クラスター・メンバー設定

クラスターのメンバーを管理するには、このページを使用します。 アプリケーション・サーバーのクラスターはまとめて管理され、ワークロード管理に参加します。

ユーザーが作成する最初のクラスター・メンバーのコピーは、 クラスター・データの一部として保管され、 作成するすべての追加クラスター・メンバーに対するテンプレートになります。

クラスター・メンバーに対して行う個々の構成変更は、 クラスター・メンバーのテンプレートの構成設定には影響しません。wsadmin コマンドを使用すると、クラスター・メンバー・テンプレートを変更できます。または、「サーバー」>「クラスター」>「WebSphere アプリケーション・サーバー・クラスター (WebSphere application server clusters)」> cluster_name >「クラスター・メンバー」>「テンプレート」とクリックすることもできます。 テンプレートに対して行ういずれの変更も、 既存のクラスター・メンバーには影響しません。

この管理コンソール・ページを表示するには、「サーバー」>「クラスター」>「WebSphere アプリケーション・サーバー・クラスター (WebSphere application server clusters)」>cluster_name」とクリックします。

構成」タブで、フィールドを編集することができます。「インストール済みアプリケーション」をクリックして、このサーバーで実行中のアプリケーションの状況を表示することもできます。 クラスター・メンバーが実行しているときのみ表示される「ランタイム」タブに、 このクラスター・メンバーの情報を表示することができます。ただし、このページに表示される情報は読み取り専用です。 表示する設定を変更するには、「構成」タブに戻る必要があります。

ノード名

クラスター・メンバーが稼働しているノードの名前を指定します。

「構成」タブ

メンバー名

クラスター内のアプリケーション・サーバーの名前を指定します。ほとんどのプラットフォームでは、 サーバーの名前はプロセス名です。メンバー名は、アプリケーション・サーバー・ページにリストされているサーバーのいずれかの名前と一致している必要があります。

ウェイト

アプリケーション・サーバーに送信される要求の数を制御します。 サーバーのウェイトとして 0 から 20 までの値を指定しても、 サーバーに割り当てられるウェイトは、 サーバーに割り当てられたウェイトが分子、クラスターのすべてのメンバーの ウェイトの合計が分母となる比率となります。

新規メンバーをクラスターに追加すると、 そのクラスター内の各サーバーに送信される要求の数は減少します (クラスターに着信する要求の数が同一であると仮定した場合)。 同様に、クラスターから新規メンバーを除去すると、 そのクラスター内の各サーバーに送信される要求の数は増加します (クラスターに着信する要求の数が同一であると仮定した場合)。

例えば、メンバー A、B、および C から構成されるクラスターがあり、 それぞれのウェイトが 2、3、および 4 である場合、要求の 2/9 はメンバー A に割り当てられ、 3/9 はメンバー B に、4/9 はメンバー C に割り当てられます。 新規メンバー D がこのクラスターに追加され、メンバー D のウェイトが 5 であれば、 メンバー A は要求の 2/14 を取得し、メンバー B は 3/14、メンバー C は 4/14、メンバー D は 5/14 を取得することになります。

[z/OS] z/OS® では、一部のワークロード・タイプのバランスを取るためにウェイトが使用されますが、そのほかでは z/OS システムによってバランスが保たれます。
  • HTTP 要求の場合、HTTP トラフィックを Web サーバー・プラグイン とクラスター化されたアプリケーション・サーバーを処理するコントローラーとの間で 分散するためにウェイトが使用されます。 HTTP トラフィックを受信するアプリケーション・サーバーには高いウェイト値を割り当てます。
  • Web サービスの呼び出しの場合、情報はあるアプリケーション・サーバーのサーバントから別のアプリケーション・サーバーのコントローラーに転送されます。 呼び出しを受信するアプリケーション・サーバーは、最も高いウェイト値を持ちます。
  • ウェイトは Internet Inter-ORB Protocol (IIOP) 要求に何の影響も与えません。 IIOP 要求は、シスプレックス・ディストリビューターを使用して正しいアプリケーション・サーバーに配布されます。
データ型 整数
範囲 0 から 20
固有 ID

クラスター内で固有なアプリケーション・サーバーの数値 ID を指定します。 この ID は類縁に使用されます。

データ型 整数
データ型 16 進数
ショート・ネーム [z/OS]

このクラスター・メンバーのショート・ネームを指定します。このフィールドは、z/OS で実行している場合にのみ表示されます。

ショート・ネームは、デフォルトの z/OS ジョブ名であり、Workload Manager (WLM)、自動リスタート・マネージャー、SAF (例えば RACF®)、始動済みタスク制御などのオペレーティング・システム固有の機能に対してクラスター・メンバーを識別します。

クラスター・メンバーのショート・ネームを指定する場合、名前は、
  • 長さは 1 から 8 文字にする必要があります。デフォルトでは、z/OS で製品を実行している場合、7 文字のサーバー・ショート・ネーム (JOBNAME) が使用されることを想定しています。 使用しているネーミング規格で 8 文字が必要とされる場合、7 文字のサーバーのショート・ネームを 8 文字に延長することができます。
  • 大文字の英数字のみで構成する必要があります。
  • 数字で始めることはできません。
  • セル内で固有である必要があります。
  • 非クラスター・サーバーの ClusterTransitionName カスタム・プロパティーに指定された値と同じにすることはできません。クラスターの一部であるサーバーのクラスター遷移名は指定しないでください。

