IBM Rational Reporting Solutions

IBM® Rational® では、文書生成機能と開発の情報機能の両方をサポートするソリューションを提供しています。 これらの機能は、市販製品および他の IBM Rational 製品の組み込みテクノロジーとして提供されています。
ソフトウェアおよびシステム開発に重要な情報プレゼンテーションには、次の 2 つの広いカテゴリーがあります。

IBM Rational Reporting では、文書の生成と「開発の情報」という 2 つの主要機能をサポートしています。 どちらの機能も、コンテンツを多くのフォーマットで公開でき、幅広いソースからのデータを相互に関連付けることができます。ただし、公開されるコンテンツは、内容も使用法も異なります。

トピック・アイコン 文書生成
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文書生成

文書の生成は、組織内の成果物について詳細なテキスト・ベースのレポートを作成するプロセスです。 ドキュメント・スタイルのレポートは一般に詳細状況についての判断や、状態の文書化に使用されます。

文書生成機能では、成果物として提供可能な高度に構造化された文書を生成します。 こうした物理的な文書は、通常、チーム間の公式なコミュニケーションのベースとして使用されます。

レポートは、特定時点の詳細な情報を取り込むツールになります。 レポートは、状況の伝達、進行状況のモニタリング、問題の診断、修正措置の特定などの手段にもなります。

文書の生成によるレポート作成のイメージ: ドキュメント・スタイルのレポート

ドキュメント・スタイルのレポートは、通常、次のような特徴があります。
  • 主にテキスト・ベースで、グラフィックスを含むこともできます (例: 要求の仕様、準拠性の文書、テスト・カバレッジ文書、エンドツーエンド・ライフサイクル・トレーサビリティー・レポートなど)。
  • 多くの場合、仕様は 1 つのプロジェクト・フェーズで作成されてから次のフェーズに受け渡されます (例えば、要求文書は、設計チームに渡されます)。
  • 文書は、契約上の成果物である可能性があります (例えば、仕様の完了は、プロジェクト・フェーズの終了基準で、支払いが生じる場合があります)。
  • 文書は、契約関係の基本となることがよくあります (例えば、顧客とサプライヤーの間の要求の仕様など)。
  • 仕様は、構成およびスタイルの両方で、標準/要求を順守する必要がある可能性があります。 そのような標準は、内部グループ、顧客、政府および産業の規制機関などから発生している可能性があります。
例えば、文書生成レポートには次のようなものがあります。
  • 要求の仕様。ここには、プロジェクトの特定のフェーズで文書が書き込まれ、生成され、他のチームにプロジェクト要求を伝達するために提供されます。
  • 準拠性文書。各要求をどのように設計に盛り込むかを示します。ここで、仕様を完成させると、それがプロジェクト・フェーズの終了基準になる場合もあります。
  • テスト・カバレッジ文書。これは、各要求、障害、およびワークアイテムとテスト・ケースの関連付けを記述します。
  • エンドツーエンド・ライフサイクル・トレーサビリティー・レポート。
図 1. 文書生成レポートの例
リリース機能強化要求を表示する文書生成レポートの例

開発の情報

「開発の情報」とは、開発環境にビジネス・インテリジェンス手法を適用することです。 「開発の情報」レポートは通常、管理目的で使用されます。

「開発の情報」機能は、利害関係者に日常の意思決定をサポートするデータを提供します。 多くの場合、これらのレポートは画面に表示されます。 これらのレポート自体は、一般に成果物ではありません。 「開発の情報」レポートは、状況伝達、進行状況のモニター、問題判別、および修正措置の識別に使用されるツールです。 これは、プロジェクトやプログラムを管理するための意思決定支援ツールです。

このレポートは、開発プロジェクトの管理においてなされる意思決定を明確にし、サポートするためのツールです。 レポートは、状況の伝達、進行状況のモニタリング、問題の診断、修正措置の特定などの手段にもなります。

