Android 用のモバイル・テスト・クライアントは、テスト・ワークベンチと連携して動作します。 任意のクライアントから、テスト・ワークベンチに接続し、テストの記録と実行、およびレポートの表示を行うことができます。 Android クライアントから、アプリケーションをテスト・ワークベンチにアップロードすることもできます。 その場合、アプリケーションはインスツルメントされ、再コンパイルされて、2 つの新しいアプリケーション (記録対応アプリケーションおよび再生対応アプリケーション) が生成されます。
次の図は、ネイティブの Android モバイル・テスト・クライアントを示しています。
Android 用のモバイル・テスト・クライアントは、Android デバイスおよびエミュレーター上で実行されるネイティブ Android アプリケーションです。 各 Android アプリケーションは、アプリケーション・コードおよびその他のリソース・ファイルが入った単一の .apk ファイルにパッケージされます。 .apk ファイルは、zip ファイルや war ファイルに類似した圧縮フォーマットのファイルです。
Android の場合、ビルドおよびコンパイルのプロセスは、Windows コンピューター、Linux コンピューター、または Macintosh コンピューター上のテスト・ワークベンチで実行されます。
モバイル・アプリケーションをテストするには、その前にまず、そのアプリケーションをインスツルメント する必要があります。 インスツルメント・アプリケーションには、テストを記録または再生できるコードで拡張されたテストの実行対象アプリケーションが含まれます。Android アプリケーションをインスツルメントするには、以下の 2 とおりの方法があります。
テストを記録する場合は、Android アプリケーション (.apk ファイル) が再コンパイルされて、ユーザー・アクションをキャプチャーするために十分にインスツルメントされた記録対応アプリケーション が生成されます。Android ではアプリケーションの 2 つのバージョンを同時にインストールすることはできないため、テスト・ワークベンチにより、元のアプリケーションがアンインストールされ、記録対応アプリケーションに置き換えられます。 テストを再生する場合は、テスト・ワークベンチにより、記録対応アプリケーションがアンインストールされ、再生対応アプリケーション に置き換えられます。これは、元のアプリケーションにテスト・ワークベンチの証明書を使用した署名が付加されたバージョンです。
このような Android アプリケーションの各バージョンのインストールとアンインストールのプロセスは、Android デバイスまたはエミュレーターで、設定ページから「インスツルメントで再生 (Playback on instrumented)」を選択することにより、単純化できます。 こうすると、アプリケーションのより軽量の再生バージョンではなく、より十分にインスツルメントされた記録バージョンを使用したテストが再生されます。しかしその代わりに、再生スピードが遅くなり、メモリーの消費量は多くなります。
テストの実行準備ができれば、デバイスでもテスト・ワークベンチでもテストを実行できます。モバイル・テスト・クライアントから「パッシブ・モードの開始」をタップするだけで、テスト・ワークベンチに制御が渡ります。
モバイル・テストについてのヘルプは、モバイル・デバイスまたは Android エミュレーターで、ヘルプ・メニュー項目または「ヘルプ」ボタンをタップして直接表示することができます。メニュー項目またはボタンの実際の場所はデバイスによって異なります。また、インストールされている Android のバージョンによっても異なります。以下の図は、Android 4.3 を実行している Nexus 7 タブレットを示しています。ヘルプ・メニュー項目は、デバイスの右上隅にあるドロップダウン・メニューにあります。