ショート・ネームを指定しない場合、システムは、セル内で自動的に固有となるデフォルトのショート・ネームを割り当てます。ご使用の命名規則に準拠させるように、生成されたショート・ネームを変更することができます。

データ型 ストリング
開発モードでの実行

このオプションを使用可能にすると、アプリケーション・サーバーの起動時間が短縮されることがあります。 これには、バイトコード検証の使用不可化やジャストインタイム (JIT) コンパイラーのコンパイル・コストの削減など、 Java™ 仮想マシン (JVM) 設定が含まれることがあります。 実働サーバーでは、 この設定を使用可能にしないでください。この設定は、バージョン 6.0 以降のセルで稼働しているアプリケーション・サーバー上でのみ使用可能です。

[iSeries] このオプションは、i5/OS® 環境ではサポートされていません。

開始時に JVM 設定 -Xverify および -Xquickstart を使用することを指定します。 このオプションを選択した後、構成を保管し、サーバーを再始動して開発モードを活動化します。

このオプションのデフォルト設定は false であり、 サーバーが開発モードでは始動しないことを示しています。 このオプションを true に設定すると、サーバーはサーバー起動時間を短縮する設定を使用して開発モードで開始されます。

データ型 ブール
デフォルト false
並列始動

複数のスレッドでサーバーを始動するかどうかを指定します。マルチスレッド上でサーバーを開始すると、サーバー・コンポーネント、サービス、およびアプリケーションは、順次ではなく並列に開始するので、起動時間が短くなる場合があります。

このオプションのデフォルト設定は true であり、 サーバーは始動時にマルチスレッドを使用することを示しています。 このオプションを false に設定すると、 サーバーは始動時に単一スレッドを使用するように指定されます。 これにより、起動時間が長くなる可能性があります。

アプリケーションが開始する順序は、ユーザーがそれぞれのアプリケーションに割り当てるウェイトに従います。 開始ウェイトが最も小さいアプリケーションが最初に始動します。開始ウェイトが同じアプリケーションは、パラレルで開始します。アプリケーションの開始ウェイトを設定するには、管理コンソールの「アプリケーション」>「アプリケーション・タイプ」>「WebSphere エンタープライズ・アプリケーション (WebSphere enterprise applications)」>application_name>「始動の動作」ページにある「開始ウェイト」フィールドを使用します。

データ型 ブール
デフォルト true
必要に応じたコンポーネントの開始

このクラスター・メンバーで実行中のアプリケーションが必要とするときにクラスター・メンバー・コンポーネントを開始させる場合は、このフィールドを選択します。

このプロパティーを選択すると、クラスター・メンバー・コンポーネントは 必要に応じて動的に開始されます。このプロパティーを選択しないと、クラスターの 開始プロセス中にすべてのクラスター・メンバー・コンポーネントが開始されます。したがって、このオプションを選択すると、開始プロセス時に開始されるコンポーネントの数が減るので、 起動時間が改善され、クラスター・メンバーのメモリー使用量が削減されます。

クラスター上でデプロイされるアプリケーションがすべて同じタイプである場合は、必要に応じてコンポーネントを起動することが最も効果的です。 例えば、使用中のアプリケーションがすべて、サーブレットおよび JavaServer Pages (JSP) を使用する Web アプリケーションである場合は、このオプションの使用は効果的です。 使用中のアプリケーションが、サーブレット、JSP、および Enterprise JavaBeans™ (EJB) を使用している場合は、このオプションを使用してもそれほど効果的ではありません。

トラブルの回避: 他の WebSphere® 製品との互換性を確認するには、このオプションのデフォルト設定を選択解除します。 このオプションを選択する前に、この製品と同時に稼働しているその他の WebSphere 製品が、この機能をサポートしていることを確認してください。 gotcha
64 ビット JVM モードでの実行 [z/OS]

アプリケーション・サーバーが 64 ビット・モードで実行するように指定します。これは、デフォルト設定です。 64 ビット・モードで実行すると、追加の仮想ストレージがユーザー・アプリケーションに提供されます。 このフィールドは、z/OS で実行している場合にのみ表示されます。

アプリケーション・サーバーを 31 ビット・モードで実行する必要がある場合は、この設定を選択解除することができます。

さまざまなサーバーを実行しているモード間に相互依存関係はありません。 したがって、サーバーのいくつかを 64 ビット・モードで実行し、いくつかを 31 ビット・モードで実行することができます。 ただし、最終的にすべてのサーバーを 64 ビット・モードで実行するように変換する必要があります。 それは、31 ビット・モードで稼働するサーバーに対するサポートが推奨されないためです。