「開発の情報」レポート作成のイメージ: グラフ、チャート、ダッシュボード

「開発の情報」レポートは、通常、以下のような特徴があります。
  • 主にグラフィカルなレポート (例: 円グラフ、グラフ、スコアカードなど) です。
  • このレポートにより、状況の伝達、進行状況のモニタリング、問題の診断、修正措置の特定などを支援します。
  • プロジェクトやプログラムを管理するための意思決定支援ツールです。
「開発の情報」は、従来のビジネス・インテリジェンス手法を使用して、データの分析および解釈の支援を行います。
  • クロス集計/ピボット - データをどのように分解するかを示します。
  • ドリルアップ/ドリルダウン/ドリルスルー - データ同士の相互関係を解析します。
  • ダッシュボード - 大まかな概要をつかみます。
  • データウェアハウス - 時間経過に伴う傾向をつかみます。
例えば、「開発の情報」レポートには次のようなものがあります。
  • 未完了のワークアイテムまたは障害の比率を示す円グラフ
  • テストを行っていないワークアイテムの時間経過に伴う数の変化を示すグラフ
  • 要求の時間経過に伴う変化率 (揮発性) を示すグラフ
  • プログラムおよびプロジェクトの正常性をモニターする重要業績評価指標 (KPI) のスコアカード
図 2. 「開発の情報」レポートの例
完了および未完了のワークアイテムを表示する「開発の情報」レポートの例

Rational Reporting ソリューション

IBM Rational では、文書生成機能と「開発の情報」機能の両方をサポートするソリューションを提供しています。 これらの機能は、市販製品および他の IBM Rational 製品の組み込みテクノロジーとして提供されています。

表 1. Rational Reporting ソリューション
提供方法 文書の生成ソリューション 「開発の情報」ソリューション
Rational ソリューションおよびアプリケーションに組み込み IBM Rational Reporting for Document Generation IBM Rational Reporting for Development Intelligence
市販製品 IBM Rational Publishing Engine IBM Rational Insight

Rational 製品でのレポート作成

Rational アプリケーションでの組み込みレポート作成

事前定義され、すぐに使用可能なレポートのセットが一部の Rational アプリケーションと共に提供されており、一般的なレポート作成シナリオを満足します。

Rational Reporting アプリケーション
IBM Rational Reporting for Document Generation と IBM Rational Reporting for Development Intelligenceは共に、Rational Reporting を構成します。 IBM Rational Reporting では、文書生成機能と「開発の情報」機能の両方をサポートしています。
Rational Reporting for Development Intelligence
Rational Reporting for Development Intelligence は、CLM または IBM Rational Insight データウェアハウスを使用し、事前定義のレポート作成機能を拡張します。この機能は、製品固有のレポート、または、単一の Jazz™ Team Server (JTS) 内にデプロイされた各 CLM アプリケーションのデータを統合するレポートを作成および表示するのに役立ちます。
Rational Reporting for Document Generation
アプリケーションの REST API を使用してライブ・データにアクセスします。 Rational Publishing Engine を使用して開発された、製品の成果物および文書テンプレートを使用して文書が生成されます。Rational Reporting for Document Generation は、Rational solution for Collaborative Lifecycle Management、IBM Rational DOORS®、IBM Rational Focal Point™、IBM Rational Rhapsody®、および IBM Rational Software Architect Design Manager に組み込まれています。
Rational Insight

ユーザーの企業に、複数の JTS、CLM アプリケーション以外の Rational アプリケーション、またはサード・パーティーのツールを使用した分散チームがある場合、レポート作成データウェアハウスにロードされるデータをカスタマイズする必要がある場合があります。 IBM Rational Insight では、Rational Reporting for Development Intelligence (CLM 組み込みの「開発の情報」ソリューション) を、複数の JTS デプロイメント、CLM からのデータ統合、他の非 CLM Rational アプリケーション、およびサード・パーティー・ツール (RationalClearQuest®、RationalRequisitePro®、RationalDOORS、Microsoft Project など) をサポートするように拡張しています。Rational Insight は、アプリケーションからデータを抽出してデータウェアハウス、レポート作成データ・モデル、レポート、およびメトリックにロードする方法のカスタマイズに役立ちます。

Rational Publishing Engine

IBM Rational Publishing Engine では、CLM および非 CLM アプリケーションからカスタム文書を作成および表示できるようにすることで、Rational Reporting for Document Generation を拡張しています。

ソリューションの選択

以下のデシジョン・ツリーは、どの文書生成ソリューションまたは「開発の情報」レポート作成ソリューションがユーザーの組織に最も適しているかを判断するためのものです。
トピック・アイコン 文書生成ソリューションの選択
トピック・アイコン 「開発の情報」ソリューションの選択

文書生成ソリューションの選択

図 3. 文書生成ソリューションの選択
文書生成ソリューションの選択

「開発の情報」ソリューションの選択

図 4. 「開発の情報」ソリューションの選択
「開発の情報」ソリューションの選択

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