この演習では、新規 UML プロジェクトを作成し、ユースケース・モデル・テンプレートに習熟します。ユースケース・モデルではシステムの機能ドメインを記述し、システムに対して重要な機能、操作、およびタスクを識別します。要求の収集および分析フェーズ時に作成されているユースケース・モデルには、ユーザーがシステムと対話する方法が記述されているユースケース図が含まれています。
Rational® Software Architect には、ユースケース・モデル・テンプレートが用意されています。ユースケース・モデル・テンプレートは、文書およびナビゲーション・リンクが完備している正しく構造化された UML ユースケース・モデルの作成に役立ちます。テンプレートは Rational UML モデル構造ガイドラインに従って作成されており、ヒントおよびベスト・プラクティスが記述されているノートが含まれています。
これで PiggyBank と呼ばれる新規 UML モデリング・プロジェクトができました。このプロジェクトには、PiggyBank オンライン・バンキング・システムのモデルおよびデータのすべてが含まれることになります。モデルの構造は、「モデル・エクスプローラー」ビューでモデル・フォルダーを展開することによって探索できます。「モデル・エクスプローラー」ビューで図をダブルクリックして、ダイアグラム・エディターに図を表示できます。
ユースケース・モデル・テンプレートは、Rational UML モデル構造ガイドラインに従って構造化されています。ユースケース・モデル・テンプレートでは、完全な論理ユースケース・モデルの迅速な作成に役立つ、内部的に凝集性があり、疎結合した機能グループ化を中心にモデルが編成されています。モデルを作成する前に、機能タスクの観点からシステムに関して考えておく必要があります。この機能タスクに従って、システムはモデルを実行および編成しなければなりません。この編成は最も重要なシステムの目標の定義に役立ちます。これらの機能タスクは、しばしば機能領域と呼ばれ、ユースケース・モデルの構造の基本になります。例えば、PiggyBank オンライン・バンキング・システムにおいて、アプリケーションは、残高表示および振込などの共通の銀行業務を実行する必要があります。PiggyBank ユースケース・モデルには、アクター、関係、およびユースケース (共通の銀行業務が記述されている) を含む Account Operations と呼ばれる機能領域が含まれています。
ユースケース・モデル・テンプレートには、次のパッケージが含まれています。
パッケージ | 説明 |
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«perspective» 概要: | このパッケージには、ユースケース・モデルにおける基本アクターおよびユースケースに対するビューおよびナビゲーション・リンクが含まれています。 |
«ModelLibrary» ユースケース・ビルディング・ブロック | このパッケージには、モデルを編成するために使用できる基本的な機能領域構造が含まれています。このパッケージには、Functional.area ビルディング・ブロック、および use.case ビルディング・ブロックが含まれています。ビルディング・ブロック・パッケージには、機能領域に関与しているすべてのアクターおよび関係のほかに、機能領域と関連しているすべてのユースケースが含まれます。 |
多用途アクター | このパッケージには、複数の機能領域に関与している、すべてのアクターが含まれています。 |
既存のテンプレート構造および付属文書を使用して、機能領域を定義し、それらの機能領域を正しいユースケース・モデルに編成する際のガイドにすることができます。
引き続き『演習 1.2: (オプション) Rational RequisitePro® を使用したユースケースの表示とモデル要素との関連付け』に進んでください。