データ相関の概要

要求には、前の要求に対する応答として戻されたデータが含まれることがあります。この方法でデータを関連付けることを、データ相関と呼びます。
アプリケーションとの対話は、通常相互に関係しています。 例えば、Web ベース・アプリケーションとの以下のような対話を考えてみます。ここでは、各要求は直前の応答から返された情報に依存しています。
  1. 給与計算の担当者がアプリケーションの Web アドレスを入力すると、ログイン・プロンプトが送信されます。担当者がログインすると、Web サーバーは、担当者が使用している Web ブラウザーに、ログインが成功したことを示すページと固有のセッション ID を戻します。
  2. 担当者が、戻されたページのリンクをクリックすると、従業員データベースを検索するためのページを開くよう Web サーバーに要求が出されます。Web ブラウザーには、要求を送信する際のセッション ID が含まれています。Web サーバーは、そのセッション ID に基づいて、その要求がすでにログオンしている人から出されたものであることを知るので、従業員データベースに対する検索書式を開きます。その後、担当者は特定の従業員を検索します。Web サーバーから、その従業員の写真と従業員の固有 ID が返されます。
  3. 担当者は、リンクをクリックして、Web サーバーに従業員の給与計算記録を戻すように要求します。この要求と一緒に、Web ブラウザーは次の 2 つの ID を送信します。
    • セッション ID。これによって、Web サーバーは、その要求が既にログオンしている人から出されたものであることを認識します。
    • 従業員 ID。これによって、Web サーバーは、正しい情報を見つけて戻すことができます。
この例では、要求 2 は要求 1 に依存しており、要求 3 は要求 1 と 2 に依存しています。

これらの対話をテストで記録する場合は、複数のユーザーでテストを実行する前に、テスト・データを変更します。例えば、ユーザー名とパスワードの値、従業員名の検索値、またはその両方を、データプールに含まれている値で置き換えます。テストを実行すると、データプールの内容に基づいて、仮想ユーザーごとに異なる従業員給与計算記録が返されます。

生成したテストで、要求のデータが以前の要求への応答に含まれているデータに依存している場合、要求データは、依存している応答データの値で置換されます。このような応答データと要求データの内部リンクを示す用語がデータ相関 です。複数のユーザーを使用し、データを変化させてテストを実行する場合は、テストが正しく実行されることを保証するために、データ相関が必要になります。

参照 とは、テストで後続の値 (通常は要求に含まれます) が使用できる、そのテスト内の値 (通常は応答に含まれます) のことです。テスト・ジェネレーターが要求値を前の値で置換する必要があることを検知したら、以前の値を参照に指定して、後続の要求値とその参照を相関させます。これを、自動データ相関 と呼びます。テスト内の任意の 2 つの値を手動で相関させたり、既存の相関のリンクを解除したりすることもできます。
注: 自動データ相関は、変更したり、使用不可にしたりすることができます。これを行うには、「ウィンドウ」 > 「設定」をクリックし、「テスト」を展開して、「テスト生成」をクリックします。
相関データの処理を容易にするために、テスト・エディターは色付きで表示し、ナビゲーション補助機能を提供しています。

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