UCM を使用しない ALM の使用法

UCM を使用しないで、ALMBaseline と BTBuild レコード タイプを使用できます。

ClearCase® UCM を使用すると、ALMBaseline と BTBuild レコードは、ビルドに含まれるアクティビティを自動的に検出できます。ただし、UCM を使用しないシステムで、ALMBaseline と BTBuild レコード タイプを使用して、変更とアクティビティを管理することもできます。UCM 以外 という用語は、UCM 以外の構成やアセット管理ソリューションを使用するシステムのことを表します。

ALMBaseline レコードを作成する際、クエリーを使用してアクティビティのリストを特定してから、そのアクティビティを手動で ALMBaseline レコードに追加できます。

注: ALMActivity を ALMBaseline レコードに追加する際に、ALMActivity ID が有効でなければなりません。そうでないと、追加されたアクティビティで ALMBaseline を更新することができません。

ベースラインとビルドの作成

ALMBaseline レコードは、ベースラインにデータを保持するために使用されます。UCM 以外では、これはリポジトリに配置されるラベルにできます。このラベルは、プロジェクトの存続中は静的である必要があります。移動したり、再適用したりしないでください。

ALMBaseline レコードの一意のキーは、BaselineName フィールドと PvobOrLocation フィールドを組み合わせたものです。UCM では、PVOB が UCM プロジェクトのプロセス情報を保持します。UCM 以外では、PvobOrLocation がロケーションです。これはコンポーネントやプロジェクト領域にすることができ、これによりラベルが一意になります。例えば、別々にビルドされる 2 つのコンポーネント GuiCore があり、ナイトリ ビルド ラベルが一般的である場合は (NightlyBuild_2008Jan15 など)、以下のように BaselineName と PvobOrLocation の値を使用してベースライン レコードを作成できます。
BaselineName=NightlyBuild_2008Jan15  Location=Gui 
BaselineName=NightlyBuild_2008Jan15  Location=Core

ベースライン レコードが指定されると、1 つ以上のビルドがそこから派生します。例えば、3 つのプラットフォーム用にビルドする場合は、1 つのベースライン レコードに対して 3 つのビルド レコードが必要になります。

Libraries Ltd. は、ソフトウェア ライブラリ製作者です。 .jar ファイルを作成し、それらのファイルをグループ化したものをアーカイブとしてリリースします。会社の変更管理 (CM) システムは、ファイル ベースです。各 .jar ファイルは、コンポーネント として定義できます。.jar ファイルをグループ化したものを含むアーカイブは、オファリング として定義できます。コンポーネント チームの .jar ファイルは、ディレクトリに保管されます (例えば、Jar¥Gui_01.jar、Jar¥Gui_02.jar、...)。 コンポーネント レベルのテスト担当者は、各 .jar ファイルをコンポーネント レベルでテストします。どの (製品) オファリングの一部であるかについて、コンポーネントが必ずしも認識している必要はありません。オファリングは、コンポーネントを含むアーカイブ ファイルを作成したリリース エンジニア (またはビルダー) によって作成されます。オファリングは、ディレクトリに保管されます (例えば、Products¥Sparkle_01 や Products¥Dazzle_01)。製品レベルのテスト担当者は、アーカイブ ファイルと、アーカイブ ファイル内のすべての .jar ファイルを、製品レベルでテストします。

全体的な作業プロセスには、次のステップが含まれます。
  • ALMProject を作成します (例えば nonUCM_GuiJar と名前を指定)。
  • 要求について ALMRequest と ALMTask を作成します。
  • 開発作業について ALMActivity を作成します (例えばアクティビティ ID = ALM00000486 と指定)。
  • ALMActivity を完了します。開発者はコードを修正し、アクティビティを閉じます。
  • ALMBaseline を作成します。ビルダーは、jar ファイル GUI_Jar_02.jar を作成し、ベースライン レコード (GUI_Jar_02) を作成して、完了したアクティビティを追加します。 ビルダーは、(開発者カテゴリとリリースに基づいて) クエリーを実行してから、[結果セット] グリッドのタスクをクリックして、[アクティビティ] フィールドを表示できます。ベースラインが作成された後で、1 つ以上のビルドを作成できます。
  • ベースラインから BTBuild を作成します。ビルダーは、新規 BTBuild を作成します。これは、適切な ALMProject と ALMBaseline を参照します。BTBuild レコードの [アクティビティ] タブは、ALMBaseline に含まれるすべてのアクティビティを表示します。 BTBuild の [ALM] タブは、ALM ベースラインへの接続を表示します。
  • ビルドをテストします。テスト担当者は、ALMTask を表示して、新規機能が検出されるビルドを確認できます。

複合ベースラインの作成とは、既存のベースラインを取り出して、新規ベースライン レコードの [ベースラインで構成] フィールドに追加することです。例えば、製品レベルのベースラインには、すべてのコンポーネント レベルのベースラインを含めることができます。

この例では、[ベースラインで構成] には、コンポーネント ベースラインから GUI_Jar_02 のベースラインが組み込まれます。次にビルダーは、新規の Dazzle_01 ベースラインから、新規の BTBuild レコードを作成できます。これは、Gui コンポーネントからビルドを作成するために使用するプロセスと同じプロセスです。同じ ALMTask レコードが、製品レベルのテスト担当者に、新規機能を検出できるビルドを示します。


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