プロジェクト・エリア

プロジェクト・エリアは、ソフトウェア ・プロジェクトのシステムの表現です。 プロジェクト・エリアでは、プロジェクトの成果物 、チーム構造、プロセス、およびスケジュールを定義 します。

プロジェクト・エリアは、リポジトリーの最上位 項目またはルート項目として保管されます。 プロジェクト・エリアは、 プロジェクト成果物を参照し、これらの成果物間の関 係を保管します。 プロジェクト・エリアとその成果物へのア クセスは、アクセス権によって制御されます。 プロジェクト・エリアは、 リポジトリーから削除できません。ただし、アーカ イブする、つまり非アクティブ状態にすることは可能です。

開発ラインとしてのプロジェクトの成果物

プロジェクトは、プロジェクトの確約された製品成果物、プロセス、およびスケジュールの観点から、きわめて単純にも複雑にもなります。確立されたプロジェクトには、以下のような複数のアクティブな開発ライン (予定表) が存在する場合があります。
  • 1 つ以上の出荷済みリリースの保守
  • 新規リリースの開発
  • 今後のリリースに向けた試験的開発

これ らの予定表のすべては、並行して、それぞれが異 なる状態で進行することができます。 各予定表で 1 つ以上の反復が行われ、一定の成果物と機能改善が保証されます。

注: また、同じ成 果物に関連するさまざまなアクティビティーを管理す る個別のプロジェクト・エリアを作成することも可 能であり、1 つのプロジェクト・エリアは別のプロジ ェクト・エリアの成果物を参照できます。 例えば、チームがコード・ベースを開発プロジェク ト・エリアで作成した場合、別のプロジェクト・エリ アを作成して同じコードを保守できます。 これは、保守プロジェクトの ストリーム・エディター内で、コンポーネントを、開 発プロジェクト内のスナップショットからのコンポ ーネントで置換することで実行されます。 これにより、保守チームは同じコード成果物で作業できますが、使用するプロセス反復、役割、規則、およびワークアイテムはまったく異なります。

チーム・エリアとしてのプロジ ェクト・チーム

プロジェクト・チームの構造は、1 つ以上のチーム ・エリアで定義されます。 複雑なプロジェクトには、チーム・エリアの階層がある場合があります。通常、1 つ以上のチームが各開発ラインに割り当てられます。ユーザーには、複数のチーム での作業が必要になる複数の割り当てが存在する可能 性があります。 プロジェクトのリーダーなど、一部のメンバーはチーム・エリアに属さない場合もありますが、プロジェクト・エリアの概要では、プロジェクト・レベルでメンバーとして定義されます。

チーム・エリアのないプロジェクト

チーム・エリアを含まないプロジェクト・エリアを作成することができます。一般に、このタイプのプロジェクト・エリアは、作業に速やかに着手する必要があり、その作業を複数のチームに編成する必要がない、小規模の開発者チームに適しています。チーム・エリアのないプロジェクト・エリアは、「シンプル・チーム・プロセス」テンプレートで定義されます。また、チーム・エリアを指定しないプロセス・テンプレートを作成することもできます。

プロジェクトのプロセス

プ ロセスは、作業のフローを整理して制 御するために使用する慣習、規則、およびガイド ラインの集まりです。 プロジェクトのプロセスは、プロジェクト ・エリアで定義され、チーム・エリア、予定表、 および反復でさらにカスタマイズできます。 Jazz™ ではプロセスを使用して、ツール内で操作を実行する (ワークアイテムの状態の変更など) ユーザーの役割およびそのアク セス権を定義します。 Jazz 内の各コンポーネントはプロセス認識型であるため、 操作の振る舞いの規則を、前提条 件およびフォローアップ・アクションとい う形式で追加できます。

通常、プロセスはテンプレ ートに基づいており、後にプロジェクト・エリアおよ びチーム・エリアのニーズ全般を満たすように、変 更されます。 基本的なプロセス構造は、プロジェクト・エ リアの概要で、一連の予定表および反復と して定義されます。 役割、アクセス権、レポート、ワークアイテム のタイプとワークフロー、操作の振る舞いの前 提条件とフォローアップ・アクションについ てのプロセスの詳細は、プロセス構成でカスタマイズ できます。

反復としてのプロジェクトのスケ ジュール

プロジェクトのスケジュールは、プロジェクトの存 続期間における間隔を表す、プロセスの反復で指定さ れます。 一連の反復はそれぞれ、1 つの開発ラインに 固有になります。 チームは、反復を階層で構成できます。例えば、 予定表は複数のマイルストーンの反復が存在する 可能性があります。 それらのマイルストーンごとに、1 つ以 上のフェーズの反復が存在する可能性があります。 反復の階層と名前は、ユー ザーが定義します。

予定表および反復の階層は、 プロジェクト・エリアの概要で定義できます。 概要では、予定表、 反復の開始日と終了日、現在の反復の指定の追加を制御します。反復の定義後は、ワークアイテムを反復に割り当て、反復計 画で追跡することができます。

プロジェクト・エリアの例

以下の 図では、予定表とその反復に固有のチーム・エリ アおよびプロセス構成が存在するプロジェクト・エリ アの例です。 プロジェクト・エリアには、管理者、プロジ ェクト管理者、およびビジネス分析者などのユーザー をプロジェクト・レベルで含めることができます。 その他のユーザーはチーム・エリアに追加されます。 プロセス仕様には、プロジェクト全体の役割、アク セス権、およびプロセスの振る舞いが含まれます。 これらは、プロジェクト・エリア内のすべての反復 によって継承されます。 その他の役割、アクセス権、および振る舞いは、予定表または反復のレベルで定義されます。こ れらは、プロジェクト・レベルのプロセス構成をオー バーライドします。プロセス仕様で定義されているように、チーム・ メンバーには、特定のアクセス権を持つ役割が割り当て られます。

図 1. チーム・エリア、予定表、反復、およ びプロセス構成を定義するプロジェクト・エリアの例
この図は、チーム・エリア、予定表、反
復、およびプロセス構成を含む 1 つのプロジェクト・
エリアを持つリポジトリーを表します。

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