演習 2.4: 勘定業務ユースケースの実現概要ダイアグラムの作成

この演習では、勘定業務ユースケースの実現概要ダイアグラムを作成します。各ユースケース内に情報の動的ビューと静的ビューを作成することによって、残高表示、振り替え、および小切手換金ユースケースを実現します。

この演習では、各ユースケースを実現するコラボレーション要素を表す概要ダイアグラムを作成します。この図は、各ユースケースの実現へのリンクを備えた概要として活用されます。

ユースケースの実現の目的は、特定のユースケース、つまりこの演習では、残高表示、振り替え、および小切手換金ユースケースをシステムが実装する方法を定義することです。ユースケースの実現には、ユースケースの参加プログラムとその関係を表すドメイン図、およびユースケースのワークフローを表すシーケンス図が含まれています。

参加プログラム図の目的は、各参加プログラムの基本構造を発見しモデル化することです。それぞれの参加プログラムごとに、これには RUP® ステレオタイプ、属性、およびクラス間に存在する何らかの関係が含まれます。参加プログラム図は、設計モデルの青図面を提供するクラスの最も基本的な静的ビューです。ユースケースの実現のシーケンス図部分を作成すると、各エンティティーがアプリケーション内のデータを制御したり、受け渡したりするのに使用する操作を発見できます。

勘定業務ユースケースの実現概要ダイアグラムの作成

勘定業務ユースケースの実現概要ダイアグラムは、それぞれのユースケースの実現の基本となるコラボレーション・インスタンスを表示します。この図は、ユースケースとユースケースの実現を含むコラボレーション・インスタンスとの基本的な関係を表示します。この図は、ユースケース・モデルを参照します。

勘定業務概要ダイアグラム内に残高表示ユースケースの実現を作成するには、以下のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「勘定業務 (Account Operations)」を展開して、「勘定業務分析レベル・ユースケースの実現 (Account Operations Analysis-Level Use Case Realizations)」図をダブルクリックします。
  2. 「Use Case Model.emx」をダブルクリックし、「ユースケース・モデル」「勘定業務 (Account Operations)」を展開し、「残高表示 (Display Balance)」モデル要素をクリックして勘定業務図にドラッグします。
  3. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「分析モデル」「勘定業務 (Account Operations)」を展開し、「≪use case realization≫ 残高表示 («use case realization» Display Balance)」 をクリックして図にドラッグします。
  4. パレットで、「コンポーネント図」をクリックし、「実現」をクリックします。
  5. ダイアグラム・エディターで、カーソルを「残高表示 (Display Balance)」コラボレーション・インスタンス上に移動し、これを「残高表示 (Display Balance)」ユースケースへドラッグします。

勘定業務概要ダイアグラム内に振り替えユースケースの実現を作成するには、以下のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「勘定業務 (Account Operations)」を展開します。
  2. 「Use Case Model.emx」をダブルクリックし、「ユースケース・モデル」「勘定業務 (Account Operations)」を展開し、「振り替え (Transfer Money)」モデル要素をクリックして勘定業務図にドラッグします。
  3. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「分析モデル」「勘定業務 (Account Operations)」を展開し、「≪use case realization≫ 振り替え («use case realization» Transfer Money)」 をクリックして図にドラッグします。
  4. パレットで、「コンポーネント図」をクリックし、「実現」をクリックします。
  5. ダイアグラム・エディターで、カーソルを「振り替え (Transfer Money)」コラボレーション・インスタンス上に移動し、これを「振り替え (Transfer Money)」ユースケースへドラッグします。

勘定業務概要ダイアグラム内に小切手換金ユースケースの実現を作成するには、以下のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「勘定業務 (Account Operations)」を展開します。
  2. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「Use Case Model.emx」をダブルクリックし、「ユースケース・モデル」「勘定業務 (Account Operations)」を展開し、「小切手換金 (Cash Check)」モデル要素をクリックして勘定業務図にドラッグします。
  3. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「分析モデル」「勘定業務 (Account Operations)」を展開し、「«use case realization» 小切手換金 («use case realization» Cash Check)」をクリックして図にドラッグします。
  4. パレットで、「コンポーネント図」をクリックし、「実現」をクリックします。
  5. ダイアグラム・エディターで、カーソルを「小切手換金 (Cash Check)」コラボレーション・インスタンス上に移動し、これを「小切手換金 (Cash Check)」ユースケースへドラッグします。

残高表示、振り替え、および小切手換金ユースケースの実現の基本的な概要となる勘定業務ユースケースの実現概要ダイアグラムの作成が完了しました。この図は、モジュール 1 で作成した PiggyBank ユースケース・モデルからのユースケースを参照します。作成した図は、次のようになります。

PiggyBank ユースケースの実現図

継続する場合は、『演習 2.5: 残高表示参加プログラム図の作成』に進みます。

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