トランザクション・サービスの設定を指定するには、このページを使用します。 トランザクション・サービスは、 複数のリソース・マネージャーに対する更新を調整してデータのアトミック更新を保証することのできる、 サーバーのランタイム・コンポーネントです。トランザクションは、アプリケーション、またはアプリケーションがデプロイされているコンテナーにより、 開始したり終了したりします。
この管理コンソール・ページを表示するには、「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > 「WebSphere Application Server」 > 「server_name」 > 「[コンテナー設定] コンテナー・サービス」 > 「トランザクション・サービス」をクリックします。
トランザクション・サービスがリカバリー用のログ・ファイルを保管するディレクトリーの名前をこのサーバーに指定します。 オプションで、トランザクション・ログ・ファイルのサイズを指定することができます。z/OS® プラットフォームの場合は、JTA パートナー・ログのロケーションを指定します。
例えば、複数のデータベースおよびリソースが単一トランザクション内でアクセスを受けるなど、アプリケーションで分散リソースまたは XA トランザクションが使用される場合にのみ、アプリケーション・サーバーのトランザクション・ログ・ファイルのディレクトリーを変更するためにこのプロパティーを設定します。
高可用性 (HA) 環境では、クラスター内の各サーバーのトランザクション・ログと補正ログの両方のためのディレクトリーが、固有のディレクトリーになっていなければなりません。
サーバー構成時にこのディレクトリーを指定しない場合、 トランザクション・サービスはインストール・ディレクトリーに基づいた デフォルト・ディレクトリー app_server_root/ tranlog/cell_ name/node_ name/server_ name を使用します。
アプリケーション・サーバー上で実行中のアプリケーションが複数のリソースにアクセスする場合、アプリケーション・サーバーはトランザクション情報を製品ディレクトリー内に保管して、 分散トランザクションを適切に調整および管理します。トランザクションの負荷が比較的大きい場合、 この方法でパーシスタント情報を保管するとアプリケーション・サーバーのパフォーマンスが低下する 可能性があります。これは、アプリケーション・サーバーが、オペレーティング・システム および基礎となるストレージ・システムに依存しているためです。 パフォーマンスを向上させるには、独立した物理的に大きめの容量のストレージ・システム上に、 ログ・ファイルの新規ディレクトリーを指定します。
RAID 構成では、物理メディアにデータを書き込むタスクが、複数のドライブで共用されます。 この技法により、トランザクション情報を記録するためのストレージに同時アクセスでき、 ログのデータにさらに高速アクセスできます。アプリケーションおよびストレージ・サブシステムの設計に応じて、10% から 100% までのパフォーマンスの向上が見込まれ、場合によってはさらに改善されます。
トランザクション・ログ・ディレクトリーを指定する場合、ファイル・システムで、 同期のライトスルーおよび書き込みシリアライゼーションの操作のみが使用されることを確認します。 AIX® JFS2 などの一部のオペレーティング・システムでは、 ファイル・システムが書き込み操作のシリアライゼーションを強制しないようにするための、 オプションの同時 I/O (CIO) モードをサポートしています。 これらのシステムでは、アプリケーション・サーバーのトランザクションの リカバリー・ログ・ファイルには、CIO モードを使用しません。
トランザクション・ログ・ファイルのサイズを指定する際には、ファイル・サイズ設定を含めます。 以下のいずれかのフォーマットを使用します。ここで、directory_name はトランザクション・ログ・ディレクトリーの名前、file_size はトランザクション・ログ・ファイルに対する新しいディスク・スペースの割り振りであり、KB (nK) または MB (nM) で指定します。指定可能なトランザクション・ログ・ファイルの最小サイズは 64K です。64K より小さい値を指定したり、ファイル・サイズの値を指定しなかった場合は、デフォルトの値 1M が使用されます。
;file_size <!-- This format keeps the default directory -->
directory_name;file_size
dir://directory_name/directory_name;file_size
/directory_name/directory_name;file_size
トランザクション・ログのサイズについて詳しくは、サーバーの可用性を最適化するためのトランザクション・ロギングの管理を参照してください。
データ型 | ストリング |
デフォルト | ディレクトリー名: app_server_root/tranlog/cell_name/node_name/server_name ファイル・サイズ: 1MB |
