システムが別のシステムと通信する場合、コミュニケーション プロトコルを記述するために、1 つ以上のバウンダリ クラスが「作業: ユース ケース分析」で識別されます。別のシステムは、現在のシステムが使用するものならば、ソフトウェアからハードウェアまでどのようなものでもかまいません (プリンタ、端末、警報装置、センサなど)。どの場合も、他方のシステムとの通信の仲介を目的とするバウンダリ クラスが識別されます。

現金自動預払機 (ATM) は、ATM ネットワークと通信して、預金者の銀行番号と個人識別番号が正しいかどうか、引き出しが可能なだけの十分な預金残高があるかどうかを確認しなければなりません。ATM ネットワークは (ATM から見れば) 外部システムなので、ユース ケース分析でバウンダリ クラスを使用して表現します。

このシステムのインターフェイスが単純で明確に定義される場合、1 つのクラスで十分に外部システムを表現できることもあります。しかし、多くの場合は、このインターフェイスが複雑すぎて 1 つのクラスでは表現できず、多数のクラスで構成される複雑なコラボレーションが必要になります。その上、たいていは、システム間のインターフェイスが、アプリケーション間で非常によく再利用できます。その結果、多くの場合は、サブシステムを使用したほうがシステム インターフェイスを適切にモデリングできます。

サブシステムを使用すると、外部システムとのインターフェイスの定義と安定化ができ、システム インターフェイスの設計の詳細を隠しながら、その定義を発展させることができます。



Rational Unified Process   2003.06.15