拡張性の概要

IBM Rational モデリング製品は、会社全体、各プロジェクト、または各ユーザーの特定の要求を満たすように拡張できます。拡張性に関する作業は、追加プロパティーをいくつか定義するだけの簡単な場合や、新規プラグイン全体を定義するくらい高度な場合があります。

拡張性は、オープン・ソースの Eclipse コンポーネントを基盤に開発された Rational モデリング製品の特徴となる機能です。代表的な拡張機能を以下に挙げます。

上に挙げた例はすべて、アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API)、拡張点、専用の開発環境、およびユーティリティーを組み合わせたものです。Eclipse および Rational モデリング製品から提供されている拡張性コンポーネントを検討の上、ご使用の環境でどのような拡張を実装できるかをご確認ください。

Eclipse の拡張性

Rational モデリング製品自体が、Eclipse から提供される拡張性のアーキテクチャーを基盤に構築されています。同じアーキテクチャーをユーザーも利用できます。

Eclipse の拡張性の基本は、プラグインと拡張点です。事実、Eclipse はプラグインのセットとして構成されています。プラグイン は、Java でコーディングされ、プラグイン・ディレクトリーに格納されています。それぞれのプラグインには、マニフェスト・ファイル が含まれます。マニフェスト・ファイルには、このプラグインが他のプラグインに対して提供する拡張点と、このプラグインが利用する他のプラグインの拡張点を宣言します。Eclipse の Software Development Kit (SDK) の一部である Plug-in Development Environment (PDE) は、プラグイン開発のすべてのステージを支援する一連のツールを備えています。

Eclipse から提供されている Java Development Tooling (JDT) には、Java 固有の動作を Eclipse プラットフォームに追加し、Java プログラムまたはリソースと連携するプラグインを作成できる Java IDE が含まれています。

モデリングとさらに関連の深い Eclipse コンポーネントは、Eclipse Modeling Framework (EMF) です。このフレームワーク上に作成されたツールとアプリケーションでは、効率的でカスタマイズ可能な Java コードをモデルから生成できます。EMF 内部では、XML Metadata Interchange (XMI) を使用してモデルが定義されます。この標準ファイル形式によって、ツール間でのモデルの交換や、関連データの操作が容易になります。

適切な抽象化レベルのモデルを Unified Modeling Language 2.0 仕様の手順で利用するには、UML2 のAPI を使用します。これらの API は、UML 2.0 メタモデルを EMF ベースで実装したものです。

製品の拡張性

Eclipse の機能に加えて、Rational モデリング製品によって提供される拡張性の機能が、追加のプラグイン、関連する拡張点、API という形式で構築されています。 さらに、Rational 製品は、正式なプラグインを作成せずに、プラグレットによってワークベンチを拡張する独自の機能を提供します。

Modeling API では、モデルを操作できます。包含されるパッケージの 1 つである Modeling Services Layer (MSL) API では、モデル変更の検証と通知を一括で行うことができるため、非常に有効です。Notation API は、色やサイズなど、ダイアグラムの外観の特徴を明らかにします。

Patterns API では、パターンをモデル要素のセットに適用するために使用できるパターン・フレームワークを記述します。この API は、パターンのオーサリングと、モデリング製品で直接提供されるアプリケーション機能を補うものです。

Transformations API では、1 つのモデルを別のモデルやメタモデルに変換するために設計する変換のフレームワークを記述します。 コードを生成できるのは、Rational Software Architect で作成された変換のみです。Software Architect は、Java 変換および C++ 変換のサポート付きで出荷されますが、フレームワークは他言語のサポートにも利用できます。

RAS API は、Reusable Asset Specification に準拠するアセットの操作に使用し、モデリング製品の RAS 機能に基づいて作成された機能を提供します。

プラグレットは、プラグインの代替となる、ワークベンチを拡張する Java アプリケーションです。プラグインと同様に、プラグレットは、プラグインに関連付けられた API にアクセスする手段を提供します。プラグレットの作成者は、Java 開発環境を利用できます。ただし、プラグレットがテストできるのはワークベンチの同じインスタンス内であり、作成するプラグレットを実行するためにメニュー項目が追加されます。

Pluglets API によって、プラグレットが使用するプロパティーとサービスが明確になります。

Rational モデリング製品は、標準的な Eclipse プラグインを使用、作成、および拡張するための全面的なサポートを今後も提供します。

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