テーブルのデータを実動サーバーからステージング・サーバーにコピーする準備が整ってから、ステージ・コピー・ユーティリティーを使用します。 コピーできるテーブルは、ステージング・テーブルにリストされます。 また、カスタム・データを保管するために作成した新規テーブルも、カスタマイズされたテーブルのためのステージング・サーバーの構成を行った後で、すべてステージング・サーバーにコピーできます。
STAGLOG テーブルは、内部ログとして機能します。 ステージング・サーバーでテーブル中のレコードを変更すると、そのつどトリガーがこの変更を STAGLOG テーブル中に記録します。 変更済みのレコードごとに、トリガーはその変更タイプ (挿入、削除、または更新)、レコードが存在しているテーブルの名前、およびレコードの基本キーまたは固有索引を記録します。 ステージング・サーバーでデータベース・レコードの変更とテストを完了したら、 ステージ伝搬ユーティリティーを使用して、変更を実動サーバーに伝搬します。
ステージング・サーバーによってカバーされているデータベース・テーブルは、ステージング・セッションの間に、 実動データベース上で更新されてはなりません。 ステージ・コピー・ユーティリティーを使って実動データベースをステージング・データベースにコピーすると、 ステージング・セッションが開始します。 ステージ・コピー・ユーティリティーを使って別のステージング・セッションを開始すると、ステージング・セッションは終了します。 ステージ・コピー・ユーティリティーが実動データベースをステージング・データベースにコピーし終わると、 ステージング・サーバーによってカバーされているテーブルに関する限り、ステージング・データベースと実動データベースは同期されます。 テーブルが同期されると、実動データベースでのテーブルの変更は許されません。 ステージング・データベースを更新してから、ステージ伝搬ユーティリティーを使用するたけで、その変更を実動データベースに伝搬できます。 両方のデータベースを更新すると、潜在的なキー競合または参照整合性違反が原因で、伝搬は失敗することがよくあります。 ステージング・セッションの間に実動データベースを更新する必要がある場合は、ステージ・コピー・ユーティリティーを使用して、データベースを同期化し、新しいステージング・セッションを開始します。
ステージング・セッション中に実動データベースでテーブルが更新されないようにするには、 そのようなテーブルをサイト管理者のみの制御下に置かなければなりません。 場合によっては、ステージング・コピー後に、個々の顧客やマーチャントによって実動データベースのステージング・テーブルが更新されることがあります。 たとえば、ステージング・コピー後にマーチャントが実動データベースの OFFER テーブルを更新しないようにすることはできません。 そのような事態になると、ステージング・サーバーを使用できなくなります。 ただし、RFQ オブジェクトは例外です。 実動データベース上に RFQ オブジェクトを作成すると、実動データベース内の取引テーブルに行が挿入されます。 ステージング・データベースで契約を作成する場合は、ステージング・データベース内の取引テーブルに行を挿入することにもなります。 この場合ユーザーは、ステージング・データベースと実動データベースの両方で同じテーブルを更新することになります。
ステージング・サーバーには、RFQ オブジェクトを使用する際にいくつかの 制約事項があることに注意してください。 さらに、ステージ伝搬ユーティリティーを使用して変更を実動データベースに伝搬する前に、 ステージ検査ユーティリティーを用いて競合している可能性のある固有索引キーを探し、それらを訂正する必要があります。
消費者向けの典型的なビジネス・サイトではテーブルは、 構成データと操作データの 2 つのグループに分けることができます。 構成テーブルには、ストア、カタログ、カタログ・エントリー、言語、税、割引といったデータが入っています。 そのようなテーブルは、サイト管理者の管理下にあります。個々の顧客がテーブルを変更することはできません。 操作テーブルには、顧客情報、住所、オーダー、および SET 関連のデータなどのデータが入っています。 顧客は、操作テーブルを変更することができます。 ステージング・サーバーは、構成テーブルだけを担当します。 ステージング・サーバーによってカバーされているテーブルのリストについては、WebSphere Commerce ステージング・テーブルを参照してください。
また、ステージング・サーバーが担当するテーブルに、操作テーブルへの外部キー参照が入っていないことを確認することも重要です。 もし入っていると、実動データベースから基本キーが削除された可能性があるので、伝搬が失敗する可能性があります。 ステージング・サーバーを使用する前に、たとえばカタログ管理者などの個々のユーザーではなく、 組織だけが操作対象データを所有していることを確認してください。
ステージング・サーバーを使用する前に、次の点を認識しておく必要があります。
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