設計パターンを適用するプロセスは、UML 2.0 で設計しようとするソリューションを十分理解することから始まります。次に、パターンを検索し、パターンの文書を読み、必要に応じてパターンをインポートし、パターンを UML 2.0 設計モデルに適用します。特定のオブジェクトにパターンを適用すると、パターンの特性がオブジェクトに移されます。
パターンを適用するには、以下の 3 つのステップが必要です。
作成時、IBM® Rational® パターンは、Reusable Asset Specification (RAS) パターン・アセットとしてパッケージされます。パターン・アセットは、ファイル・システムまたは Reusable Asset Specification (RAS) リポジトリーに保存されます。必要なパターンを探し出すために、接続されたリモートまたはローカルの RAS リポジトリーを任意に組み合わせて検索できます。ワークスペースの外側のファイル・システムのディレクトリーに保存されている RAS アセットで使用可能な検索方法はありません。 パターンがファイル・システムとリポジトリーのどちらにあるかには関係なく、パターンのインポートには同じ方法を使用します。
複数リポジトリーの検索では、インストール済みのパターンのプラグインを検索することも、RAS パターン・アセットを検索することもできます。インストール済みパターンは「パターン・エクスプローラー」ビューまたは「アセット・エクスプローラー」ビューのパターン・リポジトリー・ノードにリストされます。パターンは、検索して位置を特定した後に適用可能になります。RAS パターン・アセットを適用する前に、アセットをインポートし、プラグインとしてインストールする必要があります。パターンは RAS インポート・ウィザードでインポートできます。
パターンのインポート前に、RAS の「アセット・エクスプローラー」ビューで RAS アセット文書を開いて確認できます。パターンを適用する前に、「パターン・エクスプローラー」ビューから、パターンの文書を開くことができます。アセット・エクスプローラーから開いたパターンの文書は、デフォルトの Web ブラウザーに表示されます。
パターン・インスタンスを作成するには、2 つの方法があります。「パターンの適用」ウィザードを使用して、パターンを適用することができます。または、「パターン・エクスプローラー」ビューのパターンまたはパラメーターを、「モデル・エクスプローラー」ビューまたはダイアグラム・エディター内の要素にドラッグできます。パターン・インスタンスは、UML 2.0 モデル内に常に表示されます。インスタンスは、パターン定義自体ではなく、パターンの適用に関与します。
パターンの適用時には、「パターンの適用」ウィザードでパターン・インスタンスを生成できますが、ウィザードですべての引数を指定しても、指定しなくても構いません。また、ダイアグラム・エディターを使用して、パターンの適用をすべてドラッグ・アンド・ドロップ操作で行う方法もあります。
パターン・インスタンスは、同一または異なるモデル内に同時に複数存在できます。
「モデル・エクスプローラー」ビューまたはダイアグラム・エディターでは、パターン・インスタンスの各パラメーターの UML 2.0 タイプと一致するか互換性のある引数の要素を指定できます。既存の UML 2.0 要素を選択するか、パターンを使用して新規の要素を作成します。
パターンの適用プロセスは動的に実行されます。要素は、作成されるかインスタンスに追加されると同時に、パラメーターにバインドされます。ただし、パターンによって異なるところがあります。パターン設計 (一定の要素が集まった特性) では、拡張するために最低限の引数の指定が必要となることがあります。例えば、インターフェースとクラスの間の依存関係を追加するパターンには、依存を追加する前に、これらの要素の両方を指定しておく必要があります。なぜなら、要素が存在しなければ関係は成り立たないからです。
パターンのパラメーターのすべての引数を指定する必要はありません。このため、1 つ以上のパターンのさまざまなパートを使用し、必要に応じた設計モデルの変更が可能です。要素は複数のバインディングに参加することができます。
任意の UML モデルの要素をパターン・パラメーターの引数として使用できます。パターン・インスタンス・モデルに含まれる要素に制限はありません。