キャッシュ・サーバーは、Rational® Synergy 7.2.1 リリースでのみ使用可能です。
Rational Synergy のパフォーマンスは、一部のシステム・プロセスによって大きな影響を受けます。例えば、多数のファイルを含むプロジェクトを、サーバーからクライアントのワークエリアにコピーして更新するプロセスなどです。このようなプロセスの実行時には、ユーザーに対するシステム処理が遅くなります。これらのファイル・オブジェクトをホストする Rational Synergy コア・サーバーがクライアントに対してリモートのロケーションにある場合、パフォーマンス低下の問題は実装環境における共通の問題となります。また、これらのクライアントが、WAN を介してさまざまなネットワークに存在する場合もあります。通常の実稼働環境では、Web ベースの Rational Synergy 実行エリアは複数のサブネットに分散しています。この場合、コア・サーバーおよび関連クライアントの各グループは、それぞれのサブネット内に存在します。
Rational Synergy コア・サーバーからクライアントのワークエリアにコピーされる Rational Synergy ファイル・オブジェクトは、静的にすることも、非静的にすることもできます。 プロジェクト・メンバーの主要パーツである静的オブジェクトは、時間が経過しても変化しません。そのため、静的オブジェクトは、コピー操作時間削減のためのキャッシング対象として適しています。特定のサブネット内のクライアントに対して、ローカル共有キャッシュを使用できます。これらのクライアントは、静的オブジェクトを、コア・サーバーからではなく、ローカル・クライアント・キャッシュからコピーします。
キャッシュ・サーバーを使用すると、コア・サーバー・メモリーが他のプロセスで使用されるようになるため、Rational Synergy コア・サーバーのパフォーマンスが向上します。
キャッシュ・サーバーでサポートされるプラットフォームは、Rational Synergy 7.2.1 メイン・サーバーおよびクライアントでサポートされるプラットフォームと同じです。サポートされるシステムのリストについては、README のトピックを参照してください。
キャッシュ・サーバーのインストールには、キャッシュ・サーバーの実行エリアとして、250 MB のスペースが必要です。 キャッシュ・サーバー・リポジトリーに必要なスペースは、メイン・サーバーのデータベース・サイズによって異なります。
キャッシュ・サーバーを、$CCM_HOME という 1 つのディレクトリーにインストールします。
ccm_home 変数は、キャッシュ・サーバー・インストールのパスを表します。デフォルトのインストール・ディレクトリーは /user/local/ccm です。
ユーザーは、root ユーザーとして $CCM_HOME に書き込むことができる必要があります。ファイル・システムがローカル・ディスクにある場合は、マウント・オプションを変更せずにキャッシュ・サーバーをインストールできます。