概念:
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追跡可能性の階層
各追跡可能性アイテムは、各々に関連する属性群を固有に持ちます。この属性群は、ステータス、メリット、リスクなどの追跡に活用できます。
追跡可能性確立の目的は、以下のような作業を支援することにあります。
追跡可能性を活用すると、利害関係者の要望など、要求への入力が、開発構想書の規定に従い、主要な利害関係者やユーザーのニーズにどう昇華されているかを理解し、管理することができます。またユース ケース モデルは、これらの機能がシステムの機能にどう反映されているか、その概略を示すものです。システムと外部との相互関係の詳細は、補足仕様書内の他の重要な要求 (機能外要求、設計上の制約など) と共にユース ケースで確認できます。追跡可能性は、こういった詳細な仕様が設計にどのように反映されているか、どのようにテストされ、ユーザー向けにどのように文書化されているかを確認するのに役立ちます。大規模システムの場合は、ユース ケースと補足仕様書を 1 つにまとめ、特定の「機能」やサブシステムのグループを対象とするソフトウェア要求仕様書 (SRS) を定義することもできます。
「サスペクト状態の追跡リンク」は、要求の変更の管理を支援する重要な概念です。この概念では、要求 (またはその他の追跡可能性アイテム) が追跡リンクのいずれかの終端で変更された場合に、その要求に関連するすべてのリンクが「サスペクト状態」と見なします。したがって、変更のレビューと関連アイテムにも変更が必要かどうかの判断に大きく影響します。またこの概念は、潜在的な変更の影響を分析する際にも役立ちます。
以下に示すような項目を確認すると、追跡可能性を設定できます。
例
リサイクル マシン システムの場合、開発構想書では下のような機能が規定されます。
FEAT10: このリサイクル マシンでは、これまで扱えなかった種類の瓶を処理できる。
この機能は、ユース ケース「新規ボトル タイプの追加」にさかのぼることができます。
新規ボトル タイプの追加というユース ケースにより、オペレータはリサイクル マシンが新しい種類の瓶を認識するよう設定します。
この追跡可能性により、ユース ケースや補足仕様書にすべての機能が盛り込まれているかどうか検証することができます。
最も重要な追跡可能性アイテムは次の通りです。
ユーザーや利害関係者のニーズ (開発構想より、さらに個々の利害関係者の要望までたどることも可能) |
製品の機能 (開発構想より) |
補足要求 (補足仕様書より) |
ユース ケース |
ユース ケース セクション (詳細なユース ケースのセクション) |
設計要素 (設計モデルより) |
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問題などの他の要素も、追跡には有効です。
次のダイアグラムは、一般的な追跡可能性について示したものです。
このダイアグラムは、要求の追跡可能性についてのみ示しています。他の追跡可能性も存在しますが、それらについてはダイアグラムの上には表示していません (設計要素から実装要素までの追跡など) 。他に、設計と実装などのテスト ケースもあります。
Rational Unified Process
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