パターンの最大の利点は、再利用と配布によって得られます。 Reusable Asset Specification (RAS) 標準によって、システムのアーカイブ、検索、編成、文書化、パターン・アセットの共有が容易になります。
RAS 機能で提供される一連のフィーチャーとツールを使用すると、デフォルト・タイプまたは特殊なタイプのアセットが作成できます。パターンは、固有のタイプの RAS アセットです。
パターンの作成時に、RAS のパッケージ化をサポートする必須のメタデータがパターン・プロジェクトに追加されます。このメタファイルは、RAS マニフェスト・ファイルといいます。マニフェスト・ファイルのコンテンツは、プロファイルによって決定されます。パターンには、固有のパターン・プロファイルがあります。プロファイルには、RAS アセットのパッケージ化と復元に使用するメタファイルのタイプを規定します。マニフェスト・ファイルは、RMD という拡張子で識別できます。
パターン・プラグイン・プロジェクトには、作成時に、パターン・ライブラリーとパターン・ライブラリー・マニフェスト・ファイルが含まれています。パターン・オーサリング・ツールを使用してライブラリーに 1 つ以上のパターンを追加すると、それぞれのパターンにパターン・マニフェストが追加されます。エクスポート時に、さらにデフォルト・マニフェスト・ファイルが追加され、メンバー・パターンとともにライブラリーがパッケージされます。
マニフェスト・ファイルには、パッケージ化されたデータに加えて、RAS の機能を使用可能にするメタデータも格納されます。例えば、検索用のキーワード、パターン適用者のための簡単な説明または指示、「パターン・エクスプローラー」ビューと「アセット・エクスプローラー」ビューでパターンを体系化するグループ名 (「アセット・エクスプローラー」ビューではフォルダーと呼びます) などです。
すべての RAS アセットは、RAS エクスポート・ユーティリティーによって作成され、ファイル・システム内またはリポジトリー内に格納されます。同様に、RAS インポート・ユーティリティーによってインポートおよび分離され、同じ関係と構造を再構成します。 パターンをインポートすると、ワークベンチ内にプラグインとしてインストールされます。
「アセット・エクスプローラー」ビューによって、リポジトリーが追加されます。ただし、パターン・リポジトリーは、 ワークスペースで使用可能なパターン・プラグインが検出されるたびに作成されるため、固有のものです。インストール済みで適用可能なすべてのパターンがパターン・リポジトリーにリストされます。パターンは、例えば、ローカル・リポジトリーとパターン・リポジトリーの両方にリストできます。 ローカル・リポジトリーは RAS ファイルとして格納されたパターンを表し、パターン・リポジトリーはインストール済みのパターン・プラグインを表します。「アセット・エクスプローラー」ビューには、接続されているすべてのリポジトリーと、アセット・タイプには関係なく包含しているすべてのアセットがリストされます。
「パターン・エクスプローラー」ビューでは、検索やグループ (フォルダー) の追加など、共通の RAS 機能が使用できます。これによって、パターンのユーザーは、「アセット・エクスプローラー」ビューを使用しなくても、RAS 関連の機能を実行できます。
前述のとおり、RAS アセットは RAS エクスポートの結果として作成されます。配置可能なアセット・オプションを作成する RAS オプションが選択されない限り、パターン・プロジェクトは、パターン・プラグインとしてエクスポートされません。パターン・オーサリング・ビューを使用してエクスポートされたパターンは、デフォルトでプラグインとしてエクスポートされます。エクスポートの前に、プロジェクト内の各パターンを検証することは重要です。論理およびセマンティクスの上で正しくないパターンを含むプロジェクト・ライブラリーは、配置可能なプラグインとしてエクスポートできます。ただし、インポート後、パターンは「パターン・エクスプローラー」ビューに表示されず、正しく適用されない可能性があります。パターンの検証は、ランタイム環境でそれぞれのパターンをテストすることによって実施します。
後で作業する可能性があるパターン・プロジェクトをワークスペース内にプロジェクトとして保管できます。また、RAS ウィザードを使用して完全な Eclipse プロジェクトとしてエクスポートし、後でインポートすることもできます。