シグナルは、オブジェクトまたはインスタンス間でやり取りされる非同期の刺激作用です。
そのほかの関係:  一部設計モデル
役割:  ソフトウェア アーキテクト 
オプション度 / 使用時期:  シグナルは、分散型の並列システムやリアクティブ (イベント駆動型) システムにおける通信を表すのに適したモデルです。
テンプレートとレポート: 
 
例:   
UML の表現: 

シグナル。一般的には «signal» のステレオタイプが付くクラスとして表される 

詳細情報:   
成果物を入力とする作業:    成果物を出力とする作業:   

目的 ページの先頭へ

シグナルの目的は、オブジェクトまたはインスタンス間における単方向の非同期通信の手段を提供することです。

シグナルは成果物: イベントを特化した概念であり、操作、属性、関係を持つことができます。

プロパティ

シグナルには、成果物: イベントから継承されるプロパティに加えて、以下に示すプロパティがあります。

プロパティ名 

概要 

UML の表現 

Name  シグナルの名前  属性 
Brief Description  シグナルの役割と目的の簡単な説明  「short text」型のタグ付き値 
Responsibilities  クラスで定義される責務  タグ付き値 
Relationships  シグナルが参加する汎化関係  汎化関係 
Operations  シグナルで定義される操作  操作 
Attributes  シグナルで定義される属性  属性 

タイミング ページの先頭へ

一部のシグナル、特に、システムが応答しなければならない外部イベントと重要な内部イベントを表すシグナルは、推敲フェーズの早期に識別されます。システム内部での非同期通信に必要なその他のシグナルは、推敲フェーズの後半に識別されます。すべてのシグナルとイベントはアーキテクチャ的に重要であり、推敲フェーズの終わりまでに完全に識別することが推奨されます。

責務 ページの先頭へ

ソフトウェア アーキテクトはすべてのシグナルに責任を持ち、シグナルの適切な使用を徹底します。

カスタマイズ ページの先頭へ

シグナルは、非同期メッセージングのためのエンティティを定義するために使用されます。シグナルは分散構成の並列システムでの通信を表すのに適しています。シグナルが一連のオブジェクトにブロードキャストされることがある点を考慮に入れ、「受信側に固有の」様式でシグナルに名前を付けることは避けてください。シグナルの汎用性と有用性が限定されてしまうことがその理由です。重要なのは、送信側が検出した (送信側にシグナル送信を促した) 重要なできごとを伝達することです。シグナルは、その属性として表現されるパラメータのリストを持つ場合もあります。これらの属性にアクセスするための操作をシグナルに定義できます。

シグナルはイベントを特化した成果物であるため、シグナルのカスタマイズ形態はイベントのそれに準じます。たとえば、イベントの情報はテキスト形式 (ソフトウェア アーキテクチャ説明書中の表など) で把握できる一方で、シグナルに固有のプロパティは視覚的モデルで把握されます。

Rational Unified Process   2003.06.15