演習 2.7: 振込参加プログラム図の作成

この演習では、振込参加プログラム図を作成します。振込参加プログラム図は、振込ユースケースの静的構造をモデル化したものです。

振込参加プログラム図は、振込ユースケースに参加するクラスを表示します。参加プログラムとともにその関係をモデル化して、システムのドメインを記述します。エンティティーおよび境界クラスに加えて、振込参加プログラム図には、TransferMoneyControl コントロール・クラスが含まれています。コントロール・クラスは、ビジネス・ルールまたはロジックの実装を表します。コントロール・クラスは、境界クラスと相互作用する内蔵タイプのプロセスを表します。境界クラスは、エンティティーからコントロール・クラスを抽出するために使用されます。

モデル化は反復プロセスです。モデル化するシステムの詳細についての理解が高まるにつれて、いつでも参加プログラムを追加、除去、または変更できます。このチュートリアルでは、振込参加プログラム図の基本的なアウトラインを作成します。残った図の詳細は、次の演習で振込シーケンス図を作成するときに追加します。

図の作成および口座、振込、MenuForm 参加プログラムのモデル化

口座処理パッケージ内に、振込参加プログラム図を作成します。

図を作成し口座クラスをモデル化するには、以下のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで 「分析モデル」「口座処理 (Account Operations)」「«use case realization» 振込 («use case realization» Transfer Money)」と展開し、 「«use case realization» 振込参加プログラム («use case realization» Transfer Money Participants)」図をダブルクリックします。
  2. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「口座処理分析要素 (Account Operations Analysis Elements)」を展開し、Account クラスをクリックして図へドラッグします。
  3. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「口座処理分析要素 (Account Operations Analysis Elements)」を展開し、Transfer クラスをクリックして図へドラッグします。
  4. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「口座処理分析要素 (Account Operations Analysis Elements)」を展開し、MenuForm クラスをクリックして図へドラッグします。

残高表示ユースケースの実現で作成したクラスを再利用することによって、振込参加プログラム図を開始しました。同じクラスの多くが、複数の機能領域で使用されます。残高表示ユースケースの実現内に口座、振込、および MenuForm クラスを作成しました。

TransferMoneyControl 参加プログラムの作成

TransferMoneyControl 参加プログラムは、振込機能領域のビジネス・ロジックを表すコントロール・クラスです。

TransferMoneyControl 参加プログラムを作成するには、以下のようにします。
  1. パレットで、「クラス」をダブルクリックし、クラスに TransferMoneyControl という名前を付けます。
  2. TransferMoneyControl 参加プログラムを図の中央に配置します。
  3. ダイアグラム・エディターで、TransferMoneyControl クラスをクリックし、「プロパティー」ビュー内の「ステレオタイプ」ページで、「ステレオタイプの追加」をクリックします。
  4. 「ステレオタイプの適用」ウィンドウで、「コントロール (Control)」をクリックし、「OK」をクリックします。

TransferMoneyForm 参加プログラムの作成

TransferMoneyForm 参加プログラムは、ユーザーがメインメニューの「振込 (Transfer Money)」をクリックしたときに表示される振込フォームを表す境界クラスです。

TransferMoneyForm 参加プログラムを作成するには、以下のようにします。
  1. パレットで、「クラス」をダブルクリックし、クラスに TransferMoneyForm という名前を付けます。
  2. ダイアグラム・エディターで、TransferMoneyForm クラスをクリックし、「プロパティー」ビュー内の「ステレオタイプ」ページで、「ステレオタイプの追加」をクリックします。
  3. 「ステレオタイプの適用」ウィンドウで、「Boundary」をクリックし、「OK」をクリックします。
振込ユースケースへのすべての参加プログラムの作成が完了しました。ここで、クラス間に存在する関係をモデル化する必要があります。

TransferMoneyControl 参加プログラム関係のモデル化

TransferMoneyControl 参加プログラムはコントロール・クラスであるため、ユースケースのその他の大部分のクラスに対する中心となり、またそれらのクラスに依存します。この演習では、TransferMoneyControl クラス関係を作成します。

TransferMoneyControl クラスの関係をモデル化するには、以下のようにします。
  1. パレット内の「インスタンス化」の横で、下矢印をクリックし、「使用」をクリックします。
  2. ダイアグラム・エディターで、カーソルを TransferMoneyControl クラス上に移動し、これを Account クラスへドラッグします。
  3. パレット内の「使用」の横で、下矢印をクリックし、「インスタンス化」をクリックします。
  4. ダイアグラム・エディターで、カーソルを TransferMoneyControl クラス上に移動し、これを Transfer クラスへドラッグします。
  5. パレットで、「インスタンス化」要素をクリックします。
  6. ダイアグラム・エディターで、カーソルを TransferMoneyControl クラス上に移動し、これを TransferMoneySummaryForm クラスへドラッグします。

MenuForm および TransferMoneyForm 参加プログラム関係のモデル化

MenuForm および TransferMoneyForm 境界クラスは、TransferMoneyControl クラスに依存します。

MenuForm 参加プログラム関係を作成するには、以下のようにします。
  1. パレットで、「インスタンス化」要素をクリックします。
  2. ダイアグラム・エディターで、カーソルを MenuForm クラス上に移動し、これを TransferMoneyForm クラスへドラッグします。
  3. パレット内の「インスタンス化」の横で、下矢印をクリックし、「使用」をクリックします。
  4. ダイアグラム・エディターで、カーソルを TransferMoneyForm クラス上に移動し、これを TransferMoneyControl クラスへドラッグします。

振込参加プログラム図の基本的なアウトラインの作成が完了しました。作成した図は次のようになります。

振込参加プログラム図の基本的な静的構造を表すドメイン図

継続する場合は、『演習 2.8: 振込シーケンス図の作成』に進みます。

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