推奨 | RAID-0 構成で、ともに RAID に組み込まれた 3 つまたは 4 つ以上のディスク・ドライブを持つ ファイル・システムを作成します。 次に、このファイル・システム上 で、デフォルトのサイズのトランザクション・ログを作成します。 負荷がかかった状態でサーバーが稼働している場合は、ディスクの 入出力をチェックします。 ディスクの入出力時間が 5% を超える場合は、物理ディスクをさらに追加してこの値を抑えることを検討してください。 |
z/OS では、このログは XA リソースのリカバリーに使用されます。 WebSphere® 製品上で実行するアプリケーションが XA リソースにアクセスする場合、WebSphere 製品はリソースに関する情報を保管して、 XA トランザクションのリカバリーを可能にします。以下の構文を使用してください。
デフォルトは dir://app_server_root/tranlog/server name です。
トランザクション・ログ・ファイルのサイズを指定する際には、ファイル・サイズ設定を含めます。 以下のいずれかのフォーマットを使用します。ここで、directory_name はトランザクション・ログ・ディレクトリーの名前、file_size はトランザクション・ログ・ファイルに対する新しいディスク・スペースの割り振りであり、KB (nK) または MB (nM) で指定します。指定可能なトランザクション・ログ・ファイルの最小サイズは 64K です。64K より小さい値を指定したり、ファイル・サイズの値を指定しなかった場合は、デフォルトの値 1M が使用されます。
dir://directory_name/directory_name;file_sizeK
/directory_name/directory_name;file_sizeK
;file_sizeK <!-- This keeps the default directory -->
WebSphere Application Server バージョン 5 ノードをバージョン 6 に マイグレーションした場合、この構成プロパティーの保管ロケーションは、 サーバー・レベルからノード (サーバー索引) レベルへ移動されます。 バージョン 5 のアプリケーション・サーバーにデフォルトではないログ・ディレクトリー を指定した場合、トランザクション・サービス設定を再度保存して、 ログ・ディレクトリーをノード・レベルに保存することの確認を求めるプロンプトが出されます。
このサーバー上で開始されたトランザクション・サービスがタイムアウト完了処理を開始するまでに、そのトランザクションで許されているデフォルトの最大時間 (秒単位)。 このタイムアウトが発生するまでに完了処理を開始しないトランザクションは、すべてロールバックされます。
このタイムアウトは、アプリケーション・コンポーネントがその独自のトランザクション・タイムアウトを設定しない場合にのみ使用されます。
このタイムアウトの上限は、最大トランザクション・タイムアウトにより制限されます。 例えば、合計トランザクション存続期間のタイムアウトに 500 の値を設定し、最大トランザクションのタイムアウトに 300 の値を設定した場合、 トランザクションは 300 秒後にタイムアウトになります。
このタイムアウトを 0 に設定すると、タイムアウトは適用されず、最大トランザクション・タイムアウトの値が代わりに使用されます。
データ型 | 整数 |
単位 | 秒 |
デフォルト | 120 |
範囲 |
|
範囲 |
|
サーバーが前の WS-AT プロトコル・メッセージを再送するまでにインバウンドの Web Services アトミック・トランザクション (WS-AT) プロトコルに対する応答を待つ時間 (秒単位) を指定します。
データ型 | 整数 |
単位 | 秒 |
デフォルト | 30 |
範囲 | 0 から 2 147 483 647 |
リモート・クライアントからの各トランザクション要求間の 最大所要時間 (秒単位) を指定します。クライアントの非活動時間がこのタイムアウトを超過すると、 このアプリケーション・サーバーでトランザクションがロールバックされます。
この値を 0 に設定した場合、タイムアウト制限はありません。
データ型 | 整数 |
単位 | 秒 |
デフォルト | 60 |
範囲 | 0 から 2 147 483 647 |
このサーバーで実行するトランザクションのトランザクション・タイムアウトの上限 (秒単位) を指定します。この値は、トランザクション・タイムアウトの合計に指定した値以上でなければなりません。
タイムアウト設定 | 影響を受けるトランザクション |
---|---|
最大トランザクション・タイムアウト | このサーバーで稼働する、トランザクション存続時間タイムアウトの合計またはアプリケーション・コンポーネント・タイムアウトにより影響を受けないすべてのトランザクション。 これらのトランザクションには、このサーバー以外からインポートされたトランザクション (クライアントからインポートされたトランザクションなど) が含まれます。 |
合計トランザクション存続時間タイムアウト | このサーバーで発信したすべてのトランザクションで、アプリケーション・コンポーネント・タイムアウトにより影響を受けないトランザクション。関連付けられたアプリケーション・コンポーネントは、独自のタイムアウトを設定しません。 |
アプリケーション・コンポーネント・タイムアウト | アプリケーション・コンポーネント固有のトランザクション。
