Rational DOORS と Rational Quality Manager の統合

Rational® DOORS® バージョン 9.4 および Rational Quality Manager バージョン 4.0 から、Open Services for Lifecycle Collaboration (OSLC) 仕様を使用して、Rational DOORSRational Quality Manager を統合することができるようになりました。 OSLC により、テスト成果物と要求成果物との間の双方向リンクを作成することができ、テスト・ケースの Rational DOORS 要求とテスト計画の Rational DOORS 要求コレクションを表示する際にリッチ・ホバー・テキストを表示することができます。 Rational DOORS では、要求などの特定の Rational DOORS オブジェクトから、Rational Quality Manager にあるテスト計画、テスト・スクリプト・ステップ、およびテスト・ケースにリンクすることもできます。
注: このトピックは、IBM® Rational DOORS バージョン 9.4 以降に適用されます。 IBM Rational Quality Manager とバージョン 9.3 以前の Rational DOORS との統合については、バージョン 9.3 および 9.4 の Rational DOORS 資料にある Rational DOORS for Rational Quality Manager Interface (DOORS 9.3) を参照してください。

OSLC を使用する場合の成果物リンク

アプリケーション内に外部成果物へのリンクを作成すると、そのソース成果物に戻るリンクがターゲット・アプリケーション内に自動的に作成されます。これはバック・リンクと呼ばれます。ソース成果物から外部成果物へのリンクが作成され、結果として外部成果物からソース成果物へのバック・リンクが作成されると、これらのリンクは双方向リンクと呼ばれます。

ソース・アプリケーションとターゲット・アプリケーションはそれらのリンクをそれぞれ別のデータベースに保管し、ソース・アプリケーションはターゲット・アプリケーションのデータベースにアクセスすることはできません。 特定のトランザクション操作 (成果物のコピーまたは削除など) がソース・アプリケーション・サーバーで行われる場合があります。 このような場合、ターゲット・アプリケーションの成果物内の対応するバック・リンクが自動的に追加されたり削除されたりすることはありません。また、ソース・アプリケーション内の対応するリンクを削除せずに、ターゲット・アプリケーションでバック・リンクが意図的に削除される場合もあります。結果として、双方向リンクが同期状態にない場合、ソース成果物とターゲット成果物の間のトレーサビリティーは、ユーザーの開始視点を基準にして異なって表示される場合があります。

双方向リンクが同期状態になっていない場合、トレーサビリティー・レポートの正確性に影響する可能性があります。 例えば、ターゲット・アプリケーションで成果物に対して実行されたレポートの結果が、ソース・アプリケーションで同じ成果物に対して実行されたレポートとは異なる結果になる場合があります。 この制限に含まれるのは、以下の成果物へのリンクです。
  • 要求コレクション
  • 開発計画
  • 要求
  • 変更依頼 (障害、タスク、計画項目、ストーリーなど)
重要: 双方向リンク間の同期状態、およびソース成果物とターゲット成果物の間のトレーサビリティーは保証されません。

ロックされた成果物へのリンク

成果物へのリンクを作成または削除しようとしたときに、Rational DOORS で要求または要求コレクションがロックされていると、リンクに対する変更を保存できないというメッセージを受け取る場合があります。その場合には、品質管理アプリケーションにより、どのように続行するかを選択するようプロンプトが出されます。プロンプトでは、「再試行」「キャンセル」、および「一部の変更を保存」の 3 つのオプションがあります。「再試行」オプションでは、バック・リンクの作成または削除を再試行します。要求または要求コレクションがまだロックされていると、操作は失敗します。「キャンセル」オプションでは、テスト成果物上のリンクと、Rational DOORS の要求または要求コレクション上のバック・リンクへの変更をキャンセルします。「一部の変更を保存」オプションでは、品質管理のテスト成果物上のリンクのみを変更し、Rational DOORS の要求または要求コレクション上のリンクは変更しません。後で、リンクが正しく機能するように Rational DOORS でリンクを修復する必要があります。

アプリケーション間の統合の実現

アプリケーション間で通信できるようにするには、Rational Quality Manager サーバーを Rational DOORS のリモート・サービス・リストに追加し、Rational Quality Manager サーバーにおいて「フレンド」関係になるように Rational DOORS を追加します。

注: このタスクを実行するには、データベース管理者特権、または Rational DOORS でデータベースを管理するためのカスタム・ユーザー許可が必要です。 また、Rational Quality Manager サーバーでの Jazz™ 管理者特権も必要です。

詳しくは、YouTube で Rational DOORS と Rational Quality Manager の統合に関する次のビデオをご覧ください: 「IBM Rational DOORS and IBM Rational Quality Manager」

この統合を構成するには、次のタスクを実行する必要があります。詳細については、Rational solution for Collaborative Lifecycle Management (CLM) 資料で、Rational Quality Manager に関する統合の資料を参照してください。


フィードバック