シーケンス図は、1 つの相互作用におけるオブジェクト間のメッセージのシーケンスを日時順に沿って図示する UML 図です。シーケンス図は、オブジェクトやロールなどの参加要素のグループから成り立っています。参加要素は、参加要素が相互作用中の過程で交換するライフラインおよびメッセージによって表されます。
シーケンス図には、振る舞いを示す任意の UML 要素 (アクター、システムまたはサブシステム、クラス、コンポーネントなど) のプロパティーを表すライフラインが含まれます。
以下の表に示すように、シーケンス図を使用すると、さまざまな開発フェーズ中に相互作用をモデリングできます。
フェーズ | 用途 |
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分析 | 分析フェーズ中にシーケンス図を使用すると、ユースケースを実現するためのクラス・インスタンスの相互作用をモデリングできます。一般に、1 つのシーケンス図でユースケース内のイベントのメイン・フローを図示し、追加の図で重要な代替フローをモデリングします。インスタンスが分析クラスであることを示すために、インスタンスはそのクラスの境界クラス、エンティティー・クラス、またはコントロール・クラス・ステレオタイプを維持できます。分析フェーズでは、シーケンス図は、システム内で必要なクラスおよび相互作用内でオブジェクトが実行する必要のある振る舞いを識別するために役立ちます。 |
設計 | 設計フェーズ中には、シーケンス図を洗練して、システムがどのように相互作用を完了するのかをモデリングできます。例えば、適切な場所にアーキテクチャー・パターンが組み込まれ、実際のクラス操作がメッセージに割り当てられます。設計フェーズでは、シーケンス図は、システムが相互作用を達成するためにどのように動作するかを記述します。 |
システム・アーキテクチャーの開発 | システム・アーキテクチャーの開発中に、シーケンス図を使用して、システムが使用する設計パターンとメカニズムの振る舞いをモデリングできます。 |
シーケンス図は、1 つの振る舞い分類子 (デフォルトではコラボレーション) 内の相互作用に属しています。1 つのコラボレーションは複数の相互作用を持つことがありますが、1 つの相互作用が含むことのできるシーケンス図は 1 つのみです。モデル内でシーケンス図を移動することはできません。シーケンス図は正規の図であり、モデル自体を表すため、シーケンス図から図要素を削除することはできません。モデル全体から要素を削除する必要があります。
次に示すように、シーケンス図を作成すると、「モデル・エクスプローラー」ビューにコラボレーションと相互作用が表示され、ダイアグラム・エディターに相互作用フレームが表示されます。
相互作用フレームでは、相互作用に参加するインスタンスを左から右に任意の順序で配置し、参加要素間のメッセージを上から下にシーケンス順に配置します。ライフライン上に実行オカレンスが表示され、制御のフローの開始と終了が示されます。
UML 2.0 より前のシーケンス図は、スタンドアロンの図でした。図の一部または図全体を再利用する場合は、コメントを使用する必要がありました。UML 2.0 では、相互作用オカレンスを使用して、既存の相互作用の内部から別の相互作用を参照できます。