パラメーター

UML モデルでのパラメーターは、操作などの振る舞い特性の間で情報を渡す特定の引数です。パラメーターにはタイプがあり、デフォルト値を持つことができます。

パラメーターは、引数のタイプと、操作への呼び出し時にパラメーターがとる値を指定します。モデル内の操作にパラメーターを追加して、操作が呼び出されるときに操作との間で受け渡しする情報を定義できます。 各操作は、0 個以上の任意の数のパラメーターを持つことができます。

各パラメーターには、名前、タイプ式、およびパラメーター方向タイプがあります。パラメーターの名前は、操作のパラメーター・リスト内で固有の名前である必要があります。タイプ式は、データ型に対する参照です。データ型は、クラス、基本データ型、ユーザー定義データ型、またはインターフェースのいずれかです。パラメーターの方向タイプおよびデフォルト値を指定することもできます。方向タイプ (入力、出力、入出力、または戻り) は、パラメーターが操作との間で受け渡しする方向を示します。パラメーターのデフォルト値は、操作の呼び出し時に値が明示的に定義されていない場合にパラメーターがとる値です。 パラメーターの構文は以下のとおりです。

[direction] name : type-expression = default-value

例えば、ある e-コマース・アプリケーションで、Customer クラスに getBalance 操作と [in] day : Date = 01/01/2005 パラメーターがあるとします。パラメーター構文は以下の情報を記述します。

構文の部分 説明
[direction] [in] 日付は操作に渡されます。変更または出力されることはありません。
name day パラメーターの名前 (day) は、操作に渡されるデータの種類を示しています。
type-expression Date 値のタイプは、Date クラスのインスタンスです。
default-value 01/01/2005 デフォルト値は 01 January 2004 です。

操作内のパラメーターの表示/非表示を切り替えることができます。図エディターは、クラス図、コンポーネント図、ユースケース図などのいくつかの図タイプで、パラメーターを分類子の図形として表示します。 操作の括弧の中には、コンマで区切られた入出力パラメーターのリストが表示されます。図エディターは、括弧の後に戻りおよびスロー・パラメーターを表示し、そのタイプのみを示します。「モデル・エクスプローラー」ビューは、関連付けられた操作の下にパラメーターの名前を表示します。

「モデル・エクスプローラー」ビューおよび図エディター内の操作でのパラメーターの表記を、以下の表に示します。

「モデル・エクスプローラー」ビュー内のパラメーター 図エディター内のパラメーター
イメージは、getBalance という操作を表すモデル・エクスプローラー階層の一部を示しています。操作の親ノードには、子ノードとして day という単一のパラメーターがあります。 イメージは、クラスを表す 3 つの区画に分割された長方形を示しています。上段の区画には、クラスの名前 Customer が表示されます。中段の区画は、空の属性区画です。下段の区画は、getBalance という単一の操作です。この操作にはタイプ day の 1 つのパラメーターがあり、その値は 01 January, 2005 です。操作の戻りタイプは MoneyType です。

Customer クラスには、特定の日における 1 つの顧客の勘定の収支を戻す getBalance 操作があります。この操作に day パラメーターを追加して、日付を提供する必要があることを機能の呼び出し側に対して指定できます。money パラメーターを追加して、勘定内の金額を指定する MoneyType クラスのインスタンスを戻す必要があることを操作に対して指定できます。money パラメーターが戻りタイプであることを指定するには、方向プロパティーを return に設定します。

関連タスク
操作へのパラメーターの追加
パラメーターの表示または非表示
操作からのパラメーターの削除
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