オブジェクト・キャッシュ・インスタンス設定

オブジェクト・キャッシュ・インスタンスとは、Java™ Platform, Enterprise Edition (Java EE) アプリケーションがデフォルトの共用動的キャッシュだけでなく、データを保管、配布、および共用できるロケーションのことです。 これにより、アプリケーションの柔軟性が向上し、キャッシュ・リソースを調整しやすくなります。このキャッシュ・インスタンスにアクセスするには、DistributedMap プログラミング・インターフェースを使用します。詳しくは、API 資料を参照してください。

この管理コンソール・ページを表示するには、「リソース」>「キャッシュ・インスタンス」>「オブジェクト・キャッシュ・インスタンス」>「cache_instance_name」をクリックします。

名前

リソースに必要な表示名を指定します。

JNDI 名

リソースの Java Naming and Directory Interface (JNDI) 名を指定します。 このキャッシュ・インスタンスへの参照をルックアップする際に、この名前を使用します。 結果は、DistributedMap オブジェクトを戻します。

説明

リソースの説明を明記します。このフィールドはオプションです。

カテゴリー

リソースを分類またはグループ化するためにカテゴリー・ストリングを指定します。 このフィールドはオプションです。

キャッシュ・サイズ

キャッシュが保持できるエントリーの最大数として、正の整数を指定します。 キャッシュ・サイズは、通常は 1000 単位です。

デフォルト 2000
範囲 100 - 200,000
デフォルト優先順位

キャッシュ可能なサーブレットのデフォルト優先順位を指定します。この値はエントリーがフル・キャッシュに保持される時間を定義します。

推奨値は 1 です。この範囲は、1 から 255 です。

ディスク・オフロードを使用可能にする

ディスク・オフロードを使用可能にするかどうかを指定します。

ディスク・オフロードを使用可能にしている場合、キャッシュが満杯であるのに新規エントリーが作成された時は、各エントリーに優先順位が構成され、最低使用頻度 (LRU) アルゴリズムが使用されて、メモリー内のキャッシュからエントリーが除去されます。 ディスク・オフロードを使用可能にすると、キャッシュから除去されたエントリーは、ローカル・ファイル・システムにコピーされます。 ファイルのロケーションは、ディスク・オフロード・ロケーションによって指定されます。

デフォルト false
オフロード位置

ディスク・オフロードで使用されるディレクトリーを指定します。

ディスク・オフロード・ロケーションが指定されていない場合は、 デフォルトのロケーションである ${WAS_TEMP_DIR}/node/server name/_dynacache/cache JNDI name が使用されます。 ディスク・オフロード・ロケーションを指定すると、 ノード、サーバー名、およびキャッシュ・インスタンス名が付加されます。 例えば、${USER_INSTALL_ROOT}/diskoffload は、 ロケーションを ${USER_INSTALL_ROOT}/diskoffload/node/server name/cache JNDI name として生成します。 この値は、ディスク・オフロードが使用可能になっていない場合は無視されます。

${WAS_TEMP_DIR} プロパティーのデフォルト値は、${USER_INSTALL_ROOT}/temp です。 WebSphere® Application Server の始動後に ${WAS_TEMP_DIR} プロパティーの値を変更しても、ディスク・キャッシュの内容を新しいロケーションに移動しなければ、次のようになります。
  • Application Server は、新しいディスク・オフロード・ロケーションに新規ディスク・キャッシュ・ファイルを作成します。
  • 「ディスクへのフラッシュ」設定が使用可能である場合に Application Server を再始動すると、 古いロケーションにあるディスク・キャッシュ・コンテンツがすべて失われます。
ディスクへのフラッシュ

サーバーが停止した場合に、メモリー内のキャッシュ・オブジェクトをディスクに 保存するかどうかを指定します。この値は、「ディスク・オフロードを使用可能にする」が選択されない場合は無視されます。

デフォルト false
ディスク・キャッシュ・サイズ (GB) の制限

最大ディスク・キャッシュ・サイズの値を GB 単位で指定します。このオプションを選択した場合は、正整数の値を指定できます。 このオプションをブランクにしておくことは、サイズを無制限とすることを示します。 この設定は、キャッシュの「ディスク・オフロードを使用可能にする」が指定されている場合にのみ適用されます。

0 から MAXINT。値 0 は、サイズを無制限にすることを示します。
ディスク・キャッシュ・サイズの制限 (エントリー数)

最大ディスク・キャッシュ・サイズの値をエントリー数で指定します。 このオプションを選択した場合は、正整数の値を指定できます。 このオプションをブランクにしておくことは、サイズを無制限とすることを示します。 この設定は、キャッシュの「ディスク・オフロードを使用可能にする」が指定されている場合にのみ適用されます。

