アップグレード後のステップの実行

このセクションでは、アップグレード完了後に行う必要がある作業について詳しく説明します。

このタスクについて

  1. Rational Change 5.3 のインストール (該当する場合)
  2. アップグレード後の Rational Synergy Distributed 転送を参照する (該当する場合)
  3. ワークエリアの更新 (必要に応じて)
  4. 旧インストール済み環境の削除 (それが不要である場合)
  5. ccm シンボリック・リンクの更新 (該当する場合)
  6. Windows クライアントのインストール (該当する場合)
  7. データベースを使用可能にする
  8. クエリー制限とアクセラレーター属性の確認
  9. システム・レベル・ファイル名フィルターの更新
  10. アップグレード後の問題のトラブルシューティング

Rational Change 5.3 のインストール

このデータベースと共に Rational Change を使用する場合は、Rational Change 5.3 をインストールします。 旧リリースの Rational Change には Rational Synergy 7.2 との互換性がありません。 詳しい説明については、インストール・ガイドを参照してください。

始める前に

Rational Change 5.3 をインストールする前に 1 つ以上のデータベースを作成またはアップグレードする必要があります。これは、Rational Change が Rational Synergy データベースにアクセスする必要があるためです。

手順

Rational Change を使用しており、2 の説明に従って旧 ptcli 構成ファイルの変更済みコピーを保存している場合は、それをこの時点でマージします。 ptcli ファイルは /usr/local/ccm72/etc/ptcli.cfg です。

アップグレード後の Rational Synergy Distributed 転送

Rational Synergy 7.2 では、リリース 7.0、7.1、または 7.1a との間での DCM 転送がサポートされています。 DCM の互換性を維持するため、これらのリリースへのパッチが必要です。

このタスクについて

追加情報については、リリース 7.2Rational Synergy README ファイル、および旧リリースに対するパッチの製品 README ファイルを参照してください。

DCM データベースのアップグレードについて詳しくは、Rational Synergy Distributed クラスターのアップグレードを参照してください。

ワークエリアの更新

アップグレードの一環としてデータベースを (新しいコンピューターなどの) 新しいパスに移動した場合、新しいパスを参照するように既存のワークエリアを更新します。この情報は、コピー・ベースのワークエリアとリンク・ベースのワークエリアの両方に適用されます。

手順

  1. 移動されたデータベースの各ユーザーは、次のコマンドを実行して、各自の作業プロジェクトを更新する必要があります。
    $ ccm wa -dbpath old_database_path -show project_spec...
    $ ccm wa -dbpath old_database_path -replace -show project_spec...
    1. ビルド・マネージャーは、各自の prep プロジェクトも更新する必要があります。
  2. 適切な -scope オプションを指定して ccm wa -dbpath コマンドを実行することで、共有プロジェクトまたは静的プロジェクトを更新します。

旧インストール済み環境の削除

旧リリースが不要になったら、旧インストール済み環境を削除します。

このタスクについて

注: 旧リリースのディレクトリーを削除する場合は、別のコンピューターからの NFS マウントなどによってこのディレクトリーの一部を共有しているインストール済み環境が他にないことを必ず確認してください。例えば、異機種混合インストール済み環境では、ディレクトリー $CCM_HOME/etc が共有されることがよくあります。
注: アップグレードに関する考慮事項を参照して、旧インストール済み環境を保持する必要があるその他の理由を確認してください。

手順

次のコマンドを実行して旧インストール済み環境を削除します。
$ su -
root# rm -rf /usr/local/ccm71
root# exit

ccm シンボリック・リンクの更新

Rational Synergy のデフォルト・バージョンを変更するには、旧リリースへのシンボリック・リンクをすべて削除します。次に、新しいリリースへのリンクを作成します。

手順

次のコマンドを実行します。
$ su -
root# rm /usr/local/ccm
root# ln -s /usr/local/ccm72 /usr/local/ccm
root# exit

Windows クライアントのインストール

必要に応じて、Rational Synergy リリース 7.2 の Windows クライアントをインストールします。 旧リリースのクライアントをアンインストールする必要はありません。ただし、旧リリースを引き続き使用しているデータベースにアクセスする必要がない場合にはアンインストールできます。

