Rational® Change
Distributed は分散変更依頼トラッキング・パッケージです。変更依頼とは、Rational Change
Distributed を使用して入力され、最後までトラッキングされる問題または案件です。
分散環境で変更依頼を処理するには、以下のいずれかのソリューションを選択します。
- 中央 CR サーバー。
中央 CR サーバーでは、単一の変更依頼データベースと Rational Change サーバーを使用します。このデータベースで変更依頼が送信され、維持されます。
別個のエンジニアリング・データベースで作業する開発者は、その中央 CR データベース内の変更依頼に関連するタスクを作成できます。
この方法では、データベース間で変更依頼を複製する必要はありません。
すべての変更依頼データは単一のデータベースに保持されます。
- 分散変更依頼。
分散変更依頼を使用する方法では、単一の変更依頼データベースは使用しません。
代わりに、変更依頼が必要に応じて開発データベース間で複製されます。
開発者は変更依頼に関連するタスクを作成し、自分のローカル・エンジニアリング・データベースで変更依頼を解決できます。
中央 CR サーバーの利点は使いやすさにあります。また、開発者は、自分のローカル・データベースで変更依頼を修正または処理するために変更依頼の制御が複製されるのを待つ必要はありません。
分散変更依頼の利点は、開発者が処理しなければならないデータがすべてローカルに保持される点です。
データをローカルに保持すると、ネットワーク障害に対するデータの回復力が向上する可能性があります。
以下のトピックでは、分散変更依頼の使用方法を説明します。
中央 CR サーバーについては、Rational Change インフォメーション・センターを参照してください。
Rational Change Distributed は、以下の方法で変更管理機能を拡張します。
- 変更依頼とタスクはどの状態でも複製対象として適格です。
- 1 つの変更依頼またはタスクは、一度に DCM クラスター内の 1 つのデータベースでのみ修正が可能です。
この操作は modifiable_in 属性およびセキュリティー・ルールによって制御されます。
- 特定の変更依頼またはタスクを修正またはプロモートするためのデータベースの制御権限は、DCM クラスター内の別のデータベースにハンドオーバーできます。
- 変更依頼とタスクの担当者をリストから選択できます。このリストには、Rational Change ファイルのリストにある外部データベース・ユーザーを含めることができます。
- 転送セットは、変更依頼クエリーを含む変更依頼スコープを定義できます。
変更依頼スコープは、変更依頼を含めるかどうかを定義します。
変更依頼を含める場合、変更依頼スコープは、変更依頼にその関連のタスクを含めるかどうかも定義します。
それらを含める場合、変更依頼スコープはさらに、関連する各タスクの関連オブジェクトも定義します。
- 転送セットの変更依頼スコープおよび変更依頼クエリーは GUI または CLI を使用して定義できます。
- 転送セットは、変更依頼スコープが累積されるかどうかを定義できます。
累積を無効にすると、転送セットの間接変更依頼メンバーが変更依頼クエリーおよびスコープによって正確に定義されます。
クエリーと一致しなくなったメンバーはすべて削除されます。
累積を有効にすると、スコープ・クエリーは既存の間接変更依頼メンバーへの追加を行い、既存の変更依頼メンバーはすべて保持されます。
変更依頼が選択的に (特定の変更依頼クエリーを使用して) 複製される場合、通常このオプションは有効になります。
このオプションは特に、中間ハブ・データベースが使用される場合に有効になります。
この操作により、データベースに一度複製されたオブジェクトは、転送セットに定義された変更依頼クエリーによってそれが検出されなくなった場合でも、引き続き更新できます。
- 開発者に割り当てられ、現在のデータベースで修正可能なタスクのみを、開発者のカレント・タスク として使用できます。これらのタスクはオブジェクトをチェックアウト またはチェックイン するためにも使用できます。これらのタスクは、別のデータベースで作成および割り当てられ、現在のデータベースに複製された可能性があります。
- DCM 対応になったデータベースでタスクを選択すると、そのタスクは dbid#nnnn 形式で表示されます。dbid はデータベース ID、# は DCM 区切り文字、nnnn はタスク番号です。
このデータは Rational Synergy タスクのダイアログ・ボックスと Rational Change 内の特定のフィールドに表示されます。
- 親子の変更依頼および関連する変更依頼がサポートされます。
Rational Change
Distributed は以下の方法で構成できます。
- 転送セットは修正不能タスクを除外できます。
デフォルトでは、どの状態のタスクも、転送パッケージに含む対象として適格です。
必要な場合、転送セット定義ですべての未完了タスクを除外できます。
- 転送セットはインポートされたオブジェクトを除外できます。デフォルトでは、転送セットを使用して、データベースが他のデータベースから受信したオブジェクトを含む転送パッケージを生成できます。
この操作により、こうしたデータベースの連鎖を介して複製ができるようになります。
このオプションを使用不可にすると、オブジェクトが生成されたデータベースが常に、オブジェクトの受信側データベースへの複製を行わなければなりません。
- DCM モデル・パラメーターを使用して、Rational Change Distributed の動作を、複雑な Rational Change
Distributed 手法に適合させることができます。