演習 1.6: 「残高表示」アクティビティー図の作成

この演習では、「残高表示 (Display Balance)」アクティビティー図を作成します。「残高表示 (Display Balance)」アクティビティー図では、顧客または出納係が口座の残高を表示するときにイベントの内部フローが表示されます。

ユースケース図には動作が表示され、システムのアクターおよび機能が識別されますが、ワークフローまたはプロセスなどの時間の経過順の情報は表示されません。アクティビティー図は、より広範なプロセスにおけるイベントの時間経過順序が表示されるので、フローチャートの UML と同等です。アクティビティー図では、ユースケースに出現するイベントのフローが記述されます。

「残高表示 (Display Balance)」アクティビティー図では、所定口座の残高を表示するワークフローが記述されます。顧客および出納係は両方ともこの操作を実行できます。実際のシステムである CityBank アクターは、取り引きを確認します。

「顧客/出納係」アクティビティーの作成

「残高表示 (Display Balance)」アクティビティー図では、ユーザーがメインメニューの「残高表示 (Display Balance)」項目をクリックすると行われるステップがモデル化されます。この手順では、「顧客/出納係」アクティビティー・パーティションを作成する方法について説明します。

「顧客/出納係」アクティビティーを作成するには、次のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「勘定業務 (Account Operations)」を展開し、「残高表示 (Display Balance)」を右クリックしてから、「図を追加」>「アクティビティー図」をクリックします。
  2. Display Balance activity diagram と入力し、Enter を押します。
  3. 図エディターで図の外側を右クリックして、「UML の追加」>「アクティビティー・パーティション」をクリックします。
  4. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「パーティション」要素をクリックし、「プロパティー」ビューで名前を Customer/Teller と入力します。
  5. パレットで、「開始 (Initial)」要素をダブルクリックし、これにInitial node という名前を付けます。
  6. 開始ノード要素をクリックして、図エディターの左上隅へドラッグします。このノードがアクティビティー図の開始点です。
  7. パレットで、「アクション」要素をダブルクリックし、Customer/Teller selects Display Balance from menu と入力します。
  8. 「アクション」要素をクリックして開始ノードのすぐ下までドラッグします。
  9. パレットで、「コントロール・フロー」要素をクリックします。
  10. 図エディターで、カーソルを「開始ノード」要素の上に置き、その要素をクリックして「顧客/出納係がメニューから残高表示を選択 (Customer/Teller selects Display balance from menu)」アクション要素までドラッグします。

これで、「顧客/出納係」アクティビティーのワークフローのモデル化は完了です。作成した図は次のようになります。

開始ノードおよび「顧客/出納係がメニューから「残高表示 (Display Balance)」を選択」アクション要素。

「システム」アクティビティーの作成

「残高表示 (Display Balance)」アクティビティー図では、ユーザーがメインメニューの「残高表示 (Display Balance)」項目をクリックすると行われるステップがモデル化されます。この手順では、「システム」アクティビティー・パーティションを作成する方法について説明します。

「システム」アクティビティーを作成するには、次のようにします。
  1. 図エディターで図の外側を右クリックして、「UML の追加」>「アクティビティー・パーティション」をクリックします。
  2. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「パーティション」要素をクリックし、「プロパティー」ビューで名前を System と入力します。
  3. パレットで、「アクション」要素をダブルクリックし、Display accounts with balance という名前を付けます。
  4. 「口座残高の表示 (Display accounts with balance)」要素をクリックして「システム (System)」アクティビティー・パーティション内の位置までドラッグします。
  5. パレットで、「アクティビティー終了」 要素をダブルクリックし、Activity Final Node という名前を付けます。
  6. 「アクティビティー終了ノード (Activity Final Node)」要素をクリックして、「システム (System)」アクティビティー・パーティション内のダイアグラムの右下隅までドラッグします。このノードがアクティビティー図の終点です。
  7. パレットで、「コントロール・フロー」要素をクリックします。
  8. 図エディターで、カーソルを「口座残高の表示 (Display accounts with balance)」要素の上に置き、その要素をクリックして「アクティビティー終了ノード (Activity Final Node)」要素までドラッグします。
  9. パレットで、「コントロール・フロー」要素をクリックします。
  10. 図エディターで、カーソルを「口座残高の表示 (Display accounts with balance)」要素の上に置き、その要素をクリックして「顧客/出納係がメニューから「残高表示 (Display Balance)」を選択する」アクション要素までドラッグします。

これで、「残高表示 (Display Balance)」アクティビティー図の作成は完了です。作成した図は次のようになります。

完全な「残高表示 (Display Balance)」アクティビティー図。

「残高表示 (Display Balance)」アクティビティー図では、ユーザーがメインメニューの「残高表示 (Display Balance)」をクリックすると行われる単純なワークフローを示すために 2 つのアクティビティー・パーティションが使用されます。

続行するには、『演習 1.7: 「金銭の振り替え」アクティビティー図の作成』に進んでください。

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