内部サーバー・クラスへのアクセス

このサーバーで実行しているアプリケーションが多数のサーバー実装クラスにアクセスできるかどうかを指定します。

Allow」を選択した場合、アプリケーションは、ほとんどのサーバー実装クラスにアクセスできるようになります。 「Restrict」を選択した場合、アプリケーションは、サーバー実装クラスにはアクセスできません。 アプリケーションは、これらのクラスへのアクセスを試みると、ClassNotFoundException エラーを受け取ります。

通常の場合、このプロパティーには Restrict を選択します。 それは、ほとんどのアプリケーションはサポートされる API を使用し、どの内部クラスにもアクセスする必要がないためです。 しかし、アプリケーションが 1 つ以上の内部サーバー・クラスを使用する必要がある場合は、 このプロパティーの値として Allow を選択します。

このプロパティーのデフォルト値は Allow です。

クラス・ローダー・ポリシー

単一のクラス・ローダーですべてのアプリケーションをロードするか、 または異なるクラス・ローダーで各アプリケーションをロードするかを指定します。

クラス・ロード・モード

クラス・ローダーが、クラスをロードする際に、 最初に親クラス・ローダーを検索するのか、 あるいはアプリケーション・クラス・ローダーを検索するのかを指定します。 Developer Kit のクラス・ローダーおよび製品のクラス・ローダーの標準は、「最初に親クラス・ローダーをロードしたクラス」です。

このフィールドは、「クラス・ローダー・ポリシー」フィールドを「単一 (Single)」に設定した場合にのみ適用されます。

最初にローカル・クラス・ローダーをロードしたクラス (親が最後) (Classes loaded with local class loader first (parent last))」を選択した場合、アプリケーションは、親クラス・ローダーに含まれるクラスをオーバーライドできますが、オーバーライドされたクラスとオーバーライドされていないクラスを一緒に使用した場合、このアクションにより、ClassCastException またはリンケージ・エラーが発生する可能性があります。

「ランタイム」タブ

メンバー名

クラスター内のアプリケーション・サーバーの名前を指定します。ほとんどのプラットフォームでは、 サーバーの名前はプロセス名です。メンバー名は、アプリケーション・サーバー・ページにリストされているサーバーのいずれかの名前と一致している必要があります。

ウェイト

アプリケーション・サーバーに送信される要求の数を制御します。 サーバーのウェイトとして 0 から 20 までの値を指定しても、 サーバーに割り当てられるウェイトは、 サーバーに割り当てられたウェイトが分子、クラスターのすべてのメンバーの ウェイトの合計が分母となる比率となります。

新規メンバーをクラスターに追加すると、 そのクラスター内の各サーバーに送信される要求の数は減少します (クラスターに着信する要求の数が同一であると仮定した場合)。 同様に、クラスターから新規メンバーを除去すると、 そのクラスター内の各サーバーに送信される要求の数は増加します (クラスターに着信する要求の数が同一であると仮定した場合)。

例えば、メンバー A、B、および C から構成されるクラスターがあり、 それぞれのウェイトが 2、3、および 4 である場合、要求の 2/9 はメンバー A に割り当てられ、 3/9 はメンバー B に、4/9 はメンバー C に割り当てられます。 新規メンバー D がこのクラスターに追加され、メンバー D のウェイトが 5 であれば、 メンバー A は要求の 2/14 を取得し、メンバー B は 3/14、メンバー C は 4/14、メンバー D は 5/14 を取得することになります。

[z/OS] z/OS® では、一部のワークロード・タイプのバランスを取るためにウェイトが使用されますが、そのほかでは z/OS システムによってバランスが保たれます。
  • HTTP 要求の場合、HTTP トラフィックを Web サーバー・プラグイン とクラスター化されたアプリケーション・サーバーを処理するコントローラーとの間で 分散するためにウェイトが使用されます。 HTTP トラフィックを受信するアプリケーション・サーバーには高いウェイト値を割り当てます。
  • Web サービスの呼び出しの場合、情報はあるアプリケーション・サーバーのサーバントから別のアプリケーション・サーバーのコントローラーに転送されます。 呼び出しを受信するアプリケーション・サーバーは、最も高いウェイト値を持ちます。
  • ウェイトは Internet Inter-ORB Protocol (IIOP) 要求に何の影響も与えません。 IIOP 要求は、シスプレックス・ディストリビューターを使用して正しいアプリケーション・サーバーに配布されます。
データ型 整数
範囲 0 から 20
プロセス ID

このサーバーにネイティブ・オペレーティング・システムのプロセス ID を指定します。

プロセス ID プロパティーは、読み取り専用です。この値は、自動的に生成されます。

セル名

このサーバーが稼働しているセルの名前を指定します。

「セル名」プロパティーは、読み取り専用です。

ノード名

このサーバーが稼働しているノードの名前を指定します。

「ノード名」プロパティーは、読み取り専用です。

状態

このサーバーのランタイム状態を指定します。

「状態」プロパティーは、読み取り専用です。




マーク付きのリンク (オンライン) では、インターネットにアクセスする必要があります。

関連概念
関連タスク
関連資料
クラスター・メンバー・コレクション


ファイル名: urun_rwlm_member_inst.html