスクロールします。このプロパティーの設定を「True」から「False」に変更します。

5250 同期アルゴリズム

表示スペースの更新イベントが生じるのは 5250 セッションに対して一度だけで、3270 の場合のように何度も生じることはありません。5250 アルゴリズムは、デフォルト同期アルゴリズムと同様の仕方で機能します。ただし、更新が生じると、OIA 状態に応じてすぐに状態が LOADED または READY に変更されるという唯一の例外があります。

スクリプトを再生すると、Functional Tester はホスト端末が記録スクリプトからのコマンドの実行を継続する前に、適切な状態を表示するのを待機します。

「設定」ウィンドウで時間設定を変更できます。

注: 同期アルゴリズムは指定の時間値すべてに関して必ずしも作動するではわけではありません。特に、長期間のネットワーク遅延を処理しているホストではそう言えます。ご使用のアプリケーションの一部で同期が作動しない場合には、スクリプトにスリープ・タイマーを手動で挿入してタイミングを調整したり、手動の同期を使用したりできます。詳細については、 関連トピックを参照してください。

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