作業指示書は、各担当者がいつ何をすべきかをプロジェクト管理者が伝達する手段です。これは、各担当者が自分に割り当てられた責務を完了することに関して、プロジェクト管理者との間で交わされる組織内の契約として機能します。 
役割:  プロジェクト管理者 
オプション度 / 使用時期:  プロジェクト管理者が、プロジェクトの作業を開始する必要が生じたときに随時作成できます。
テンプレートとレポート: 
 
例:   
UML の表現:  なし
詳細情報:   
成果物を入力とする作業:    成果物を出力とする作業:   

目的 ページの先頭へ

反復計画の完了時、または変更が必要になったときに、プロジェクト管理者は作業指示書を使用して計画を実行に移します。作業指示書は、プロジェクト管理者と要員との間で交渉される合意事項であり、特定の作業 (または作業のセット) を決められたスケジュール内に完了することを、その際の納品物、作業内容、リソース面の制約と共に取り決めます。

概要 ページの先頭へ

1. 識別

プロジェクトと作業指示書を一意に識別します。

2. 作業分解構造 (WBS) の識別

この作業指示書に関連づけられている、(プロジェクト計画書内の) 作業パッケージを識別します。この作業指示書に関して費やされる作業量は、追跡のためにこの作業パッケージに割り当てられます。

3. 責務

作業指示書の履行に責任を持つ組織内のポジションです。

4. 関連づけられた変更依頼

この作業指示書に関連づけられた変更依頼 (指示書の発行の原因となるもの、または同時に修正されるもの) への参照。

5. スケジュール

スケジュールでは、開始期日、完了期日、クリティカル パスの完了期日を決定します。

6. 作業量とその他のリソース

工数、合計時間数、超過時間数に加えて、その他のリソース予算 (開発環境の時間数、テスト環境の時間数など) を扱います。

7. 作業の説明と期待される出力

行われるべき作業と、作成されるべき成果物を記述します。実行すべき作業や作成すべき成果物に関する Rational Unified Process の記述、または開発個別定義書を適宜参照します。

8. プロジェクト管理者と各担当者間の合意事項の表示

作業指示書には、責務の統括者 (通常はチーム リーダー) とプロジェクト管理者が署名と日付を記入することが推奨されます。

タイミング ページの先頭へ

作業指示書は、プロジェクト管理者がプロジェクトの作業を開始する必要が生じたときに随時作成できます。これは通常、(反復計画後の) 反復期間の開始時や、承認された変更依頼が実行に向けてプロジェクト管理者に引き渡される時点です。プロジェクト管理者は作業指示書を使用して、(プロジェクト管理者の裁量で行える) 変更依頼を必要としない問題解決作業を開始することもできます。

責務 ページの先頭へ

役割: プロジェクト管理者は、作業指示書の作成に責任を持ちます。

カスタマイズ ページの先頭へ

作業指示書は、プロジェクト管理者がプロジェクト メンバーに計画を伝達するための手段です。比較的小規模なプロジェクトでは、計画についてホワイトボードなどを使用して検討会議をし、合意事項を電子メールで確認する、といったシンプルな形態をとることができます。大規模で非常に構造が込み入ったプロジェクトでは、何らかの形態で作業管理を自動化する場合があります。たとえば、プロジェクト管理者が、チーム メンバーに向けての正式な作業指示を To-Do リストに (合意に関する規約と共に) 記入する、という形をとります。

別の方法として、自動化された変更依頼管理システムを利用し、(障害だけでなく) プロジェクト上のすべての作業を変更依頼に記述することもできます。その上で、作業を実行するための指示を、変更依頼管理プロセスでの状況の変化により引き起こされるアクションとして (たとえば電子メールを経由して、あるいは自動化された作業管理システムと統合することにより) 実装します。



Rational Unified Process   2003.06.15