0 から MAXINT。値 0 は、サイズを無制限にすることを示します。
ディスク・キャッシュ・エントリー・サイズの制限

個々のディスク・キャッシュ・エントリーの最大サイズの値を MB 単位で指定します。 これより大きいキャッシュ・エントリーは、メモリーから除去される際、ディスクにオフロードされません。 このオプションを選択した場合は、正整数の値を指定できます。 このオプションをブランクにしておくことは、サイズを無制限とすることを示します。 この設定は、キャッシュの「ディスク・オフロードを使用可能にする」が指定されている場合にのみ適用されます。

0 から MAXINT。値 0 は、サイズを無制限にすることを示します。
パフォーマンス設定

ディスク・キャッシュが必要とするパフォーマンスのレベルを指定します。 この設定は、キャッシュの「enableDiskOffload」が指定されている場合にのみ適用されます。 パフォーマンス・レベルによって、 メモリー・リソースがバックグラウンド・アクティビティーでどのように使用されるか、 例えば、キャッシュ・クリーンアップ、有効期限、ガーベッジ・コレクションなどが変わります。 この設定は、キャッシュの「ディスク・オフロードを使用可能にする」が指定されている場合にのみ適用されます。

High performance and high memory usage すべてのメタデータをメモリー内に保持することを示します。
Balanced performance and balanced memory usage メタデータの一部をメモリー内に保持することを示します。これは、デフォルトのパフォーマンス設定であり、多くのユーザーにとって、パフォーマンスとメモリー使用のバランスが最適となります。
Low performance and low memory usage メタデータを限定的にメモリー内に保持することを示します。
Custom performance 管理者が明示的に、上記のバックグラウンド・アクティビティーのサポートに使用されるメモリー設定を構成することを示します。 管理者は、これらの値を DiskCacheCustomPerformanceSettings オブジェクトを使用して設定します。
ディスク・キャッシュ・クリーンアップの頻度

ディスク・キャッシュ・クリーンアップの頻度を分単位で指定します。 値を 0 に設定した場合、クリーンアップが実行されるのは 深夜 12 時のみです。この設定は、 ディスク・オフロードのパフォーマンス・レベルが low、balanced、または custom の場合にのみ適用されます。 ハイパフォーマンス・レベルでは、ディスクのクリーンアップが必要とならないため、この値は無視されます。

0 から 1440
メタエントリーごとのキャッシュ ID の最大バッファー

メモリー内のディスク・キャッシュ・メタデータの、個々の依存 ID または テンプレートに保管される、キャッシュ ID の最大数の値を指定します。 この制限を超える場合、情報は、ディスクにオフロードされます。 この設定は、ディスク・オフロードのパフォーマンス・レベルが「custom」の場合にのみ適用されます。

100 から MAXINT
依存 ID の最大バッファー

メモリー内のディスク・キャッシュ・メタデータの依存 ID バケットの最大数の値を指定します。 この制限を超える場合、情報は、ディスクにオフロードされます。 この設定は、ディスク・キャッシュのパフォーマンス・レベルが custom の場合にのみ適用されます。

100 から MAXINT
テンプレートの最大バッファー

メモリー内のディスク・キャッシュ・メタデータに存在するテンプレート・バケットの最大数の値を指定します。 この制限を超える場合、情報は、ディスクにオフロードされます。 この設定は、ディスク・キャッシュのパフォーマンス・レベルが custom の場合にのみ適用されます。

10 から MAXINT
除去ポリシー・アルゴリズム

上限しきい値に達した場合に、エントリーを除去するためにディスク・キャッシュが使用する除去アルゴリズムを指定します。 この設定は、キャッシュの「ディスク・オフロードを使用可能にする」が指定されている場合にのみ適用されます。

なし 除去ポリシーはありません。このためディスク・キャッシュは、限界まで、つまり動的キャッシュ・サービスがディスクへの書き込みを停止するまで拡張する可能性があります。
ランダム ディスク・サイズが上限しきい値に達した場合、ディスク・キャッシュのガーベッジ・コレクターが起動し、ディスク上のエントリーをランダムに選択して、サイズが下限しきい値に達するまでそれらを除去します。
サイズ ディスク・サイズが上限しきい値に達した場合、ディスク・キャッシュのガーベッジ・コレクターが起動し、ディスク上の最も大きいエントリーを選択し、ディスク・サイズが下限しきい値に達するまで、それらを除去します。
上限しきい値

除去ポリシーがいつ実行されるのかを指定します。しきい値は、GB 単位、またはエントリー数でのディスク・キャッシュ・サイズに対するパーセンテージで表されます。 ディスク・サイズが上限しきい値の制限を超えると、ディスク・キャッシュ・ガーベッジ・コレクターが起動します。値が低い場合、ディスク・キャッシュ・サイズは GB 単位およびエントリー数によって制限されます。 この設定は、ディスク・キャッシュの除去ポリシーが「なし」に設定されている場合には適用されません。