管理コンソールを使用してこのトランザクション・タイムアウトを設定することはできません。 コンポーネントがコンテナー管理 Bean の場合は、コンポーネントのデプロイメント記述子内でこのタイムアウトを設定します。例えば、Rational® Application Developer などのアセンブリー・ツールを使用できます。 コンポーネントが Bean 管理 Bean の場合は、UserTransaction.setTransactionTimeout メソッドを使用してプログラマチックにこのタイムアウトを設定します。 |
タイムアウトを 0 に設定すると、そのタイムアウトは適用されず、事実上、使用不可になります。 すべてのタイムアウトを 0 に設定すると、トランザクションはタイムアウトになりません。
タイムアウト設定 | 値 |
---|---|
最大トランザクション・タイムアウト | 360 |
合計トランザクション存続時間タイムアウト | 240 |
アプリケーション・コンポーネント・タイムアウト | 60 |
タイムアウトの発生を早く判別し、さらに多くのリソースがロックされることを防ぐため、 アプリケーション・サーバーは、タイムアウト状態が発生したトランザクション・パスで、 それ以上のトランザクション処理が行われないようにします。これは、現行トランザクション・コンテキスト下で作業を開始しようとする場合、および異なるトランザクション・コンテキスト下で作業を実行しようとする場合に、同じように適用されます。
データ型 | 整数 |
単位 | 秒 |
デフォルト | 300 |
範囲 | 0 から 2 147 483 647 |
範囲 | 0 から 2 147 040 |
アプリケーション・サーバーがコミットまたはロールバックなどの完了シグナルを再試行する回数を指定します。 再試行は、リソース・マネージャーまたはリモート・パートナーからの一時的な例外の後で、またはすべての Web Services アトミック・トランザクション (WS-AT) パートナーが応答する前に構成済みの非同期応答がタイムアウトになった場合に発生します。
アプリケーション・サーバーが再試行を中止した場合、リソース・マネージャーまたはリモート・パートナーは、リソースまたはパートナーのトランザクションの分岐が適切に完了されたことを確認する責任を負います。アプリケーション・サーバーは、(リソースまたはパートナーに代わって) ヒューリスティック障害を示す例外を出します。 コミット要求が出された場合は、トランザクションの開始元はコミット操作の例外を受け取ります。 つまり、トランザクションがコンテナー開始である場合は、コンテナーはリモート例外または Enterprise JavaBeans™ (EJB) 例外を EJB クライアントに戻します。
分散トランザクションの従属サーバーのリカバリー中にヒューリスティックな再試行の回数が制限を超えた場合は、ヒューリスティックな完了指示プロパティーによって、トランザクションの完了方法が指示されます。
データ型 | 整数 |
デフォルト | 0 |
範囲 | 0 から 2 147 483 647 値 0 (デフォルト) は、無制限に再試行することを意味します。 |
リソース・マネージャーまたはリモート・パートナーからの一時的な例外の後、コミットまたはロールバックなどの完了シグナルを再試行する前に、アプリケーション・サーバーが待機する秒数を指定します。
データ型 | 整数 |
デフォルト | 0 |
範囲 | 0 から 2 147 483 647
|
アプリケーション・サーバーが、1 フェーズ・コミット・リソースおよび 2 フェーズ・コミット・リソースの両方に関係のあるトランザクションからの about-to-commit-one-phase-resource イベントをログに記録するかどうかを指定します。
このプロパティーによって、ヒューリスティック・レポートのロギングが可能になります。 アプリケーションが、1 フェーズ・コミット・リソースを 2 フェーズ・コミット・トランザクションに参加させるように構成されている場合には、 アプリケーション・サーバー障害時のヒューリスティック結果のレポートには、トランザクション・ログに書き込まれる追加情報が必要です。 このプロパティーが使用可能になっている場合には、1 フェーズ・コミット・リソースおよび 2 フェーズ・コミット・リソースの両方に関係のあるそれぞれのトランザクションに、1 つの追加ログが書き込まれます。1 フェーズ・コミット・リソースに関係のないトランザクションには、追加レコードの書き込みは行われません。
データ型 | チェック・ボックス |
デフォルト | クリア |
範囲 |
|
ヒューリスティックな結果を伴うトランザクションを完了するのに使用する指示を指定します。アプリケーション・サーバーによってトランザクションをコミットまたはロールバックするか、管理者が手動で完了するかのいずれかを指定します。
このプロパティーは、上で説明した状態のトランザクションにのみ適用されます。
データ型 | ドロップダウン・リスト |
デフォルト | ROLLBACK |
範囲 |
|
このサーバー上のすべてのアプリケーションが、1 フェーズ・リソースを含む 2 フェーズ・トランザクションで、ヒューリスティック障害が起こる可能性を受け入れるかどうかを指定します。 この設定は、サーバーの最終参加者サポート (LPS) を構成します。 最終参加者サポートは、単独の 1 フェーズ・リソースが 1 つ以上の 2 フェーズ・リソースがある 2 フェーズ・トランザクションに参加できるようにする、 トランザクション・サービスの拡張です。
