DCM データベースのすべてのオブジェクトには、特殊なプロパティーが自動的に割り当てられます。これらのプロパティーには、「ローカル DB」、「次から作成」、「修正可能 DB」、および「作業中 DB (Work in DB)」などがあります。DCM はこれらの特性を使用して、DCM クラスター内のすべてのオブジェクトの固有性と履歴を保持します。これらのプロパティーについて、以下で説明します。
「ローカル DB」プロパティー (local_to 属性) の値は、オブジェクトの最初のバージョンが作成されたデータベースのデータベース ID です。その初期バージョンからチェックアウトされたすべてのバージョンは、同じ「ローカル DB」プロパティーの値を受け取ります。
「次から作成」プロパティー (created_in 属性) の値は、その特定のバージョンが作成またはチェックアウトされたデータベースのデータベース ID です。
「修正可能 DB」または「作業中 DB (Work in DB)」 - 「修正可能 DB」プロパティー (modifiable_in 属性) の値は、そのオブジェクトを制御するデータベースの ID です。DCM では、各オブジェクトは DCM クラスター内の 1 つのデータベースでのみ修正可能です。他のすべてのデータベースでは、より新しい状態への遷移を除き、そのオブジェクトを修正できません。「修正可能 DB」プロパティーが存在しない場合、管理データベースは「次から作成」(created_in) プロパティーによって判別されます。通常、ファイル、ディレクトリー、およびプロジェクトにはデフォルトで「修正可能 DB」プロパティーはありません。
図は、main.c というオブジェクトの Rational Synergy クラス履歴を示しています。このオブジェクトは、最初に Boston データベースで作成されました。したがって、最初のバージョン (main.c-1) の「ローカル DB」および「次から作成」の値は、いずれも Boston データベースの ID (MA) に設定されます。main.c が Chicago データベースからチェックアウトされると、「次から作成」の値は Chicago データベースの ID (IL) に設定されます。main.c が Boston データベースからチェックアウトされると、「次から作成」の値は Boston データベースの ID (MA) に設定されます。図に示すように、「ローカル DB」の値は、オブジェクトの全履歴中において変更されることはありません。
これらのプロパティーに加え、すべての DCM オブジェクトにはそれらの固有性を確保する属性が割り当てられます。例えば、各オブジェクト・バージョンは固有のクラスター ID にリンクされます。これらのオブジェクトの特性は、以下のようなセキュリティー機能を提供します。