このタスクについて

詳しい説明については、インストール・ガイドを参照してください。

Rational Synergy クライアントのテスト

Rational Synergy クライアントが正しく機能しているかどうかをテストします。

手順

  1. ccm monitor コマンドを実行し、適切な CCM サーバーが稼働しているかどうかを確認します。稼働していない場合、ccm_server コマンドを使用して開始します。ccm monitor コマンドの実行後に返される情報に示されているサーバー URL を書き留めます。
  2. ブラウザーに protocol://server:port/admin と入力します。プロトコル (http または https)、 server、および port は、サーバー URL に示されているものです。
  3. プロンプトが出されたら、管理者パスワードを入力します。
  4. 「データベース」タブで、テスト対象のデータベースがこのサーバーに接続していることがリストで示されているかどうかを確認します。別のサーバーに接続していることが示されている場合、その別のサーバーを使用するか、または Web ページからデータベースのサーバーを変更します。
  5. 確認したサーバー URL を使用して Rational Synergy セッションを開始します。

    $cmsynergy -d database_path [-s server_url]

    注: サーバー URL を指定する -s オプションは任意指定です。ほとんどの場合は不要であり、サーバー URL は Rational Synergy ルーターによって自動的に判別されます。

データベースを使用可能にする

アップグレードを完了し、結果をテストし、必要なアップグレード後のアクションを実行したら、アップグレードは完了です。

手順

  1. アップグレード、テスト、またはアップグレード後のプロセスにおいてデータベースを保護していた場合、この時点でデータベースの保護を解除します。
  2. データベースが使用可能であることをユーザーに通知します。
  3. ユーザーのクライアント・ソフトウェアをアップグレードします。

クエリー制限とアクセラレーター属性の確認

Rational Synergy 7.0 および 7.1 では、ストリング属性とテキスト属性が Windows CP1252 (シングル・バイト・エンコード) でエンコードされており、ストリング属性またはテキスト属性に対するクエリーでは各ストリングの先頭 64 文字 (バイト) のみが検査されていました。Rational Synergy 7.2 では、テキスト属性のエンコードが UTF-8 (可変長エンコード) になりました。クエリーの制限が 64 バイトから 72 バイトに拡大されましたが、CP1252 では 64 文字 (バイト) 以下で表現されていたストリングが、UTF-8 では 72 バイトよりも多くのバイト数を必要とすることがあります。ユーザーは各自のクエリーを調べて、この問題が発生しているかどうかを確認する必要があります。

始める前に

Rational Synergy 7.1a からアップグレードするユーザーはこのタスクをスキップできます。

手順

  1. 適切にエンコードされていなかったストリングに対するクエリーを確認します。
  2. この問題を解決するため、属性をアクセラレーター属性にします。アクセラレーター属性では、クエリーの制限が 700 バイトになります。

ストリング「ééééééééééééééééééééééééééééééééééééé」(揚音アクセントが付いた Latin-1 の e 文字が 37 個あるストリング) は、Rational Synergy 7.0 および 7.1 で使用されている CP1252 エンコードでは 37 バイトになります。Rational Synergy 7.2 で使用されている UTF-8 エンコードでは、同じストリングが 74 バイトになります。その結果、これと同じ値を持つ属性が含まれているオブジェクトに対するクエリーは、7.0 と 7.1 では正常に完了しますが、7.2 では失敗します。

システム・レベル・ファイル名フィルターの更新

Synergy 7.0 および 7.1 の基本モデル属性「system_filename_filters」で定義されたシステム・レベル・フィルターが更新され、標準装備フィルター以外の新しいフィルターが組み込まれた場合、これらのフィルターは、マッピング・ルール構文を使用して基本モデル属性「mapping_rules」で定義する必要があります。

始める前に

「system_filename_filters」基本モデル属性が前リリースの Synergy で更新されなかった場合は、このステップをスキップできます。

手順

  1. 標準装備以外の「system_filename_filters」基本モデル属性で更新されたシステム・レベル・フィルターを、マッピング・ルール構文に変換します。
  2. 前のステップで作成されたルールを、「mapping_rules」基本モデルで更新します。

基本モデル属性「system_filename_filters」に、次の例に示すようなフィルターがある場合、

*.XYZ

次の例に示すマッピング・ルール構文を使用してこのフィルターを変換する必要があり、変換されたルールを基本モデル属性「mapping_rules」で更新する必要があります。

WHEN %name =~ '.*\\.XYZ' IGNORE

アップグレード後の問題のトラブルシューティング

コマンドまたはプロセスで問題が発生した場合、あるいは受け取ったエラー・メッセージの内容が理解できない場合、以下のトラブルシューティング・ステップを実行してください。

手順

  1. IBM® Rational サポート・サイトにあるトラブルシューティング情報を参照します。
  2. それでも解決しない場合、IBM Rational ソフトウェア・サポートに連絡してください。

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