UCM (Unified Change Management: 統一変更管理) とは、ソフトウェア プロジェクト チームの作業の管理をサポートするプロセスです。 UCM では、Rational® ClearCase® と (オプションで) Rational ClearQuest® を使用して、 ソフトウェア構成管理のタスクを自動化し、障害と変更の追跡を行います。
UCM は、開発に伴う 3 つの概念に基づいて作業を編成します。
通常、ソフトウェア開発チームによって行われた作業は、プロジェクトに編成され、それらのプロジェクトはそれぞれサブプロジェクトを持ちます。 作業をプロジェクト単位で編成すると、以下の 3 つの目的に役立ちます。
Rational ClearCase と Rational ClearQuest に実装されている UCM の主な利点は、 そのプロジェクトがさらに高度な自動化とセキュリティを実現する正式なソフトウェア オブジェクトであることです。開発者が UCM プロジェクトに参加すると、 必要な正しいバージョンのファイルとディレクトリがその人のワークスペースに自動的に取り込まれます。
UCM は、コンポーネント を使用して、システム アーキテクチャの再利用可能な部分を構成するファイルとディレクトリのバージョンを編成および識別します。 コンポーネント ベースライン は、コンポーネント内の各ファイルの 1 つのバージョンを選択します。 ベースラインは、コンポーネントに関連付けられたファイルを識別するためのメカニズムを提供します。このメカニズムにより、ラベル付けによる識別よりも安定した信頼性が高い識別を行うことができます。 新しいファイルへのラベルの関連付け、新しいバージョンへのラベルの移動、選択したファイルからのラベルの削除を行うことができます。
ベースラインを作成すると、そのベースラインは変更できなくなります。それによって、ベースラインは常にコンポーネント内の各ファイルの同じバージョンを確実に参照することになります。 その後、ベースラインを使用して、より高度な構成を定義できます。 システム全体をコンポーネント ベースラインの集合で構成することもできます。
UCM は、アクティビティ ベースの変更管理モデルを使用します。 ファイルへの変更は、変更の理由に従ってグループ化されます。 ファイルをチェックアウトすると、その都度ウィンドウが表示され、 [アクティビティ] フィールドに、 そのファイルに変更を加える理由を指定するために 1 行の説明を入力できます。既存のアクティビティのリストから選択するか、新しいアクティビティを作成することができます。
UCM が Rational ClearQuest で使用可能な場合、 障害と変更の追跡プロセスがどれだけ厳密である必要があるかに応じて、 アクティビティは障害または拡張依頼になることもあります。UCM は、これらのタイプのアクティビティと、そのほかにユーザーが定義したアクティビティのすべてをサポートします。
このモデルを使用する場合、開発者はファイルをチェックアウトする前に、変更の理由を示す必要があります。 また、このモデルは、 特定の変更に関連付けられた複数のファイルを整合性のある単一の単位として統合します。たとえば、障害を修正する場合は、 C ファイルとヘッダー ファイルの修正が必要になる可能性があります。UCM は、変更管理システム内の 1 つのアクティビティ オブジェクトにファイルを関連付けます。 作業を完了したときに、アクティビティをチェックインすることによって、すべてのファイルをチェックインできます。 UCM は、アクティビティ レベルでシステムを通じて変更を移動します。 変更をプロジェクトに統合する準備ができた時点で、アクティビティをデリバーすることができます。
アクティビティとベースラインは連携します。多数の開発者がコンポーネントを変更すると、新しいベースラインが作成されます。 アクティビティとベースラインを使用することによって、ベースライン間の相違を識別するプロセスを自動化することができます。 この比較によって、変更されたファイルのリストとアクティビティのリストの両方が作成されます。 この情報を使用してリリース ノートを生成できます。また、この情報は、夜間ビルド後にテスターが実行する必要のあるリグレッション テスト項目の特定にも役立ちます。
UCM の詳細については、IBM Rational ClearCase Information Center を参照してください。