Rational Synergy は、ディレクトリーおよびファイルを制御します。ファイル・システム内のディレクトリーとは異なり、Rational Synergy で作成された「ディレクトリー (directory)」は、そのディレクトリーに属するファイルを追跡します。 ディレクトリーに属するファイルごとに、ディレクトリーには、「ディレクトリー・エントリー (directory entry)」と呼ばれるプレースホルダーがあります。 ディレクトリー・エントリーは、ディレクトリー (バージョンではなく) に属するファイルの名前を記述します。例えば、delete.c のディレクトリー・エントリーは、delete.c という名前のファイルを必要としていることを認識しますが、システムはファイルの特定のバージョンを求めません。ディレクトリー・エントリーでの使用対象となるすべてのファイル・バージョンは、candidates と呼ばれます。
ディレクトリーへのオブジェクトの追加またはディレクトリーからのオブジェクトの削除を行うには、ディレクトリー・オブジェクトが書き込み可能でなければなりません。修正不能の状態にあるディレクトリーのメンバーの追加または削除を試みる場合、Rational Synergy は、ユーザーのためにそのディレクトリーの新バージョンを自動的にチェックアウトします。カレント・タスクが設定されている場合は、新規ディレクトリーがカレント・タスクに自動的に関連付けられます。ディレクトリーは、タスクが完了すると、変更の残りの部分を用いてチェックインされます。
ソース・オブジェクトと同様に、ディレクトリーのパラレル・バージョンが発生する可能性があります。 Rational Synergy を使用して、パラレル・ディレクトリーをマージすることができます。ディレクトリーをマージする場合、ディレクトリー・エントリー間の相違を比較し、マージされたバージョンに組み込む必要があるディレクトリー・エントリーを選択します。例えば、あるユーザーが sources ディレクトリーをチェックアウトし、open.c という名前のオブジェクトを追加した場合で、別のユーザーがパラレル・バージョンをチェックアウトして select.c という名前のオブジェクトを追加した場合は、マージ操作により両方の新規ディレクトリー・エントリーが表示されるため、マージされたバージョンにこの両方を組み込むことができます。