1 から 100
下限しきい値

除去ポリシーがいつ終了するのかを指定します。しきい値は、GB 単位、またはエントリー数でのディスク・キャッシュ・サイズに対するパーセンテージで表されます。 値が低い場合、ディスク・キャッシュ・サイズは GB 単位およびエントリー数によって制限されます。 ディスク・キャッシュ・ガーベッジ・コレクターは、起動すると、ディスク・サイズが下限しきい値の制限に到達するまで、エントリーを除去します。この設定は、ディスク・キャッシュの除去ポリシーが「なし」に設定されている場合には適用されません。

1 から 100
リスナー・コンテキストの使用

リスナーの Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) コンテキストを使用して、登録済み無効化リスナーに無効化イベントを送信するには、この値を true に設定します。 コールバック用のリスナー J2EE コンテキストを使用する場合は、 この値を true に設定します。 コールバック用の呼び出し側スレッド・コンテキストを使用する場合は、これを false に設定します。

依存関係 ID のサポート

動的キャッシュ・サービスがキャッシュ・エントリーの依存関係 ID をサポートすることを指定します。 依存関係 ID を使用する必要がない場合は、このオプションを使用不可に設定します。 依存関係 ID は追加のキャッシュ・グループ ID を指定します。この ID は、複数のキャッシュ・エントリーをキャッシュ・ポリシー内の同じグループ ID に関連付けます。

このオプションは、WebSphere Application Server の旧バージョンで作成されたキャッシュ・インスタンスの場合は使用できないことがあります。

デフォルト true
キャッシュ複製を使用可能にする

キャッシュ複製を使用して、同じ複製ドメイン内の別のサーバーとの、キャッシュ ID、キャッシュ・エントリー、およびキャッシュ無効化の共用を使用可能に設定します。

このオプションは、WebSphere Application Server の旧バージョンで作成されたキャッシュ・インスタンスの場合は使用できないことがあります。

フル・グループ複製ドメイン

データの複製元となる複製ドメインを指定します。

データの複製元となる複製ドメインを指定します。 定義されたいずれかの複製ドメインから選択します。 リストされた複製ドメインがない場合は、クラスター作成時、 または「環境」>「内部複製ドメイン」>「新規」をクリックして、管理コンソール内で手動で複製ドメインを作成しなければなりません。 動的キャッシュ・サービスで使用するために選択された複製ドメインは、「全グループ・レプリカ」を使用しなければなりません。 複製コンシューマー間で複製ドメインを共用することはできません。 動的キャッシュは、セッション・マネージャーまたはステートフル・セッション Bean とは別の複製ドメインを使用する必要があります。

複製タイプ

このキャッシュ・インスタンスのグローバル共用ポリシーを指定します。

使用可能な設定は次のとおりです。
  • push と pull の両方」は、複製ドメイン内の他のサーバーに、新しく更新されたコンテンツのキャッシュ ID を送ります。 そのため、他のサーバーのいずれかがコンテンツを要求しており、 そのサーバーはあらかじめ更新されたコンテンツのキャッシュ・エントリーの ID を持っている場合には、 公開サーバーからのコンテンツを検索します。 あらかじめ公開されていない ID への要求が行われると、 サーバーは、ID がクラスター内に存在していないと判断し、新しい項目を作成します。
  • pull のみ」は、このオブジェクトに対するキャッシュ・エントリーを、必要に応じて、 複数のアプリケーション・サーバー間で共用します。アプリケーション・サーバーが、このオブジェクトのキャッシュの不在を認識した場合、 連携アプリケーション・サーバーに照会して、そのオブジェクトがあるかどうかを調べます。 このオブジェクトのキャッシュされたコピーがどのアプリケーション・サーバーにもない場合、 元のアプリケーション・サーバーは要求を実行してオブジェクトを生成します。 これらのエントリーには、シリアライズ不可データを保管できません。この共用モードはお勧めしません。
  • push のみ」は、複製ドメイン内の他のすべてのサーバーに新しいコンテンツのキャッシュ ID およびキャッシュ・コンテンツを送ります。
  • 共用しない」の共用ポリシーは、複製ドメイン内の他のサーバーと共用されないキャッシュ ID およびキャッシュ・コンテンツという結果となります。

クラスター化されていない環境でのデフォルト設定は、「共用しない」です。 複製を使用可能にする場合のデフォルト値は「共有しない」です。

複製を使用可能にする場合のデフォルト値は「共有しない」です。

push 頻度

新しいキャッシュ・エントリーまたは変更したキャッシュ・エントリーを他のサーバーにプッシュするまで待機する時間 (秒) を指定します。

0 (ゼロ) の値は、キャッシュ・エントリーを即時に送信します。 このプロパティーに 0 (ゼロ) より大きい値を設定すると、 時間枠内に作成または変更されたすべてのキャッシュ・エントリーが「バッチ」でプッシュされます。 デフォルトは 1 です。




マーク付きのリンク (オンライン) では、インターネットにアクセスする必要があります。

関連タスク
関連資料


ファイル名: udyn_cacheinstancescollection.html