「ヒューリスティック障害の受け入れ」オプションが選択されていない場合、ヒューリスティック障害を受け入れるためにアプリケーションを個別に構成する必要があります。 アプリケーションの構成は、アセンブルするときか、デプロイメントの後に 「最終参加者サポート拡張設定」ペインを使用して行うことができます。
データ型 | チェック・ボックス |
デフォルト | クリア |
範囲 |
|
トランザクション・サービスのリカバリー・ログをオープンする際、ファイル・ロックを使用するかどうかを指定します。
データ型 | チェック・ボックス |
デフォルト | 選択 |
トランザクション・サービス・プロトコル・メッセージの機密保護機能のある交換を使用可能にするかどうかを指定します。
サーバーで WebSphere Application Server セキュリティーを使用可能にしない限り、 この設定には効果がありません。
データ型 | チェック・ボックス |
デフォルト | 選択 |
Web Services アトミック・トランザクション (WS-AT) または Web Services ビジネス・アクティビティー (WS-BA) 調整コンテキストを含むアウトバウンド要求に、デフォルトの WS-Transaction 仕様レベルを使用することを指定します。
WS-Transaction 1.1 または WS-Transaction 1.0 を選択できます。 これらの仕様について詳しくは、アプリケーション・サーバーの WS-AT サポートまたは WS-BA サポートに関するトピックを参照してください。
デフォルトの WS-Transaction 仕様レベルが使用されるのは、サーバーに必要な仕様レベルがプロバイダーのポリシー (WS-Transaction WS-Policy アサーション) から判断できない場合です。 例えば、ポリシー・アサーションがターゲット Web サービスの WSDL またはクライアントの WS-Transaction ポリシー・タイプから入手できないか、ポリシー・アサーションは入手できても両方の仕様レベルが適用できる場合です。
データ型 | ドロップダウン・リスト |
デフォルト | 1.0 |
外部 WS-Transaction HTTP(S) の URL 接頭部を選択または指定します。
HTTP サーバーまたは Proxy Server for WebSphere などの中継ノードを使用して、 Web Services アトミック・トランザクション・プロトコルまたは Web Services ビジネス・アクティビティー・プロトコルに 準拠した要求を送信する場合は、これらのフィールドの 1 つを選択または指定します。
WebSphere Application Server セキュリティーが使用可能であり、トランザクション調整許可が使用可能な場合に、HTTPS 接頭部が使用されます。それ以外の場合には、HTTP 接頭部が使用されます。
中継ノードがプロキシー・サーバーでない場合は、接頭部は、サーバーごとに固有である必要があります。
プロキシー・サーバーを使用している場合は、クラスターの各サーバーで同一の接頭部にすることもできます。 これは、プロキシー・サーバーが要求を転送するサーバーを動的に決定しているからです。
WS-AT および WS-BA サービス・エンドポイントに使用する外部エンドポイント URL 情報をリストから選択するには、このオプションを使用します。
データ型 | ドロップダウン・リスト |
デフォルト | なし |
WS-AT および WS-BA サービス・エンドポイントに使用する外部エンドポイント URL 情報をフィールドで指定するには、このオプションを使用します。
http://host_name:port
https://host_name:port
データ型 | ストリング |
デフォルト | なし |
管理者による手動完了を待っているトランザクション数を指定します。
手動完了を待機しているトランザクションがある場合は、「検討」 リンクをクリックして、 「手動の完了が必要なトランザクション」パネルに これらのトランザクションのリストを表示できます。
データ型 | 整数 |
デフォルト | 0 |
再試行されるリソースを持つトランザクション数を指定します。
再試行されているリソースを持つトランザクションがある場合は、 「検討」 リンクをクリックして、これらのトランザクションのリストを、 「リソースを再試行するトランザクション」パネル上に表示できます。
データ型 | 整数 |
デフォルト | 0 |
ヒューリスティックに完了したトランザクション数を指定します。
ヒューリスティックに完了したトランザクションがある場合は、「検討」 リンクをクリックをして、これらのトランザクションのリストを、 「ヒューリスティックな結果となるトランザクション」パネル上に表示できます。
データ型 | 整数 |
デフォルト | 0 |
インポートされて準備済みであるが、まだコミットされていないトランザクションの数を指定します。
インポートされ、準備済みではあるがまだコミットされていないトランザクションがある場合は、 「検討」 リンクをクリックして、これらのトランザクションのリストを、 「インポートされた準備済みのトランザクション」パネル上に表示できます。
データ型 | 整数 |
デフォルト | 0 |
マーク付きのリンク (オンライン) では、インターネットにアクセスする必要があります。