演習 1.2: (オプション) Rational RequisitePro を使用したユースケースの表示およびモデル要素との関連付け

この演習では、IBM® Rational® RequisitePro® 要求プロジェクトを開いて、PiggyBank ユースケース要求を表示します。この演習は、既存の要求プロジェクトを開いて要求を表示するのに Rational RequisitePro のインストールを前提としているため、オプションです。RequisitePro がインストールされていない場合は、演習 1.3 に進んでください。

前提条件: この演習を完了するには、Rational RequisitePro をインストールしておく必要があります。

Rational RequisitePro は、プロジェクト要求を編成し、成果物を伝達して、プロジェクト・メンバーと共同作業するために使用できる強力な要求管理ツールです。RequisitePro は、要求文書のコレクションを保管および管理するためにデータベースを使用します。これは構築するシステムに対するすべての要求情報の照会および分類、そしてプロジェクト要求をトレースするレポートや、影響分析、変更管理を評価するレポートの作成のためのデータベースとして使用することができます。

Rational モデリング製品と Rational RequisitePro を統合すると、要求とモデル要素の間の関連を表示および作成できるようになります。 完全に文書化されたユースケースおよび要求情報が含まれている既存の RequisitePro プロジェクトを開いて表示できます。ユースケースおよび関係を視覚化し、既存の RequisitePro プロジェクトから UML ユースケース・モデルにドラッグすることによってユースケース・モデルを構築できます。

この演習では、PiggyBank オンライン・バンキング・システム要件を記述しているユースケースを含む既存の RequisitePro プロジェクトを開きます。

要求プロジェクトのオープン

要求プロジェクトを開くには、次のようにします。
  1. 「ウィンドウ」>「パースペクティブを表示 (Open Perspective)」>「要求」をクリックします
  2. 「要求エクスプローラー」ビューで、フォルダー・アイコンをクリックします。
  3. <<install>>\rsa\eclipse\plugins\com.ibm.xtools.tutorial.piggybank\resources\PiggyBank を参照し、「PiggyBank.RQS」 をクリックします。
  4. 「開く」をクリックします。

要求プロジェクトが「要求エクスプローラー」ビューに表示されます。プロジェクトを展開して、要求情報を表示します。プロジェクトには、アプリケーションの機能領域を記述しているユースケースが含まれています。

「要求エクスプローラー」」ビューで、PiggyBank 要求プロジェクトは次の図のようになります。

「要求エクスプローラー」ビュー。

関連した要求文書を表示するには、「ユースケース」を展開し、ユースケース文書をダブルクリックします。要求文書には、ユースケースと関連しているすべての背景情報が含まれています。

機能領域の作成

ユースケース図を作成するには、最初に機能領域を識別する必要があります。すべてのユースケースはバンキング・アクティビティーと関連しているので、機能領域は「口座処理 (Account Operations)」と呼ばれています。

機能領域を作成するには、次のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「ユースケース・モデル」を展開し、「«ModelLibrary» ユースケース・ビルディング・ブロック」を展開して、「${functional.area}」パッケージをユースケース・モデルのルート・レベルの中にドラッグします。
  2. 「${functional.area}」 を右クリックしてから、「検索/置換」をクリックします。
  3. 「検索する文字列」フィールドに、${functional.area} と入力し、「置換」をクリックします。
  4. 「置換後の文字列」フィールドに、Account Operations と入力し、「OK」をクリックします。

これで機能領域ができています。機能領域は、ユースケース・モデルの最も基本的なビルディング・ブロックを表します。これで、機能領域をユースケースで取り込むことができます。

ユースケースとモデル要素の間の関連の作成

機能を識別した後で、ユースケースをインポートし、ユースケース・モデルの構築を開始できます。

要求とモデル要素の間の関連を作成するには、次のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「口座処理 (Account Operations)」を展開し、「口座処理ユースケース (Account Operations Use Cases)」をダブルクリックします。
  2. ダイアグラム・エディターで、ノートを右クリックしてから、「図からの削除」をクリックします。
  3. 「要求エクスプローラー」ビューで、「ユースケース」フォルダーを展開し、「UC1 残高表示 (UC1 Display Balance)」「UC2 振込 (UC2 Transfer money)」、および「UC3 小切手換金 (UC3 Cash check)」ユースケースをダイアグラム・エディターまでドラッグします。
  4. ダイアグラム・エディターで、ユースケースをダイアグラムの中央に縦方向に整列させます。

(オプション) ユースケースの文書化

ユースケース・モデル・テンプレートには、モデルに関する追加文書を提供する「«perspective» 概要」と呼ばれる概要パッケージが含まれています。このステップはオプションであり、モデルには影響しないとはいえ、PiggyBank オンライン・バンキング・システムにおけるアクターおよびユースケースを編成して文書化する必要があります。

ユースケースを文書化するには、次のようにします。
  1. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「«perspective» 概要」を展開し、「コンテキスト図 (Context Diagram)」を右クリックしてから、「リファクター」>「名前変更」をクリックします。
  2. 図を名前変更するには、Architecturally Significant Use Cases と入力し、Enter キーを押します。この図には、プロジェクト内のすべてのメイン・ユースケースのリストが含まれることになります。
  3. 「構造的に重大なユースケース (Architecturally Significant Use Cases)」をダブルクリックします。
  4. 「モデル・エクスプローラー」ビューで、「口座処理 (Account Operations)」フォルダーを展開し、「残高表示 (Display Balance)」「振込 (Transfer money)」、および「小切手換金 (Cash check)」ユースケース要素をダイアグラム・エディターまでドラッグします。
  5. 前のステップでユースケース図に行ったのと同様に、ユースケースを図の中央に縦方向に整列させます。

プロジェクトの重大なユースケースを文書化することによって、このユースケース・モデルが読みやすくなりました。テキスト入力ツールを使用することによってタイトルを図に追加できます。これで、プロジェクトは次の図のようになります。

現在の PiggyBank モデル階層が表示されているモデル・エクスプローラー。

このモデルには機能領域が 1 つしか含まれていないため、「«ModelLibrary» ユースケース・ビルディング・ブロック」パッケージをプロジェクトから除去できます。パッケージを削除するには、そのパッケージを右クリックしてから、「モデルから削除」をクリックします。

続行するには、『演習 1.4: アクターの識別』に進んでください。

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